艦これMAXスピンオフ? 「兼業提督の浮かない日誌」   作:かちゅーしゃ

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一人称練習。
囲炉裏城提督は一人称では基本的に「自分」か「俺」を使います。
ご了承ください。
タイトル通り、説明回です。


6.投げ捨てられる作戦とその他なんちゃらを脳内説明する兼業提督の話

 ・・・・・・さて、一段落着いた。

 一段落着いたというのは、自分が呼ばれた対深海棲艦作戦の報告書とそれに関連する後始末である。

 

 秘密裏に進められ、成功すればドイツとの安全な航路を再度つなぐ事が出来る、此度の対深海棲艦作戦は、結果から言えば盛大に爆発四散した。

 というのも、関係者は無関係の人、同司令部所属の艦娘にすら迂闊に話してはいけないとされ、漏らせば深海棲艦と対峙して死ぬのではなく、味方に踏んづけられて頭に鉛弾をぶち込まれるからだ。

 しかもこの作戦、轟沈被害が出る事を前提としているため、参加したがる艦娘は非常に少なかった。

 例え多かったとしても、士気は非常に低いものだっただろう。

 そのせいか、正体不明の深海棲艦と対峙するための戦力が想定していた大規模から中規模へと減じてしまっている。

 おまけに、正体不明の深海棲艦と対峙する以外に、他の深海棲艦と戦う事を考慮していなかったらしく、捜索1日目から大規模な深海棲艦の奇襲に遭っている。

 おかげで、味方艦娘は中大破が100を越え、轟沈は両手で数える以上と言う大損害を手に入れている。

 で、本格的に動き始めて1日目で大損害を受けた艦隊は撤退を開始。

 程なくして、作戦本部からも作戦の中止が宣言され、半月も経たない内に凍結するでもなく、作戦は破棄された。

 

 それで、自分はと言うと、志願して輸送隊へと配属していた。

 死の危険性があるし怪我したり死んじゃっても自己責任だけど、日給4万だよーって集めた輸送のバイトとエアボートを使ったアリ輸送を行なっていた。

 輸送路は大体が制海権を得ていたりして安全であったというので、第6駆逐隊と天龍型2隻に護衛を任せて、エアボートに資源や建材、食料といったものを積んで2人1組で数にモノを言わせた輸送を行なっていた。

 失敗と言うか撤退が開始された頃には、帰りのエアボートには物資ではなく負傷した前線指揮官や、損害の軽い艦娘と共に大破した艦娘を曳航していくエアボートの姿があった。

 おまけに、海域哨戒中だった戦艦級に、エアボート備え付けの軽機関銃で蜂の巣にして沈めたというのが今作戦の最大の戦果だといわれている。

 何をバカなと思ったが、本隊に奇襲をかけてきたのは重巡や軽巡で構成された部隊で、味方は強くて重巡、大半は軽巡と駆逐艦と潜水艦だったらしく、奇襲だって言うのと前線指揮官として出ていた提督を守る為に庇わなくてはならなかったため、いたずらに被害が拡大したらしい。

 なお、作戦は破棄されたため、戦艦級撃沈者には表彰はされないらしい。

 

 どうも、この作戦を大本営はなかった事にしたいらしい。

 

 ・・・まあ、そんな事は終わってしまった事だ。

 エアボート輸送のバイト代としてバイトに危険手当も含めてパーッと払ったせいで貯金が5分の1減った事も終わった事だ。

 

 問題は移転理由となった作戦が終わったどころか破棄されてしまった事だ。

 作戦が終了したので、大体は元の鎮守府や泊地に戻されているが、自分はそうは行かない。

 利便性を求めたのと、自身の僅かな虚栄心のために作られたどでかい飛行場があるのだ。

 作戦時に聞かされた事だと、作戦が終わって自分の司令部が泊地に戻る為に、この飛行場をぶっ壊さなきゃならないらしい。

 ただ、それが問題になってしまっている。

 

 呉鎮守府から近くもなく遠くもないこの場所に建てられた飛行場は、呉鎮に用事があったり、横鎮に用事がある際の中継や受け入れ口として、既に利用され始めている。

 安全問題はどうかと言われても、呉鎮が護衛を出してくれるという事だし、飛行場から呉鎮までは基本的に安全が確保されている。

 さらに言えば、大本営に問い合わせた際に、飛行場は破壊しなくてもよいという回答を貰ったのだが、じゃあ、おとなしく引継ぎをして泊地へ戻りますねっていう事ができないというのが現状である。

 色々言いたい事はあったそうだが、大元の問題は人件費の問題である。

 現在飛行場は、警備や管制塔の少数の職員等を除けば、大半が司令部所属の艦娘と妖精さんで構成されている。

 規模もでかいため人数も多く、それを単純に技術がある人へと引き継いだりすると、人件費はドンッと跳ね上がる。

 ついでに、警備や職員の給料は自分の懐から出ている。

 警備や職員の分だけでもかなりのものだが、それ以上の人数になると費用はさらにかさむ。

 おまけに保守の話もある。

 毎日、滑走路の状態を点検したり、警備や職員に食堂で安くて美味い食事を出さなきゃならない。

 だが、我々司令部があれば、それらはすべて我々司令部が請け負ってくれるため、手放したくないのだ。

 前任の泊地でも似たような事はあったが、鎮守府への移送の際に鎮守府が責任を持つといった違いがあるが、そう大した事はない。

 なので、鎮守府から既に依頼として出されている飛行場の管理と言うのを受諾はしている。

 

 

 少し脱線をするが、日給4万とか出しておいて懐が5分の1の痛手で済んでいるのかと言うのにも言及しておく。

 日本は元々鉱物やそういったモノの種類は豊富であったが、採掘して資源として使うには、対費用が合わないという理由から海外からの輸送に頼っていた。

 だが、深海棲艦が現れ、艦娘が現れ、妖精さんが現れ、事態は変化する。

 艦娘を解体した際の資源や、妖精さんがどこからともなく持ってくる資源は、通常の飛行機や車の燃料、金属製品の原料にもなるというものだ。

 そのおかげもあってか、日本は資源大国に、そして、有数の金持ちの国へと変貌していった。

 ちなみに、資源を民間に横流しする違法な司令部が存在することも確かだが、その司令部どものおかげで日本経済が潤っているというのもなんとも皮肉なものである。

 この資源活用法は、ドイツへの技術を渡したりして、ドイツも資源に困らなくなってゆき、近くのイタリアやイギリス、ヨーロッパへと伝来し、やがてアメリカにもやってきて、世界は艦娘がいれば資源には困らない艦娘経済が出来上がるなんて事も考えられる。

 まあ、そんな先の事ではなく、今の自分の事である。

 資源大国で金持ちの国になった日本。

 資源の大元である海軍に所属している者、主に提督は、その有り余る金を享受しているのは否定しようがない。

 事実、警備や職員の給料や艦娘への手当を出してもなお、月に10万円以上の貯金が出来るぐらいには給料を貰っているのだ。

 ただ、その代わり、何時深海棲艦の襲撃で命を落としても仕方がない立場に立たされているのも確かである。

 

 

 話を戻そう。

 懐を痛めたくないのは金銭感覚を持つ人間としては普通のものであり、できるなら、負担を他者に押し付けたいというのも考えられなくもない事だろう。

 大本営は、依頼に対して多くの色を付ける事で、警備や職員、保守や食事といったものを相手にさせる事で、付けた色以上の働きをしてもらい、こっちは、飛行場をぶっ壊したり機密情報を廃棄してから前任の泊地へと戻るという手間がなくなるため、win-winではある。

 

 ぶっちゃけ、こっちの方が日本国内であるから気楽でいられるからね。

 

 とまあ、なんだか説明臭くなってしまったが、報告と後始末の事であった。

 

「んぅ...司令官、何をしてるのですかぁ?」

 

 ソファで仮眠を取っていた吹雪が目を覚ます。

 どうやら、眠気はあんまり取れていないようだ。

 くしくしと目をこすりながら起き上がり始めている。

 

「いや、これからこの地で働く事が本格的に決まって、明日の朝礼の内容をどうしようかと考えていたところだ」

「はぇ、頑張ってください...」

 

 そう言ったのはいいが、そうだ、明日の朝礼で前任地へ戻る事はなくなったと言う事を説明しなくてはならないじゃないか。

 うわぁ、どうしよ。

 

 あくびをしながら二度寝に入る吹雪を見ながら、そう考えるのであった。




第6話投稿。

ネタを文章化するとそれで満足して書く気をなくしてしまうのは悪い事か。
少なくとも、6話も続いてる事が自分としてはおかしな話なんだよなぁ。

*簡単な捕捉
・エアボート
船の船体にエンジンとプロペラを乗っけた、船とホバークラフトの間の子みたいな船。
推力が水中ではなく空中で発せられるため、水深が浅いところでもスイスイと進む事が出来る。
囲炉裏城司令部では、主な海上移動手段として100隻ぐらい確保されている。
主な武装は艦首にポン付けされているミニミ軽機関銃と、搭乗者の武装。
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