仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜 作:Purazuma
ラビットハウス。
「ふぅ………そろそろ閉店の時間だね。」
「そうだな、あ、チェイス。その食器は棚の一番上に置いといてくれ。」
「わかった。………ところでリゼ、泊リョウタはまだ帰っていないようだな。」
「え?ああ………どこで油売ってるんだか………」
「私、探してこようか?」
「ココアさん一人じゃ危ないですよ。」
「なら、俺も同行しよう。」
チェイスはエプロンをリゼに預けながら言った。
「まあチェイスがいるなら安心か。………着替えなくていいのかココア?」
ココアはラビットハウスの制服のまま玄関のドアに手をかけていた。
妙にそわそわしているみたいだ。
「うん、大丈夫、汚さないようにするから。じゃあ行って来ます!」
少し急ぎ足でココアは出て行った。チェイスもその後を追うように玄関を出た。
「ココア、何をそんなに焦っている?」
ココアは明らかに急いでいる様子だ。
チェイスの問いに少し間を置いてからココアは答えた。
「………何か………嫌な予感がするの。」
「嫌な………予感?」
(リョウタ君………!どこにいるの………!?)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ズキン
ズキン
ズキン
「かっ………!?」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
頭が破裂しそうだ。
「う……!ああ………!!!ああああああああああああああああああああ!!!!」
俺は………誰だ…………!?
泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ泊リョウタ
いや………違うだろ…………!!!泊リョウタは俺の………………俺の………………!!!!
いや合っている!!!合っているだろ…………!!!俺は泊リョウタだ……………!!人間なんだあああああああ!!!!
「ぐ…………が…………」
ロイミュードは………………オレダ。
オレガロイミュード
オレ ロイミュード
ロイミュード
「ぐっ…………!うああっ…………!!!あぐっ…………!!!!」
「リョウタ。」
「ア………?」
目の前に一人の男が現れた。
「ダレ………だ。」
「泊エイタだよ。おまえの父親だ。」
「とう……………さん………?」
父さんか、なんだ、父さんか。父さん…………………俺に父さんは………………
「はははは………大丈夫かな?」
目の前の父さんの影はたちまち老人へと変わった。
「ぜろ…………ぜろ………いちぃ……………!!!!」
「まあそんな怖い目をするな。」
奴はフリーズロイミュードへと姿を変える。
「ふむ…………やはり君にはロイミュードとしての体が存在しないようだね……………」
「は………………!?」
正気を取り戻す。
だが今の俺はベルトさんを持っていない。奴と戦う手段が無い。
「はっ!!」
奴が氷の弾丸を放って来た。
「!?」
だが俺はそれを難なく躱せた。
「ほう………自分がロイミュードと受け入れたようだな。封印されていた力を解放している。」
「違う…………俺は………人間だ。」
「いや、君はロイミュードなのだよ。正確には自律成長型…………のね。」
「何だよそれは…………!?」
「泊エイタと泊カレンが開発…………いや、誕生させた人造人間、といったところかな………」
さっきの身体能力…………あれは明らかに人間には出せない力だ。
じゃあ…………やっぱり……………
「君は二度と人間の世界に戻る事は出来ない。さあ……………私と共に来い。」
人間の………世界。
チノ……………
「リョウタさん。」
シャロ…………
「リョウタ。」
千夜…………
「リョウタ君。」
リゼ………
「リョウタ。」
ココア……………………
「リョウタ君!!!」
「!?」
《シグナルバイク!!!!ライダー!!!!チェイサー!!!!》
《シンゴウアックス!!!!》
チェイサーがフリーズロイミュードに飛びかかった。
「リョウタ君!大丈夫!?」
チェイサーが来たのと同じ方向からココアが駆け寄って来た。
「ふっ………!」
「ぐっ!?」
チェイサーはフリーズに苦戦している様子だった。
「はああっ!!」
「ぬう…………!?」
フリーズの発生させた吹雪に動きを止められる。
「終わりだ。」
「ぐおおおっ!?」
チェイサーは氷の塊を放たれ、こちらに吹き飛んで来た。
「また君に会いに行く、その時までにいい返事を待っているよ………」
フリーズは吹雪の中へと消えて行った。
「危なかった………」
「怪我は無いか?リョウタ。」
変身を解き、チェイスは人間の姿に戻った。
「………ああ。」
「じゃあもう帰ろ!みんな心配してたんだよ!」
そう言ってココアとチェイスは来た方向へと振り返った。
「………いや、俺はもう戻らない。」
「へ?」
ココアがきょとん、とした顔で再び振り向いた。
「お別れだ、ココア。みんなにもお礼を言っといてくれ。」
「リョウタ君………?」
「っ………!!」
俺は走った。
できるだけココアの声が聞こえないように、見ないように、思い出さないように。
全力で走った。
「リョウタ君!?どこに行くの!?リョウタ君!!!!」
もうそこにリョウタの姿は無かった。
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ドライブピット。
『エイタ、説明してくれ。泊リョウタとは一体何者なのだ!?彼は一体なんなんだ!?』
「クリムさん落ち着いて………」
泊エイタに迫るベルトさんをチノが止めている。
「リョウタは…………今も昔も、大事な息子だ。」
『なら001の話はなんだというのだ!?』
「ど、どうしたんだよベルトさん。リョウタがどうかしたのか?」
リゼと、帰ってきたココアとチェイスもドライブピットに入って来た。
『全て話してくれ、リョウタの事を。』
「リョウタ君の事………?」
ココアは胸騒ぎを感じていた。
「わかった…………話そう、全てを。」
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私とカレンはある日、クリムのプロトドライブが倒されたと知った。
そして考えたんだ、より強力な力を持つドライブシステムに相応しい装着者を''作ろう''と。
だが、普通のロイミュードでは限界がある。
そして私達は思いついた。
感情の力を無限に引き出せる………新たな''人''を作ろうと。
それが自律成長型ロイミュードだ。
「カレン!!!ついに完成したぞ!!!」
「急いでドライブシステムの完成を!!!」
こうしてリョウタは生まれた。
そしてクリムに依頼されていたドライブシステムを完成させた。もちろん、自律成長型ロイミュードに合わせてね。
ここまでは上手くいっていた。
しかし私達はある欠点に気が付いた。
自律成長型ロイミュードは、あらかじめ人間の知能、体をある程度コピーさせないと機能しないとわかったのだ。
しかも体に一人、知能に一人、合わせて二人の人間が必要だった。
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『そして……………その先はどうしたんだね?』
「…………………なんとか二人の人間を確保できた、そして完成したんだ。泊リョウタが。」
「そんな……………!」
「信じられません…………!」
「体も知能も………極めて人間に近い、ロイミュードがアンドロイドならリョウタはバイオロイド、と言ったところかな。」
『それが…………リョウタの正体だというのか…………!』
「リョウタさんが……………」
「私、ちょっと行ってくる!」
ココアがすごい勢いでドライブピットのドアを開けた。
「ココアさん!?」
「あの馬鹿………!」
チノ、リゼ、チェイスもその後を追った。
『……………っ!!』
少し遅れてクリムも後をついて行った。
「……………リョウタ………流星……………すまなかった……………」
泊エイタはそう言うと立ち上がり、ドライブピットを出た。
ーーーーーーーーーーー
俺が…………ロイミュード………………
「ははは、もう何が何だかわかんないや。」
俺が母さんを殺した………………もう元の生活には戻れない、戻る資格なんて、無い。
『見つけたぞ、リョウタ。』
肩から声が聞こえたので振り向くと、シフトスピードが乗っていた。
「ベルトさん………」
「あ、本当にいた!」
ココア、チノ、リゼ、チェイスの四人も走ってきた。
「もう、ベルトさん先に行っちゃうから…………」
「みんな…………なんで来たんだよ…………!!」
「リョウタ君、あのね…………」
「俺はもう人を殺してしまった!!!母さんを!!!人間として生きていく資格はないんだよ!!!」
「リョウタ君……………」
「ラビットハウスにいれば………今度はお前達を傷付けてしまうかもしれない…………だから…………」
「だからもう!!「リョウタ君!!!!」」
「っ…………!?」
「リョウタ君、聞いて………?」
ココアは真剣な表情だ。
「リョウタ君は………人間だよ。」
表情を崩さずにココアは言う。
いつもの明るい雰囲気は無く、空気がピリピリと尖って感じるほどの真剣さだ。
「もう、覚えてないかな?あの日の事………」
「あの日?」
「私がトラックに轢かれそうだった時に、助けてくれたこと。」
「あ……………」
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まだ俺達がこの町に来る前の事。
10年前だ。
ココアが道路を渡っている子猫に気が付いた。
ココアは迷わず子猫の方へ走り、抱き抱えた。
そして歩道に戻ろうとした時…………
「あ………」
トラックが走って来た。
「ココア!!!」
俺は走った。
間に合わないとわかってても。
「とどけ………!とどけ………!とどけええええええええ!!!!」
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「アアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
そうだ…………思い出した……………
俺はあの時………ロイミュードの力を使ってココアを助けたんだ。
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「リョウタさん………あなたは小さい頃、人付き合いが苦手だった私に沢山話しかけてくれました。」
チノが少し前に歩み出る。
「お前はラビットハウスに必要な存在だ、戻ってこい、リョウタ。」
リゼもチノに並んで言った。
「リョウタ君は怪物なんかじゃないよ。」
ああ、俺は………………
「リョウタ君は私、ううん、私達にとって…………」
「かけがえのない''友達''なんだよ。」
この笑顔に救われて生きてきたんだ。
「ふ…………はっはっはっ…………!美しい物だな………''友情''とは。」
「…………………出たか。」
真影壮一………フリーズロイミュード、そしてロイミュードで最も階級が高い001。
「答えは出たかな?泊リョウタ。」
フリーズロイミュードはゆっくりとこちらに近づいてきた。
バキュン!!!
「誰だ!?」
フリーズロイミュードに向かって光弾が発射された。
「答えなんて言うまでもないだろ?リョウタ。」
「流星……………!!」
流星がゼンリンシューターを構えて俺とチェイスに並ぶ。
「ああ…………俺は人間だ、お前達とは違う。ロイミュード001……………今ここで、お前を倒す!!!」
「お前達は下がっていろ。」
「うん!」
チェイスはココア達を物陰に移動させた。
「ちっ………チェイスの野郎も一緒かよ………」
「流星。」
「わーってるって……………よし。」
「ベルトさん。」
『…………わかった、リョウタ。私も全力で付き合おう。』
「ありがとうベルトさん………いくぞ!!」
『OK!!スタート・アワー・エンジン!!!』
《シグナルバイク!!!!/シフトカー!!!!!》
「LET'S」
「「「変身!!!」」」
《ライダー!!!!》
『ドライブ!!!タイプ!!!』
《デッドヒート!!!/チェイサー!!!》
『スピード!!!!』
「…………残念だよ、泊リョウタ。」
「さあ………ひとっ走り付き合えよ!!!」
俺達は同時にフリーズロイミュードの方へ走り出した。
「「「「はああっ!!」」」」
4体の下級ロイミュードが現れ、チェイサーとマッハに飛びかかった。
「そっち任せた!!」
「わかった!!!」
下級ロイミュードは二人に任せて、俺はフリーズロイミュードを目指す。
「来い!!!ハンドル剣!!ドア銃!!」
両手にハンドル剣とドア銃を装備する。
『スピ!!スピ!!スピード!!!』
「はっ!!!」
フリーズロイミュードにハンドル剣で攻撃するが、奴は防御もしない。
「ぐっ…………!」
ブレード部分を掴まれ、カウンターをされる。
「ふんっ!!」
フリーズロイミュードから猛吹雪が発せられた。
「ぐああっ!!!」
「ふふふ…………」
「いつまでも同じ手が…………通用するかああああ!!!」
『タイヤコウカーン!!!マックス!!!フレア!!!』
交換されて胸から射出されたスピードタイヤに炎を纏わせてフリーズロイミュードに当てる。
「くっ………!」
『ヒッサーツ!!!マックス!!フレア!!!フルスロットル!!!!』
「はあああっ!!!」
炎を纏ったハンドル剣で必殺技を繰り出す。
「ぐっ……ああ………!!!」
「まだ終わらない!!」
『ドライブ!!!タイプ!!!!フォーミュラ!!!!』
『フォ!!!フォ!!!フォーミュラ!!!!』
001がさっきの攻撃だけで死ぬわけがない。
ここは必殺技をかけまくって徹底的に潰す!!!
『リョウタ!!フォーミュラのサポートシフトカーを使え!!』
「サポートシフトカー?………ああ、この前のあれか!!」
遠くから俺の手にオレンジ色のシフトカーが飛び込んできた。
それをシフトブレスに装填する。
『タイヤコウカーン!!!フォーミュラ!!01!!!!』
両手のタイヤがオレンジ色のブースターの様なタイヤに交換される。
「うおおおおおお!?」
走ると、通常のフォーミュラよりもさらに力強く、速く走ることができた。
そのままフリーズロイミュードに体当たりをする。
「オラオラオラオラオラ!!!!」
フリーズロイミュードは手も足も出ず、ただ攻撃を浴び続けるばかりだ。
「真影壮一………いや、ロイミュード001!!終わりだ!!!」
そして両手を思いっきり降る。
するとオレンジ色の光線のような物が飛び出し、フリーズロイミュードを貫いた。
《ヒッサツ!!!バースト!!!フルスロットル!!!デッドヒート!!!!》
《ヒッサツ!!!マッテローヨ!!!!》
「はああああっ!!!」
《イッテイーヨ!!!!フルスロットル!!!!》
「ふんっ!!!」
「「「「ぐあああああああ!!!」」」」
マッハとチェイサーは下級ロイミュード達を一斉に倒したみたいだ。
『いけるぞ!!!一気に決めろ!!!』
「ああ!!来いトレーラー砲!!!」
走ってきたトレーラー砲を受け取り、シフトフォーミュラを装填する。
《フォーミュラ砲!!!!》
そしてコンテナに残りのサポートシフトカー、ジャッキーとスパーナも装填する。
《ヒッサーツ!!!!フルスロットル!!!!》
《フルフル!!!フォーミュラ大砲!!!!》
「くらえええええ!!!!」
「ぐあああぁぁぁああ……………!!!!」
直撃。
フリーズロイミュードを光線が貫き、後ろで大爆発が起きる。
ここまで必殺技を重ねがけしたんだ。流石に奴でも倒れるだろう。
「やったーーー!リョウタ君やったね!!!」
「やりましたね。」
「一件落着………かな?」
隠れていた三人が飛び出してくる。
『やったな………リョウタ。』
「ああ、みんなのおかげだ…………」
「ふふふふふふふ………………はははははははははは!!!」
「なんだ!?」
爆煙が晴れ、その中から001のコアが現れた。
「な………!?」
『なんという生命力だ!!』
コアは再びフリーズロイミュードの姿に変わった。
そして
キイイィィィイイイイン…………!!!
奴は黄金の姿へと変化した。
「まさかあれが………超進化態!?」
チェイスが驚きを隠せない声で言った。
「私をここまで怒らせるとは………おかげで私の中にある''屈辱''の感情が極まった………!!」
「なんだ…………あれ…………」
進化態が………さらに進化した!?
「もはや私は無敵だ………全ての人間の記憶を止めてやる……………はあああああっ!!!!」
氷の結晶のオーラが集まり、凄まじいエネルギーとなり。
ズドオオオォォォオオオオオオオオオン!!!!!
「え………………?」
俺の体とベルトさんを安々と貫いた。
意識が遠のく
また……………負け…………た…………のか………………
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「ついに私は超進化態となった………!さらばだ人間………!!いずれグローバルフリーズが再び起きるその日まで!!!」
フリーズロイミュードはそう言って吹雪を発生させ、姿を消した。
「リョウタ君…………?ねえ、リョウタ君!!」
ココアは必死にリョウタの体を揺さぶるが、全く反応する様子を見せない。
「そんな………!リョウタさん………!!」
「おいリョウタ!?起きろ!!リョウタ!!!!」
チノとリゼ、流星達もリョウタに呼びかけるが、反応しない。
リゼがリョウタの胸に耳を当てた。
「し、心臓が………止まって…………」
「そんな………!こんな別れ方ないよ!!!起きてよ!!!リョウタ君!!!」
ココアの叫びも、もうリョウタには届いてはいなかった。
次回はついに……………アレとアレが融合!?