Fate/Fairy Tail 錬鉄の英雄【無期限休載中】 作:たい焼き
二万投入したのにオルタ出てこないってどういうことなの?
キャンペーンの鯖カスリもしなかったぞ。
過程で星5礼装とかアルテラとか出てきたけど、そんなのどうでもいい!!
俺のエミヤハーレムパーティ計画の邪魔をするな!!
まあ詫び石とログボで貰った単発ガチャで金さんもオルタも出てきたんだけどね。
後は実装待ちの槍トリアのみ。
現在依頼を終え、帰路に着いている途中だ。
S級クエストの魔物を狩り、その報酬を受け取るという簡単な仕事だった。
アルトリア?何故ここで彼女の名前が出てくる?
彼女と最後に会ったのは第五次聖杯戦争のはずだが?
しばらく会っていないから会いたいという気はあるが、彼女をこの世に拘束するとも言える召喚をしてまで会いたいとは思わない。
まあ彼女も向こうで元気でやっているだろう。そう信じることにした。
見慣れた街道を通り抜け、見慣れた市場を通り過ぎ、見慣れたギルドの酒場に『ただいま』を告げる・・・ことは出来なかった。
オレの記憶にあったギルドの酒場は既にそこに無く、代わりにそこにあったのは、見るも無残に破壊されたギルドの残骸だった。
「・・・また面倒事の予感がするな・・・」
回避する事も可能だろうが、そんな回答は不思議だが出てこない。
これから起きるであろう騒動に溜息を吐きながら進路を塞ぐ瓦礫を退け、オレは人の気配がする地下へと足を踏み入れた。
妖精の尻尾のギルドには二階もあるが、地下にも集会場がある。普段は使われていないが、こういった緊急時の集会や余った食品や金品の貯蔵等に重宝している。
こんな襲撃があったからか遠くにクエストに出ていたメンバーも集まっている。
酒場の中心部、カウンターの一角に我らがギルドの総長であるマカロフはジョッキを片手にドンと腰を掛けて座って居た。
そしてとある男が総長に怒鳴り立てていた。自分の意見が通らないのが納得いかないらしい。
「喧しいぞナツ。」
オレは対暴徒宝具『虎竹刀』を投影し、ナツの頭の頂点部から叩き落とす。
虎の咆哮如き一撃は、ナツの意識を刈り取り無理矢理黙らせる。
「おおエミヤか。丁度いい所に来た。」
ギルドを破壊されたにも関わらず相変わらずマイペースな総長だ。
「お主からも何か言ってやってくれ。放っておけとな。」
「・・・そもそも私はたった今帰って来たばかりで状況も判断できていないのですが・・・」
「夜中、誰も居ない間にやられたの。
説明してくれたミラからはいつもの笑みが消えていた。皆の拠り所であるギルドの酒場が無残にも破壊されて悲しかったのだろう。
「そうか・・・
幽鬼の支配者
確か総長と同じ聖十大魔道の一人である『ジョゼ・ポーラ』が率いている魔道士ギルドの名だ。
妖精の尻尾がここまでの力を得るまでこの国を代表する魔道士ギルドだった物で、現在は妖精の尻尾と拮抗した力を持っていると言われている。
向こうの総長は相当こちらのギルドが嫌いらしく、ちょっかいや小競り合いは今までに多々あったが、こうも表立っての攻撃は始めてだったはず。
「エミヤからも総長に進言してくれないか?」
ナツ達は亡霊共への報復を望んでいるが、総長はそれを拒んでいるようだ。確かに家を壊されて泣き寝入りするのは頂けないが、ギルド同士の抗争は評議会で禁止されている。
巨大な力を持った魔道士達はかつて戦争にも使われていた。そんな魔道士達を法で縛って過剰な力を使えなくしてはいるが、集まって激突すれば話は別だ。
魔道士達の戦いで滅んだ国は過去数え切れない程あり、散った命はもはや数えるまでも無く多い。
「・・・悪いが断る。奴らには手を出さない。」
「何でだよエミヤ!!」
意識を手放したナツがいつにも増した形相で食いかかって来る。回復が早かった事には流石に驚いたが、狼狽える訳にはいかない。
「何でもだ。一時の感情に任せて仕掛けていい相手ではないんだ。なら冷静になって耐え忍ぶしかない。」
「だがよぉ・・・」
「分かっている。納得しなくていいが理解はしてくれ。悔しいのは誰だって一緒だ。」
そこまで言われたら引き下がるしかないと、ナツは渋々納得しているようだ。
「他の者も今は大人しくしていて欲しい。ファントムには今は手を出さないでくれ。」
なんとか収めたが今は無理矢理怒りを抑え込んでいるだけにすぎない。いずれ爆発する時が来てしまうだろう。
そんな不安を抱えつつ、オレはギルドの仲間と別れて行動を開始する事にした。
目的地はフィオーレ王国の北東、マグノリアの北西に位置するオークの街。幽鬼の支配者がギルドを置く街である。
目的は斥候。独断での行動だが、この際気にしない。妖精の怒りを知らぬ亡霊共は成仏させなければ気が済まない。
(どうやらオレも人並みに怒りを感じているようだ。)
世界という端末からオレという機械にインプットされた仕事を淡々とこなす意思を持たない人形だった頃のオレと比べると随分柔らかくなったと感じる。というより、衛宮士郎よりも前、一度目の死を経験する前の○○士郎の方が近い気がする。
(まあそれでもオレはエミヤシロウだがな。)
オレは情報が集まりそうな場所の中から適当に酒場を選んで店の中に入る。
給仕の女性に酒とそれに合う肴を適当に注文し、標的が来るのを待ち構える。
ここなら幽鬼の支配者の連中が入って来ると見ての行動だ。
ギルドの中にも酒場はあるだろうが、街の外から依頼で帰って来る奴らの中には先に一杯やろうと言い出す者も居るはず。
今回の襲撃は恐らく餌だ。ギルドを破壊して此方を誘き寄せるためのな。
ならば戦力を集めるために散って居た仲間を招集を掛けるのは至極当然の事。
霊体化して直接乗り込むという手もあるが、持ってきた通信用の
昔活躍されていたとされる伝説の傭兵のように潜入してもいいが、彼程の潜入スキルを持ちあわせてもいない。
今後の方針を頭に浮かべていると、如何にも悪漢と呼べるような柄の悪い男達が入って来る。体には妖精に喧嘩を売った亡霊の紋章。接触は出来たようだ。
奴らはオレから少し離れた席に座る。このままでは話が聞こえないであろう距離だ。だがオレにはそんな距離など関係無い。耳を強化の魔術で強化し、音を拾える範囲を人間の域を超えさせる。
やがて奴らの話し声が聞こえてきた。
そういえば総長が言ってた標的って誰だったか?
オイオイ忘れたのかよ。ルーシィ・ハートフィリアってお嬢様だよ。手を出すなって言ってたろ?
そうだったな。危うく全員殺っちまうとこだったぜ。
気をつけろよ。もし手を出したら殺されるのはこっちだぜ。
違いねぇな。
強化していなくても聞こえてくる程の大声で笑いが聞こえてくる。礼儀も品も無い連中だ。
(まあ大概予想通りだったか。)
ギルド襲撃は誘き寄せるための布石。本当の狙いは手薄になったギルドからルーシィを誘拐する事。
以前苗字を明かさないルーシィが気になって素性を調べた事があった。
ハートフィリア財閥と呼ばれる大資産家の令嬢が家出したという情報は此方でも耳にしていた。恐らくハートフィリアの人間が幽鬼の支配者にルーシィを連れ戻せと依頼を出し、妖精の尻尾に居たルーシィを誘拐するついでに目障りなギルドを潰してしまおうという魂胆だろう。
ルーシィは単独での戦闘能力は高くない。孤立したルーシィに実力者を向ければ誘拐するのは簡単だ。
(だが甘いな。資産家の娘であると気付いた時には既にルーシィにはあの仕掛けを施しておいた。)
不器用なオレ特製のプロテクトだ。少なくともAランク以上の宝具の真名解放で無ければ突破は出来ない程の強度はある。
後は念の為にこの情報を総長達に伝えておこう。
勘定を払って店を後にする。幽鬼の支配者のメンバーによって店の中の空気は最悪になっていたから丁度いい。
通信用の魔水晶を起動する。通信相手は総長だ。
『誰じゃ?今儂は気が立っている。手短に頼む。』
「私です総長。」
『エミヤか!?』
総長の不機嫌な気は飛んでいた。魔水晶の向こう側が騒がしくなる。相当の人数が向こう側に集まっているらしい。
『お主今まで何をしておった?こんな大事な時に。』
「独断ですが偵察を。それで、大事な時とはどのような事で?」
『幽鬼を潰すんじゃ!!彼奴らボロ酒場だけじゃなくレビィ達にまで手を掛けよって!!』
やはりまだ餌を撒いていたか。ギルドを破壊しただけでは決めてに掛けると踏んでの行動か。
「やはりですか。」
『お主気付いておったのか!?』
「奴らの目的から推測すれば妥当かと。奴らは目的を遂行するためにどうしても我々を自分達のギルドに引き付ける必要がありました。」
『して、その目的は?』
「誘拐です。ハートフィリア財閥のご令嬢であるルーシィ・ハートフィリアの。」
『何じゃと!?』
更に向こう側が騒がしくなる。
『マズいぞ。既にギルドを出てしまっておる。』
「あー。やはり仲間を傷付けられて我慢出来ませんでしたか。」
『全員もうオークの街に着く所じゃ。エレメント4が来たらルーシィが持たん。』
「既にルーシィには策を打っておりますが、不安でしょうか?」
『流石に仕事が早いのう。じゃがやはり打てる手は打っておいた方がいい。』
ふむ。全員離れているとなると恐らくレビィ達負傷組と今は戦えなくなってしまったミラくらいしかいない。
いや、奴がいる。
「ロキに向かわせましょう。奴なら依頼でそこに居ないでしょう。」
『そうじゃな。後は頼むぞ。』
そう言い残し魔水晶の輝きを失う。
「次はロキか。」
布石を打てるだけ打つ。下準備はしっかりと行わなければ何事も良い結果は生まれない。
再び魔水晶は輝きを取り戻した。
幽鬼の支配者のギルドでは王国で一、二を争うギルドが激突していた。
妖精が幽鬼を奇襲する形で始まったこの戦いは、奇襲した分妖精が押していた。
「で?それが本気か?
「安心しろよ。ただの挨拶だ。竜のケンカの前のな。」
そしてその中心で火の竜と鉄の竜が周りの人間達を置いてけぼりにしながら前哨戦を繰り広げていた。
それを遮るように現れたのは天変地異を誘発する程の魔力を溢れさせる老人、マカロフの怒りだった。
だがその怒りが爆発する事はなかった。
マスター・ジョゼは思念体。それを囮にして気配を消したエレメント4のアリアがマカロフの魔力を空中に霧散させ無力化する。
それによって妖精側のメンバーの士気の低下。幽鬼側が押し返し始める。
「撤退だ!!全員、ギルドへ戻れ!!」
マカロフにその場を任されていたエルザが撤退の指示を出す。マカロフ無しではジョゼには勝てないからだ。
勿論妖精の尻尾のメンバーは撤退指示を聞かず、まだ戦おうとするがエルザが必死で説得し、なんとか撤退を開始する。
「逃がすか!!」
今までの仕返しをするために追い打ちを開始する幽鬼の支配者。怪我人が多い分妖精の尻尾は撤退速度が遅いため、いずれ追い返される。
「くっ、ここは私が!!」
エルザは一人残って殿を引き受けようとする。
その前に後ろに跳べエルザ。
ふと低い男の声が聞こえて来る。どこか安心するその声に疑問を持つことなく後ろに跳ぶ。
その直後に無数の剣が降り注ぎ、妖精の尻尾の退路を確保し幽鬼の支配者の進路を塞ぐ。
「エミヤか!?」
「ああ、少々遅刻してしまったみたいだな。」
こういった場面で必ずと言っていい程確実に遅れて来る男、エミヤシロウは己が放った剣の壁の上に立つ。
「何モンだテメェ?」
鉄の滅竜魔導士『ガジル・レッドフォックス』がいきなり現れた未知の男に問い掛ける。少なくとも自分が調べた妖精の尻尾の魔道士の中にこんな魔法を使う者はエルザを置いて他に居なかったからだ。
「何、ただのしがない弓兵さ。」
「弓兵が剣を扱う滑稽な話があるかよ!!」
挨拶代わりに己の腕を鉄の槌に変え、エミヤに殴り掛かる。
「躾がなってないな。投影、開始。」
槌に対抗するのに剣や槍は向いていない。もっと強度のある物。例えば対象を割る事に特化した斧とかマサカリなどだ。
正式名称はこれではないが、何故これで解放出来るのか。誠に遺憾であるが持ち主は真っ当な英霊である。
日本では桃太郎や浦島太郎に並んで有名な英霊である坂田金時、金太郎の名で知られている英霊が愛用した宝具だ。
それを投影、槌に真っ向勝負を挑む。
叩き潰す物と叩き割る物。両者がぶつかり合った時、より強度の高い物が勝つ。
「ガァッ!?」
先に悲鳴を上げたのはガジルの方。己の腕を変えていた分、痛みを感じやすかったようだ。
「テメェ・・・」
腕からは血が滴っている。あの腕はもう使えまい。
「こちらにも役目があるのでね。しばらく付き合ってもらうぞ。」
金太郎の斧を消し、いつもの使い慣れた黒と白の夫婦剣を両手に持ち、剣の壁から幽鬼の支配者達がいる側へ降り立つ。
雑兵達が怖れて一歩下がる。
「多対一だが、数で押し切れば勝てると思うなよ?」
剣を構えて前に一歩出る。それに伴って幽鬼の支配者は一歩下がる。
「精々気張れ。気を抜けば貴様等の命が飛ぶと思え。」
(
かつて出会った腐れ縁の青い槍兵の技を一部だけ再現し、戦闘続行スキル無しで無様に足掻き続ける。
何十分でも、何時間でも。
ロキは諸事情で襲撃に参加していないことにします。独自設定です。
ついでに最近思いついた小説のネタについて幾つか。両方とも保留だけど。
一つはFate✕うたわれるもの
紅茶が主役で無印から。そこから偽りの仮面まで行きます。うたわれるものの布教も兼ねてです。
保留理由は確実に長編になるから。それに伴ってモチベの低下も懸念されるので。
もう一つはインフィニット・ストラトスの小説
此方は始めてのオリキャラで行こうかと。
主人公の名前も設定も決まってるけど此方も同じ理由で保留。
オリキャラだからもう少し設定を詰めたいし。
後は質問の受付を再開します。
ただお気に入りやUAの増加に伴い、一人につき一日一回まででユーザー宛へのダイレクトメール限定とします。
荒らしや嫌がらせ等は受け付けませんし、返答に困るような質問には返信致しませんので悪しからず。