川神学園の体育祭は夏季に行われる。内容はランダムに選ばれるが今年は――――
「水上体育祭だ――――――――――ッ!」
百代は水着姿で思いっきりはしゃいでいた。」
「水着だー!女子の!!スク水だー!!!いやっほぉおおおおおおおおおお!!!!」
百代は人一倍はしゃいでいた。理由はパワーバランスが崩れるから参加させてもらえないからである。故にその特権として個人の水着を着ている。
そんな百代を余所に大和はスティーブンと電話していた。
「え!チェインさんが日本に!」
『ああ。報告書はメールでも大丈夫かと思ったんだけどそっちで血の眷属による日本支部の壊滅があったからね。チェインに行かせたんだ。』
「そうなんですか。今日俺がこっちにいるのは?」
『伝えているよ。なんだかチェイン張り切っていたけぶぎゃ!』
「す、スティーブンさん!」
『ごめんねー、大和っち。今スティーブン取り込んでるから出られなくなったって。』
「そ、そうですか・・・・・・じゃあK.Kさん、切りますね。」
『はーい。またねー。』
大和は電話を切った。そして心の中でスティーブンに黙祷した。そんな大和に百代が抱きついてくる。
「おーい弟、なーに携帯で話してたんだ?」
「向こうでお世話になった人からの電話だったんだよ。今日ちょっと用事があってその人が来るって。」
「ほー。女か?」
「普通女子なら男でしょうが・・・・・・・・・・まあ女性だけど。」
「なに!」
百代は喰いついて来た。
「写真は!」
「この人だよ。」
大和はチェインの写真を見せる。写真はチェインが大和に思いっきり近づいて大和とツーショットである。
「中々いい身体をしているな。それにおっぱいもデカイ!」
「間違っても襲わないでよ。あの人に追いつける人、多分いないから。」
「ん?私でも追いつけないのか?」
「不可視の異名を持つからね。」
そんな話をしているとガクトがプルプルと身体を震わしていた。
「どうしたガクト?」
「ど・う・し・ただと~!何この年上の人と密着して写真撮ってんだ。」
「ああ、納得。」
「納得すんな!」
ガクトは大和から一旦距離を取ると勢いを付けて飛び蹴りをしてくる。
「死ね大和―――――――!」
「・・・・・・・ふむ。」
大和はガクトと目をあわせずに片腕の拳を連続して繰り出す。
「ぐげ、ぐぼ、ぐお、ぐ、ほぐ、ぐは!」
声に出すよりも多く大和は拳を繰り出す。そして額とは空中で静止した状態から砂にキスをしそうになるがその前に大和が片足を出して猫ブラーンな状態になっていた。
「おーい大和―・・・て、ガクトなにやってんだ?」
キャップがガクトを見る。
「おお、キャップ。丁度よかった。こいつを預かってくれ。」
「なんかよく知らんがわかった。」
キャップはガクトを預かる。そんな時2-Sの生徒三人が近づいてきた。
「ちょっとよろしいですか?」
「ん?」
眼鏡を掛けたイケメンが話し掛けてきた。
「直江大和君ですか?」
「ええ。彼方は?」
「申し送れました。私は葵冬馬。こっちは榊原小雪、こっちのは井上準です。」
「ユキでーす。よろしくー。」
「準だ。まあよろしく頼むわ。」
「これはどうもご丁寧にどうも。」
大和はお辞儀をすると冬馬もお辞儀をする。
「しかしどうして私の方へ?」
「ええ。実は私達の方で少しお願いがありまして。」
「ほう・・・・・ですがそれは私達の委員長である甘粕真与さんに言うべきでは?」
「確かにそうですが貴方のほうに真っ先に話したく思いまして。」
大和と冬馬が話していると真与が近づいてきた。
「あれ?大和君に葵さんどうかしたんですか?」
「丁度良かったです。F組委員長甘粕真与さん。実は私達の方から川神戦役を申し入れます。」
『か・・・・・・川神戦役だってーッ!』
「って何それ?」
ワン子一人だけがその意味をわからなかった。
「それはS組委員長である我が説明しよう。」
九鬼秀雄が仁王立ちをして現れる。
「川神戦役とは5つのテーマごとに抽選で競技を決め、総合力を競うシステムである!勝利するごとに相手クラスから人材を1名奪えることになっており、敵戦力の要を自軍に引き入れることが出来るのだ!」
わかりやすい説明ありがとうございます。
「我のクラスとF組は普段からいさかいが耐えぬゆえ、一度決着を付けたいと申し出があってな。」
英雄が視線を向ける方向にはニヤニヤといやな笑いをしているS組がいた。先頭には不死川が立っている。
(くっくっく・・・・・個人では不覚を取るもあるやもしれんが川神戦役は総合戦力。S組が遅れを取るなどありえんのじゃ・・・・!)
不死川が内心で勝機を確信していた。
「どうする委員長?」
「お姉さんはそういうのは・・・・・・負けたら誰か取られてしまいますし。」
「ですよね!ホラおめーら!F組委員長が嫌がってる!散れ!!」
「そなた、どっちのクラスじゃ・・・・・」
準が委員長を庇う。
(優しいよりも・・・・・・・・・・・ロリコンか。)
大和は準のことを少し把握した。
「ま、確かに負けて編入させられたらあっちじゃ奴隷みたいな扱いされるだろうね。」
モロがネガティブ発言をすると千花が変な妄想をする。
「!・・・・・じゃあきっと私を指名するわ!」
「アタイ肉奴隷にされちまうよ!」
千花の言葉に連れられて黒子も妄想をする。だがそんな発言をする中ワン子だけがポジティブ発言をする。
「勝てば何も問題ないわっ。アタシはS組と勝負したいわね!ぜひとも!」
「よく言ったワン子!俺もやるぜ。相当キツそーだが面白ぇ!大勝負だ!」
ワン子の言葉に感心したキャップは思い切った発言をする。
「俺も賛成だ。勝てばS組の美女をGETだぜ!」
「はーい!榊原小雪が欲しいでーす!」
「ちょっ、ここは冬馬くんでしょ!」
ガクト言葉にヨンパチも連れられるが千花は葵の方を選ぶ。
「みんなやるっていってるけど・・・・・・・・」
「うう・・・・・・うちの子たちは好戦的なのです。」
委員長はどんよりと暗い顔をする。委員長は溜息を吐きながらも「仕方がありません。」と言うとこう続けた。
「川神戦役を・・・・・お受けしますっ!」
委員長のその言葉にS組一同はニヤっと口元を緩めた。
「では2-F対2-Sの川神戦役を認可する。存分に争うがいい。」
(児島先生の水着・・・・・)
水着姿で鞭を持っている児島先生が承諾する近くで2-S担当宇佐美巨人(独身)が児島先生の水着姿に見とれていた。
というわけで開催された川神戦役。学園長と百代姉さんが実況を勤めている。
「実況は私、川神百代と。」
「学園長、川神☆ラブリー☆鉄心がお送りするぞい。」
「勝負は五回!果たして何人がクラス替えを余儀なくされてしまうのか!」
百代は実況の役でありながらも結構楽しみ、盛り上がっている。
「注目の川神戦役、一回戦のテーマは『身体能力』!決闘方法は・・・・・」
百代は内容が書かれた紙をボックスの中から一枚引く。
「ビィィーチバレェエーッ!」
海辺に設置されたビーチバレーコートでS組から小雪とあずみ、F組からはワン子とクリスが出場する。
「ねえ大和。」
「なんだモロ?」
「二人はかてると思う?」
「うーん・・・」
大和は双方のパワーバランスを分析する。
「身体能力は互角だが・・・・・ポジションが一緒なのがダメだな。」
「どういうこと?」
「二人とも率先先制攻撃型って言った方がいいかな?要約すると自分で攻めるけどバックアップは他人任せって感じだから・・・・あ、やっぱり。」
「S組完勝―!」
二人はあっけなく負けた。
「クリ&カズをあしらうとはやるじゃねえか!倒し甲斐があるってもんだぜ!」
「気楽なこと言ってる場合じゃないぜ。負ければ一人S組に取られるんだぞ。」
「あ!」
ガクトの言葉にキャップに言うと気楽に笑っていた表情と一変する。
「きっとアタシが指名されるわ・・・・・・お別れね、マヨ。」
「はい・・・私が指名されてしまうんですね。」
ドラマッチックな展開を勝手にしている委員長と千花を見ているヨンパチとモロはこう思った。
(なんだろう。この100%な安全感・・・・・・・・)
言うまでも無く委員長は準が欲しがるだろうが危うく犯罪に走ることをさせないためにS組に入れないのは当然である。
「では予定通りでいいですね、秀雄?」
「よかろう。まかせる。」
秀雄は冬馬にゆだねた。
「私達が欲しいのは・・・・・・」
冬馬はゆっくりと右人差し指を立てながら腕を上げ、指名する。
「直江大和君です。」
「!」
冬馬の氏名に大和は驚く。
「ぉおーと!S組はなんと大和を指名!」
「まーあやつはS組レベルの学力を持っておるからのう。妥当じゃ。」
「・・・・・ま、ルールだし仕方ないか。」
大和は素直に受け入れる。
「大和安心して。私も実力でSに行くから。」
京が涙目で大和を見る。
「せめて取り戻すと言ってくれよ。」
「フフフ、ようこそ大和君。」
冬馬が大和に好意のある目で見てくる。だが大和は首を傾げる。
「おい!なんとしても大和を取り戻さないとヤバイぞ!」
ガクトの言葉に皆頷いた。
「さあ次の種目に移りましょう!」
百代が次の種目を始めようと促す。
「二回戦、テーマは『可憐』!注目の種目は・・・・・・・・・水着コンテストぁぁぁぁぁぁっ!」
「うぉおおおおおおおおおおおおっ!」
百代は男子と一緒に盛り上がるが、再度百代は紙を見直すとそこには衝撃の内容が書かれていた。
「ただし女装で・・・・・・・なんだコレ?」
『ふざけんなぁぁぁぁっ!!!』
男子一同激怒する。女の水着姿なら嬉しいも男子の女装なんか見たくも無い。
S組側
「女装なら葵君が似合いそうですね☆」
「私は女性も男性も好きですが女性になりたい願望はないのです。」
あずみが葵を出そうと促すが葵は拒む。
「誰も女装なんざしたかねえだろ。くじ引きでもすればいいんじゃないの?」
「だねー。」
準の言葉に小雪は賛成する。
F組側
「うわぁ、女装とかきついなぁ。」
ガクトたちがモロを推薦すると女子たちがピンと来る。
「うちからは誰が出るんだろうね?」
モロがガクトたちを見ていない時に勝手に推薦を集める。
「ん?」
なにやら邪気を感じ取ったモロは後ろを振り向くと女子たちが女装グッズを持って構えていた。その後モロの悲鳴が海に消えていった。
「さあ各陣営選手が決まった模様!誰が出てくるのかはお楽しみ!」
浜辺に設置されたステージに両陣の選手がスタンバイされ、百代が実況する。
「では変身を待つ間アトラクションとして言霊部・京極君のトークをお楽しみください!」
京極のトークが始まり、観客はその声を聞くに連れて魂が抜けていった、
しばらくして・・・・・
「さあここでタイムアップ!おまちかねの女装の時間だ!ご苦労、京極さがっていいぞ!」
「む、まだ言霊が足りないのだが・・・・・」
「サガレ!」
京極はしぶしぶ下がる。
「ではまずS組から!出てこいカワイコちゃ――――ん!」
百代が促しS組から出てきたのは・・・・
「出たー!S組からは井上準!意外とノリノリだー!」
あまりの絵に表現しようが無いほどにショックを受け会場は興醒めになる。
「だがしかし!会場のリアクションは低温だ!」
「だれじゃ、こんな企画した奴は!」
「・・・・・」
解除にいる誰もが「おめえだよ!」と思ったに違いない。
「精一杯にやったんですがこれが限界でしたね。」
「元の素材がイマイチだしな。磨いても光らん。」
(こ・・・・・これがアタシ・・・・・・?)
精一杯頑張ったあずみとマルギッテを余所に準は目覚めてはいけない何かを開花させつつあった。
「なんかもう次見るまでもない気もするな・・・・・・」
百代は女装種目に嫌気が指していた。
「では気を取り直してF組!カワイコちゃんカモーンッ!」
シーン
「んん?恥ずかしがっているのかな?」
「うう・・・・・やっぱり出なきゃダメかな?はずかしいなぁ。」
「おお!?どうやらF組はモロ!師岡卓也!」
モロは羞恥心から出ようとしない。
「ええい、臆するなモロ!」
「男ならガツンと行きなさいっ!」
「う、うわっ!」
モロはクリストワン子に背中を押され、ステージに飛び出す。
「あっ。やっと出てき・・・・・・・たっ!?」
会場に衝撃が走った。可憐に可愛い顔立ち、スク水から見える肩甲骨、はみ出しそうなお尻、恥ずかしさ故に赤らめている顔。誰が見てもその姿は・・・・・可愛い。
「キタ――――――――――ッ!F組文句なしの圧勝ッッ!!」
会場が歓喜に満ちる。
「白い肌!華奢なカラダ!憂いの瞳!まさに可憐!なんで男に生まれた師岡卓也!」
「ぼ・・・・・僕が・・・・勝ったの?」
「よっしゃー!大和返せオラー!」
圧倒的勝利に不死川も納得する。が、準だけは納得しなかった。
「まぁなんだ。負けるべくして負けた勝負じゃな。」
「納得いかないわっ!アタシのどこがあの子に劣ってると言うのっ!」
大和は無視して別れの挨拶をする。
「じゃあ戻りますので。ありがとうございました。」
「またきてねー。」
小雪がノーテンキに手を振る。
「大和―。」
大和はモロの声がしてモロの方を振り向くと勝者の証の花の首飾りを掛けた女装姿のモロの姿があった。
「見てた?僕やったよ!役に立ったよね!」
「ああ。ところで着替えなくていいのか?」
「へっ?」
「水上体育祭はこれよりお昼休みに入ります――――」
アナウンスが流れ川神の生徒一同は海の家に行く。キャップとワン子も例外ではない。
「あーっ!腹減ったなー!」
「海の家行きましょ!」
「―――が、2-Sと2-Fは川神戦役三回戦を同時に行います。」
「おっ?」
「三回戦のテーマは『知力』。各クラス代表者一名を選抜してください。」
「知恵比べですか。ようやく私の出番ですね。」
S組からは冬馬が出てくる。
「どうする?」
「誰が選ばれるか分からないけどまあ俺がやっておくわ。」
大和が代表者として出ることになった。
修正しました