入学
『鬼頭!!!なぜ強豪校のスポーツ推薦を全て断って赤とんぼに行くんだ?!』
『あぁ…猪狩…すまない。もう野球は辞めたんだ』
『!!!!僕が唯一ライバルと認めた君が、僕に初めて負けを味わわせておいて…勝ちにげとは認めないぞ!』
『……』
『僕はいつまでもマウンドの上で待っている!君がまたバッターボックスに戻ってくるのを!!また一緒に野球を出来るのを!!』
野球はもう辞めたのにまだあの日の会話、そしてあの試合のこと思い出してしまうな、忘れたいのになー
あっ!時間無え!走らないと間に合わん、入学式から遅刻するわけには!!
ハアハアハア…
なんとかセーフ。最後の試合から7ヶ月、そっからトレーニングしてないからちょっと体力落ちたかな。
『結構体力あるでやんすねー何かスポーツしてたでやんすか?』
すっごい独特なしゃべり方で声を掛けられた
『まあ少ししてた』
『そうでやんすか、体つきもガッチリしてるでやんすねーあっ!おいら矢部明雄でやんす!中学では野球部で俊足巧守の外野手で有名だったでやんすよ』
あぁー名前は聞いたことあるかも。
『俺は鬼頭、よろしくな!矢部くん急がないと遅刻になるぞ!!』
『そういえば!!ヤバイでやんす~』
入学式が終わって教室に行き自分の席に座って、周りを見わたしてみた。
あっ!矢部くん一緒のクラスか!地元から少し離れた高校だから他には知ってる人はいないか。
その後先生からいろいろと説明を受けたりして、その日はそれで終わった
入学して一週間が過ぎて友達も何人か出来たり、みんないろいろな部活に入ったりしていた
その日の放課後、帰る準備をしていた。
『鬼頭くんて、あのパワフル中学の鬼頭くんでやんすか?』
『ああ…』
『スゴいでやんすよーーあの猪狩くんもが認めた天才打者鬼頭昌くんがこの高校にいるでやんす!!!!でも野球が廃部になったこの学校に来たでやんすか?1からチームを作る気でやんすか?それならオイラも頑張るでやんす!!』
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『野球はしねえよ、もう辞めたんだ』
『なんででやんすか?あんなに凄かったのに、プロも注目ってみんな言ってたでやんすよ?何十年に一人の天才だって』
『…うるさい…俺は天才なんかじゃねえ!もう野球は辞めたんだ、用件がその話ならもう俺は行くぞ』
『待ってくれでやんすー』
あーイライラする!なにが天才だ!!なにがプロ注目だ!!
俺は………くそおっ!!!
イライラしたので頭を冷やすために屋上にきた。
ブン…ブンブンブン
ん?素振り音?
当たりを見渡すと、隣の校舎の屋上で素振りをしている女の子がいた。
ソフトボール部か?いや!この学校にソフトボール部は無かったはず、じゃあ野球部?でも廃部になってるはず!
気になったし行ってみよう!
『すいません。ソフトボール部ですか?』
そう聞くと
『違います。野球部には入りたいけど、部員がいないんじゃ部としての活動出来なくてこうして屋上で素振りはしてるの』
そうなんだ。
『女の子なのに野球って珍しいね』と言うとその子は素振りを止めた
『ハハハ、やっぱり女で野球っておかしいですよね…』
そう言って寂しそうに笑った。
その顔わ見ていると胸がギューっと締め付けられるような感情になった。
『いっいや!おかしくないよ!!珍しいなって思っただけだから!』必死に手を振りながら言った。
確かに去年からある高校の行動によって、高校野球の公式戦にも女の子が出れるようになっていた。でも全国的にはまだまだ女子選手の人口が少なかった。
『自分でもわかってますよ、女の子が野球をやるって言うのはまだまだ偏見があるのわ。でも野球が好きだから……あっ!そういえば僕の名前は小山雅です、1ー3組だよ』
『俺は鬼頭、1ー5組よろしく!』
『よろしくね鬼頭くん!呼び方は雅でいいよ』ニコッと笑顔で言う。
おっ!カワイイーって思った。
『鬼頭くんは野球したことある?』
『あぁ、ちょっとくらいはしたことあるよ!』
『僕あんまり打つの上手くならないから教えてよー』
正直迷った…もう野球は辞めたし忘れたようとしてた。
でもさっきちょっと悪いこと言っちゃったから、1度くらいなら教えようかなと思った。
『俺に教えれることがあったらね』
『ほんとー?!じゃあ振るから見ててね!!何かおかしいとこあったら教えて!』
ブンブンブン……
雅は何度かバットを振るった
『なにかダメなとことかあった?』
『んー良い振りはしてる!良く素振りをしてるのはわかった!でも下半身をしっかりと使えてないかな!今のままだと強い打球は打てないと思う』
『どうすればいいの?』
『えーっとね、構えてみー』
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『あー疲れた』
『お疲れ様!だいぶ良くなったよ』
終わってみれば2時間もの間、フォームについて教えていた。
『ありがといろいろ教えてくれて!説明もわかりやすかったしね!!また教えてね』
『どういたしまして、まあまたいずれな。じゃあそろそろ俺は帰るわ』
『待って!一緒に帰ろうよ』
二人で野球の話をしながら帰った。
やっぱり俺は野球を忘れられないのか、、
また野球をしたいのかな。
『どうしたの?』雅ちゃんが心配そうに俺の方を見た。
『なんでもないよ!!それより野球部作りなよ!俺のクラスにも野球部再開させようとしてるやついるし!』
『ほんとに?良かったあ、一人じゃほんとうに無理だろうなと思って諦めてたの、じゃあこれで僕と鬼頭くんとその子で3人だね♪』
『いいや、俺は野球はしない!ごめん』
『え?あんなに野球のことしってるのに?もったいないよ、、なんでなの?』
『野球のことが嫌いになった、ただそれだけ』
『ぇ……』
『俺寄るとこあるから、じゃあね』
その場から逃げるように帰った
今日はなかなか寝れなかった、、