F軍本陣は今S軍本陣とぶつかっていた。
「敵陣営が崩れているぞ!立て直させるな突っ込め!!」
『承知!』
クリスが敵に追い討ちをかけるように指示を出す。
「くっ、伏兵の白馬隊が加わって勢いがヤバイ・・・・!英雄逃げろ!ここは簿記三級の俺に任せろ!」
「逃げる!?」
準の言葉に英雄は反応する。
「王者が敵に背を向けると言うのか!我は退かぬ。」
「バカヤロウ!また同じ間違いを犯すつもりか!若の進言を聞かなかった責任を取れってんだよ!俺たち親衛隊に任せて退け!」
「!!・・・・・・・・・臣の言葉を聞くのもまた王者の資質か・・・・」
英雄は溜息を突く。
「撤退する!後方と合流して立て直すぞ。」
英雄が納得してくれたことに準は微笑む。
「大儀であったロリコン。」
「ほんとに感謝してんのかテメェ!」
ロリコンのレッテルは剥がれない準なのであった。
「逃がすな!ここで討ち取るんだ!」
「おっと、ここから先は行かせん。というかむしろお前たちを倒しちまうぜ?」
準から発せられる気に圧倒されるクリスたち。
「くっ・・・・・・!井上め。ロリコンのくせになんてプレッシャーだ!」
「おぉ―――――い!そこカンケーないよね!!」
その時であった。はるか遠くからビュッと何かが飛んでくる音が準の耳に入ってきた。
「ハッ!」
気付いたときには既に遅く準の左足に矢が当てられた。
「うぉぉっ!?そ・・・・狙撃!?いったいどこから・・・・!」
準は跳んできた方向を見るとそこには薄っすらではあるが京の姿が見えた。
「!!バカな!あんな距離からだろ!?そんなのありかよ!?」
その声が聞こえているのか京は
「うん、アリなの。ごめんね。大将をいるのに邪魔だったよ、親衛隊。」
と答えた。
「くっ、膝を受けてしまっては戦えんっ!ここまでかっ!」
準は覚悟を決めた瞬間悲鳴が空に消えていった。
マルギッテの部隊と英雄は合流した。
「無事ですか九鬼英雄。」
「おおマルギッテ。親衛隊が我を護るために身体を張った・・・・」
「建て直し再戦を挑みなさい。戦場の屈辱は戦場でしか晴らせないと知りなさい。」
「無論よ!方円を組みつつ下がるぞ!」
一方F組本陣ではある連絡が入った。
「大和!不死川隊を押さえようとしていた部隊がやられた!」
「やっぱりか。だがそろそろ・・・・・」
大和が考えている中、不死川隊隊長の不死川は優雅にお昼寝をしていた。
「――――先輩。不死川先輩!」
「にょっ!?」
「葵さんから伝令です!隊列を伸びきっているところで休んでいては奇襲の的だと・・・」
「奇襲?葵君の心配性じゃのぅ。F軍の白馬隊とやらはまだ中央じゃろ?それ以外の雑魚に簡単に此方の部隊が近づけるわけないの――――」
じゃと言いおうとした瞬間、ガクトがタックルをしてきた。
「そぉい!!」
「じゃ!?」
不死川は目の前の世界が斜め味方向いたことに一瞬と惑ったがそれはすぐに悲鳴に変わった。
「ぬわー!?」
不死川は自分がいた台座から転げ落ちる。
「ななななんじゃいったい何が・・・・・?」
だがそれは目の前にいた二人を見てすぐ分かった。
「!!!」
「疾風迅雷!F軍最速遊撃部隊黒龍隊参上っ!」
「タマぁもらうぜ不死川心!」
『キャップ、遊撃中に頼んでいい?』
『なんだよ大和?』
『おそらく不死川の隊でこっちは不利になるだろうからそっちの討伐に向かって欲しいんだ。』
『大和がそういうのなら分かるが・・・・・・賭けてもいいのか?』
『どうせ暴れるなら派手にいきたいだろ?だったら思いっきり驚かしてやろうぜ!』
「さすが大和!思いっきり驚かれるぜ!」
大和の読みに感心するキャップ。そんな黒龍隊に不死川は対応するように指示を飛ばす。
「おもれたかが一部隊っ!大群で包んでくれる!」
「それが先ぼう隊は進軍中で前方ですし後詰が車で時間が・・・・」
「あ゛・・・・」
自分の出した指示をすっかり忘れていた。
「いいか!敵大将のみを狙え!今なら届くぞ!」
「ぬわー!来るではないのじゃ!」
不死川に向かい黒龍隊が襲ってくる。
「心様をお守りしろ!」
「ディフェンスには自身があるぜ!」
心を護ろうと二人のディフェンサーは立ちはだかるが、
「「そぉい!」」
ガクトとキャップの連携タックルが炸裂しディフェンサーを吹き飛ばす。
「池上!」
「ぎゃーっ!強いー!」
「いたたたたっ!スミマセンスミマセンッ!」
次々と守りがやられていっていた。
「な、何の役にも立たない護衛なのじゃ・・・・」
不死川は恐怖する。
「さぁ覚悟しろコラァ!優しくしてやるぜぇ!」
「うわぁー!来たのじゃ!ゴリラに犯されるー!」
ガクトが襲ってくることに恐怖する不死川だが、
「・・・・なんてのぅ。かかったな!華麗なる背負い投げじゃっ。」
「うおぉぉぉぉぉ!・」
ガクトは不死川の攻撃範囲に入り背負い投げさせる。
「そしてすかざす風雅たる足がらみ。」
「いでぇぇぇぇぇぇ!?」
ガクトは足に大きなダメージを受ける。
「ホホホ、うかつじゃのうゴリラめが。」
「先輩!後詰めと合流して倒しましょう!」
「うむ!そのためにも今は・・・・・」
「退却ですよね。」
「違うのじゃ!未来への進軍なのじゃ!」
不死川は全身全霊で否定する。すかさず不死川は黒龍隊から遠のいて行った。
「!!目標が逃げるぞ。追えーっ!」
「させん!!」
「通さない!」
「邪魔すんじゃねぇ!」
キャップを止めようと立ちはだかるものがいるがドサクサに抱きついている女子もいた。
「くっ!」
キャップが見るほうには既に姿が見なくなっており、不死川の高笑い声だけが聞こえていた。
「ちきしょう、たおしきれなかった。だけど、まぁ進行は止めたぜ大和。」
キャップが後ろに向くと敵部隊がすぐそこまで来ていた。
「先ぼうのヤツらも駆けつけはじめている。ここらが限界か!退却するぜ黒龍隊!急がねーと逆にこっちが囲まれるぞ!」
『応!!』
そんな中一人ガクトだけは返事をしていなかった。
「どうしたガクト。退くぜ!・」
キャップはガクトの方を向くがガクトは苦い顔をしていた。
「・・・・ガクト?」
「ははは・・・・・すまねえキャップ。足をやられた――――――――走れねぇ。」
「なっ!?」
キャップは敵部隊の方を見る。
「もう敵がすぐそこまで来ている。ケガ人を抱えて逃げ切るのは難しい。ええい!しゃーねぇ!ここで派手に『キャップ!』なんだよ大和!」
『ガクト、聞こえてるな?』
「ああ。そっちは奇襲成功しているか?」
『ああ。それよりお前はどうしたい?仲間と一緒に戦うか?一人残って戦うか?』
「決まってんだろ。俺様一人で戦うぜ!」
「ざけんなよ!!俺は仲間を見捨てねぇぜ!!」
「俺様のために残る―――そりゃ大した美談だけどよ、悪ィがそんなの嬉しくねえんだよ。
俺様が、男として、友として頼んでんだぜ。行け!!」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
キャップは歯を強く食いしばり「わかった。」と答えた。
そしてキャップたち黒龍隊はその場から退却した。
「大和、回線切っといてくれ。」
『ああ。それとガクト、今の台詞はかっこよかったぜ。』
「へへへ、そんなこと言うな。それに俺は――――」
ガクトが見る方向にはS軍の部隊が来ていた。
「勝つ気マンマンだぜ!!」
ガクトは敵を蹴散らす。
「鍛え上げたこの肉体!倒せるもんなら倒して見やがれ!!」
ガクトとS軍部隊がぶつかった。
一方その頃F軍本陣は九鬼メイド部隊に襲われていた。委員長と千花は互いに抱き合い恐怖していた。
「まったく、面倒を掛けさせやがって。だがコレでもうお前を護るものはいない。さようならだな。」
あずみが止めを刺そうとした瞬間であった。
「――――いいえ、まだ終わっていません。」
「っ!」
あずみたちはこれまでにないプレッシャーを感じ取り動けなくなっていた。
(動けない・・・・!川神・・・・いやこれは・・・・・)
「ですから私が間に合いました。」
そこにいたのは刀を手にしているまゆっちであった。
「F軍剣士黛由紀江。もうしわけありませんが私・・・・・今少し怒っています。」
まゆっちの姿を見てあずみは警戒態勢を取っていた。
「なんだこいつ?」
「かっこつけやがって。」
二人のメイドがまゆっちに襲い掛かる。
「「殺!!!」」
二人のメイドは手に持っていた小刀で襲い掛かる。まゆっちは刀を一振りした。その瞬間宙を泳いでいた葉っぱが二つに斬れた。二人のメイドは勝ち誇ったかのように着地した瞬間気絶した。
「くっ!狙撃手ッ!こいつらを全方位から狙撃しろ!」
あずみが叫ぶが何の声も返ってこない。
「無駄ですよ。」
「なっ!・」
「この周囲の弓兵は全て倒させていただきました。」
「――――――――ッ!!だから襲撃後すぐにこなかったのか!?」
あずみの頬に汗が流れる。
「そちらの制圧隊のスピードが速すぎたのは誤算でしたがF軍の皆さんが粘ってくださいましたから・・・・・その心に報いるためにも本陣は――――私が守ります!」
まゆっちは覚悟ある言葉を発した。
「調子に乗るなよ一年が。単独の兵なら各個撃破出来たとしても・・・・・」
あずみが手を上げると九鬼メイド隊がまゆっち、委員長、千花を取り囲んだ。
「まだコレだけの清栄が残っているぞ。」
そんな時一人のメイドが突然倒れた。
「なんだと!」
あずみは驚きを隠せなかったがその正体はすぐに分かった。
「ライトニングちゃん!」
「キー!」
委員長が目を向けるとそこには三人を守る様に立ちはだかった。
「なんだこのサル?」
「見たことがありませんね。」
ステイシーと李はライトニングを見て警戒を弱める。そんなかあずみは大和が言っていたあの言葉を思い出した。
「(アイツはあのサル、ライトニングを音速猿と言ってた・・・・・・・・・音速?まさか!)
お前ら!油断するなそいつは――――」
あずみが言おうとした瞬間一瞬にして周りのメイドが倒された。
「なんだよ・・・・・こいつ・・・・」
「サルじゃ・・・・・・・・・ない・・・」
あずみ以外のメイドは力尽きた。
「なっ!(まさかここまでするとは・・・・・・・・・・・なんてヤツだ。だが、ここで引いたらアタシの面子が立たねえ。)」
あずみは目の前にいる敵の一人に的を絞った。
(『剣聖』黛の後継者!)
「キー。」
「まゆっち、ライトニングが“ご使命だって”よ。」
松風はライトニングの言葉を翻訳する。
「ではそうさせてもらいます。」
まゆっちはあずみに刀を向ける。
「やれやれ。このアタシが・・・・学生相手に真剣でヤルことになるとはなッ!」
あずみは小刀を両手に逆手で持つとまゆっちに接近し攻撃をするがまゆっちはそれを軽々と避ける。
「チィッ!(当たらねえ!)
その一瞬の隙をまゆっちは見逃さず剣を振り下ろしてくる。
「くっ!!!」
まゆっちの一振りがあずみのメイド服の左肩を掠めた。
「ははっ!チャンスに大振りとは実戦経験不足しているようだな!」
「キー。キキキィーキ。」
「“違うな。お前は今情けをかけられたんだぞ”だってよ。」
松風がライトニングの言葉を翻訳した瞬間あずみのメイド服の左胸部が破れる音が鳴り響いた。
「なっ!?うおぉおッ!・」
あずみは後ろに跳び距離を取る。
(掠っただけでこの威力だと!?こいつ・・・・・っ川神百代並か・・・・・・ッ!!鎖骨を持っていかれた・・・・・・!)
しばらく両者にらみ合ったがあずみは諦めたのか地面に向け煙玉を投げつけた。煙幕で目の前が見えなくなり煙が晴れるとそこにあずみはいなくなっていた。
「に、逃げたんですか?」
委員長が聞くとまゆっちは答えた。
「はい。でも手ごたえはありました。」
「キー。キキキ、キ、キーキ、キーキーキ。」
「“当然。鎖骨を外されたんだからしばらくは戦えないぞ、少なくとも今日は”だってよ。」
松風がライトニングの言葉を翻訳した。まゆっちは大和に連絡を入れる。
「大和さん、こっちはもう大丈夫です。」
『そうか。ならワン子たちの方に合流してくれ。』
「わかりました。」
S軍とF軍は激しくぶつかった。
「勢いはこっちだ!一気に押し込むぞ!」
「ガッテン!」
「白馬隊、突っ込むぞ!続け!」
F軍それぞれが大将の首を狙いに攻め込む。
「ふはははは!ここまで迫った蛮勇は褒めるに値するぞ庶民!」
英雄は感心をする。
「笑ってる余裕があるのか九鬼英雄!覚悟!」
クリスが英雄に襲い掛かる。しかしそれをマルギッテは許さない。
「させません。」
マルギッテがクリスの前に立ちはだかる。
「く!マルさんっ!!」
「一見同数に見えても一兵ごとの能力はこちらが上!落ち着けば受け流すことは容易と知りなさい!お嬢・・・・・白馬隊は私の隊が防ぎます!」
「はい!」
マルギッテの部隊は英雄を守る陣形を作る。
「―――さすがマルさん、防御も固いな!だが防ぐのは自分だけでいいのか?」
「そういうこった!」
「!」
響き渡ったキャップの声にマルギッテは気付く。
「F軍精鋭部隊は白馬隊だけじゃないぜ!黒龍隊参上ッ!!!」
「キャップ!」
「風間!?」
ワン子と英雄も気づいた。
「行くぜ野郎ども!ガクトの弔い合戦だ!!」
『おいおい、死んでねーぞ。』
大和が通信機越しにツッコミを入れる。
「雑魚に目もくれんじゃねえ!!狙うは九鬼の首ひとつだ!!」
黒龍隊が敵を蹴散らし英雄に一直線に攻め込んでくる。
「くっ、風間翔一か!(まずい!勢いがありすぎる!)第二小隊!大将の防衛に加わ・・・!!」
指揮をするマルギッテにクリスは剣を振るう。
「マルさんには自分の相手をしてもらうぞ!白馬隊!マルギッテ対に楽をさせるな!!」
「クリスお嬢っ・・・・!!(見事な指揮!成長なされました!)」
マルギッテは戦いながらもクリスの成長を喜んでいた。
「っ!?」
そんな時大和が何かに気付く。
「お前ら、来るぞ!」
『っ!?!?』
爆風といわんばかりの轟音を立てて戦場に四天王・川神百代が舞い降りてきた。
「おませたなおまえたち。あーそーぼ。」
一同百代とにらみ合いになるが、その場を打ち砕く二人が現れた。
「はぁああああああああああ!」
「っ!」
百代は腕を十字に組み、攻撃を凌いだ。
「やあああああ!」
そして体勢を立て直す隙を与えまいと後ろからもけりをかまそうとするが百代は身体を後ろに反らせ回避し、足を掴むと戻る反動を利用し回避する。
「揚羽さんに燕・・・・・・・ふふふ、四天王までも動かしたか、大和。」
一方大和は戦場に向かっていた。
「流石にあの場を何とか出来る戦力は残ってないから俺が行かないとヤバイだろ!」
大和は血闘術を使いスパイダーマンの如き速さで戦場に向かった。