King's Souls ~二人の王子の物語~   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 レオンも救いたいのですがキングスの設定のみだと救えないのでデモンズの設定を混ぜてでも救って見せます。

 やっぱ助けれるものなら助けたいんです。



第七話:水晶細工師レオン

 ライルとミーナに正体がばれてしまった以上、グーリンだけに隠すのも悪いと思い翌朝朝食の席でアリオナは本名と自分が来た理由を告げた。

 

 

「……そうじゃったのか。

 鎧を見た時から君はただものではないと思っておったがあのオーラント坊やの息子さんじゃったのか」

 

 

「グーリンさんは父を知っているのですか?」

 

 

「昔の話じゃがな。

 かつてオーラント坊やがボーレタリア王家のしきたりでこの国に修行の旅に来た時に稽古をつけてやったことがあるんじゃよ」

 

 

 この発言にはその場の全員が驚いた。

 

 オーラント王は賢王としてだけでなく剣の達人としても名が知れているのだ。

 

 だがその剣の腕は修行の旅である人物から習ったと言われているがその師匠は謎に包まれていたのだ。

 

 

「ワシと初めて会った時のオーラント坊やは礼儀知らずでワシに対してもいきなり喧嘩を吹っかけてきおってのぅ。

 思いっきり叩きのめしてやったら弟子にしてくれと言ってきおってな。

 どれだけ追い払っても店の前で座り込みを続けるもんじゃから少しの間じゃが弟子にしてやったんじゃよ」

 

 

 昔を懐かしむように目を細めるグーリン。

 

 アリオナは礼儀知らずの父というものが想像できなかったが、物心ついた時から誰よりも正しくこれ以上ないくらいの王として自分の理想だった父の過去をここで知れたのは驚きだった。

 

 そしてその理想の父を鍛えた人物と言うのならアリオナが次に言うセリフは決まっていた。

 

 

「僕も……僕も弟子にしてはくれないでしょうか!!」

 

 

 ボーレタリア王国の次期王として修行の旅に出たアリオナが王となるのに足りないものを得るにはグーリンに弟子入りする必要があると思ったのだ。

 

 

「(この人に弟子入りすれば父上に近づける。

 僕の理想とする王になるためにはこの人に弟子入りするしかない)」

 

 

 アリオナは真剣な眼差しでグーリンを見つめる。

 

 

「それは出来んぞアリオナ君。

 ワシはすでに武器に携わることを辞めた者じゃ。

 それに君はワシが教える必要もないほど強い。

 かつてのオーラント坊やよりもずっとな。

 じゃから一つだけ言わせてもらうなら……」

 

 

 そこでグーリンは区切り。

 

 

「あまり父の跡を追うな。

 君は君らしい王としての生き方を見つけるのじゃ」

 

 

 オーラント王は王として努力し、忠臣にも恵まれ、優秀な息子にも恵まれることで賢王と呼ばれるまでになった。

 

 だがそれは本人の努力以上に運によるものも大きい。

 

 もちろんオーラント王の成果を全て運の一言で片づけてしまう訳ではないが運の要素が関わっている以上アリオナは父であるオーラント王と同じ王にはなれない。

 

 それならばと、グーリンが示した答えはまだ旅の途中であるアリオナに自分に合った修行方法を探すことも修行として弟子としなかったのだ。

 

 

「……分かりました。

 不躾なお願いをしてしまい申し訳ありませんでした」

 

 

 アリオナは素直に諦めた。

 

 

「おいグーリンのおっちゃん、なんでアリオナを弟子にしてやらねーんだよ!

 こいつすっげぇいい奴なんだしこいつの父ちゃんの師匠やってたんなら弟子にくらいとってやればいいじゃねえか!」

 

 

 どうも感情的なライルは机を叩き、声を荒げる。

 

 

「ライル君。

 口を挟ませてもらうと私はグーリンさんの言たうとおり弟子入りはしない方がいいと思う。

 だってお父さんと同じことをしていたんじゃいつまで経ってもオーラント王を越えることなんてできないと思うんだ」

 

 

 ミーナはグーリンの真意に気づいていたのでライルを抑えたがライルはそれでもまだ言い足りないようだった。

 

 納得がいかないといった風ライルはやや感情的になりグーリンに文句を言うがミーナに止められて尚突っかかるほど暗愚でもないのでようやく引き下がる。

 

 そしてアリオナもグーリンの真意を見抜いていたからこそ引き下がったのだ。

 

 

「ワシは何も意地悪で言ったわけではない。

 アリオナ君にはアリオナ君のやり方というのがあるはずじゃ。

 なればこそ、彼だからこそなれる王というものになってほしいんじゃよ」

 

 

「ありがとうございます。

 僕は自分だからこそできることをこの旅で見つけようと思っていたことを見失っていました。

 いつか自分らしい王になってみせます」

 

 

 アリオナの納得した様子を見てそれでも渋っていたライルも納得することにした。

 

 そうして食事を終えたあと、ライルとミーナ、そしてオストラヴァの三人で洞窟内に入っていき、今度は三人での探索だったために特に苦戦することもなく、ついにイシリウスの翼を見つけた。

 

 

「よっしゃ!

 こいつをレオンさんのところに持っていけば城に入るためのイシリウスの鍵を作ってくれるはずだ」

 

 

「あ、アリオナさんは知らないと思いますけどレオンさんってのはライル君の育ての親でエルフの水晶細工師の方なんです。

 ライル君の剣を作ったのもレオンさんなんですよ」

 

 

 そう言われてアリオナもライルの剣を見てみれば素人目に見ても一流の職人が作ったものだとわかるほどに完成された美しい剣だった。

 

 

「レオンさんに渡された時はナイフ程度にしか使えなかったんだけど使い手とともに成長する剣だからここまで立派に育ったんだ。

 そういえばこの剣も鍵を作るのに使うとか言ってたな」

 

 

 ライルは独特の輝きを放つ剣を鞘から抜き、アリオナに渡す。

 

 アリオナは手に取って見たが成長する剣というだけでなく剣としてもまさに芸術のレベルにまで鍛えられた業物に感じた。

 

 

「成長する剣だなんてボーレタリアでは考えられない技術だね!

 そんな剣が作れるのになんでそんなに名前が知られていないんですか?

 僕は色んな本を読んだし、色んな先生に習って多くのことを勉強してきましたがここまでの職人には会ったことがありません」

 

 

 それに対してはミーナもライルも若干言いにくそうに口ごもりながらも説明してくれた。

 

 

「レオンさんはメラナット島というエルフの聖地にいたんですがその島は突然何者かに支配されてしまい、それ以来誰も入ることのできない場所となってたんだ。

 だけど俺の父さんの親友のアレフさんって人が助けだしてこのヴァーダイトで暮らしていたんだけどそれからすぐに父さんがおかしくなってしまったから名前が広まる暇もないくらいに災難続きの人なんだ」

 

 

 それを聞いてようやく得心したアリオナ。

 

 アレフというのはヴァーダイトのすぐ隣にあるグラナティキ王国の第二皇子だったことを思い出し、何か深い事情があるのだろうと察した。

 

 

「私も父が生きていた頃はアレフさんのお世話にもなっていたわ。

 だけどアレフさんは狂ってしまったアルフレッド王を城ごと封じるために自信の魔力を全て使い果たして死んでしまったの」

 

 

「君たちも大変な人生を送って来たんだね。

 僕に何ができるかはわからないけどやはり君たちの旅を手伝わせてほしい」

 

 

 アリオナは人助けによる自身の成長という旅の目的からではなく、本心から二人の過酷な運命の手助けをしたいと思った。

 

 ライルとミーナももちろんアリオナを友として認めているのでその後再び友情を深めあった三人はイシリウスの力による転移魔法のようなもので水晶細工師レオンのいるクイストの村へと到着した。

 

 

 家に入るとライルが家を出る前と変わらない笑顔でライルを迎えたレオン。

 

 それは初対面のアリオナにもわかる慈愛に満ちた表情だった。

 

 

「おかえりライル。

 それにそちらはミーナちゃんだね。

 それと……君は?」

 

 

「あ、申し遅れました。

 ボーレタリア王国から来ましたアリオナと申します。

 ライルとは旅の途中で友となり並々ならぬ宿命の手助けになればと思い同行させてもらってます」

 

 

 礼儀正しくお辞儀をするとレオンはアリオナも家に入るように促した。

 

 

「さすがに4人だと狭く感じるかもしれないが我慢してくれ。

 それとライルが戻ってきたと言う事はイシリウスの鍵の材料が集まり旅に出る前に渡した水晶剣『エクセレクター』が完成したと言うことだね?」

 

 

「ああ、ちゃんと集めてきたし、成長させてきたよ。

 これで城に入るための鍵を作ってくれるんだろ?」

 

 

「もちろんだとも。

 ……それじゃあ早速作成を始めるからそれまで外で自由にしてきなさい。

 ライル、私に何の力もないばかりに苦労を掛けてしまってすまなかった。

 今の君には友がいるのだからこれからのことは何も心配いらないな」

 

 

 何やらすっきりしたような顔をするレオンに初対面のアリオナだけが疑問を抱く。

 

 

「何を言ってるんだよレオンさん。

 俺はここまで育ててもらってレオンさんのことは本当の父親みたいに思ってるんだぜ。

 今更そんな事言わなくてもいいよ」

 

 

 ライルもミーナもレオンの言葉を普通に捉えただけだがアリオナはレオンの言い方にどこか違和感を感じたのだ。

 

 

「それじゃ久し振りにクイストに帰って来たんだし三人で一緒に何かしてましょ。

 イシリウスの鍵を作るなんてレオンさんでも大変だろうし邪魔しちゃ悪いわよ」

 

 

「よっしゃ、それじゃ俺に任せとけ。

 ちょうど昼飯時だしこの村で一番旨い飯を出してくれる店に案内するよ」

 

 

 ライル、ミーナ、アリオナはレオンの家をあとにし、ライルの勧めで宿屋兼料理屋に入り食事をすることにした。

 

 ただアリオナはどこかが引っ掛かっていたのだった。

 

 何かあるのではないかと。

 

 

「……悪い、ちょっと気になることがあったからレオンさんのところに行ってくるよ」

 

 

「ん?それは構わないが鍵作りの邪魔しちゃ悪いし後にした方がよくないか?」

 

 

 行儀は悪いが口の中いっぱいに詰め込んで話しかけてくるライル。

 

 

「いや、すぐに会っておきたいんだ」

 

 

 そう言ってアリオナは店を出てレオンの家に向かった。

 

 勘違いならそれでもいい。

 

 だがアリオナはレオンから何かしら感じるものがあったのだ。

 




 デモンズソウルのオーラント王はデーモン化したからではなく、もともと強かったのだと思います。

 あのクイックムーヴと「うにゃ~」って掛声とともに飛びかかる跳躍力は最初からだと思っていますw

 それとレオン・ショアってけっこう不幸キャラなんですよね。

 これならメラナット島で静かに暮らしてた方が幸せだったのでは、とも思いますが原作ではライルの育ての親としてそのライルのために死ねたのなら幸せだったのでは……とも思います。
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