『会場の準備が整いました。選手及びご観覧のみなさんは会場までお越しください。』
アナウンスが流れ大和は会場に向かう。すると目の前に映っている物をそのまま言葉にした。
「・・・・・・・・・・砂山?」
みんながその会場に集まると学園長の声が聞こえてきた。
「それはワシが20年かけて考えた競技じゃ。」
『学園長!/じーちゃん!』
「胆力と知力を試す奥深~い協議での・・・・・その名『川神砂城崩』!!」
『かっ、川神砂城崩!?』
「交互に砂山を削り柱を倒したほうが負けという斬新な競技じゃぞい。」
・・・・・・・・
「大げさな名前ついてっけどようはアレだろ?公園の砂場でよくやった。」
「タダの棒倒しだね。」
「20年かけて考えた結果がこれか、じーさん・・・・」
キャップ、京、ガクトの順に痛烈な言葉を投げられる。学園長は全力で否定する。
「たっ・・・・・・タダの棒倒しとは違うぞい!」
大和は余計に盛り上げられた砂山を見て気付く。
「学園長、これってプレイヤーがするんじゃないんだよな。」
「おお気付いたか!その通りじゃ。山を崩すのは各部活の代表者じゃ。抽選で5つ部活が持ち札としてそれぞれに配られる。持ち札の『削り力』と『精密度』などを計算し山前面の任意の箇所を削らせることができる。」
『数値は久々に登場のボク、クッキーが計算するよ!』
「知力と加減の勝負か。」
「なかなか面白そうですね。」
「じゃっ・・・・じゃろっ!?」
大和と冬間がそう言うと学園長は明るくなる。
「よし。では対戦用に部活札を配るぞい。」
その結果2-Fはサッカー部、中国拳法部、女子テニス部、言霊部、骨法部。
それに対して2-Sはラグビー部、野球部、弓道部、茶道部、まゆっちであった。
「あっちゃ。」
「どうしたの大和?」
京が大和に尋ねる。
「こっちが負けたかもしれない。」
「え!」
京は大和の言葉に驚いた。
「まあ出来る範囲で抗うけどね。」
「待って大和。何で負けるって思うの?」
「相手に勝つ要素が強いからだ。それも二つある。」
「二つ?」
「一つは弓道部がいる事だ。柱を狙って傾けることが出来る。それともう一つはまゆっちだ。」
「まゆっち?」
「前にまゆっちの手を握ったときに剣ダコが出来ていた。それに歩き方の時点でかなり出来る。そして決定的なことがある。」
「それは何?」
「四天王なんだよ、まゆっちは。」
「え・・・・・・・・・」
「調べたら橘って人を倒したらしい。ま、抗ってみるよ。」
そう大和は言って勝負に入る。
途中までは互いの駒を使い砂を削るが冬馬が弓道部を使い柱を傾ける。それに対し大和が言霊部の京極を使い砂の量を稼ぐと冬馬はまゆっちを使った。四天王の実力は伊達ではなく、砂山を半分近く削った。これ以上抗うことを捨てた大和は清清しく負けた。
「あー、負けた負けた。でも、いい感じに抗ったぞー。」
大和は清清しい顔をしていた。そして大和は再び2―Sに取られた。
『それでは川神戦四回戦を開始します。テーマは『スピード』浮橋渡り!会場に浮かべられた足場を掛け渡れ!!もちろん海に落ちたら失格だ!』
「ここはキャップだな!」
ガクトがキャップに視線を向けるがキャップは片足に包帯を巻いていた。
「どうしたんだよおい!」
「いやー、さっき砂場で遊んでたら足くじいちまってな。」
「どーすんだよ!大和取り返せねーじゃねぇか!」
焦る2-F。しかしそんな彼らに救いの女神が現れた。
「ねえ、それ私が出てもいい?」
『へ?』
突然声をかけてきたのは黒の水着に白く薄いストールを巻いたチェインの姿であった。男子たちはチェインの胸に目が釘付けになる。
「あ、チェインさん。」
「や。なんか面白いことになってるね。」
大和の元にチェインが近づく。
「こっちに来るついでに少し楽しめって言われてこれを持ってきたけど似合うかな?」
「ええ、似合ってますよ。」
「ありがとう///////」
チェインは若干頬を赤らめる。その瞬間2-Fの生徒から殺気がこもった視線が向けられる。
「で、出てもいいかな?」
チェインは鉄心の問う。
「う~む、しかしのう・・・」
「いいんじゃないかジジイ。負けが見えた勝負よりも未知数の相手の勝負のほうが面白いじゃないか。」
「まあそうじゃのう。では今回は特別参加を許そう。」
「ありがとうね、おじいちゃん。」
「ほっほっほ、百代にも見習わせたいわい。」
「どーいう意味だジジイ。」
そんなこんなでチェインが参加することになった。
「う~ん、対戦相手が可愛そうだな。」
「ん、どーして?」
小雪が大和に問う。
「チェインさんはHLで生き残れる能力を持ってる。それをこの場で使うと勝負は見えたものだよ。」
大和がそう言った瞬間、競技が始まった。チェインは自分の能力を発動し身体を現段階ギリギリまで軽くすると一気に飛び、台の上に乗る。しかし台は衝撃をほぼ0のため大きく揺れることは無い。そしてあっという間にゴールした。
「わー、すごいねー。」
「あー、本気出してなかったなー。」
「あれでも本気じゃないの?」
「まあ、多分。じゃそういうことで。」
「ばいばーい。」
大和は再び2-Fに戻った。
『さて、これで残すところあと一戦!勝利の女神はどちらに微笑むか!』
「最終戦はすでに決定しておるぞ。テーマは『精神力』じゃ!」
学園長が会場に出てきて説明する。
「競技はワシが五十年かかって考え出した決闘法!!」
「またか!」
「更に年数増えたぞ!!」
「その前にあんた何歳だ!!!」
「その名も―――
『益荒男決定戦』!!!」
『益荒男決定戦!?』
「益荒男に必用なものは不動の精神力!それを競うのじゃ。」
「おぉ、川神学園ぽいテーマ!」
「どんな種目だ!?」
ワン子とクリスが興味心身になる。
「ククク、ではルールを説明するぞ。まず各クラスから男を一人選出し貼り付けにする。」
「はりつけ・・・・!」
「なんとい屈辱的なっ!」
「その状態で他クラスの女子の前に連行されるのじゃ。そして・・・・!」
皆が息を呑む。
「女子はあらゆる手段でその男を誘惑する!男はこらえる!股間が反応したら負けじゃ!反応するまでの時間が遅ければ遅いほど高得点。」
・・・・・・・・・やっぱりダメだこのジジィ―――――――――――!!
一同そう思った。
「判定装置で反応したと判断されると男の体に電流が流れる仕組みになっておる。こんな風に。」
学園長が視線を向ける先には十字架に貼り付けにされているS組担任の宇佐美先生が児島先生の水着姿に見とれていた。
「あー児島先生、水着がステ・・・・ほあぅっ!」
黒焦げになるほどの電流が流れる。
『危ねえよ!』
「さあ!代表者を選ぶのじゃ!」
F組側。
「で、どうする?」
「まずアンタ達はダメね。すぐ反応するから。」
千花がガクトたちを指差す。
『言い返す言葉が無い。』
「となると・・・・・・・・・・やっぱり大和君に頼るしか無いわね。」
「仕方ないか。じゃあ頑張ってきまーす。」
S組側
「先に自信をもって言わせていただきます。私は女性に囲まれた瞬間に電流ものですよ。」
「一見さわやかだけど股間が反応しますって言ってるよな、若・・・・・」
「はんのう?」
さわやかに辞退を表明している冬馬に準がツッコミをいれ、『反応』の単語に小雪が疑問を持つ。
「そうじゃ。九鬼英雄なぞよいのではないか?」
「む?」
不死川が英雄を推薦する。
「フハハハ、たしかに我はまごうことなき益荒男よ!」
「その通りです英雄様っ。」
「だが辞退する!貼り付けにされるなど恥辱でしかたないわ!」
「その通りです英雄様っ。」
英雄の言葉にあずみは相槌を打つ。君主に忠実なのは結構だ。
「だったら俺にいかせてくれ。」
そう言い出したのはロリコンハゲの準であった。
「井上!」
「俺も水着コンテストの借りを返したいんでな。安心しろ、俺は普通の女にはまず反応しねぇぜ。」
「アホか!そのかわりにそなたはロリには瞬殺ではないか!」
「いや。俺には秘策がある・・・・!」
『秘策?』
「ああ。だからまかせてくれ・・・・!」
『各クラス出そろったようじゃの・・・・・。それでは、益荒男決定戦・・・・はじめいっ!』
学園長の合図と同時に益荒男決定戦が開始される。
F組のヨンパチは委員長を連れて手ごわいS組の準を先に潰そうとする。
「さあ、こいよ。どんな色仕掛けでも俺は屈しないぜ?」
「テメーの弱点は熟知しているんだ。往生しろや。」
ヨンパチは親指を立てると下に向けて下ろす。
「委員長、はいこれキャンディ。この飴をぺろぺろ舐めて。」
「!」
「?」
「野郎・・・・・・まさか、なんておそろしい手を考えやがる!そんな者見せられた日には・・・・!」
「うーん?よくわかりませんけど。じゃあ、なめますね。」
ヨンパチの考えが分からないまま委員長は従う。
「あーん。」
「待ってくれ!それはッ・・・!」
「ん・・・」
(勝った――――!!)
Fクラスの誰もが思った。ロリコンハゲにとってこの行為は最大の弱点である。
「ん~♪はーん☆えへへ、甘いです~~~~☆」
しかしある異変に千花が気付く。
「ちょっとサル!電流が流れないわよ!?」
「バカな!どうなって・・・・ああっ!」
ヨンパチの目に映っているのは目を閉ざしている準の姿があった。
「コイツ・・・・・・!目をつぶっている!」
「ははは、どうだ!俺は確かにロリコンだが見えなければどうということはない!」
「ぐっ!しまった!単純だが恐ろしく効果的だ!」
「そしてこいつは委員長以外まず落ちない!打つ手がねえ!」
「ばーか。」
チェインがそう言った。
「目を瞑るってのは逆に想像力のほうが上がるのよ。」
チェインはそう言うと準の耳元でささやいた。
「想像してみて、小さな女の子が一緒に風呂に入って背中を流すって言ってきたらどう思う?」
「な、なんと素晴らしい!」
「更に彼方の彼方を見て大きいなんて言ったら?」
「すばらじぎゃあああああああああああ!」
準に電流が流れた。
「ま、この程度で満足したらまだまだ子供ね。」
一方大和はというと。
「待てと言っているのじゃ!」
「いやー、待てと言われても困りますなー。」
貼り付け状態で不死川たちから逃げていた。
「大体それ自体反則じゃろ!」
大和は血闘術を応用して血の足を作り逃げていた。
「ルールにこの技を使っちゃいけないって言ってたからね。使わせてもらうんだよ。」
「全く、頭がいいというか・・・・」
「ずる賢いよな。」
マルギッテの言葉にあずみが相槌を打つ。
「ん!いつの間にか全員電気を受けとるぞい。そこまでじゃ!勝者、2-F!」
鉄心のその声に2―Fから歓声が湧いた。
そして2-Fが2-Sから選んだ人間は――――
水上体育祭が終わった後の帰り道、大和はチェインと並んで歩いていた。
「チェインさん、今日はありがとうございました。」
「ん?なんのことかな?」
「浮橋渡りのときにタイミングよく助けてくれたことです。」
「ああ、あれ?丁度着替えたときに聞こえたからね。助けてもらった借りを一つでも返そうと思って。」
「借り?」
「部屋を掃除してくれた借りや料理を教えてくれた借り、命を助けてくれた借りとかね。」
「そんなことですか。でも助けるのは当たり前じゃないですか。」
「え・・・・」
チェインは大和の言葉にドキッとする。
「チェインさんも大事な俺たちの仲間ですよ。」
大和は笑顔でそう言うとチェインはフッと笑った。
「うん、そうだよね。でも大和君。」
「ん?」
「その優しさ、大事にしてね。」
「はい。」
二人の光景を後ろから風間ファミリーが見ていた。
「ぐぬぬぬ・・・・・・・大和とあんなにいちゃついて許せないんだ!」
「な、なんか京、恐いなー。」
嫉妬に燃える京にキャップは恐怖する。
「ま、アイツはあの人の好意に気付いて無いから大丈夫じゃねーの?」
「あはは、そうだね。」
ガクトが呑気に言うとモロが相槌を打つ。
「というかあの人胸おっきい!」
「そ、そうですね。」
「うむ。」
ワン子の言葉に頷くまゆっちとクリス。そんな中、百代はチェインを別の意味で見ていた。
(浮橋渡りの時のときのあの身のこなし・・・・・・・・気を使った感じは無かったが出来るな。だが体つきは戦闘向きでは無い。だが楽しめそうだな。)
百代は微笑んだ。
「あ、そういやチェインさん。コレを。」
大和はチェインにUSBを渡す。
「確かに受け取ったわ。じゃあね。」
「そういやちゃんと入国して入ったんですよね?」
「流石にね。じゃ。」
チェインはそう言うと上に飛び、屋根と屋根を飛び、去って行った。
(水着・・・・・・褒めてくれた///////)
赤くなった顔を夕焼けに照らしながらチェインは空港に向かった。
一応修正しましたが誤字があったら教えてください。