「………」
「「「「「………」」」」」
俺達は白夜叉というらしい。そいつの私室で正座させられている。
「……おんしら、さっきのことは別によい飛んできた私も悪いからな」
許してくれたようだ、よかった~。
「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている”サウザントアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」
「はいはい、お世話になってます本当に」
投げやりに言う黒ウサギの隣で耀が首を傾げて問う。
「その外門って、何?」
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです」
「簡単に言うと城みたいなモノ?」
俺がそう問うと白夜叉が
「ちょっと違うの、たとえるなr「「「バームクーヘン?」」」っておおい!?私の台詞をとらんでくれ」
問題児がそうたとえると白夜叉も納得している。もしかしてそう言うつもりだったの?
「ふふ、そうじゃの。今いる七桁はバームクーヘンの一番薄い皮の部分に当たるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は”世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこにはコミュニティには属してはいないものの、強力なギフトを持つ者達が棲んでおるぞ___その水樹の持ち主などな」
白夜叉は黒ウサギが持っている水樹に目を向ける。
「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したのか?」
「いえいえ、この水樹は十六夜さんがここに来る前に素手で叩きのめしたのですよ」
黒ウサギが自慢げに言う。確かに同士がコレだと自慢もできるわな。
「なんと!?クリアではなく直接倒したとな!?ではその童は神格持ちの神童か?」
「いえ、黒ウサギはそう思いません。神格持ちなら一目見れば分かるはずですし」
「む、それもそうか。しかし神格を倒すならば同じ神格を持つか、互いの種族によほど崩れたパワーバランスがある時だけのはず。種族の力でいうなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ」
「神格…………その名の通りやばいのか?」
「ああ、神格を持つと蛇が蛇神に、人が現人神や神童に、鬼が鬼神になるほどだからの」
「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」
「知り合いも何も、アレに神格を与えたのは私だぞ。もう何百年も前の話だがの」
胸を張り、豪快に笑う白夜叉。
「へえ?じゃあお前はあの蛇より強いのか?」
「ふふん、当然だ。私は東の
「最強、面白そうだな!俺と戦え白夜叉!!最強と弱小の戦い、どうだ!面白そうだろ!」
十六夜達も目を輝かせて立つ。
「ふふ、そうか。____しかしゲームの前に一つ確認しておくことがある」
「なんだ?」
白夜叉は袖からカードを取り出して言う。
「おんしらが望むのは”挑戦”か____もしくは”決闘”か?」
その瞬間目の前にいろんな景色が流転する。
そして投げ出されたのは太陽が水平に廻る世界だった。
「……………はっ、面白い」
俺は自然とその言葉が出る。
「面白い…か、私は”白き夜の魔王”____太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは試練への”挑戦”か?それとも対等な”決闘”か?」
「水平に廻る太陽と………そうか、
「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私が持つゲーム盤の一つだ」
「これだけ莫大な土地がただのゲーム盤…!?」
「如何にも。して、おんしらの返答は?”挑戦”であるならば、手慰み程度に遊んでやる。__だがしかし”決闘”を望むならなら話は別。魔王として、命と誇りの限り戦おうではないか」
「………っ」
問題児三人は返答を出来ない。だがこの男は違った。
「”決闘”」
「ん?もう一度言ってくれんかの」
「”決闘”をお前に申し込む、俺は本気で行くからな軽くあしらおうとしても無駄だぞ」
「ほう、その申し込みを受けようではないか。して、他の童はどうする?」
「参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」
十六夜は両手を挙げる。
「ふむ、それは”決闘”ではなく試練を受けるという事かの?」
「ああ。これだけのゲーム盤を用意することが出来るんだからな。アンタには資格がある。____いいぜ。今回は黙って
可愛い意地の張り方だ。試されてやる、は可愛くしかないぞ十六夜。
「く、くく……………して、他の童達も同じか?」
「………ええ、私も試させてあげてもいいわ」
「右に同じ」
二人もまた意地っ張りだなー。
「待って下さい!十六夜さん達は試練だからいいですが信さんは決闘!?新人の決闘を受ける元魔王って冗談にも笑えないのですよ!?」
黒ウサギがほっとしているのか焦っているのか分からない表情で言う。
「はは、大丈夫だって。互いに戦闘不能で負けってことだったら良いじゃないか………しかも俺が弱い?ふざけんな。こいつは箱庭でも上位の奴なんだろ?じゃあ本気でやれば五分五分だと思うぜ」
「そうじゃ黒ウサギ、この童が決めたこと。それを曲げるのはどうかと思うが?」
黒ウサギは諦める。白夜叉の目も本気だった。
「まあ、先に試練から始めよう」
それからはグリフォン登場!耀と勝負!耀が勝ち、ついでにグリフォンのギフトを手に入れた。
そして俺と白夜叉のターン。
「ふむ、では
そう言って白夜叉は何かに書き込んだ。
ギフトゲーム名・魔王と元魔王
プレイヤー一覧
石田信
クリア条件
・相手を戦闘不能もしくは相手が降参したとき。
敗北条件
・降参。もしくは上記の条件を満たせなくなったとき
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
”サウザントアイズ”印
「白夜叉、提案だ」
「何じゃ」
「お互いに本気の攻撃をぶつけあう。それで負けた方が降参。ってのはどうだ?」
白夜叉は悩む。
「いいじゃろう。来い」
俺は地球サイズの岩を作り出す。白夜叉は太陽を手のひらに作り出す。
そして同時に放つ!
負けたのは信だった。
「………」
十六夜達は唖然としている。
「はっはっは、まさかあれを岩で抑えようとは、面白い」
白夜叉は笑う。
「寒いから戻りたいんだけど…」
「おお、そうか」
白夜叉が指をパチンッとならすと元の部屋に戻っていた。
「で、用件は何だ?黒ウサギ」
黒ウサギは我に返って答える。
「!!今日は鑑定をお願いしに来ました」
その言葉に白夜叉はグッと気まずい表情になる。
「よりによってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」
白夜叉は俺達を見る。
「どれどれ……ふむふむ……うむ、四人共に素養が高いのは分かる。しかしこれでは何とも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握しておる?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「国家機密」
「うおおおおおおおい?いやまあ、対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃあ話が進まんだろうに」
「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃない」
ハッキリと拒絶する十六夜。
「ふむ。何にせよ”
白夜叉が柏手を打つと光り輝くカードが現れる。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム”
ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム”威光”
パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム”
ゴッサマーグリーンのカードに石田信・コミュニティ・新大陸を創りし者 ギフトネーム”大陸大移動の魔王” ”
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「あげたくないと思う今日この頃、私は子供にどう思われているのか」
「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が合ってるのです!?このギフトカードは顕現してるギフトを収納出来る超高価なカードですよ!耀さんの”生命の目録”だって収納可能で、それも好きなときに顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「だからなんで適当に聞き流すんですか!あーもうそうです。超素敵アイテムなんです!」
三人は黒ウサギの言うことを聞き流しながら、物珍しそうに見る。
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの旗と名も記されるのだが、おんしらは”ノーネーム”だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」
「ふーん、じゃあこの指輪もか?」
「あと、水樹」
「ああ、もちろん。でおんし、その指輪は確か”幻獣の壁”のオリジナルのギフトなのじゃが」
「…ああ、コレ?呼び出されていきなりギフトゲームをしかけられて勝ったから貰った」
「あのゲームはパラドックスゲームなのじゃがの…」
ついでに俺と十六夜は指輪と水樹をしまってみた。
すると”通訳の指輪”が追加された。
「これで会話が出来るのか?」
「水も出せるのか?」
「出来るとも、やってみるか?」
「だ、ダメです!反対!」
「そのギフトカードは、正式名称を”ラプラスの紙片”即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった”恩恵”の名称。鑑定は出来ずともそれを見ればだいたいのギフトの正体が分かるというもの」
「へえ、じゃあ俺のはレアケースなわけだ」
十六夜がそう言うと、白夜叉はギフトカードをのぞき込む、すると白夜叉の顔が変わる。
「…いや、そんな馬鹿な」
白夜叉は十六夜のギフトカードを取る。
「”正体不明”だと………?いいやありえん、全知である”ラプラスの紙片”がエラーを起こすなど」
「なんにせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ。でも”生命を創る者”ってなんだ?」
「………俺にも”創造する者”ってのがあるんだよな、他にも”魔王”だとか”人類最終試練”だとか…」
「!?何だと!?よこしてみろ」
そう言って白夜叉は取り上げて見る。
「………おんし、このギフトに思いあたりはあるか?」
そう言って指を指したのは”新大陸の魔王”だった。
「魔王ってのは無いが、新大陸…さっき使った地球規模の岩を作ったのがそうじゃないか?」
「………そうか。本人も分からないうちに魔王となる…私たちのようなものか…」
「…?どうした、俺的には何故旗と名前が刻まれているのかが気になるんだが」
「………人類最終試練。おんしのギフトカードにそう書いておるが、それは魔王の中でも一番上の者達だ。今は”
「………俺は魔王なのか、ってことはノーネームに入るのもきついな…他のコミュニティの旗頭だし」
「………この”生命を創る者”ってなんだ白夜叉。俺はこんなもの知らないぞ」
十六夜が聞く。
「………たぶんじゃが”創造する者”で創ったギフトをおんしが貰った感じだな」
ふーん、とこっちを見る十六夜。
そして俺達は店前に出た。
「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」
「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦するときは対等の条件で挑むのだもの」
「ああ。吐いたつばを飲み込むなんて、格好付かねえからな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。………ところで今更だが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」
「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」
「ならそれを取り戻すために”魔王”と戦わねばならんことも?」
「聞いてるわよ」
「………。では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」
「そうよ。打倒魔王なんて格好いいじゃない」
「俺みたいなのばかりじゃないが俺の足下の奴等ばっかだと思うぞ」
「………まあいいじゃろう。忠告しておく、小僧達はなんとかなるがそこの小娘二人、おんしらは絶対に死ぬぞ」
「………ご忠告ありがと。肝に銘じておくわ。次は貴方の本気のゲームに挑みに行くから、覚悟しておきなさい」
「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。……ただし、黒ウサギをチップに賭けてもらうがの」
「嫌です!」
「つれないことを言うなよぉ。私のコミュニティに所属すれば生涯遊んで暮らせると保証するぞ?三食首輪付きの個室も用意するし」
「三食首輪付きってそれもう明らかにペット扱いですから!」
さっきからすぐにツッコミを入れる黒ウサギ。
「おいまてペットより拘束なしで体育館の倉庫みたいなところで監禁がいいと思うのだが」
「…?まて、なぜ体育館なのだ?」
「はっ!わかってねーな、体育館の倉庫とは学生が閉じこめられて不純異性交遊をする最高の場じゃねーか!」
「はっ!そうか!」
「十六夜!白夜叉!」
拳をぶつけ合う三人。その光景はただの変態の集まりだった。
「変態ね」
「以下同文」
「変体しかいないのですか!?」
そんな女子の会話を聞かずに信達はノーネームに向かった。
遅れました!
つぎも遅れます!