斬り落とされたオルトロスの首は塵になり、斬られたところからまた頭が再生する。
「グルゥゥ・・・・」
「グァウ!」
オルトロスが一匹、大和に襲いかかってくるが大和は避け、断罪の血鎌を腹部に刺す。
「おらぁ!」
大和はオルトロスを地面に叩きつける。すると後ろからオルトロスが襲いかかってくる。
「ふっ!」
大和は上に跳び、バク宙すると、断罪の血鎌を血の鎌に変え、血の糸(フィデュサグ)を付け、オルトロスに突き刺す。大和の前からオルトロスが襲いかかってくるが大和は血の鎌を刺したオルトロスを血の糸で振り回し、ぶつける。しかしオルトロスにダメージは一切見られなかった。
「あの人が言ったこと本当だったんだな。でも一匹一匹相手にしていたら時間が足りねぇ・・・・・・」
大和がそう呟いているスクに吸う引きのオルトロスが襲い掛かってくる。
「我流血闘術、地獄千鎌刃(エンフェルサウザンドラーメ)」
大和は血の鎌を地面に突き刺し、血の鎌の刃を地面から突き出し周囲のオルトロスを真っ二つに斬る。襲ってきたオルトロスの内二匹は付け根の口から裂けていた。裂けた二匹は全体が塵になり、消えた。
「燃やすか真っ二つ、どうすっか・・・・・・・っ!」
大和が考えていると釈迦堂が持っていたMK3A2手榴弾を思い出す。
「よし、この作戦で行く!」
大和はオルトロスの方に向かい走る。大和を追いかけるように残りのオルトロスも追いかけていく。
(よし、そのまま着いて来い!)
大和は左の人差し指に仕込み指輪を嵌め、上に飛びながら斬る。
「我流血闘術、血の鞭鎌(ファウキュウレディソウエットデュサグ)」
いくつもの鞭上に鎌の刃が付いた武器を形成し、オルトロス全てに突き刺した。
大和は地面に着地すると一ヶ所に集めるために振り回す。
「おうりゃ!」
大和はオルトロス同士をぶつけ、一ヶ所に集めると、右手の血の鞭鎌を解き、右の袖に隠していた十字のメリケンを出し、地面に拳を突く。
「ブレングリード流血闘術、血楔防壁陣(ケイルバリケイド)」
オルトロスたちの動きを止めるようにいくつもの血の十字架によってバリケードが形成させる。
「釈迦堂形部!」
「っ!」
「お前の手榴弾を寄越せ!」
「な、なんでだ?」
「いいから!」
釈迦堂はしぶしぶMK3A2手榴弾を取り出す。すると大和はそれを血闘術の手で横取りすると安全ピンを噛み、一気に引き抜きオルトロスに投げる。
「塵になれ、クソ犬共!」
大和がそう言い放つと手榴弾は爆発した。
「結構火力あるなー。」
大和は手榴弾の威力に感心した。
「おーい、皆大丈夫かー?」
「あ、ああ・・・」
大和はワン子たちに近づく。しかし、大和の一連の行動に何も言えなかったクリスであった。
「あれ!百代姉さんは?」
「さ、さっき橘さんと戦うために移動したよ。」
「そっか。」
大和はオルトロスの方を見る。
「あー、後始末頼まねーとなー。」
「や、大和さん!」
まゆっちが話を切り出す。
「どうしたまゆっち?」
「さ、さっきの犬見たいのはなんなのですか!そ、それに殺していませんでしたか!」
「あー・・・・・・そーいやお前ら逃げなかったんだな。どーしよ。」
大和は後ろ頭を掻く。大和は解決策を考えようとした瞬間、血楔防壁陣が砕ける音がした。
『っ!』
燃え盛る炎の中、何かが辰子に向かい襲い掛かってくる。辰子は突然のことに身動きが出来なかった。辰子は目を思いっきり瞑るが痛みは無かった。辰子がおそるおそる目を開けるとそこには自分を庇って噛まれている大和の姿があった。
『大和!』
ワン子たちは声を上げる。噛んで来たのは十三匹のオルトロスが合体したオルトロスであった。
「こん・・・・・・・・のぉ!」
大和は噛まれた傷口から血の針を形成し、オルトロスを刺す。
「グァア゛ウ!」
オルトロスは大和から離れる。大和は片膝を付く。オルトロスは百代たちの方へと走り始める。
「ガハァ!」
大和は吐血する。
「だ、大丈夫?」
辰子は大和を心配し側に寄る。
「ど、どうして助けたの?敵だったんだよ?」
「確かに・・・・・貴方たちとは敵対しています。ですが、ヤツらに貴方達を襲わせる気はありません。それに、私は・・・・・・あの時の後悔を繰り返したくない!」
大和は足に力を込め、血を流しながら立ち上がる。
(手榴弾の火力じゃ無理なら・・・・・・・・対魔系の技をぶつけた方が効果的と見た!)
大和は血の糸で百代の下へ向かう。
「ぐぅう!」
「ふっ!」
百代と橘は激しく拳を交えていた。そんな時合体オルトロスが二人に襲い掛かってくる。
『邪魔だ!』
百代は気弾、橘はミサイルを放つ。
「なんだこいつは!橘さんは何か知っているんじゃ無いんですか!」
「こんな化け物知るか!お前の仲間が知っているんじゃないのか!」
二人が言い争いをしている内にオルトロスは立ち上がる。
「くっ!」
「アレを喰らってまだ立ち上がるのか!」
百代と橘が戦闘体勢に入ろうとした瞬間、十字の槍がオルトロスに刺さった。
『っ!』
槍の石突部分には十字の鎖が付いていた。
「ブレングリード流血闘術83式、突貫十字(ルーイクロイ)、19式十字鎖(クロイチェイン)」
大和は血闘術命を言い放つと合体オルトロスは引っ張り、弧を描きながら地面に叩きつける。
「おりゃぁ!」
「ギュガウ!」
合体オルトロスは悲鳴を上げるがケロッと立ち上がる。
「大和、そいつは何なんだ!」
百代が大和に問うが大和は答えようとしない。
「おい!」
「・・・・・・・・・姉さん、今ちょっと事情があって言えないけど、師匠からの許可があったらしゃべるから。」
大和はそう言うと左腕に籠手を付ける。
「ブレングリード流血闘術、推して参る!」
大和は構えると一気に合体オルトロスに接近し、左の拳をぶつける。
「はぁっ!らぁ!」
左、左、右とリズム良く拳を合体オルトロスに刻むが、オルトロス全く怯む気配が無い。
「グラゥ!」
合体オルトロスが身体を上げた瞬間大和は両脇を締め、言い放つ。
「ブレングリード流血闘術763式、永久消滅拳(ポイングディエクティキションエターナル)」
大和が両拳をオルトロスの胸部に叩き込む。オルトロスの胸部から十字の紋章が浮かび上がり、そこから塵になった。
「う・・・・」
大和は片膝を付いた。
「大和!」
百代は大和の下まで跳ぶ。
「大丈夫か!」
百代が大和に触れると手に濡れた物を触れる感触があった。百代は自分の手を見ると、そこには大和の血が付着していた。百代は驚きを隠せなかった。
「どうやら君の知り合いはとんだ存在のようだな。今日はここで引かせてもらう。」
そう言うと橘は煙幕を作りその場から姿を消した。
「橘さん!」
百代の声に彼女は答えなかった。
「・・・ゴメン、ギブ。」
大和はそう言うと意識を失った。
「あ・・・・あ・・・・あ゛――――――――――!」
百代は行き場の無い感情を声にすることしか出来なかった。