さて、目的に囚われる彼は何処へ進むでしょうか?
AMIDA鎮守府 執務室
四葉が個人的に如月を呼び出す
「もう、司令官たらどうしたの?」
「如月、これ受け取ってくれないか?」
「えっ……これ………」
彼が彼女に見せたのは……
「カッコカリじゃない本物の指環だ」
「…………」
そのまま彼女の左手を取る
「俺だって長くない、それでも今俺がお前に向けられる物があるならそれはこういうものだ………受け取ってくれないか?」
「司令官…………ありがと………」
如月が笑うのを確認すると四葉も楽しそうに笑った
尚、この後普通に夜を過ごしました
次の日 AMIDA鎮守府 から少し離れた町の病院
「んー、歯の健康を確認するのも良いかもね」
四葉が一人で順番を待つ、そして待ち時間に新聞を読むそこには………
『白昼堂々の強盗!!』
『昨日、横須賀の宝石店にて強盗が発生した。強盗達は警備員を射殺したのち、宝石類総額500万相当が盗まれた』
『日本でこの様な強盗は前代未聞で現在警察は主犯と思われる3人を探している』
暫く新聞を眺めていると……
「四葉さーん、四葉一樹さーん?」
「あ、はーい」
「今回が初めてですね?」
「えぇ。」
見た感じふっくらとした女性が四葉を案内する
「先生、四葉さんをお連れしました、さぁお掛けになってください」
「あ、どうも」
椅子を指示された四葉が上着を脱ぎ椅子に座る
「あぁ、貴方が四葉一樹さんですか」
そこには顔をマスクで隠した黒人の男がいた
見た感じは40後半程である
「それで、四葉さん御仕事は……あー、見た感じ海軍の人かな?」
歯医者は四葉を少し見てからゴム手袋を着ける
「えぇ。」
「てことは提督ですか?」
「そうです」
椅子に座った四葉を彼は見下ろす
「それでは始めます。口を開けて」
言われた通り口を開ける四葉
「うん、歯並びも良いし虫歯も無さそうだが少し歯茎が腫れてますね。歯間ブラシしてますか?」
「ひひえ(いいえ)」
口を開けたまま否定する
「そうですか、話は変わりますが横須賀海軍博物館はご存知で?そこには数々の美術品があります」
「はぁ」
歯医者がいきなり訳の分からない事を話始めたため怪しがる四葉
「実は私の患者の中には珍しいのを収集している者がおりましてね?」
「何が言いたい?」
「おや?ここまで言っても興味を持たないのかい?私は持ってくれると思ったんだがね四葉少佐?」
歯医者は上からぬっと見つめると……
「それともこう言った方が良いかね?『フェンリア』」
「…-……!?」
仕事の時の名前を呼ばれて慌てた四葉が逃げ出そうとするが
「フリーズ」
助手の女性に押さえ付けられ顔にメスを突き付けられる
そんな彼を上からねっとりとした視線で見つめる
「悪いが我々は患者に対してにプライドを持っている。それも絶対のだ」
「だが………彼等は歯間ブラシを使わない。それが彼女の心に傷をつけるのだ」
メスを突き付けられた四葉は冷や汗を浮かべつつ
「分かりました。今日からやります」
「OK、良いよ離して」
女性が離れるのを確認すると四葉は一度溜め息を吐いてから質問する
「それで?何が目的だ」
「言わなくても分かっているだろう?」
「悪いが俺は横須賀の人に顔は割れている。いくらマスクをしているとはいえ次仕事をしたら確実に面がバレておしまいだ。下手したら横須賀の金剛か北海の鳳 洋に殺されかねん。」
四葉が歯医者をじっと見つめる
「そうだ、だからこそ来週だ」
「あぁ?」
「実は君に依頼したい品は来週。東京に向けて出発するそれを襲って貰いたい」
「………私のメリットが無い」
「まぁ、取り敢えず聞いてくれ、それが終わった後君達を裏のカジノに御招待しよう」
「ギャンブルはやらない主義でね」
四葉が呆れて肩を竦めるが歯医者は近くの椅子に腰掛ける
「あのカジノに有るのはただのサイコロとカードではない」
「…………?」
混乱していると話を続ける
「どうだ?面白くないかね?」
「悪いが失礼する」
面倒事になる前に帰ろうとする四葉だったが………
「そう言えば……以前、君が誘拐し関係者を殺したときの生き残りがいるんだが知りたくないかい?」
「何?」
あの時の生き残り?そんな馬鹿な?
混乱している四葉を嘲笑うように男は続ける
「正確には本当の黒幕さどうだ?知りたくないかい?」
「交換条件てか?」
「わかるだろ?君にもそうであるように私にも『給料日』は必要なのだよ」
マスクを外した歯医者は楽しそうに話した
(喰えない奴だ……だが……)
暫く躊躇った後で彼の手を取る
「分かった、その話乗ろうだが依頼は『彼』を通じてくれ」
「分かっているとも、そうそう盗んできて貰いたいものだが『diamond』だ」
「ダイヤモンド?そこらのじゃないのか?」
「『the diamond』だ所持したものに不幸をもたらすと言われるな?」
そこまで言われて有ることを思い出す。3週間程前にそれを盗もうとした強盗団が逮捕されているのをそして………
「その中の一人は死んでいるんだよな確か?」
「死体の『一部』は東京湾から上がったからな」
歯医者の言葉に顔をしかめる今度こそ年貢の納め時になるかもしれないから
「それで?計画は?」
それでも彼は止まらない、彼女達が安全に暮らす為ならどんな事でもやると決めているから
「それは後日説明しよう、それでは宜しく頼むよ?後、歯磨きは欠かせずに?」
「そうさせて貰う」
歯医者に別れを告げ、次の仕事のために計画を練るかと考えた四葉だが外に出た直後携帯の着信に気がつく
(この番号は?知らんなまぁ一応出るか)
「もしもし?」
「久し振りデスネ?四葉提督?」
「あら、金剛さんお久し振りです(このタイミングまさか!?)」
歯医者と話をしていた時以上の冷や汗が出るが相手に悟らせずに話す
「どうかしたんですかいきなり?」
「いえ、1つ聞きたいのデスガ
貴方、この前の強盗に関わっていませんヨネ?」
「何のことですか?(やはりそう来ますか)」
「あくまでしらを切るつもりデスカ」
冷めた声で言われるのを真剣に返す
「身に覚えの無いことを言われたら誰だって不思議がりますよ」
「そうデスネ、ではこれだけは言っておきます。私の家族に手を出したらどうなるか覚悟しておいてください」
壁に背を預け、煙草に火をつける
「お言葉ですが、私は友人に銃を向ける気はありません。」
「……分かりました。今日の所は引きます。ですが如月を悲しませナイヨウニ」
「そうですね、その忠告だけは受け取っておきましょう」
四葉はそう答えると電話を切った
(止まれないですよ、歯車は動き始めたあとは駆け抜けるだけです)
冬の空を見つめ四葉は鎮守府に帰った………
そして1週間が過ぎて………
「Don't move!!」
計画は実行される
はい、という訳で。色んな人に敵対する道を選んだ四葉
彼が求めるのは彼女の平和のみそれのためならすべてを捨てる覚悟を決めました。
ここから彼が何を得て、何を捨てるかを見届けてください