仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜 作:Purazuma
1話にしては中々おもしろかったと思います。ゴーストの小説も書きたいなぁ…………
サプライズラビットはまだまだ続く!!!
「お前のコピー元、か…………」
父さんは困ったように頭をかいた。
「覚悟はできているのか?」
「覚悟がいるほどの話なのか?」
父さんはイスの向きを机の方に向け、俺から目を逸らした。
「ないならやめておいた方がいい。この話は聞いていい気分になる物でもないしな。」
………どういうことだ?
俺のコピー元……本当の泊リョウタはどうしているのか、俺が聞きたいのはそれだけだ。
「いや、覚悟はある、話してくれ。」
「……………わかった、だが条件がある。」
「条件?」
「ああ、この話は、」
「流星には絶対に話すな。」
「え?」
なんでここで流星が出てくるんだよ。
「……………?わかった。」
「ならOKだ。話そう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーークリム達には話したが、自律成長型ロイミュードは体と知能、二人の人間が必要なんだ。
ーーーーーそうなのか?
ーーーーーああ、だが自律成長型ロイミュードには不確定要素も多い。コピーさせてどうなるかは実験しないとわからない。
ーーーーーまあ………俺が第一号みたいだしな。
ーーーーー実験するにしても一般人を使う事なんてできるわけがない。だが…………ある人達が申し出てくれたんだ。
ーーーーーその人達が………
ーーーーーああ、その内一人の名は早瀬リョウタ。私とカレンの助手をしていてくれた子だ。
ーーーーーはやせ…………
「博士、少し休憩しては?」
リョウタはそう言って私の横にコーヒーを置いた。
リョウタは小さい頃に両親を亡くし、兄と二人きりの生活をしていた。
早瀬の家とは親しい関係にあった私達は彼らを引き取って、迎え入れた。
「いや、そういうわけにもいかない。手遅れになる前に完成させないと。」
「ロイミュードに対抗する戦士………ドライブになり得る者を………ですか。」
「ああ………自律成長型ロイミュード………人間として育てれば、その感情の力は無限大になる。最強の存在だ。」
「しかし、自律成長には二人の人間が必要、というわけですね………」
「ああ、どうしよっかなぁ…………」
「なら俺がやりますよ。」
彼は当然の事を言うように、自殺行為に等しい事を言った。
「いやいや、危険すぎるよ。それに片方は出来たとしても、もう片方のコピーはどうするんだ?」
「それは…………「それなら俺がやります。」」
ーーーーーその人が、早瀬リョウタのお兄さん?
ーーーーーああ、その子の名はな。
早瀬流星。
早瀬リョウタの実の双子の兄だ。
ーーーーーーーーーーーー
「な…………!?まさか………流星が!?」
「ああ………仮面ライダーマッハの装着者、彼の元々の名前は早瀬流星だ。」
「それで…………その後は………!?」
ーーーーーーーーーーーー
「う〜ん…………しかしだな…………」
「どうせ他にやれる人がいません。」
「うっ」
「なら、俺達がやるしかないかと。」
「…………わかったよ!もういいよそれで!!!」
ーーーーーあの時、もし許可を出してなければ………と今でも思うよ。
ーーーーー………………
ーーーーーそして事件は起きた。
「では、自律成長型ロイミュードへのインストールを開始する。」
体はリョウタ、知能は流星をベースにすることにした。
リョウタと流星をイスに固定し、自律成長型ロイミュードが座っている装置のスイッチを押した。
ピッ
「異常はないか?」
「はい、今の所は。」
ん?意外と順調か………?
順調に自律成長型ロイミュードへ知能や体のデータが送られている。
「よし、いいぞ。もうすぐ終わる!実験は成功だ流星、リョウタ!!!」
「あんた…………誰だ?」
流星はそう言った。
耳を疑ったよ。
「え?」
まさか…………!!!
リョウタの方へ目を向けると、グッタリしていてピクリとも動かない。
「おい、起きろ!!リョウタ!!!リョウターーーーーーッ!!!!」
ーーーーー実験は………成功か失敗かを言うと、成功だったと思う。だが、それには失った物がでかすぎる。
ーーーーーそれで、どうなったんだ………?
ーーーーー体を提供したリョウタは死亡。知能を提供した流星は一部の記憶を無くすという結果になった。
ーーーーーなんだよ…………それ…………!!!
「私にもう………君の親でいる資格はない……………」
そして私は孤児院に流星を預けた。
私は最悪だ。
私は最低だ。
だが、このまま流星を見てると、気がおかしくなってしまいそうだ。
ーーーーーーーーーーーー
「しばらくして彼はアメリカに住んでいる詩島家に引き取られたと聞いた。 」
「…………………」
信じられない、じゃあ…………流星は……………
「流星は、俺の兄みたいなものってことか?」
「そう言っても間違いではないだろう。」
流星が俺の…………兄さん………!?
「嘘だろ…………」
「残念だが…………事実だ。」
「なんでこんな事に…………」
「まだ少し続くぞ。」
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーー私はアメリカで、ドライブシステムに続く、ネクストシステムの開発を急いだ。
ーーーーーマッハや、チェイサーの事か。
ーーーーーああ、私は001の記憶操作に影響されない、特殊体質の人間を探した。アメリカ中でな。
ーーーーーどうやってだ?
ーーーーー健康診断、と言って片っ端から人々の体を調べたんだ。そして皮肉にもダントツで強い体質だったのが………
流星だった。
ーーーーーーーーーー
「そして彼に事情を話し、仮面ライダーマッハが誕生した。」
「それが…………10年前の真実………………」
俺のコピー元は…………早瀬リョウタと流星の二人…………
体を提供したリョウタは死んでて…………流星は記憶喪失…………
「ちょっと外の空気吸ってくる。」
俺は下を向いてゆっくりとドアに近付き、ドライブピットから出た。
「……………なんで私は…………お前を''リョウタ''と名付けたんだろうな…………」
エイタのその言葉は、誰に向けて言っているのかわからなかった。
ーーーーーーーーーーーー
「あれ?リョウタ君、どこに行くの?」
廊下でパジャマ姿のココアと会った。
そっか、もう寝る時間か。早いな。
「…………ちょっと外の空気吸ってくる。」
「あ、じゃあ私も行っていい?何だか眠れなくて…………」
「ああ、いいよ。」
俺は何も会話する気もなかったが、気持ちを察してくれたのかココアも話題を振ることはなかった。
ーーーーーーーーーー
ココアは着替えてから外に出た。
「ねえ、どうせなら公園まで散歩しない?」
「え?別にいいけど…………ってうわ!?」
ココアが俺の手を引っ張って走った。
「ほら!早く早く!!」
「走ったら散歩じゃなくないか!?」
ココアは楽しそうに笑いながら走った。
「……………昔みたいだな。」
「え?何か言った?リョウタ君。」
「いや、何でもない!」
「わぁ………今日は星が綺麗だね〜!!」
公園に着くと、ココアが上を見て目を輝かせて言った。
「ああ………」
確かに今日はいつもより星がよく見える。
でも俺はそんな気分にはなれなかった。
「ねえリョウタ君。」
「ん?」
ニコニコしていたココアが俺の方を振り向いた途端に、心配そうな表情を浮かべた。
「何があったの?」
「え?」
そっちこそどうしたんだ急に、と言いたいくらい唐突な質問だった。
「ど、どうしたって…………どうもしてないけど。」
「…………リョウタ君、辛かったら辛いって言っていいんだよ?」
「ココア………?」
本当にどうしたんだ。
「俺は大丈夫だよ、心配するな。」
「…………嘘はダメだよ。」
「嘘じゃないよ。」
「嘘だよ、じゃあなんでリョウタ君…………」
「泣いてるの?」
「え…………?」
咄嗟に頬に触れると、濡れていた。
確かにそれは俺の涙だった。
「あれ…………?どうしたんだろ…………何でだ………?なんで涙なんか…………」
拭っても拭っても、止まることはなかった。
そうだ。
俺は辛かったんだ。
どんなに俺が人間だと言い張っても。
どんなにココア達が俺を人間だと言ってくれても。
俺が人工的な生物であるという事実は絶対に変わらない。
自分の事を知るたびに、自分は作られた物だという思いが深く深く体に染み込んでくる。
それが堪らなく辛かった。
「俺は……………」
ロイミュードか?人間か?
ーーーーーー俺は人間だ。
だがお前はロイミュードだ。
ーーーーーー違う人間だ。
ロイミュードということには変わりない。
ーーーーーーーふざけるな。
ふざけているのはお前だ。
「ココア………!俺は………!俺は…………!!!」
冷たかった体温が急に暖かく感じた。
ココアが赤子を抱くように、優しく優しく俺を包み込んだ。
「ココア…………?」
「ごめんね……リョウタ君。」
ココアの瞳から涙がこぼれた。
「なんで…………お前が泣くんだよ………」
「友達が悲しむと……私も悲しくなるよ。」
「友達…………」
''この世に108人しかいない………俺の友達を次々と………!!!許さん………!!!!''
友達は大切だ。
その気持ちは人間もロイミュードも変わらない。
お前は何者だ。
ーーーーー俺は人間だ。
お前がロイミュードという事実は絶対に動かない。
ーーーーーそれでも俺は。
流星の
チノの
シャロの
リゼの
千夜の
チェイスの
ココアの
大切な''友達''だ。
ーーーーーーーーー
「さっきはごめん、ココア。」
「ううん。」
公園を離れ、夜道を二人で歩き、ラビットハウスへ向かっていた。
「私は…………(ボソッ)…………けどな。」
「?何か言ったかココア?」
「え!?う、ううん!?何も!?」
ココアは顔を真っ赤にして顔を横に振った。
もう俺は迷わない。
俺は俺の使命をやり遂げる。
ーーーーーーーーー
「001が死んだそうだな。」
「はい。」
ロイミュード109は黒と黄色のシフトカーを弄りながら言った。
「いよいよ我々も動くべき時が来た。」
「既に準備は出来ております。」
「ああ…………ふっ…………!後はクリムのベルト…………最初のターゲットは。」
「泊リョウタですね。」
「ああ、すぐに例のシステムを完成させろ。」
「は、もうじき完成いたします。」
109の隣にいるロイミュード………004は自らの進化態に姿を変えた。
「まあ………お前の力ならシステムを使うことなく奴らを抹殺できるだろうがな………''ドライブロイミュード''」
「はい、奴らなど他愛もありません。」
「何よりだ、行くぞ。」
「了解、スタート・アワー・ミッション。」
ロイミュード109……一体何者なんだ………(すっとぼけ)