King's Souls ~二人の王子の物語~   作:ヨイヤサ・リングマスター

20 / 28
 今回の嘘エンドは、もしもアリオナとライルが男らしくなかったら、という感じの話です。

 完全にギャグですし、前話をギャグに書き換えただけの話ですがもしよければ読んでみてくださいw

 やっぱ私はギャグ好きですから真面目一筋で書いていると時々こういう文章が書きたくなるのですよ♪



嘘エンド2

 

「さぁてと、ついたよライル」

 

 

「おう、デーモン退治したあとは国を救ってお前も王様になるんだな。

 そうなれば二つの大国が協力し合うんだから最強の同盟が立ちあがることになるぜ」

 

 

 色のない霧によって出来た霧の壁を躊躇いもなくあっさりと越えたライルは、ヴァーダイトとボーレタリアの今後の行方を想像し、そのあまりにも優れた武力に酔いしれていた。

 

 

キィィィーン

 

 

 その時城門の奥から剣戟の音が響いた。

 

 

「お、なんか音がしたな」

 

 

「きっと誰かがデーモンと戦ってるに違いない。

 せっかくだからその戦闘の様子をこっそり陰から覗いて、戦っている人が負けそうなら助けて恩を売り、優勢だったらトドメの一番おいしい所だけ奪って颯爽と立ち去ろう♪」

 

 

「すげぇなアリオナ。

 お前は天才だぜ♪」

 

 

「ふふん♪」

 

 

 そうして抜き足差し足忍び足で城門付近まで近寄っていった二人はこっそりと中の様子を覗きこむ。

 

 するとそこには剣と弓を装備した女性の騎士が戦っているところだった。

 

 

「あ、あれはボーレタリアの三英雄の一人、長弓のウーランだ」

 

 

「へー、お前のところの三英雄なら俺も聞いたことあるけどあのウーランがこんなにも美人だとは思わなかったぜ」

 

 

「戦っているデーモンは槍と盾で攻守ともに完璧だね。動きは遅いけど。

 ……ウーランの鎧だけ粉々にしてくれないかな。

 ウーランはスタイルいいしw」

 

 

「うっわ、アリオナやらしーww」

 

 

 そんな会話をしながらしばらく様子を見ていた二人だが、怪我をしているらしいウーランは動きが目に見えて悪くなっていき、ついにはその場にしゃがみこんでしまった。

 

 

「あれはマズイんじゃねーの?

 アリオナ、助けに行ってこいよ」

 

 

「えー、やだよ。

 だってあのデーモン強そうじゃん。

 具体的には腐れ谷にいる二番目のデーモンよりも強そうだし」

 

 

 もちろんアリオナは腐れ谷に行ったことはないし、その腐れ谷にいるだろうデーモンを見たこともないので雰囲気で言っただけだが、あながち的外れという訳ではないので問題ないだろう。

 

 そして結局のところ、今ウーランが戦っているデーモン『ファランクス』はソウルレベルの低い二人では手こずるだろう。

 

 

「おい、なんかウーランが倒れたぞ」

 

 

「ちぇっ、仕方がない。

 僕が代わりに戦ってくるよ」

 

 

 飛び出したアリオナは剣を抜き放ち、デーモン『ファランクス』に向かって突っ込んで……いかなかった。

 

 アリオナは腰のポーチから火炎瓶を取り出し、それを柱の陰から遠く離れたファランクスに連続して投げつけたのだった。

 

 

「へいへいへーい♪」

 

 

「お、それ面白そうだな♪

 俺にもやらせろよ」

 

 

 アリオナの相手の攻撃の届かない遠くから、しかも柱の陰に隠れながらの火炎瓶攻撃というセコイ作戦。

 

 そしてそれに便乗してライルも火炎瓶の投擲に参加する。

 

 実はこんなこともあろうかとアリオナとライルはヴァーダイトを出発する前に可能な限りアイテムを持ってきていたので火炎瓶だけでも二人は99個ずつ持ってきていた。

 

 しかもその火炎瓶は黒松脂と一緒に投げつけるものだからファランクスの身を守っていた槍と盾を構えていた『はぐれファランクス』は次々と燃え尽き、デーモン『ファランクス』はすっかり丸裸になってしまった。

 

 

「おい、なんかこいつ槍と盾を失ったら急に逃げようとしだしたぞww」

 

 

「こりゃ最大限の火力で嬲ってやろうよwww」

 

 

 すでに闘うことも出来ないファランクスは二人から必死に逃げようとするが、それでも移動速度の遅いファランクスはすぐに追いつかれてしまった。

 

 

「オラオラオラオラオラオラ!」

 

 

 アリオナが剣をひたすら突き刺す。

 

 

「細工は流々小細工無用♪」

 

 

 ライルは残った松脂全てをファランクスにぶちまけると火をつけた。

 

 ファランクスは苦しそうにうめきながらその体を徐々に小さくしていき、やがて死体を残さずに消えた。

 

 

「デーモンは死体を残さないんだな。

 というかそろそろ消火しないとマズくないか?」

 

 

「マズイなライル。

 でも消火出来るほどの水がないし、これはひとまずウーラン担いで逃げようよ」

 

 

 ファランクスは死んだがそれでも辺りには火のついた松脂が一面に撒いてあるために火の勢いは収まる様子はない。

 

 と言う訳で、二人は火のついた城門を放置してウーランを担ぐとさっさとボーレタリア王城から逃げ出したのだった。

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「ふぅ~、なんとか逃げ切れたよ。

 やっぱ黒松脂を火炎瓶と一緒に投げつけたのは失敗だったね」

 

 

「あぁ、そうだな。

 なんかボーレタリア王城が物凄い勢いで燃え続けてるみたいだし」

 

 

 ボーレタリア王城は石造りで出来ているとはいっても材料のすべてが石で出来ている訳ではない。

 

 一部の木材を使った部分や、融点の低い装飾品などに使われていた脆い金属部分が溶けたりすることで城のあちこちに歪みが発生し、その結果石造りの壁は自重によって潰れていき城は遠目に見ても分かるくらいはっきりと崩壊した。

 

 

「うぅん、もう食べられない……むにゃむにゃ」

 

 

 ウーランの寝言。

 

 どうやら出血や怪我の痛みで気絶したのではなく疲れから戦闘中に寝てしまっただけだったようだ。

 

 

「おーいウーラン起きろ。

 朝だぞ」

 

 

「てゆーかこんなテンプレートな寝言初めて聞いたぞ」

 

 

 アリオナに揺らされてウーランが目覚める。

 

 

「あ、おはようございますアリオナ様。

 なんかアリオナ様が成人の儀で旅に出てしまったあと、デーモンに襲われてボーレタリアが滅ぶ夢をみちまったよ」

 

 

「ウーラン、残念なことだがそれは全て現実のことだ」

 

 

「うぇ!? あ! 本当だ!

 城が燃えてますよ!!」

 

 

 とび起きて遠くで今だに燃え続けるボーレタリア王城を見つめるウーラン。

 

 

「あぁ、どうやら城で飼っていた二頭の竜もデーモンと化してしまったみたいでね。

 あの火災は竜の炎によるものだよ……たぶん」

 

 

 シレっと嘘をつくアリオナ。

 

 ライルはその様子を後ろで黙って聞きながら笑いをこらえる。

 

 

「ウーラン、僕はこの滅びてしまったボーレタリアを捨てて後ろにいる僕の友人、ヴァーダイト王国の国王をやっているライルの国に住まわせてもらおうと思っている」

 

 

「突然だな、おい。

 まぁアリオナなら歓迎するけど」

 

 

「……」

 

 

 突然のことに頭がついていかない様子のウーラン。

 

 

「考えがまとまらないのは当然かもしれないがウーラン。

 君には僕の嫁としてついてきてほしいんだ」

 

 

「!?」

 

 

 ここで爆弾発言。

 

 アリオナの頭は王城を失ったことでデーモン退治なんかどうでもいいや、という考えになり、ウーランを娶ってヴァーダイトに引っ越してそこそこの地位を得ながらのんびり暮らそうという計画に変更されていた。

 

 

「さぁ、ウーラン。僕と来てほしい(キリッ)」

 

 

 爽やかな笑顔を向けることでウーランの顔はしだいに紅潮していき、俯きながらも小さく首を縦に振った。

 

 

「そうか、ありがとうウーラン!

 君を幸せにするよ」

 

 

 そこでウーランを抱きしめるアリオナ。

 

 ライルはその茶番に対して笑いを堪えるのに必死だったので何も言わずに持ってきた荷物の整理を始める。

 

 

「それじゃヴァーダイトに帰ろうかライル。

 僕も結婚したけど君もヴァーダイトがシースによって荒らされたゴタゴタが解決するまで、って言って結婚式を先送りにしてたろ?

 せっかくだから一緒に式を挙げれば費用も安くすむんじゃないの?」

 

 

「……そ、そうだな。ぷっw

 お、俺も、け、結婚式は済ませてないからな。くくっw」

 

 

 そして忘れていたが、色のない濃霧に閉ざされてしまったボーレタリアからどうやって出よう? と3人は考え込んでしまったが、霧の壁に向かってアリオナが体当たりをすると、運よく霧が薄くなっていたのか外に抜け出すことが出来た。

 

 ようするにゲームで言えばバグを見つけてそこから無理矢理脱出したような形である。

 

 まぁ、そんなこんなで半ば無理やりなオチになったがこうして故郷を捨てたアリオナはヴァーダイト王国に移り住み、「王の友人」という役職(?)に就き、その後の人生を何もせずに遊び呆けて暮らしましたとさ。

 

 めでたしめでたし♪

 

 

 

 

 ……尚、色のない霧がヴァーダイトを含む世界中すべてを包み込んだのはアリオナが寿命で死んだあとだったのでアリオナ達は最後まで幸せに暮らしたそうな。




 やっぱギャグは最高www

 これはシリアスをテーマにして書かれているこの物語の本編で書くわけにはいきませんが私の書きたいという気持ちがあふれる話ですね♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。