「ふっ!」
大和は腕を交差させ、血の眷属に一気に接近し血の鎌(サイブデス)を振るうが血の眷属は両手の人差し指で止める。
「っ!」
「何を驚いている。コレくらいは序の口だ。」
血の眷属はそう言うと血の鎌を弾き返し、大和の胸に手を沿え、そっと押した。その瞬間大和は思いっきり吹っ飛ばされた。
「ぐぅぅあ!」
大和は体勢を立て直し着地するがダメージは生半可なものではなかった。
「やっぱコイツら嫌いだわ。」
大和はそう呟きながら立ち上がると血の鎌の刃を連続して血の眷属に投擲する。
「ははは、面白い面白い。」
血の眷属は髪の毛を変化させると血の鎌の刃を全て相殺する。
「ちぃ!」
大和は血の鎌を血のレイピア(レイブ)に変えると血の眷族に斬りかかる。
「らぁあああああああああ!」
連続して血の眷属に斬りかかる大和だが、血の眷属はそれを手で受け止める。
「くぅう・・・」
「あ―――、はっはっは。愉快愉快。」
「ふざけんな!」
大和は血のレイピアを血の鞭鎌(ファウキュウレディソウエットデュサグ)に変え血の眷族に絡ませると一気に後ろに跳びながら引いた。
「ふきゅっ!やるじゃん。でも・・・」
血の眷属は自身の腕を鋭い槍に変え、大和の肩に刺す。
「ぐぅっ!」
『大和(君/さん)!』
百代たちは声を上げてしまう。
同時刻のHL、ではK.Kを中心にしたライブラ戦闘部隊がオルトロスの大群を殲滅していた。
「954ブラッドバレッドアーツ、Electrigger 1.25GW」
K.Kがオルトロスに電撃を纏わせた銃弾をオルトロスに喰らわせる。
「グレネード!」
K.Kが指示すると戦闘員がオルトロスにグレネード弾を放つ。
「まったく。ザップがいてくれたら楽なんだけど――――」
「K.K!」
仲間の一人がK.Kに襲い掛かる三匹のオルトロスに気付き叫ぶ。
「ちっ!」
K.Kはハンドガンで応戦する。しかしこの時K.Kは二丁とも残弾1という事を忘れていた。ハンドガンは弾切れになったことに気付いた。
「しまっ!」
オルトロスがK.Kに喰らいつこうとした途端、空斬糸を付けた焔丸がオルトロスに突き刺さった。
「これって・・・・」
オルトロスは引っ張られると七獄で燃やした。
「ムシュルシェルシュ。ウシュルシャルフホホムフシャルフハ(未熟者めが。自分の状態を把握して無いなどゴミ虫以下だ。)」
「あ、あなたは・・・」
K.Kの目の前にいたのは裸獣汁衛賎厳であった。
「ワシャシュルモヌノルシャナバ、モシャクシャヘルジュギュボゲバ(我が弟子よりミジンコ一匹分マシな輩からの電話があったと思えば、こんなゴミ屑でも倒せる駄犬の始末とはがっかりだ)。」
「なんかことばよく分からないけど大和っちのことを言っているのだけは分かるわ。」
K.Kは裸獣汁衛賎厳が言ったことを大体理解した。裸獣汁衛賎厳が燃やしたオルトロスは徐々に再生をしていた。
「ゴムジュシュラ、ベジュニジャフギャギョ(駄犬のわりには、我が弟子より髪の毛一本分マシな生命力はあるな)。」
裸獣汁衛賎厳はオルトロスが何処まで粘るか楽しみながら戦闘を開始した。
一方日本では、大和が血の眷属に苦戦を強いられていた。
「かはっ!」
大和は弾き飛ばされ地面を転がる。戦闘が行われていた場所には大和の血が飛び散っていた。
(直江大和はよく耐えている方だ。正直、私でもあの化け物に勝てる見込みは無い。精々12秒程度しか戦えん。)
ヒュームは冷や汗を掻きながら大和の戦いを見ていた。風間ファミリーや九鬼一同、釈迦堂たちも一緒に。釈迦堂たちは逃げようとしたが大和が血の眷属と戦うのを見ようと思い、不用意に近づき今に至っている。
「あはは、人間手面白いよねー。昔っから異界から出てきた僕らのような存在に対し服従じゃなくて抵抗を選ぶ。ま、勝てないんだけどね。」
「お前・・・・・・っ!大和、私も――――」
「来るな!」
百代が参戦しようとするが大和は止める。
「やはりあの噂どおりか。」
「あの噂?」
百代は大和のことばに疑問符を浮かべる。
「三年前のあの日、我々を倒す術がなかった“牙狩り”は無謀にも戦いを挑んだ。運良く生き残ったものの、結局守りたかった人間を守れなかった。その日から躍起になって強さを求めた。ただ誰かを守るために。」
「・・・・・・・・・ああ、そうだよ。」
「ま、そんなことしても意味が無い。どうせ死ぬのだからな。」
「・・・・・・・・そういやこんな言葉聞いたことばあるな。“お前達にとって無駄なあがきだが、我々にとってこの時間は貴様らを葬るための希望の時間”って。」
大和は血を流しながらそう言った。そしてその側をチェインが心配そうに見ながらカメラに撮影していた。
「何を言いたいが分からないが―――――――死ね。」
血の眷属は大和に槍に変えた腕を心臓に突き刺そうとした瞬間であった。
ドスッ
『っ!?』
一同、血の眷属の胸に刺さった血の刀に驚きを隠せなかった。
「斗流血法 刃身ノ壱 焔丸、刃身ノ弐 空斬糸 」
その技を使ったのは人間の屑で知られているザップであった。
「おらよっ!」
ザップは空斬糸を引っ張り大和から血の眷属を離すと、ツェッドが三叉槍を血の眷族に向け投げる。
「斗流血法シナトベ刃身ノ五 突龍槍 」
「やるぞ!」
「言われなくても!」
二人は同時に技を放つ。
「斗流血法カグツチ 七獄 」
「斗流血法シナトベ 天羽鞴 」
二人の合体技が血の眷属を燃やした。
そんな二人を余所にクラウスは大和の側にしゃがみ、大和に問う。
「大丈夫かね、大和君。」
「ええ。丁度ナイスなタイミングでしたよ、師匠。」