仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜 作:Purazuma
Twitterでチェイサーのスピンオフに登場する「超魔進チェイサー」の画像を見ました。
個人的にはほんとすこ。
あと、今回の一部のセリフにサプライズフューチャーのネタバレがあるので、見てない人は気をつけて下さい。と言っても少しですが。
守りたいと思うものは何か
俺の朝は早朝から始まる。
夜はドライブピットで待機し、朝になるとラビットハウスへ向かう。
そして朝食の準備だ。
「相変わらず早いね、チェイス。」
「それはお前も同じだ、タカヒロ。」
タカヒロの手伝いをし、テーブルに朝食を並べる。
階段を降りてくる音が聞こえる。恐らくチノだろう。
「おはようございます、チェイスさん。」
「おはよう。」
人間には朝、昼、晩で挨拶を使い分けるらしい。
朝が「おはよう」昼が「こんにちは」そして晩に「こんばんわ」。
これはリョウタ達が教えてくれた。
「…………そろそろ時間か?」
「そうですね、行きましょう。」
チノと一緒に二階へと上がる。
目的はリョウタとココアを起こす事、だ。
この作業にも大分慣れた。
…………ノックはいらないか。あいつは寝ている。
ドアを開けると、案の定ミノムシのようにベッドの上で布団に包まって寝息を立てている男がいた。
「起きろリョウタ。」
「むにゃ…………うーん………過去と未来の108が一つに…………鎌田かよぉ…………」
声をかけるが、よくわからない事を言われる。いつもの事だ、気にしなくてもいいだろう。
こいつを起こすのは簡単だ、つい最近発見した方法だが。
《ブレイク………!!!》
「ぬおおおおお!?」
「起きたか。」
このように耳元でブレイクガンナーの音声を聞かせばいいのだ。そうすればすぐに起きる。
「チェイス!それ怖いからやめてって何度も言ったvlkprox&@#(聞き取れない)!!!」
「こうしないと起きないからな。」
目的達成。
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「「行ってきまーす!!」」「行ってきます。」
リョウタとココアとチノの三人が玄関を出て、学校に向かう。
さて…………ここからが次の仕事だ。
店の中の掃除をタカヒロに任せ、俺はカウンターに立ち、客を待つ。
「この仕事にも随分慣れたようじゃな。」
横にいる毛玉(リゼから教えてもらった)はティッピーという、なぜか喋るうさぎだ。
「安心しろ、喫茶店員としてのルールは全て覚えた。」
無論メニューやコーヒーの淹れ方も全て、だ。
カランカラン
「いらっしゃいませ。」
この客はよくラビットハウスに来る、小説家だ。
名前は確か…………青山ブルーマウンテン。
人間にしては変わった名前だ。
「やはりここは落ち着きます……」
そう言って窓際の席に座り、原稿用紙と万年筆を机に置く。
「ご注文は?」
「ブルーマウンテンをお願いします。」
「かしこまりました。」
ブルーマウンテンを淹れるためにカウンターに戻ると、ティッピーにこう言われた。
「もっと表情を柔らかくできんかの。」
「それは………笑え、という事か?」
笑顔、か。人間には笑顔でいろというルールがあるのだろうか。
そういえばハート、あいつはいつも笑っていた。
だが俺はこのままの方が落ち着く。
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午後4時。
今日の夕飯を買いに行く事になった。
ロイミュード絡みの事以外で外に出るのは久しぶりだ。
街を眺めながらスーパーに向かうと、リョウタやココア達と同じ制服を着た人間をよく見かける。
そうか、そろそろリョウタ達が帰って来る頃か。
「ん?」
通りがかった公園を見ると、一人の人間の子供が困った表情をして木を眺めている。
どうやらサッカーボールが木の枝に引っかかってしまったようだ。
「どいていろ。」
「え?」
子供の側により、離れるように言う。
そして木に思い切り蹴りを放った。
すると木の枝に引っかかっていたサッカーボールが蹴りのゆれで落ちてきた。
それを拾い、子供に差し出す。
「次は気をつけろ。」
「うわぁ……!!ありがとうお兄ちゃん!!」
「………!」
子供は両手でサッカーボールを掴み、走り去っていった。
「ありが…………とう………………」
なんだこれは…………感情?
喜び…………なのか?
「俺は今、礼を言われて喜んでいるのか?」
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スーパーに着いた。
確か今日は特売日だったか。
「………………ん?」
白いブレザーとスカートを着た金髪の少女がスーパーに入って行った。
あいつは確か………リョウタ達の友人の…………シャロだったか。
一応声をかけたほうがいいのか。
「おい。」
「きゃあ!?って…………あなたは……………チェイス。」
シャロは胸を撫で下ろす。
「お前も特売狙いか?」
俺がそう言うとシャロはいかにも慌てた表情になる。
「り、リゼ先輩には言わないでよ!?」
図星か。
それにしてもなぜそんなに慌てているのだろうか。
「お、珍しい組み合わせだな。」
後ろから俺達に声をかけられる。
「っ…………!?………リゼか。」
「リゼ先輩!?」
最近自分でもおかしいのは気づいているが、リゼと話していると、胸が…………上手く表現できないが、苦しくなる。
「二人ともスーパーに用事があるのか?」
「ええ、私はとくば…………今晩のおかずを。」
「奇遇だな、俺もだ。」
どうやらシャロはよほど特売日の事を知られたくないらしい。
まさか、競争率を無くすためか!?……………なかなかの策士だ。
「おっと、すまん二人とも、ラビットハウスに行かないと。じゃあな!」
リゼはそう言って駆け足で離れていく。
「ふぅ……………ばれなかったかな…………」
「さて、俺達もスーパーに行こうか、商品が無くなってしまう。」
「………………そね。」
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「くっ…………!ふふふふ……………!」
「ぷっ…………!」
「くすくす……………」
「い、いつまで笑ってるんだよ!!!」
帰り道、俺とココアと千夜が同時に笑うと、鼻にティッシュを詰めた流星が顔を赤くして怒鳴る。
なぜ鼻にティッシュを詰めているか、と言うとまぁ鼻血を出したからなのだが、事の経緯がこれまた面白くて。
「すごかったわ、化学の授業の時の流星君、私とココアちゃんでも敵わないくらいの漫才だったわ。」
「いや漫才じゃないからあれ!」
「いや〜結構鼻血出てたよね。」
「あwれwはwやwばwいw」
「リョウタぁ!!(マジ切れ)」
迫ってきた拳を片手で受け止める。
だってあれはさすがに笑うよ。
「だってお前wwwアンモニア直接匂い嗅ぐとかwwww腹いてぇwwww」
「あーもう!うるさいうるさい!!!」
「私達はちゃんと危険だよって言ったのにねー。」
「なーーーにが「危険?大好物だねぇ。」だよwwwww」
「もう勘弁してーーーーーーーーー!!!」
いやー笑った笑った。
「じゃあまた明日。」
「ええ。」
「じゃあなアンモニア。」
「殴るぞ。」
それぞれの家の方へ進む。
ラビットハウスの前まで来ると、チェイスとばったり会った。
「あ、チェイス、買い物行ってたのか。」
「ああ、今日は特売日だったぞ。」
へー…………なんかもう人間よりも人間らしいな。
中に入ろうとラビットハウスのドアを開けると、そこにはチノとリゼ、それと他に二人の中学生くらいの女の子がいた。
「ああーーー!メグちゃんとマヤちゃんだー!」
横で声を上げたのはココア。
メグちゃん………は知ってる。マヤちゃん…………ああ、確かクリスマスパーティーの時にいたチノの友達かな?懐かしい…………
ココアはその後にも何度も会ってるようだが。
「「おじゃましてまーす!」」
二人は声をそろえて言う。
そして「やっと来た」といった顔をしてチノが俺に近づいてきた。
招くような動作をしてくるので、しゃがむとチノが耳打ちしてきた。
「実は私達の学校で自由研究の宿題が出されたのですが……………」
「おお、いいじゃん。」
「それでですね…………「何話してるのチノーーー?」!?」
マヤちゃんが近づいてくる。
「と、とにかく適当にごまかしてください!」
「え!?何を!?」
そう言い残してチノはカウンターに戻っていった。
…………一体何が……………
「あ、そうだ!ココアとリョウタにも聞きたいことがあるんだ!ついでにそこの紫の人にも!」
「お姉ちゃんになんでも聞いてね!」
「俺も、できるだけ協力するよ。」
「…………俺もなのか?」
「ありがとう!実は私達の学校で自由研究の宿題が出たんだけどー……………」
ふむ、ここまではチノの話と同じ。
「テーマを''仮面ライダー''にしようと思ってるんだよねー!」
ピシ
俺にはそんな効果音が聞こえた。
ココアは固まって動かず、カウンターの方を見るとチノとリゼが目を逸らしている。
チェイスは…………うん、いつも通り。
「マヤちゃんが勝手に決めちゃって……何か知ってることはありますかー?」
今度はメグちゃんが聞いてきた。
緊急事態発生だ。
非常にまずい。
「仮面ライダーとは人間を守るのがやくm………「わあああああああああ!!!!」」
「?どうかしたのリョウタ?」
「いや、ゲフンゲフン!なんでもない………ヨ。」
チェイスてんめーーーーーーっ!何さらっと答えようとしてんのーーーーーっ!?馬鹿なのーーーーっ!?死ぬのーーーーっ!?
「でもどうしてテーマを仮面ライダーにしたの?」
ココアがマヤちゃんにそう聞くと、マヤちゃんは照れくさそうに笑った。
「だってさ、この街を守ってくれてるんだもん。もっとその人の事を知りたいんだ。」
「学校でもすごい話題だよねー」
俺が「そうなの?」とチノに目線を送ると、黙ってコクリ、と頷いた。
「あとかっこいいしね!一回だけ生で見たことあるけどすごかったよーー!」
「そ、そう…………」
ああダメだ、嬉しくて顔が暖む。
「どうしてリョウタが嬉しそうなの?」
「……………なんでもないよ。」
そうか、知らなかった。
仮面ライダーは………俺達はちゃんと、この街の人達に認められてたんだな……………
「うーん………仮面ライダーについてか………ごめん、わかんないや。」
「そっか…………「でも。」」
ココアが少し嬉しそうに笑いながら口を開いた。
「嬉しいと思うよ、仮面ライダーさん達。ね、リョウタ君?」
「ああ、もちろん。」
「だよねやっぱり!ありがとう三人共ー!」
そう言ってマヤちゃんとメグちゃんはチノの方に駆けていった。
「……………頑張らないとね。」
「ああ……………」
ロイミュードを必ず撲滅する。
今日、その決意がさらに深まった。
さあて……………次回はハート様とシャロの話かな?