「大体さー、最近の幻想郷は風紀が乱れすぎなんだよ」
「そうですかね?」
人里から少し離れた森の中、灯りを灯すのは一軒の屋台。
今日も小さな店主、ミスティアローレライは、串打ちした
八ツ目鰻を炭火の上でくるくる回しながら酔っ払いの相手をしている。
「そうだよ。ちょっと前まで妖怪を人里で見かけようものなら、やれ異
変だのやれ事件だの騒いでたくせによー。今となっちゃあ、魑魅魍魎が
堂々と人里を闊歩するようになってる。」
「あら、私は良いことだと思いますけどねー。人間の妖怪
への理解が進んだってことじゃないんですか?」
「確かにそこだけ聞けば良いことかもな…でも、だ、最近
カップル連れがみょーーに多くないか?特に人と妖怪のカ
ップル」
客は八ツ目鰻を差していた串をくるくる回しながら愚痴
る。
「まあ、そうですねー。なんでも幻想郷のえらいひとが積
極的に人妖融解をすすめているんだとか…この前もちょう
ど人と妖怪の合コンが開かれましたよね。」
「そうなんだよ。俺はな?別に人と妖怪がくっつこうが恋
人連れが増えようがチュッチュしようがどうでも良いわけ
よ。うん、本当に、全然、全く、気にしないわけよ。」
「はあ」
「でも、だ。人目を少しは気にしろや!!此方とら独身で
独り身だってのによぉ!目の前でいちゃイチャイチャ!見
せつけてんじゃねーよクソがぁ!!」
「めちゃめちゃ嫉妬してるじゃないですか…」
「ハイッあーんしてるのを見た時には本気で殴りたくなっ
たね」
二人で話しているところ、ミスティアの後ろから若い男の
声がかかる。
「お客さん、盛り上がってる所悪いけど、店仕舞いの時間
です。これ以上は柄の悪い連中も増えてくるのでそろそろ
帰った方が良いですよ。」
これを聞いた客はニヤニヤ笑いだした。
「おやぁ?もしかして嫉妬しちゃった?ごめんねー愛しの
彼女だもんねー。取っちゃってごめんねー?」
そう、この二人、店主ミスティアと手伝いの男は恋人
同士であった。なんでも永夜異変の時に顔見知りになった
んだとか。詳しいことは客は知らないが、いろいろあった
んだと口を濁すのはミスティアの一言。
ストレスの溜まっていた客は少しからかってやろうと軽口
をたたいたつもりだったのだが…
「そうですよ。うちのミスティアがかわいいからって変な
気を起こさないでくださいね。見ての通りミスティアは天
使のような美しさですから、言い寄る男がいても仕方ない
と思うんですよ。まあ彼女は優しいですからどんな男にも
つっぱねたりせず、相手してあげてるんですけどね。そん
なことがあった後は愛を確かめ合うためにキスをするんで
す。そういえばこの前も店を閉めた後、執拗に俺を求め
てきたことがありましてね。まあ、ミスティアが求めてく
るなら俺はいつでも受け入れるんですけど、そういった分
別が出来てる所も彼女の良いところですよね。おっとつい
しゃべりすぎてしまいました。でも本当にこれ以上遅くな
ると危険なので早く帰った方が良いですよ。」
顔を真っ赤にして俯くミスティア。茫然自失となった客。
数秒置いて
「おっおうよ…」
5文字だけ言葉を絞り出した。
「まさかここまでとは、あんたたちも大概だな」
「お客さんも愛する人が出来ればわかりますよ。」
「ふーん、そう。」
「もっもうっ、お客さんの前で恥ずかしいこと言わないで
っていったでしょ!」
ようやく我にかえったのか、ミスティアが叫ぶ。しかし男
は全く動じない。
「ミスティアがかわいいんどから仕方ないじゃないか。ミ
スティアは俺の事嫌いか?」
「きっ嫌いじゃ、ない、けど…ってゆうか寧ろ、すっ好き
なんだから!」
「だったら問題ないじゃないか。愛してるよ、ミスティ
ア。」
「私も…ってそうじゃなくてっ人目を考えてってことっ!
」
「考えてるよ。考えた上でやってるんじゃないか。」
「余計たちが悪かった!?」
「これも全部ミスティアがかわいいのが悪いんだぞ?」
「もっもう、調子が良いんだから…でも…」
「ん?なに?」
「あなたも、かっこいい、よ。この世の誰よりも…だから、好き。大好き!」
「ミスティア…」
頬を朱に染めてお互いみつめあう二人。客はいつの間にか
勘定だけおいていなくなっていた。向こうからダメだこい
つら…帰ろう…なんて声がしていたが、二人の耳に届くこ
とはなかった。
「ミスティア!」
「あなた!」
今日も、森の中に二人の愛の囁きがこだまする。
頑張って文章にしてみましたが…
まあ、処女作ですしこんなものでしょう。お目汚しありがとうございました。もっと上手に描写出来るようにがんばります。