ではどうぞ
なぜ彼女は彼女を好きなのか なぜ彼女は彼女を憎むのか
AKIHISA SIDE
「・・・じゃ、話してもらおうか、明久?」
あの一件が終わった後、姉さんが雪菜をお姫様抱っこしながら、Dクラスに向かい、宣戦布告をした後、(姉さんが、「彼女を騒いで起こしたら、戦争する前にこのクラスを消しますよ?」と脅した)あと、僕、雄二、ムッツリーニと秀吉そして姫路さんと島田さんが、屋上で昼食をとることにした。
「・・・・・・・何をさ?」
一応質問してみる。まあ、聞きたいことなんてわかってるんだけどね。
「しらばっくれんじゃねぇ、雪菜のことだよ。アイツがあそこまで殺気むきだしにしたり、過呼吸で倒れるなんて今までなかったしゃねーか。」
・・・・・・・やっぱりそのことか、でもやっぱり
「それは、雪菜と姉さんの事情だよ。僕が誰かに勝手に教えたりしていいもんじゃない。」
そうだ。このことは僕が言っちゃいけない。それに、姉さんにはあんなことを言っちゃったけど、あの時何も言えなかった僕は何も言う資格なんてないんだから。
「わ、私も気になります。雪菜ちゃんと幼馴染なのに何も知らないのはいやなんです。友達として助けてあげたいんです!。」
「ウチも!」「ワシもじゃ」「・・・俺も」とみんなが言ってくれる。確かにみんな、本当に秘密にすることは黙っておいてくれる人達だ。
「わっかたよ。ありがとうみんな。でも一つだけ約束して欲しいことは、絶対に二人に直接口を出さないことなんだ。多分、これはあの二人自身で解決しなくちゃいけない問題だから。」
「「「「「OK」」」」」
「ありがとう、みんな。えーっと、これは雪菜が僕の家に来た時から話さなくちゃいけないんだけど・・・・」
そうやって、僕はみんなに話し始めた。
「・・・・・雪菜は、とある事情でうちの養子になったんだ。その事情は絶対に言えないけど。それで、うちに来た初めの雪菜は酷かったよ。精神ボロボロ、早く死にたいばっかり言ったり、ご飯も何も食べようとしなかったんだ。」
「でもね、あの子には一人だけ心を許せる人がいたんだ。それが僕の姉さんなんだよ。」
みんなが、それだけで僕がこれから言うコトがわかってきたようだ。
「姉さんがね、雪菜をうちに来ないかって誘ったんだ。その場所で。姉さんが言うにはその時の雪菜の髪はべたべたで、洋服はほとんど破れきっている状態で、この世に絶望している様な目をしていたんだって。」
隣から、「・・・雪菜のほとんど全裸、幼女ver!!」と叫びながら、大量の鼻血を噴射した。
こんな話をしている時でも性的に興奮できるムッツリーニは本当にすごいと思う。まあ、女子の二人はまるでゲテモノを見るような目つきで彼を見ているけど。
「・・・・続けるよ?・・・そういうことが何日もあったあと、いきなり雪菜が「お姉ちゃんのお手伝いする!」って言い出したんだ。その後の雪菜はすごかったよ。僕が今やっている家事を全部雪菜一人でやり始めたんだから。勉強だって姉さんと一緒にやったから頭がすごく良くなったし、スポーツもできるようになった。中でもやっぱり家事は群を抜いていたよ。僕の家事の目標は雪菜なんだから。やっぱり、お手伝いといえばこれ、って思ったんだろうね。」
「えっ!じゃあ雪菜ちゃんのお弁当はこれよりおいしいんですか!!?」
・・・と姫路さんが驚いている。
「そうだね。別に手を抜いたわけじゃないけど、全盛期の雪菜に比べたらまったく太刀打ちできないと思うよ」
「「そ、そんな~」」
姫路さんだけでなく、島田さんもorzの体勢になっている。
「ええっと、続けていいかな?・・・・・・でね、それから一年ぐらいかな?して雪菜は僕に言ってきたんだ。それまで僕に対しても一回も話しかけてこなかったからビックリしたもんだよ。それで、「私、お姉ちゃんが好きです!!恋してます!!」って言ってきたんだ。」
みんなさすがに驚いたようだ。まあ、女の子が女の子に対してだから確かに驚くのも無理はないだろう。
「それはね、ほとんど家族全員、姉さん以外気づいてたんだ。それに、姉さんが雪菜に恋してるってことも。」
「なんだ、二人は両思いだったのか?」
雄二が意外そうに言った。
「うん、教室の姉さんを見たでしょ?もうべた惚れだよ。でね、僕たち家族はこの二人がくっつけば良いと思ってたんだ。たしかに女同士だけど、どっちも賢くてなにより強かったからね、体もだけどそれよりなによりも心が。この二人ならやっていけると思ったんだよ。それに雪菜はほとんど依存って言えるぐらいず~~~~っと姉さんのそばにいたしね。」
「ただ、それでもあの二人だけは、お互いの気持ちを知らなかったんだと思う。雪菜はけっこう積極的に「好きです」って言ってたんだけど、姉さんはいつも少し寂しそうな顔で「私もですよ。」て言ってたよ。多分、姉としてか、好きといってもそれは自分を救ってくれた人への感謝を勘違いしてるモノだと思ってたんだと思う。」
雄二はどこかバツの悪い顔をした。このゴリラにもどこか思うところがあるのかもしれない。
「そうやって何年か過ぎた後、姉さんが突然アメリカに留学するって言ってきたんだ。しかもその日が出国の当日でね、僕たち兄妹には何も言われてなかった。」
そして僕はあの日のことを話し始めた~~~
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「これが、今までにあったことだよ。悪く言えば、ただの「痴話げんか」なのかも知れない。ただ、あの日から雪菜がやってきた家事を一切しなくなったり、一日中「お姉ちゃん・・・お姉ちゃん・・・・」って泣いていたり、さっきみたいに過呼吸で倒れたりなんて何回もあったのは本当なんだ。」
「さっき雪菜が「裏切り者!!」って叫んでたのは、ホントは両思いだったって気づいてたからだと思う。それなのにあんなコト言われたのは、確かにショックだっただろうね。」
「・・・・・お前は助けようとはしなかったのか?」
雄二が当然の質問をしてきた。
「したに決まってるだろ?でもね、無理なんだよ、僕じゃ。あの雪菜を元通りにできるのはこの世で姉さんしかいないんだ。そんだけ大好きな人だからこそ、雪菜は今でも姉さんを憎んでる。姉さんを今でも大好きなのど同じくらい、その気持ちを裏切って踏みにじった姉さんを憎んでるんだ。」
こうして今回のランチタイムは終わった。試験召喚戦争の作戦は教室でいっせいにするらしい。
・・・・明久の言動が真面目すぎないか?大丈夫かな???
ご意見がありましたらお知らせ下さい!!