艦これMAXスピンオフ? 「兼業提督の浮かない日誌」   作:かちゅーしゃ

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ED06「間違ってはいなかった」

 あの大作戦からしばらく。

 決して少ないとはいえない轟沈級の被害、そして提督の死亡。

 それらは囲炉裏城司令部を縮小させてしまうには、十分な要因であった。

 

 飛行場やハブ港としての機能は他の司令部たちが引き継ぎ、囲炉裏城司令部は本土への栄転と言う名の事実上の左遷を受ける。

 司令部としては残った艦娘たち相応の規模であったが、いかんせん大規模な飛行場とハブ港に慣れてしまった艦娘達は、不満をつぶやきながらも、いつしか継いでいた建築の力で自給自足が出来る程度に司令部を改築した。

 

 司令部としての機能はあるが、艦娘の出番は全くないその新司令部でのんべんだらりとしていた艦娘の元へ、民間業者から小さな段ボール箱が届く。

 宛名は「囲炉裏城 定岡」亡くなった提督名前である。

 それを見た艦娘は秘書艦へ小さな段ボール箱を渡す。

 執務室にて慎重に中身を開けると、中には手紙とどこのものかもわからない鍵があった。

 不思議そうにしている艦娘たち、秘書艦は手紙の中身を見る。

 そこには「姫は燃えた」とだけ書かれていた。

 艦娘達は更に不思議そうにしていると、秘書艦はある事を思い出す。

 

 それは、大作戦が起こる前に兼業提督の兼業を見たいと秘書艦がせがんだ時、『その時になったら秘密の暗号を教えるから、見事探し当ててごらん』と言うのと一緒に手帳を渡してくれた事だった。

 秘書艦が慌てて私室に駆け込み手帳を探し出すと、暗号と同じページをペラペラと探し始める。

 秘書艦が慌てて執務室を出たのを追いかけて見に来た艦娘たちは「どうしたの?」と声をかけるが、秘書艦は必死に探している。

 少しすると、暗号と同じ言葉があるページを見つけ、「あった!」と声を上げ、それに驚く艦娘たち。

 そのページには『ある場所へと行って・・・』という文章が書かれていた。

 

 これはと思った秘書艦は信頼のできる艦娘数名を連れその場所へと向かうのだった。

 

 暗号解読書に書かれていた場所と行動を行い、新たな鍵と新たな暗号を入手して、また暗号解読書に書かれていた場所へと向かうという事を幾度か繰り返し、秘書艦たちはとある島へとたどり着く。

 暗号解読書を信じるのならば、提督が隠れ家として使っていた孤島であるのだが、あるのは誰も住まなくなって風化してしまっている廃墟だけ。

 落胆の声が上がる艦娘たちだが、秘書艦はいつもと違う鍵に期待を込めて廃墟のドアの鍵を開ける。

 すると、地下へ向かうような階段が続いており、これまでとは違う様子にもしやと期待する艦娘たち。

 5分か10分か、しばらく階段を下りると、若干ボロっぽいが新しいドアが出てきた。

 ドアノブを握り、捻るとつい最近まで使っていたかのようにするっと開く。

 そして、その先に見えたものを見て艦娘たちと秘書艦は声を失う。

 

 そこには、新品同様の軍艦や戦車や戦闘機、更には誰のものかはわからない艦娘の艤装まで新品同様に安置されていた広大な空間があった。

 探索を始めると作業台と思わしき机に手紙が置いてあるのを探索していた艦娘が見つける。

 その手紙には、

 

 『楽しき君達よ、ここは私がかつて兼業提督の兼業の時に使っていたモノを安置してある場所である。

 (中略)

 ここを見つけたという事は、楽しき君達は私の後継者という事だ。

 ここにあるものはためらわず使って欲しい。

 それが私の望みなのだから。

 by.囲炉裏城 定岡』

 

 と書かれていた。

 

 読み上げ終わると、周りで見たり聞いていた艦娘たちは、喜びの声を上げたり、感嘆の余り惚けたり、感激の中泣き崩れたりしていた。

 その中、手紙を読み上げた秘書艦は静かに涙を流しながらつぶやく。

 

「司令官。あなたは間違っていなかったです・・・」




想定:提督死亡・鎮守府の被害中
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