えーと、今回で最後です。正直短い期間で完結できるとは思っていませんでした。
やってみようと思ったことに思いっきり打ち込むのが私の性格です。この作品を見てライターが増えると嬉しいです。
コレを呼んでいてこれとコレを組み合わせたいとかこの展開をこうしたいとかそんな人がいたらやってみたらいいと思います。
ではOVAをどうぞ。
空を飛ぶ九鬼のプライベートジェット機。搭乗員には英雄、揚羽、あずみ、風間ファミリー、そして大和であった。
「おっ!見えたぜ!」
窓の外を見ていた松風が声に出すと風間ファミリー一同は窓の外を見る。窓から見えるのは、霧が掛かった町、元・紐育ことヘルサレムズ・ロッドであった。
「すっげー!でっかい雲!」
「つーか何でここだけ?」
「あっ!なんか飛んでるよ!」
「霧が掛かった町と聞くとロンドンを連想するがこれはこれでありだな。」
「わっ!なんだかおっきいのもいますね。」
「辛いものあるかな?」
「ほーう、中々骨のあるヤツらがいるな。」
キャップ、ガクト、モロ、ワン子、クリス、まゆっち、京、百代の順に口を開いた。
「おい大和、戦ってもいいか?」
「ダメだから姉さん。こっちの世界じゃ人権なんてゴミ屑同然で殺されるから。」
『ドンだけ治安最悪なんだ!』
一斉に口を揃えて言った一同。だが、HLに常識は通用しない。非常識こそが常識なのだ。
「皆様、わざわざここまでご足労頂きありがとうございます。」
空港で出迎えてくれたのはクラウスとK.K、そしてチェインであった。
「皆、クラウスさんとチェインさんは知っているけどこの人は知らないよね?紹介するよ。ライブラHL支部所属のK.Kさん。」
「はーい、よろしくねー。」
K.Kは笑顔で手を振った。
「て、聞いてもいいかしら?」
「なんですかK.Kさん?」
「この娘達、この服で行かせる気?」
K.Kは制服姿の百代たちを見てそう言った。揚羽に関しては機内の個室でドレスに着替えたため問題は無かった。
「ええ。本来であればドレスを用意させたいのですが、彼女たちは学生で―――」
「だったらよかった!」
「へ?」
大和は間抜けな声を上げる。
「チェイン、貴方も一緒にアタシに着いて来なさい。」
「は、はい・・・」
「すみません、K.Kさん。どういうことなのか説明をお願いします。」
「簡単よ大和っち。」
『(大和っち!?)』
K.Kの口調に一同驚きを隠せなかった。
「折角行くんだからドレスを着ないと!手分けでこの子達ドレスアップするから。」
K.Kはそう言うと百代たちを掴み、行ってしまった。チェインは着いて行く形であった。
「おい大和、いいのか?」
「いやまぁ・・・・・・・・常識人だから大丈夫だよ。」
ガクトの言葉に大和はそう答えた。
ライブラが所有するある場所。そこはVIPとの食事の際に必要な服が保管されていた。男女、年齢、性別、人種と言った様々な人がいるためその時のために合わせた服が置いてあった。
「うーん、チェイン、やっぱアンタもドレス着なさい。」
「ええっ!私はこっちの服のほうが――――」
「シャッラ――――――プッ!」
『っ!?』
K.Kの声に一同驚いた。
「今回ばかりはアンタもドレスアップにしなさい!出ないと差を付けられるわよ!」
「差を・・・・」
チェインは百代たちの方を見る。まだ高校生にも関わらすいい身体をしている彼女たち。
「付けられる・・・・・」
今度は自分の身体のほうを見る。彼女たちには劣らないが、彼女たちに無いものもあった。
「・・・・・・・分かりました、着ます。」
「よっし!」
K.Kは彼女たちに合ったドレスを選び、試着させる。
そんな中百代がチェインに尋ねた。
「なあ、えっと・・・・・・・・チェインさんでよかったけ?」
「ええ。川神百代さん。」
「なんだかかたっくるしいから百代呼んでくれ。」
「あ、じゃあ私も皆から言われてる一子かワン子で!」
「自分もクリスと気軽に呼んでくれ。
「わ、私もまゆっちとでも行ってください。」
「・・・・・・・京でもいいよ。」
百代に一同も続いた。
「うん、わかった。それで百代さん、何か聞きたかったんじゃないの?」
「おー、そうだった。アンタ、大和に惚れているんだろ?」
ボフンッ
チェインの顔が一気に赤くなり、湯気が出ていた。
「な、ななななな・・・・・!」
「あー、落ち着け。私達も同じだから。で、ちょっと聞きたいんだが・・・・・・・・・・何で大和に惚れたんだ?」
「え、えっとそれは―――」
「あっらー。いいこと聞くじゃない百代ちゃん。実はねー。」
「け、K.Kさん!」
「いいじゃない。どうせ言及されることなんだし。それとも貴方の口から話してみたら?」
「うう・・・・」
逃げれない状況にチェインは折れ、惚れるまでの経緯を話した。
時間が過ぎ、待ち合わせの場所ではスーツに着替えた大和たち風間ファミリー男性陣と英雄達、ライブラメンバーが待っていた。
「なあスティーブンさん、その傷かっこよくね?」
「はは、そうかい?」
「おう!男の勲章みてーな感じだ!」
キャップはスティーブンと親しくなっていた。
「やっぱ女ってのは胸が一番だよなー。」
「おお、わかってんなー。だがな、それはDTでの話だ。実際に相手にすっとそーでもなくなるぜ。」
「マジっ!」
ガクトはザップと女性の話しで盛り上がっていた。
「この町で暮らすのって大変じゃないですか?」
「ああ、分かります?こっちだと色々ツッコミ要素が多くって。」
「でも大和がいい加減に慣れたらって言ってましたよ。」
「あはは・・・・・・・・・何にも言い返せないや。」
モロはレオナルドと話をしていた。
「君は半漁人と聞いているが、その首に付けているヘッドホンは何か意味があるのか?」
「ええ。私はえら呼吸をするためコレが無いとマトモに呼吸が出来ません。」
「水の中でも行動できるとは言えど難儀であるな。」
英雄と揚羽はツェッドと話をしていた。
「どうやら彼らは思った以上に友好的なようだね。」
「友好的過ぎて問題を起こすこともありますがね。」
「だが、いい子達だ。我々は彼らのようなこの未来を守るために動いている。」
「そうですね。」
そんな話をしているとK.Kたちが来た。
「おっ待たせー。」
K.Kの声の方を向くとそこにはドレスアップした百代たちの姿があった。
百代は紺、ワン子は赤、京は蒼、クリスはピンク、まゆっちは黄緑、チェインは紫のドレスを着ていた。
「おお・・・」
「コレは我がファミリーの女子ながら・・・・」
「レベル高いね。」
ガクト、キャップ、モロの順に口を開いた。
「大和っち、どうよ!」
「うん、皆綺麗だよ。それぞれの個性に合った色が引き立てられてて可愛いよ。」
『はうっ!?』
「?」
大和のことばに胸を打たれた百代たち。だが本人はそれに全く気付いていない。
「なあザップさん、アイツのジゴロって昔っからか?」
「ああ。俺が知っている中でも昔っからだ。」
ガクトのことばに相槌を打つザップ。
「何でアイツモテんだろーな。」
「ガクトがムサイからじゃない?」
「何か言ったかモロ?」
「イタイ、臭い、キモイ!」
ガクトはモロにフェイスクローをする。
「ザップさんの場合は人間の屑ですからね。」
「そうおですね。」
「んだと陰毛頭に魚類!」
ザップはレオナルドとツェッドにキレる。
「はいはい、皆もう準備できたんだから乗りましょ。」
「そうだな。」
K.Kの言葉にクラウスは答え、一同は車に乗った。
車で移動し、着いた場所は霧が掛かった町の中で孤立している場所。その建物へは一本道を通らなければ辿り着けない場所。建物の門で異界の支配人と従業員二人が出迎える。
「ようこそ。異界の特異点、ヌーベルキュイジーヌアゥデラーデ(新異界料理の店)、モルツォグァッツァへ。」
百代たちは肩に力が入った。無理も無かった。高級な店には誰一人として行ったことは無い。英雄と揚羽、あずみは普段そう言った場に行く機会があるため慣れてはいるが、それとはまた違ったものがあった。
「では皆様、どうぞ中にお入り下さい。」
支配人に促され一同は店内に入る。中は忠誠の屋敷よりも歴史を感じさせるものであり、何処か威圧感もあった。
「な、なんかすごいね。」
「そ、そうですね。」
ワン子の言葉にまゆっちは相槌を打つ。
「流石にこれは仕方ないね。(でもこの後が恐いんだよな~。)」
支配人に促され食事の間に案内され、一堂席に座る。テーブルに置かれたグラスに大人組みはシャンパン、その他には高いジュースが注がれた。
「この度、皆さんライブラの活動によって我が国は救われました。感謝します。」
「いいんです、いいんです。」
「こちらの思想で動いているだけですから。」
揚羽の言葉にクラウスとスティーブンはそう言った。
「では、乾杯。」
一同グラスには言った飲み物を口に運ぶ。
「前菜のインスマイクシオのカルパッチョです。」
ウェイターが料理を運び、クロッシュ(半円のふた)を開け、前菜が姿を表した。食欲を掻き立てるいい匂いに、思わず涎が出てしまうほどであった。
一同料理を口に運んだ瞬間、衝撃が走った。コレまでに食べたことの無い味に薄っぺらいプライドなど紙くず同然であった。思わず叫びそうになる風間ファミリーだが、ギリギリで理性を保った。
(な、なんだこれは!)
(美味いなんて言葉じゃ足りない!)
(辛いのよりも美味しい!)
(今まで食べたことが無い味!)
(異界と現世の最高料理、大和さんがあの時言っていた意味が今分かりました!)
『皆、向こうで料理を食べることに一つ注意と言うかアドバイスだ。向こうの料理はおいしすぎる。故に正気を保ってくれ。』
英雄、揚羽、あずみも料理を口にしているが正気を保っていた。
(成程、こういう事か。)
(うむ、コレは美味いな。)
(流石英雄様!これほどの料理をお口にしながらも平然としておられています!)
あずみの場合は別の意味で正気を保っていた。
「流石ですね。」
「ああ。」
大和の言葉にクラウスは相槌を打つ。
(また料理長は腕を上げたな。流石だ。)
(ここまでの料理の腕を上げるのに何度試行錯誤をしたのであろうか。)
二人の着眼点はズレていた。
時間が経って一同はモルツォグァッツァを後にした。途中、あまりの美味しさに脳内麻薬が発生し、気持ちが高ぶったがそこは大和とクラウスが拘束して危機を回避した。最終的に正気を保っていたのはクラウス、大和、揚羽、英雄の四人だけであった。英雄への愛を通したあずみだが、その抵抗はあの料理の前では多少の抵抗はあったものの打ち砕かれた。そのことに関してあずみは謝罪が、英雄はこう言った。
「我もあの料理には理性を削られた。何より良くぞアソコまで正気を保った。誇りに思え。」
その言葉を聞いた瞬間あずみは天にも上る勢いで感情が高ぶったのであった。
「さて、と。ドウスルのクラっち?私達のオフ会の場所に行くの?」
「いやそれは―――」
K.Kの言葉に百代が反応した。
「なんですか、それは?」
「ああ。実は今日のレストランで寛げなかったらオフ会の場所で楽しもうって話があったの。まあ気軽にダンスとかする程度だけど。」
「なんだか面白そーだなー。俺たち風間ファミリーも行っていいか?」
「来るんだったらもちろんオッケーよ!」
キャップがK.Kの話しに乗った。結果、風間ファミリー一同と英雄達はオフ会で親睦を深めた。
翌日、百代たちとチェインが大和に抱きつくように寝ていてひと悶着があったのは別の話である。