夏休み登校日、大和はいつもの朝練を終え朝食を摂ろうと居間に向かうと食事をしているゲンさんの姿があった。
「おはようございます、ゲンさん。」
「おお、おはよ。」
「もう皆行きましたか?」
大和がそう聞くとゲンさんは答えた。
「ああ。・・・・あ、クリスの奴がまだ起きてないな。」
「では私が起こしてきます。先に行ってて下さい。」
大和がそう言うとゲンさん返事をした。
「クリスの奴、マルギッテさんがいるのに寝ているのか?」
大和はそう呟きながらクリスの部屋の前に立ちクリスに呼びかける。しかし返事は返ってこない。大和は部屋の襖を開けるとそこには可愛いぬいぐるみに囲まれながらはだけた寝間着で寝ているクリスの姿があった。大和は少し頬を赤くしてしまう。
「コイツは厄介だな。」
大和は息を大きく吸い、大声を上げる。
「クリスー、起きろー!」
「のわぁああああああ!」
クリスは飛び起きる。その際はだけた寝まきから見えるクリスの肌と胸を見て思わすクリスに背を向けてしまう。クリスは何故大和がそのような行動をとったか分からなかったが自分の今の服装を見るなりすぐに分かり、耳まで赤くし悲鳴を上げると同時に大和の頭を何度も殴ったり叩いたりした。
「何で起こしに行ったのにこんな目に合うの、俺!」
「す、すまない。」
大和とクリス、そしてライトニングはフェニックスに乗り、川神学園に急いで向かっていた。
「しかし学校にバイク通学はいいのか?」
「事前に許可を取っているから大丈夫だ。」
「抜け目ないな。」
「まあ急用があって急ぐ時くらいしかバイク通学しないがな。」
大和はそう言いながら川神学園を目指した。
大和が教室に入るとガクトが地面に両手を付いて落ち込んできた。
「・・・・・・ナニがあった?」
大和の疑問にモロが答える。
「ガクトが昨日までにナンパして振られた人数が100人になったと発表したら周りから思いっきり失敗したことを当然のように言って心の芯を折ったからああなってるんだよ。」
その言葉に大和は納得した。
「まあ、当然の結果だな。」
「だよねー。」
放課後になると大和はフェニックスで帰ろうとしていた。そんな時大和に声を掛ける人物がいた。
「おっ、大和君かな?」
「ん?これは燕さんではありませんか。」
大和に声を掛けて来たのは燕であった。
「ん!それってもしかして大和君のバイク!」
「ええ、そうですが。」
「見せてもらっていい!」
「ど、どうぞ。」
燕は目を輝かせながらフェニックスを見る。
「へー、こんな形始めて見た。スピード出そうだし傾けてもエンジン部分は損傷しなさそうだねー。」
「ええ。そういう面でこのフェニックスはいいんですよ。それに俺の血闘術を纏わせやすいですし。」
「えっ!あれそんなことにも応用できるの!」
「ええ。と言っても長い時間纏わせることはできなくて短時間で片付ける時のためですけど。」
「でもすごいよね・・・・・血を武器にするなんて。」
「ええ。でも出来る人出来ない人と別れてて、結構少ないんですけど。」
「ふーん、そっか。ねえ大和君。」
「何でしょうか?」
「乗せてくれない?」
燕の言葉に大和は少し驚いた。
「どうしたそのようなことを?」
「なんとなくかな?」
「まぁ・・・・・いいですよ。」
大和は座席下の収納部分から予備のヘルメットを渡す。
「ちゃんと付けて下さいね。HLほどじゃないけど交通事故は危険ですから。」
「はいはい。」
燕はヘルメットを被り大和の後ろに乗る。
「じゃあ、行きますよ。」
大和はフェニックスのエンジンを掛け走らせる。
大和はただ川神の町を走らせる。
「結構速いね、バイクって。」
「ええ。車と違って体感スピードは速く感じますからね。でも制限速度守ってますよ。」
「そうなんだ。ねえ大和君。」
「なんですか?」
「向こうでの交通ってどんな感じ?」
「そうですね・・・・・・まあよく人身事故が耐えませんね。道路で殺し合いがあったり超魔道的なものとトラックがぶつかったりなんて・・・・・・・・・・・・普通ですね。」
「普通じゃないから!それ絶対普通じゃないから!」
燕が盛大なツッコミを入れる。
「まあ向こうじゃ生存率30%切る線路ありますし道路の方が安全と言ったら安全です。」
「ちなみに何%で?」
「45%。」
「半分近くしかないんだ!」
「多い方ですよ、向こうなら。それよりそろそろ帰らなくても大丈夫なのですか?」
「ん?ん~、そうだねー。」
燕は近くの電工時計を見る。
「そろそろお父さんがお腹空かしているだろうから帰るよ。」
「では送りましょう。」
「いいよ、送らなくて。」
「いえ、ここで女性を降ろすのは私の流儀に反するので。」
「じゃあ・・・・・・・・お言葉に甘えて。」
「わかりました。」
大和は燕を家まで送った。
「ありがとね、大和君。」
「いえ、コレくらいは当然のことですから。ではまた学校で。」
大和はそう言うとフェニックスを走らせる。
「まったねー。」
燕は去っていく大和に手を振った。
「はー。大和君ってなんか面白いんだよねー。」