後日、俺は教室の前で立ち止まっていた。多分俺はクラスでは嫌われ者だろう、あれだけ問題を起こしたのだ当然だ
そう思い教室の扉を開けた
「.............................................」
案の定俺が教室に入ると一斉に静まり返った、教室を見渡すと復帰したのかオルコットがいた。彼奴は俺を見ると顔を青ざめ視線を逸らした、相当なトラウマになった様だ
するとマドカがこちらに来た
「おはよう静雄、遅かったな」
「ちょっと弁当を作っていたからな」
と言って作って来た弁当を見せた
「料理できるのか?」
「家ではちょくちょく飯を作ってたからな、其れなりにはできる」
「今度私のも作ってくれないか?」
「そんぐらい別にいいぞ」
「そうか、では頼む」
と言ってマドカは席に着いた
「俺も席に着くか」
俺は席に着こうとしらたふと、ある視線が気になった。周りとは違い恐怖や憎悪の視線ではなく見守られてる様な視線だった、俺はその視線の先を見ると1人の女生徒が映った。栗色の髪に歳相応の発育をした体、そして何より気弱そうな雰囲気を出している女生徒だった。女生徒は俺の視線に気づくと顔を赤くして本で顔を隠した、其れよりも俺はあの女生徒を何処かで見た覚えがあるが何時何処でなのか分からなかった。俺はその女生徒に声を掛けた
「なあアンタ、俺に何か用か?」
「ひゃ、ひゃい⁉︎」
女生徒は急に声を掛けられた為変な声で返事をした
「アンタ名前は?」
俺が女生徒に名前を聞くと
「わ、わわ、私は小堺奈々美と言います」
「ん?小堺奈々美?」
確か俺の処分を聞いた時に出てきた名前だ、そうか彼女が俺の事を
「そうか、知っていると思うが平和島静雄だ。この前はありがとな、俺の為に証言してくれて」
「い、いえ!私こそ恩返しのつもりでしたまでの事なので気にしないでください!」
「恩返しだって?」
「はい!覚えてないですか?以前私池袋で平和島さんに助けてもらったんです」
池袋でだと?そうなると俺が高3の時だから............若しかして
「なあ小堺、間違ってたら悪いけど............その以前って斬り裂き魔の時か?」
「そうです!あの時私はもうダメかと思いました............けど其処に平和島さんが現れて私を助けてくれました!」
やっぱりか、あの時襲われていた女の子か
「そうか、元気そうで何よりだ」
「本当にあの時はありがとうございます、平和島さんが助けてくれなかったら私今頃」
まあでもあれに斬られても死にはしないがな、操られるだけで
「気にするな、其れにお礼を言うのは俺の方だ。今度弁当を作ってやるよ」
「え⁉︎いいんですか?」
「今回の礼だ、気にする事じゃない」
すると彼女は嬉しそうにしながら自分の世界に入ってしまったので今度こそ席に着いた、少し経って
「皆おはよう〜HRを始めるから席に着いて〜」
姉貴と織斑先生と山田先生が教室に入って来た
「そうだ、HR中に話し事があるから皆聞いてね」
話す事?俺関係か?などと思っていると別の事だった
「再来週にクラス代表戦に出る代表を決めないといけないの」
クラス代表だぁ〜?んな面倒くさい事やってられるか
「静雄〜?今面倒くさいとか思ってるでしょ?だったら強制的に代表にするわよ?」
俺の姉は何時から読心術を会得したんだ?
「先生、クラス代表とは何ですか?」
と誰かが聞いた
「クラス代表とはね文字通り、クラスの代表よ。今言った対抗戦だけじゃなくて生徒会の会議や委員会などに出席する言わばクラス長の様なものよ。因みに一度決まれば一年間は変わらないからね、他薦とかあるかしら?」
他薦か、十中八九殆ど織斑に票が行くから俺が気にする事はない
「はい!織斑君がいいと思います!」
「私も織斑君を推薦します!」
案の定早速織斑が推薦された、当の本人は自分が推薦されてるとは気づいてない様だ
「織斑君以外にはいないかな?自薦でもいいけど」
「お、俺⁉︎」
「席に着いて織斑君、他に居ないなら無投票当選だけど」
「ちょっ、ちょっと待った!俺はそんなのやるつもりはーーーーーー」
「私は自薦や他薦でもいいと言ったわ、他薦された以上拒否はできないわ」
「だったら俺は静雄を推薦する!」
瞬間、教室の空気が死んだ。織斑は此れなら良いみたいな満足げな顔をしていた、俺は思わず少々殺気の入った視線を織斑先生に向けた。すると織斑先生は頭を抑えながら目を瞑っていた
「えっと............織斑君は何で静雄を推薦したのかな?」
あ、若干姉貴がキレてる、珍しいな
「だって静雄だけ推薦されないって不公平だ、だから静雄を推薦した」
あ?巫山戯てるのか此奴は?まだ正当な理由があれば良いがたかが自分だけだと不満だから俺を推薦しただぁ?
「ハァ〜まあいいわ、他にいないのならこの2人で代表を決めるけどいい?」
その時納得のいかない者が声を上げた
「納得いきませんわ‼︎」
声の主を見るとオルコットだった、納得がいかないなら自薦しろよ
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか⁉︎」
ぐだぐだ五月蝿え、マジで自薦しろよ
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいと言う理由で知識を持たない猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来てるのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
誰が猿だ誰が、織斑は兎も角俺まで猿扱いとはもう一度痛い目にあいたい様だな
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーー」
「イギリスだって大してお国自慢ないだろ、世界一まずい料理で何年覇者だよ」
................全く、最近の高一は喧嘩っ早いのが売りなのか?本当売り言葉に買い言葉とは正に今の状況だな
「あっ、あっ、あなたねぇ!わたくしの祖国を侮辱しますの⁉︎」
「そっちが先に侮辱したんだろ‼︎」
ぎゃーぎゃーぴーぴー喚くな、発情期か?
「静雄!お前からも何か言ってやれよ!」
いい加減此奴は歳上に敬語を使う事ができないのか?いっぺんオルコットみたいに半殺しにでもするか
「じゃあ言わせてもらうが.............お前ら馬鹿だろ」
「「は?」」
「先ずオルコット、お前の言葉は日本に対する宣戦布告だ然もお前は代表候補生という肩書きを持っている。そうだろ?”オルコット家現当主セシリア・オルコット嬢”」
するとオルコットの顔は見る見る青ざめていく
「次に織斑だが..................お前は無責任すぎる」
「何でだよ⁉︎俺の何処が無責任なんだよ⁉︎」
「.............ハァ〜、じゃあ言わせてもらうがお前もさっきの発言はイギリスに喧嘩を売ってるも同然だ。イギリスにだって美味い料理は幾らでもあるし日本ともまた違い美しい風景もある、それを知らないのにお前は侮辱した、だからお前も同罪だ」
「....................................」
俺がそこまで言うと織斑は黙った
「け、決闘ですわ!」
突然オルコットがそんな事を言い出した
「いいだろう、四の五の言うよりわかりやすい」
黙った織斑が急に話を進めた
「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使いーーーいえ、奴隷にしますわよ」
今時奴隷とかやはり馬鹿なのか?そんなに奴隷が欲しければリンカーンが生きてた時代にでも行ってこい
「侮るなよ、真剣勝負で手を抜く程腐っちゃいない」
お前も堂々と宣言するが勝てるわけないだろ、常識的に考えろ
「そう?まぁ何にせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!」
この女、一度調子に乗ると歯止めが効かない高飛車か。これだから今の女尊男卑は嫌いだぜ
「ハンデはどれくらいつける」
やはり馬鹿だ、救いようのない馬鹿だ。このご時世男が女にハンデをくれてやるとか馬鹿だろ、いや馬鹿だ
「あら?早速お願いかしら?」
「いや、俺がどのくらいハンデを付けたらいいのかなぁっと」
すると教室の殆どの生徒が笑い始めた、確かにそりゃ可笑しいわな
「お、織斑君、それ本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのって、大昔の話だよ?」
「確かに織斑君や”其奴”はISを使えるかもしれないけど、それは言いすぎだよぉ」
どうやらこのクラスの奴らは余程俺の事が嫌いみたいだ、それも名前すら言いたくない様だ。マドカは少し目つきが鋭くなり、小堺は心配そうに俺の事を見ている。そして姉貴を見ると両袖からナイフが少し見えている、相変わらず袖にナイフ入れているんだな、然も笑顔だし。
「.........じゃあハンデはいい」
「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、わたくしがハンデをつけなくて良いのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんてあなたはジョークセンスがおありのようですわね」
さっきまで怒ってた奴がよく言うぜ
「ねー、織斑君。今からでも遅くないよ?オルコットさんに言ってハンデを貰ったら?」
「男が一度言い出したことを覆せるか、ハンデはなくていい」
「えー?それは代表候補生を舐めすぎでしょ?それとも知らないの?」
「...........................」
「それで?先程から黙っている野蛮人のあなたは?」
誰が野蛮人だ誰が、それにそろそろ言葉を控えたほうがいいぞ...........................狂戦士《バーサーカー》が目覚めるぞ
次の瞬間、教室全体を覆う殺気が放たれた
「ねぇ、織斑君にオルコットさん。少しいいかしら?」
狂戦士は笑顔のままだが放たれている殺気が異常だ、既に何人かの生徒は気絶している
「話を進めてくれるのはありがたいけど、今は何の時間かしら?」」
「「.............................................」」
二人共狂戦士から放たれている殺気に怯え震えている
「.........しょうがないわね〜静雄、今は何の時間かしら?言ってみなさい」
「HRの時間だ」
「そうよねぇ〜普通HR中だったら先生の話を聞いて其れから物事を進めるのが当たり前よね?」
俺はこの時周りを見渡すが気絶してないのは織斑とオルコットとマドカと小堺、そして織斑先生だけだった。山田先生は生徒同様倒れている、一応元候補生だよな?
「確かに今はクラス代表を決める為皆で話し合ってるけど、勝手に国を馬鹿にしてその事で相手の国を馬鹿にした挙句勝手に決闘《喧嘩》を決めてそして...........................一度ならず二度までも”俺”の弟を貶しやがって.........殺すぞ餓鬼共」
先程までとは違い、口調が男になり性格は極めて凶暴になった姉貴を見てとうとう織斑とオルコットは気絶した。その一方でマドカと小堺は気絶していなかったがマドカは腕や足が痙攣しており、小堺は涙を流しながら震えていた
「姉貴その辺にしとけ、もう俺達以外皆気絶してんだろうが」
すると姉貴はハッと元に戻り
「あ〜やっぱりやっちゃったか〜、まあ取り敢えずその決闘とやらは一週間後の月曜日ね」
そういって姉貴は他の教員を呼びに職員室に向かった