艦これMAXスピンオフ? 「兼業提督の浮かない日誌」 作:かちゅーしゃ
あの大作戦から1年。
提督が司令部からいなくなって1年。
1年といえど時が経つのは早いもので、当時はショックを受けていた艦娘たちも、少しながらも現状を受け入れていった。
『本部から死亡の通達があったら見てね』と秘書艦に渡された提督の遺書に書いてあった通りの手順で、艦娘たちは現秘書艦を司令部提督として着任させる。
司令部提督として着任した秘書艦もぎこちないながらも、提督としての仕事をこなし、提督がいなくなるという司令部に開いた大きな穴は少しずつ埋まっている。
そんな1年としばらく経ったある日、遠征報告に来た艦娘たちから報告を受け取り、新たな遠征任務を言い渡し送り出した秘書艦。
ふと、執務室を出て、執務室のドアノブに『提督外出中』の札をかけ、私室へ向かう。
提督になってから使う頻度が減ったが、なる前とかわらない私室。
タンスへと向かい、タンスの上に置いてある写真立てをじっと見る。
写真立ての中には、いつ撮ったのかはわからないが元秘書艦と元提督のツーショット写真がある。
それを懐かしそうに眺めていた元秘書官は意識してない独り言をぽつり。
「司令官。私、少し寂しいです・・・」
ED05
あの大作戦が終わった。
歴史に大きく名を残したその作戦において、囲炉裏城提督は小さく名を残す程度に活躍をした。
が、小さく名を残す程度、彼は活躍と共に命を散らしてしまった。
彼の栄光が称えられ、遺書に書かれていた通りに秘書艦を後任の提督として着任させ、佐官級の階級が与えられた。
だが、後任の提督となった秘書艦に好印象を抱いていなかった艦娘や、司令部に不満があった艦娘はしばらく経って司令部の元から離れていってしまった。
提督にそれなりに好印象を持っていた艦娘も、やがては司令部から姿を消していった。
結果、残ったのは秘書艦と付き合いがあった艦娘と、提督に操を立てた艦娘と、遺産として受け継がれた提督の口座から給料が支払われる限り残る一般空港と一般港の職員と警備員と憲兵だけとなった。
司令部から去った艦娘分の補充はもちろんされたが、以前のような順調な運営とは行かなくなってしまっていた。
ある日、提督の遺書を読み返す元秘書艦現提督。
苦笑とも呆れとも取れる表情で、何度も何度も読み返し、結果クタクタになった提督の遺書を眺める。
そして、何度も見たそれを読み返し終えて、元秘書艦現提督はため息と共につぶやく。
「司令官の偉業は、今の私には大きすぎますよ・・・」
ED04想定:提督死亡又は行方不明・鎮守府の被害小
ED05想定:提督活躍・提督死亡