ある病院の一室。風間ファミリーはベットに寝ている一人男を見ていた。直江大和である。
「うっ・・・うっ・・・・!」
ワン子たちは泣いていた。大和はあの時から一向に目を覚まさない。
「おい大和!目を覚ませよ!」
「そうだよ!僕たちに説明してよ!」
「おい大和!」
キャップ、モロ、ガクトが声を掛けるが大和は反応しない。
「うわーん!大和―、私好きだったのにー!」
ワン子の泣きながらの告白に百代たちは驚く。
「じ、自分もお前を愛していたぞ!」
クリスも涙目で告白をする。
「大和さん、私も大和さんのことが好きです!」
「大和―!」
まゆっちも告白し、京は大和の名を叫ぶ。
「大和!あの時ヤツらのことや、お前が私たちの前から姿を消した理由を私達は聞いてないぞ!何とか言え大和!」
百代も大和に声を掛けるが大和は反応しない。そんな時、英雄、揚羽、あずみ、ヒューム、ステイシー、李の六人が大和の病室に入って来た。
「揚羽さん!それに九鬼も何で!」
「貴様!英雄様になんて口の聞き方を!」
「よせ!今はそれどころではない!」
ヒュームは百代を怒るが、英雄はそれを宥める。
揚羽は百代に問う。
「容態はどうなのだ、百代?」
「全く・・・・・・・昨日から起きる気配がありません。」
「そうか・・・・・・・・・百代。」
そんな時大和の携帯に電話が入った。
「ん?この着信音って大和のからか?」
百代は気づき携帯を手に取り、電話に出る。
「もしもし、大和は今出れないので代わりに出た百代ですが。」
『っ!貴方が噂に聞く武神・川神百代ですか。初めまして。電話越しですがわたくし、直江大和君の師匠のクラウス・V・ラインヘルツです。』
「こ、これはどうも・川神百代です。」
百代は電話越しにお辞儀する。すると大和が目を覚ました。
「んん・・・あれ?病院の天井?」
大和は身体を起こす。
『大和(さん/君)!』
「うおっ!」
大和は一同に詰め寄られ驚いた。
「みんなどうして・・・・・・・・て、あ!」
大和は昨日のことを思い出した。
「あー、一応言っとくけど昨日のことは―――」
『覚えてる!』
「デスヨネー。」
百代たちはそう答えた。
「でも事情を説明しようにもここは病院。携帯電話をつなげては切ってを何度も繰り返さなければ出来まい!」
「その点は大丈夫だ。時代の進歩とは早くてな、この病室は隣の病棟と隔離されているから電話をしていても大丈夫だ。」
「ガッデムシット!」
揚羽の説明に大和はショックを受ける。
「今日ほど技術の進歩を恨んだ日は無い・・・・・・だがしかし!師匠が許可をしなければ――――」
『許可しよう。』
「その声は師匠!なんで!」
『私がたまたま電話をしたらそこにいる川神百代さんが電話に出たのだ。それに一連流れは把握した。それに、我々の事を隠すのにはそろそろ限界があるだろう。』
「しかし!」
『大和君、君が仲間思いなのはよく分かる。だが、何時までも隠し通せるとは君も思っていないだろ?』
「・・・・・・・・・・ええ、まあ。」
『ならばここで打ち明けるとしよう。私はそれを提案する。』
クラウスのその言葉を聞いて大和は息を吹く。
「敵いませんね、師匠には。姉さん、携帯こっちに渡して。」
「ああ。」
百代は大和に携帯を渡す。大和は携帯を充電器に繋げ、スピーカーにする。
「えーと、何処から話しますか?」
大和が問うと揚羽が代表して発言する。
「では・・・・・君たちの組織を教えてくれ。」
「ええ、では教えましょう。我々は超人秘密結社・ライブラ。世界の均衡を影で活動しながら保たせる組織です。」
『そして大和君は日本に暗躍するある者を討伐するために日本に派遣しました。』
『っ!?』
一同その言葉に驚きを隠せなかった。
「えっと・・・・よーするに陰で闘うヒーロー見たいなもんなんか?」
「うーん、ヒーローとはいいがたいけどそんな感じかな。」
キャップの問いに大和はそう答えた。
「で、でもそんなに活躍しているならニュースとかになるんじゃ・・・・・」
「それがならないんだよ、モロ。」
「ど、どうして?」
「我々ライブラは人知れず戦っている。表立てしまうことは大抵事故や怪奇現象と言ったものに摩り替えられる。」
『それに、世界を大きく震撼させてしまうほどのことは大抵HLで起きる。』
『なっ!?』
クラウスの言葉にまたしても驚きを隠せ無い一同。そんな時ヒュームがあることに気づいた。
「直江大和、貴様は先程“ある者を討伐するために派遣された”と言ったな。」
「ええ。」
「それはなんだ?お前たちライブラが出るほどのものなのか?」
「・・・・・・・・・・正直に言いますと、ここに言いる全員で奴に挑んだとしても殺されるのがオチです。」
「っ!そいつはどんな奴だ!」
ヒュームの問いにクラウスが答えた。
「太古の昔から存在し、そして今も生きている者。我々はそいつらを血の眷属、ブラッドブリードと呼んでいる。」
「ブラッドブリード・・・・・・・・聞いたことがないな。」
ヒュームは顎に手を当てる。
「ヒュームさんの先祖が一度は対決した吸血鬼の元祖です。」
「なにっ!?」
ヒュームは大和の言葉に驚きを隠せなかった。
「ですが世間一般で知られている吸血鬼は地の眷属よりも何十、何百、何千万の一程度の実力しか持っていません。奴らには銀の銃弾、杭、十字架と言った一般的に知られている対魔術の武装はかすり傷程度です。」
「では貴様らには倒せると?」
『いえ、我々も先日まで血の眷属には苦戦を強いられてきました。しかし、新たに加わった仲間によって我々はヤツらに打ち勝つ術を見つけました。』
「そのかいもあって何体かは封印しました。」
大和とクラウスの言葉に一同感心を持った。
「で、お前はそいつを倒すために来たってわけだ。成程・・・・・・・だが弟、何でそいつをさっさと倒さないんだ?もしかして擬態が上手いのか?」
「違うよ、姉さん。ヤツらの見破る方法は簡単、鏡に映るか映らないかだ。でも、それを事前に防ぐほう方はいくらだってある。鏡に極力映らないか死体を被る。」
『し、死体!』
「うん、死体。実際使っている奴見たし。」
大和は普通に答えた。
「君に聞きたいことは粗方聞いた。ここから先は少々政治が関係する話だ。すまないが百代
以外は外に出てくれないか?」
揚羽の言葉に一同従い、一同外に出た。