Fate/Fairy Tail 錬鉄の英雄【無期限休載中】 作:たい焼き
ここしばらくは投稿のために短い一話を数投稿することになりそうです。
FGOでは槍トリアが出ました。
イベントでは必死に心臓と爪と歯車を集めるために周回してます。いい加減素材のみのクエストくらい実装しろよ庄司。
必死に頑張った結果、師匠とジャックが最終再臨終わりました。周回なんて主義じゃないのに頑張った・・・
なんなんだこれは。
幻覚ではない。突如として荒野が現れたと思ったらそこには確かに質量を持った剣。
空には巨大な鉄の歯車が絶え間なく回転を刻み続ける、そんなこの世と思えない光景。
「なんなんだこれは!!」
幾ら自分に問いを繰り返しても、本人が知らなければ答えなど返って来ない。
「知る必要はない」
不意に後ろに殺気を感じて振り返る。そこには数多の剣を背後に引き連れた男が立っていた。
「いや違うな。知ることすら叶わない」
剣の切っ先が全て此方に向く。それで全てを察してしまった。
これから始まるのは戦いではない。ただの蹂躙だ。そして私はそれを受ける側なのだ。
「さらばだ。自分の業全て償ってから出直して来い」
剣の群れが雨となって一斉に此方に向かって来る。死が確実に迫って来るようだ。
体の内から湧き上がる恐れとそれによって生じた絶叫により、私は意識を手放した。
戦場が著しい変化を遂げたのは何もエミヤ達の周りだけではない。
倒壊した両者のギルドの側で繰り広げられていた戦いにも変化が生じていた。
「何だこいつら・・・急に動かなくなったぞ・・・」
暴れていた幽兵達が操り糸が切れたかのように動かなくなった。
それの前に膨大な魔力による異常気象の発生したが、三つの魔力が消えたことで収まっていた。
しばらくの休息が生まれた今、立っていられる者は少なかった。
極度の魔力欠乏による疲労と怪我による物だ。
倒壊しかけて危険な状況になった幽鬼の支配者のギルドからナツ達とエルザ達が脱出して来る。
「一体何があったんだ!?」
「オレらも何が何だか・・・!!」
情報が右方左方へと錯綜しており、誰一人状況を把握出来ていない。
「今総長とエミヤがジョゼと戦っている」
「二人が!?なら加勢に・・・」
「行くんじゃねぇ、邪魔になるだけだ」
退却しながらも感じた膨大な魔力。あの場所からそれらを三つも感じたということは、少なくともエミヤが自分達が及ばない遠い領域に辿り着いている証明だ。
「エミヤは強い。この中の誰よりも」
「ナツ・・・?」
以外にも真っ先に突撃して行きそうなナツが一番冷静であった。
「どうしたよナツ。らしくねぇじゃねぇか」
「なんでだよ。エミヤが任せろって言ってるんだ。なら安心じゃねぇか」
「・・・確かに、そうだな」
混乱が静まって静寂が訪れる。並大抵の信頼関係では決して起こりえないだろう。
「しっかしこのギルドも見るも無残になっちまったなぁ・・・」
とはいえ、もはや建物の形一つ残ってはいないが。
「俺達の居場所が・・・」
中には帰る家を失って嘆く者もいた。妖精の尻尾に居る者の中には帰るべき家や家族や居場所を失う出自を持つ者も多いからだ。
「勘違いするな。所詮建物は物だ。原因が幾つかあるとしてもいつかは壊れる運命だ」
皆が驚いた表情を隠せなかった。声がした方に振り向いた先にその声の主が立っていた。
「エミヤ!!・・・勝ったんだな?」
「ああ、あの程度の障害、乗り越えねば顔向け出来ん」
直後、皆の感情が爆発する。主に歓喜によって生じた物だ。幸い敵味方含めて誰一人死者が居なかったようだ。
(まあ今一時だけは感動に浸ってもよかろう。やらねばならぬ事は山積みなのは変わりないが、些か疲れたからな)
あれから一週間程度経った。ギルドの建物は総長の書いた大凡設計図とは言えない設計図を元に再建が進められている。後で大分加筆修正したのは総長には秘密だ。
何処で嗅ぎつけたのかあの後すぐに評議会の傘下である『ルーンナイト』が派遣され、オレ達は個別で事情聴取を受けさせられた。
面倒事にはその碌でもない物が詰まっている腰を中々上げないが、こういう評議会の手腕を知らしめられる出来事には餌をぶら下げられた犬のように寄って来る。はっきり言って面倒だ。
次いでハートフィリアの家とその父親についての調べも進めなければならない。大方娘を心配してのことだろうが、それが親としての物か大企業としての物かは対応の仕方ではっきりしている。
話を現場に戻す。メンバーが一眼となって作業に取り組んでいるが、ナツ達はこういう場でも張り合いを欠かさずやってくれる。
今もどちらがより多くの角材を一度に運べるかと勝負している所だ。大事なのは一度により多く運ぶかではなく、結果的により多く運べるかだ。
それに先程からグレイの周りでウロウロしている人影を何度か見かけるが、あれは確か幽鬼の魔導士だったはずだが・・・
おっと、少し目を話した隙にナツ達が居なくなっていた。それに加えて今まで何処に行っていたか分からなかったロキが姿を見せていた。
「やあエミヤ、この前は随分と活躍したそうだね」
「お互いにな」
給仕を務めていたオレがいるカウンターに座ったロキは水を一杯注文した。周りに誰も居ない事を確認し、お互いに小声で話し出す。
「・・・調子はどうかね?」
「いやダメだね。もう限界も間近だ。魔力すら殆ど残っていない」
「そうか・・・やはり私でも星霊界にアクセスする手段は見つけられなかった」
「それはそうさ。そうでなければ星霊の鍵なんて存在してないさ」
「すまない。私は君を見殺しにするしかなくなって来た」
「いいんだ。追放されてからこうなることは覚悟していたさ」
「・・・せめて魔力だけでも回復しておけ」
オレが回復用に用意した魔水晶を砕く。すると気化した魔力がロキの体に吸い込まれる。
「僕よりも君の消耗した魔力の方が膨大だと思うけどね」
「・・・出来の良いマスターのおかげでな。おかげで随分と快適に過ごさせて貰っている」
「違いないね」
事情を知ってる分、罪悪感が大きく出てしまう。ロキを救うためにはおそらく星霊魔導士が必要だ。だがロキがそれを拒んでいる以上打てる策がない。
もっとも、ロキを救う鍵は身近に居るのだが。
「そうだ、お礼の代わりにコレをあげるよ」
そう言って差し出されたのはとあるリゾート施設のチケット。それも超が付くほどの豪華なホテルの物だ。
「あー、なんだロキ。こんなに高価な物を対価無しでは受け取れない」
「いいんだ。直に僕には不要になる。使ってくれ」
よろけながら立ったロキが覚束ない足取りでその場を離れて行った。
「忘れたか?ここがどういうギルドなのかを・・・」
そんなオレの呟きは誰の耳にも届かないまま虚空へと消えていった。
この間、私の小説で感想に対して運対される方が現れました。
おそらくFGOの事のみを書いた結果だと思われますが、コメントを書く際は気をつけてください。