楽しんでいただけたら幸いです!
・・・・・・・・・・・・・ガラッ
扉の開く音が聞こえた。
何年も待ち焦がれた人にようやく会えたときの気持ちはこんな感じなにかな、とふと思う。
まあ、実際5年以上待っていたものかもしれないんだけど・・・・
「ユキちゃん、全部キレイに解決できましたよ。ごめんなさいね、少しお待たせさせてしまったようです。根本君はご家族と一緒に米軍で強制労働、といっても、自由時間、睡眠、娯楽が保障されている所なのでこれから会うことも無いでしょう。・・・・・まあ、あのファイルに関することを思い出そうとすると、脳に大きなダメージが起きるという点では、いささか不便かもしれませんが。」
「・・・・・ねえ、」
「なんですか?ユキちゃん?」
「・・・・なんで、わ、私を置いて行ったの?」
こんな言葉しか出ない自分が情けないと思う。なんで私の気持ちを素直に言えないの?いや、これも本当の気持ちなんだと思う。ただ、この場面で言うべきことじゃなかっただけで。
「ユキちゃん・・・・・」
「お、教えてよ・・・・・今だったら、何を言っても信じるからさ・・・」
もう、言ってしまったのならしょうがない。彼女の言葉に向きあおう、そろそろこの壁を壊したいのは私も同じなんだから。
「わかりました・・・・・・伝えます。私は・・・・・・」
決心したような顔つきをして言葉をつむいだ。
「私は、ユキちゃん、あなたから私への依存を解消できれば、と思ったのですよ。そして、身も心も、そしてもちろん頭も良くして帰ってこようと思ったんです。」
「・・・・・・・・・へ?」
ど、どういうこと?何を言ってるのかがさっぱりだよ・・・・
「ユキちゃん、あなたはこれからずっと長い時を生きていきます。その時に、本当にあなたは今日のようなことが二度と起きないと言い切れますか?私はその問題をいつでも、本当の意味でどんな状況でも解決できるように人脈作りをしていました。・・・・・そしてもっと大切なことは・・・・・・そんな長い時の中で、あの時のままのユキちゃんが、私がいなくなった後、どうなってしまうのかがとても不安だったのです。」
そ、そんな・・・・・なら、あの時も全てわたしのことを想って言ってたの?
「あの時は・・・・・この前も伝えたとおり、自分でも混乱して、冷静な対応ができなかったんです。いくらユキちゃんのため、といっても、あんなに泣きじゃくるあなたを見てしまっては、自分の気持ちを殺さない限り、あなたを連れて行ってしまうと思ったのです。」
じゃ、じゃあ本当にこの人は私のために全てをささげてくれたの?
「まあ、結果として、これで良かったのかもしれませんね?今ならあなたは私がいなくても、あのころのような依存はなくなって・・・・・・・」
「違う!!!」
驚いたような顔でこっちを見てる。でもそんなのは関係ない。この人は何もわかってない。
「違うんだよ!!お姉ちゃん!!!!私はそんな人脈作りとか、強くなることとか、そんなことをして欲しかったんじゃない!!あの時・・・・・私があなたに一番してもらいたかったのは・・・・・・・」
そう、あの時一番伝えたかったコトは・・・・
「あなた・・・・に、そばにいて欲しかった・・・・・ただ、それだけなんだよ・・・・お姉ちゃん・・・・」
いつの間にか目から涙が流れていた。ぼやけてあの人の顔が見えない。でもここまで言ったんだ、全部言ってやる
「そりゃ、これからアンタがいない世界で生きるのは辛いよ!!でも!だからこそ!!私は一緒にいたかったんだ!あと60年もしないうちにアンタは死んじゃって、それからも生きなくちゃいけないけど、それでも、それまでの思い出を糧にして生きていけると思えてたんだ!!」
「もし本当に私のことを想ってくれるんだったら、そばにいてよ!!勝手に自分で決めて、いきなり置いてったりしないで!!」
「ユキちゃん・・・・・・・」
あっちも泣きそうな顔をしている。今までの行動が当事者に全部否定されたのだから、仕方が無いかもしれない。それでも、私は・・・・・・・と思ってると、いきなり抱きついてきた。
「ごめんなさい、ユキちゃん。私は・・・・・独善的すぎたのですね、それで・・・・長い間あなたを傷つけてばっかりで・・・・バカみたいですね、どれだけ強い力を手に入れても、最愛の人を悲しませたら何の意味も無いのに・・・・・・」
大丈夫、まだやり直しはできる。ちょっと長すぎたかもしれないけれど、後何十年かはあるんだ。そこで、私たちで思い出を作っていけば・・・・私は・・・・・
「でもね、ユキちゃん?」
な、なんだろう?なんかすごく楽しそうに笑ってるんだけど・・・・・?
「まだ、もう一つの手はあるんですよ?それではダメなのですか?」
アレか・・・・・アレは・・・・・
「アレは・・・・ごめん、まだ覚悟はできない。」
そう、アレはやってはいけないコトなんだと思う。やれば必ずどちらかが傷つくだろうから・・・・・
「どうですか、わかりました。ただ・・・・・」
「ただ?」
「もし、あなたの気持ちが固まったときのために、あなたの隣を予約しても良いですか?」
「そ、それは・・・・・・・・」
なんで言葉が言えないのだろう・・・・答えは決まってるのに
「まあ、その覚悟も出来れば早くしてくださいね?のろのろと引きずってしまうと、私がお婆ちゃんになっちゃいますから。」
・・・・・・・・そうやら、彼女の中ではもう決定らしい、こっちはこんなに悩んでいるのに・・・・
「それと・・・・」
それと?まだあるのか?もうそろそろ頭がパンクしそうなんだけど・・・・・
「いつになったら、またさっきや昔みたいに「お姉ちゃん」って呼んでくれるんですか?」
・・・・・・・・・いや、それは、その・・・・・なんというか・・・・
「アンタとか、悪い時はお前だとか・・・・そろそろ、あの頃みたく、可愛く「おね~ちゃ~ん」って言って欲しいんですけどね?」
「っ~~~~~~~~~~~~~!!////////////////////////う、うるさい!バカ姉!!!」
恥ずかしすぎて、本当に呼びたいコトは口に出せなかった。
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AKIRA SIDE
In吉井家
「も、もう寝る!!」
と言ってユキちゃんは部屋の中に入っていってしまいました。アキ君によりますと、学校で夜ご飯の分も食べたということなので、先日のようなコトも言えませんし・・・・・と考えていると、
「姉さん、ご飯の用意できたよ。食べちゃって。」
では、しかたがないので、弟の手料理をいただくことにしましょう。
「姉さん、雪菜とは仲直りできた?」
「ええ、なんとか。これもアキ君のおかげですね、ありがとうございます。」
これは心からの気持ちです。私がいない間に大人になったのですね・・・・・見たところ、勉強と恋愛においては異常に的外れらしいですが・・・・
「僕は何もしてないよ、ただ前に起きたことを教えただけさ。それよりも、姉さん」
「??????何ですか?アキ君、」
「留学してたとき、どんなことをしてたの?」
なるほそ、確かに聞きたいことかもしれません。でもこれは、ユキちゃんには教えられません、これを聞いてしまったらあの娘は・・・・
「教えても良いですが、ユキちゃんには内緒ですよ?約束は守れますか?」
「大丈夫、絶対話さないよ。」
その返事の後、私は口を動かしだしました・・・・・・・・
「・・・・・アメリカ、いや他のたくさんの国には軍人を養成する学校がたくさんあるんです、私はそことハーバードに通っていて、そこで多数の軍関係の人々とコネクションができた、というわけですよ。」
「いや、おかしいよ姉さん、何で軍人を育てるところに外国人が入れるのさ?」
・・・・・・驚きました、アキ君がかなりまともな質問をしています。
「スカウトされたんですよ、ぜひ教官として入ってくれとね。だから初日に言いましたよね?「あっちとの契約のせいで一年遅れてしまった」って。」
「そんなことが普通の人にできるわけが無いじゃないか、確かに姉さんは頭が良くて、知ってることが多くても、。並大抵の努力でそんなことが・・・・・・」
「ふふ、私も頑張ったんですよ?アキ君。一週間の内寝たのは水曜日の六時間だけ、他は勉強と鍛錬ばっかりでした。」
あのころは、本当に頑張りましたね。たくさん辛いこともありましたが、そのおかげで
今の人脈や権限を持つことが出来たので、良しとしましょうか。
「なんで、そんなに頑張れたのさ?やっぱり・・・」
「ええ、ユキちゃんがいたからですよ。今がどれだけ辛い状況でも、世界で一番愛しているあの子の一生を守ることが出来ると自分で信じていたからあんなことができたのです。」
「ねえ、姉さん、その一生っていうのはやっぱり・・・・・」
「ええ、私はユキちゃんを本当の意味で一生守って、一緒にいたいと思っています。・・・ただ、彼女には彼女の悩みがあるので無理強いはしませんが」
そうつぶやくと、アキ君は
「そんなの、姉さんがあっちでどんだけ雪菜のために頑張ったか教えればいいじゃないか!そしたら、雪菜だって・・・・・」
それは、違うのです、アキ君
「アキ君、私はあの娘を愛して、守るためにやってきたのです。それを、彼女から愛されるための口実にするのは、あの5年間の自分自身を裏切ることになるんですよ。」
「でも、姉さんはそれだけやったじゃないか・・・・少しは報われたって・・・・・」
良いでしょう、アキ君に一つだけ教えておきましょう、これが彼の人生に良い影響を与えると信じて
「アキ君、」
「愛というものは、見返りを求めないものなのですよ。」
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YUKINA SIDE
ふと目が覚めて水を飲もうとしたら、なんか二人ともまじめに話してる・・・・気まずくて台所に行けないよ・・・・
「そんなの、姉さんがあっちでどんだけ雪菜のために頑張ったか教えればいいじゃないか!そしたら、雪菜だって・・・・・」
・・・え?私の話?いったいなにを・・・・
「アキ君、私はあの娘を愛して、守るためにやってきたのです。それを、彼女から愛されるための口実にするのは、あの5年間の自分自身を裏切ることになるんですよ。」
「でも、姉さんはそれだけやったじゃないか・・・・少しは報われたって・・・・・」
「アキ君、」
「愛というものは、見返りを求めないものなのですよ。」
やめてよ・・・・これ以上、私をあなたのことを好きにさせないでよ・・・・
決心がにぶっちゃうじゃん・・・・
・・・・・・真面目な文になってしまいました・・・・
この回で言いたかったことは、自分のエゴと言うものは、時にある人を不幸にさせてしまうモノなんだ、ということなんです。その人のためと思ってやったことがその人自身にとっては苦痛でしかない、ってことはこの世にはよくありませんかね?そして、自分にとってその人が愛しければ愛しいほど、相手を傷つけてしまうとか・・・親が子供に勉強ばっかりさせるとかも、そういうものなんだと思います。まあ、もちろん勉強は大切ですから、そのバランスが大切であるんですけどね・・・・
まあ、これから雪菜のツンデレモードが始まるので、一歩イチャラブに近づきましたかね?
ではでは、評価とコメント、おまちしてま~す!