King's Souls ~二人の王子の物語~   作:ヨイヤサ・リングマスター

9 / 28
 デモンズが混ざったからこそ救えるものもあると思います。

 デモンズソウルはデモンズソウルで救いようのないストーリーではありましたが、それでもどこかに救いがあるからこそ、あそこまで人を惹きつけるゲームだと思います。

 そしてそれはキングスフィールドにも言えることで、どちらかだけだと救いようのない話でも混ぜることで無茶な設定と無茶な理論でもハッピーエンドにできるはずです!



第八話:新たなる相棒

 レオンの家を再び訪れ、扉に手を掛けたところで中から声が聞こえてきたのでアリオナは手を止めた。

 

 

「……まだまだ子どもだと思っていたライルもずいぶんと大きくなったなぁ。

 もう私は必要ないのかもしれん。

 この国の端であるこの地で友達も作れずに過ごしてきたあの子にも友達がいるしもう何も心配はいらないな」

 

 

 どうやら独り言のようだがまるでこれから死ぬかのようなセリフ。

 

 

「さて、この水晶細工師一世一代の最高傑作『エクセレクター』を使って『イシリウスの鍵』を作るとしましょうか。

 手紙も残したしあの子にはこれ以上重荷を背負わせたくはない。

 私の友、アレフさんのところに逝く時がついに来たってところかな」

 

 

 アリオナは思い出す。

 

 確かアレフという人はライルから聞いた話ではこの国の乱心したアルフレッド王を城ごと封印するために死んだ人だと。

 

 その人の元に逝くということは、即ち水晶細工師レオンは死ぬつもりなのだ。

 

 

「レオンさん!」

 

 

「……おや、アリオナ君だったね。

 どうしたんだい?」

 

 

 先ほどと変わらない穏やかな笑顔をアリオナに向けてくるレオン。

 

 アリオナもレオンの顔をしっかりと見る。

 

 

「死ぬつもり……なんですか?」

 

 

 レオンは笑顔のまま静かに肯く。

 

 

「私はアレフさんに色々と助けられてこの国で暮らし始めたし、彼の友人だというアルフレッド王の子どもであるライルのことは結婚してない私にとっては本当の息子みたいに思ってたんだよ」

 

 

「だったら!」

 

 

「だからこそだよ。

 そのライルに父親を殺させてしまうという重すぎる宿命を背負わせてしまった責任として、『イシリウスの鍵』を作るために私の命を使うだけさ」

 

 

 すでにレオンは生きることを諦めている。

 

 否、それは自分の命と引き換えにしてでもライルやこの国の多くの人たちを救うために犠牲になるだけだという確固たる決意だった。

 

 

「ライルには黙っていてくれよ。

 『イシリウスの鍵』を作るにはこの成長した『エクセレクター』の力と私の命を代償にしなければいけないんだからね」

 

 

 そして『エクセレクター』を手にとったレオン。

 

 だがアリオナはレオンが何かする前に飛びかかり床に押し倒した。

 

 

「ライルがこの宿命に立ち向かっているのはこの国の人々を救うためなんだ!

 そしてその救いたい人々の中にはあなたも入ってるんですよレオンさん!

 どうか早まったことはしないでください」

 

 

「しかしそれだと鍵は完成しない。

 城の封印を解くためにも鍵がなければどうしようもないんだよ」

 

 

「あなたの命の代わりならこれを使うといい!

 僕が国を出る時に父から渡された王家の魂です!」

 

 

 アリオナがレオンに渡したのは父に別れ際にもらった『ルーンソード』と『ルーンシールド』。

 

 この二つは人の魂そのものと言える『ソウル』を使って鍛えられたものでもあり、『ソウル』とは今のところボーレタリアにしかないものだった。

 

 

「……確かにこの剣と盾なら私の命の代わりに使えるもしれない。

 だがいいのかい?

 君のお父さんから渡された大切なもの。

 君の『魂』なんだろう?」

 

 

「それでも……レオンさんの代わりにはならない!」

 

 

 剣と盾をレオンさんに手渡す。

 

 

「……わかった。

 私は君の剣と盾を使わせてもらう」

 

 

 レオンは剣と盾の二つを机に置き、『イシリウスの眼』、『イシリウスの翼』『イシリウスの冠』をその周りに並べる。

 

 

「だが、これは鍵を作ることが目的でもあったからね。

 君の剣と盾、君の『魂』が私が必ず生かす!」

 

 

 その時『ルーンソード』と『ルーンシールド』が光り輝きライルが集めていたという『イシリウスの鍵』の元となる3つも輝きを増す。

 

 

「これはすごい。

 この剣と盾の内包された魔力は私の命以上の力を持っているよ」

 

 

 そして光が収まった時、目の前には『イシリウスの鍵』は完成していた。

 

 それは剣と盾を元にしたためかとても鍵には見えないものだった。

 

 というよりも金色だった『ルーンソード』と『ルーンシールド』を元にしたからだろう。金色に黒い縁取りがなされた剣と盾がそこにはあった。

 

 

「驚いたな……

 私の命の代わりに使ったから私が生きていることは不思議ではないのだが材料の一つであったはずの『エクセレクター』の経験値スらも使わずに鍵が完成するなんて……」

 

 

「レオンさん、これがイシリウスの鍵なんですか?

 僕の剣と盾が少し形状を変えただけにしか見えないのですが」

 

 

「『イシリウスの鍵』というのはそもそも鍵穴に差して使うようなものじゃないからね。

 封印を解く意思のある者を城の中に導くための道具にすぎない。

 それはつまり形が剣と盾であってもなんの問題もないという訳さ」

 

 

 アリオナはすっかり見た目は変わってしまった自身の剣と盾を手に取る。

 

 剣と盾はまるでその瞬間を今か今かと待ちわびていたかのようにアリオナの手に収まった。

 

 

「なんというか……不思議な感覚です。

 これまでも僕の剣と盾は不思議な感覚を持っていましたがこれはもう『魂』が籠っているかのように感じます」

 

 

「それはそうさ。

 本来ライルが鍛えてくれた『エクセレクター』の経験値を足して、さらに私の命を使ってようやく完成するはずだった鍵を何の代償も無く完成させたんだからね。

 その剣と盾にはそれだけの力があっても不思議じゃない」

 

 

「まったく父上はこうなることを最初から分かって僕にこの剣と盾を渡したのかもしれないな」

 

 

 だがしかし。

 

 どうにか鍵は手に入った。

 

 食事を終えてきたライルとミーナも遅れて帰ってきたがレオンが自分の命を代償に『イシリウスの鍵』を作ろうとしたことは秘密にしておいた。

 

 ただライルはアリオナの剣と盾が元になってしまっている『イシリウスの鍵』を羨ましげには見ていたが。

 

 これで準備は整った。

 

 あとはヴァーダイト城に向かい、その中、その奥にいるだろうアルフレッド王を倒せばこの国は救われる。

 

 

「(だがそれでいいのだろうか……)」

 

 

 最初に話を聞いた時から思ってはいたがライルの父親であるアルフレッド王を倒すだけで事態が解決するとも思えなかった。

 

 国を破滅に導いた理由がまだわかっていない現在、想像で考えるしかないのでこの時はあまり深くは考えなかったが最終的に決断を迫られるだろう。

 

 ライルの父、アルフレッド王を殺すか否かを……

 




 ルーンソードとルーンシールドははっきり言って弱いと思います!w

 いくらこの小説でオストラヴァ(アリオナ)がカッコよくても、鎧の方がブロミウスで強化されていたとしても、あの剣と盾でシースやギーラと闘うなんてキツすぎますw

 という訳で、強化しました♪

 もちろんワープ、というか転移魔法みたいなこともできるようになりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。