仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜   作:Purazuma

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前々回で捨て猫ハートを拾ったシャロですが…………


人間とロイミュードは共存できるのか

買い物が終わり、家に帰るところだ。

''あの人''はまだ目を覚まさない。苦しそうな表情でうなされている。

 

やっぱり病院に連れて行ったほうがいいと思うけど………ショコラに止められちゃったし………

 

 

 

それにしても、どうしてあんな所に倒れてたのかしら?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

私の横のベッドにはハートが横たわっていた。

 

私の時代で恐れられていたロイミュードの一体。

 

002………ハートロイミュード。

 

 

シャロさんはハートを家に連れ込んでしまった。奴が目を覚ませば何をするか…………

 

私が聞いているのは、ハートが幹部ロイミュードだという事くらいで、どんな奴だったかは知らないけど………危険なロイミュードだという事は確か。

 

 

もし何かあれば………シャロさんは私が守らないと。

 

 

 

「そういえば、この時代の流星さんには会ってなかったな…………」

 

 

お父さんと一緒にロイミュードと戦った英雄、仮面ライダーマッハ。

 

 

「ただいまー。」

 

 

あ、シャロさんが帰ってきたみたい。

 

「お帰りなさい、シャロさん。」

 

「ただいまショコラ、あの人の様子はどう?」

 

「…………はい、まだ目を覚ましません。」

 

「そう…………」

 

 

シャロさんはこのままハートが目を覚ますまでここに匿うつもりだろうか。

 

それはあまりに危険だ。

 

 

「少し、散歩しに行ってきます。」

 

「え?うん、行ってらっしゃい。」

 

 

とりあえずお父さんに相談しよう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いらっしゃいませー…………ってショコラ!」

 

「こんにちはおと…………リョウタ君。」

 

 

珍しいな。

 

そういえば…………ショコラってどこに住んでるんだろう、ちゃんとこの時代のお金とかは持っているのだろうか。

 

 

「ちょっと相談があるんだけど…………」

 

「ああ、なんでも言ってくれ。」

 

 

俺はチノとリゼとココアに「少し抜ける」と合図し、ショコラの前の席に座った。

 

 

「実は私、シャロさんの家に住ませてもらってるんだけど………」

 

 

………だから前に一緒にいたのか。

 

シャロの奴、自分だけでも家計が厳しいはずなのになんて無茶を。

 

 

「それでね、シャロさんがハートを家に連れてきちゃったの。」

 

 

「………………は?」

 

 

ハートを家に連れてきたって?何を言ってやがるこの娘は。

 

「どうしてハートが?」

 

「気絶してる所をシャロさんが見つけて………」

 

そういう事か。

 

ん?気絶してる所を?

 

まさかあいつ蛮野に………………

 

 

「わかった、今から行く。」

 

「え!?ちょ、ちょっと!」

「すまん三人共!ちょっと抜けるわ!」

 

 

「どこに行くんですか?」

 

チノが棚を整理しながら聞いてくる。

 

 

「シャロの家!」

 

俺はそれだけ言ってラビットハウスを飛び出した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「う…………」

 

 

ここは…………どこだ…………?

 

 

っ!…………コアのダメージが悪化している……………このままじゃ…………

 

 

寝かされているベッドから起き上がり、周りを確認する。

 

近くには金髪の少女が一人。

 

俺が起き上がったのに気付いたのか、視線をこちらに向ける。

 

 

「だ、大丈夫なの起き上がって!?」

 

 

…………この人間は倒れている俺を運んでくれたのか………?

 

まったく………なんてお人好しな生き物だ、人間は。

 

……………いや、俺も人の事は言えないか。

 

 

「…………世話になったな。」

 

そう言って俺は家から出ようとしたが、少女に腕を掴まれてしまった。

 

「ダメよ!怪我してるんだから!」

 

「………どちらにしろ………この傷は人間には治せん!」

 

「え?」

 

 

その言葉に少女は呆然と立ちすくんだ。

 

 

「俺は………ロイ…………」

 

 

俺の言葉の途中で、玄関から誰かが入ってくる音がした。

 

 

来たのは一人の少女と…………もう一人は既に知っていた。

 

 

金髪の少女は彼らを見て驚く。

 

「ショコラに……リョウタ!?どうしたの?」

 

 

「シャロさん!そいつから離れて!」

 

「え?」

 

 

俺は掴まれている腕を振りほどき、泊リョウタの近くに寄る。

 

 

「俺と………勝負しろ、泊リョウタ。」

 

 

「ハート…………」

 

 

金髪の少女は事態を理解したようだ。

 

 

「まさか……………」

 

 

「シャロさん…………その男は…………ロイミュードです!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

急いでシャロの家に入る。

 

ショコラの言った通りそこにはハートがいた。

 

 

ハートは俺に近づくとこう言ってきた。

 

 

「俺と………勝負しろ、泊リョウタ。」

 

「ハート…………」

 

 

奴の体はボロボロで、とてもじゃないが戦える状態じゃない。

 

「まさか……………」

 

「シャロさん…………その男は…………ロイミュードです!!」

 

シャロが驚愕の表情を浮かべる。

 

 

「お前…………ブレンとメディックはどうしたんだよ?」

 

「あいつらなら別行動中だ…………どうやら蛮野は、俺達を邪魔者と判断したらしい。…………逃げるのならバラバラになった方が安全だからな。」

 

 

逃げる、か。

 

 

ハートがこのまま終わるわけがない、恐らくは蛮野と戦うつもりだろう。…………たったの三体のロイミュードで。

 

 

やっぱり、このままじゃダメだ。

 

 

「なあハート………やっぱり、俺達と協力して蛮野と戦おう。」

 

「聞こえなかったのか?俺と戦え、と言ったんだ。」

 

「そんな体でどう戦うつもりだ。」

 

 

ハート………こいつはロイミュードのリーダーとして出来る事を精一杯やろうとしてる。

 

 

俺となんら変わりない。

 

 

そんな奴をただの敵なんて………俺には思えない。

 

 

 

 

「俺は………超進化しないといけないんだ。」

 

 

ハートはロイミュードの姿へと変身する。

 

 

「ハート………!!」

 

お前の体は…………これ以上はもう…………!

 

 

「ぐっ………!!!」

 

しかしハートはすぐに人間態へと戻り、膝をついた。

 

 

「…………ドクター、頼む。」

 

 

俺はマッドドクターを飛ばし、ハートを治療した。

 

コアのダメージはまだドクターでも修復できる程度のものだった。

 

 

「…………なぜだ泊リョウタ。なぜ俺を助ける!?」

 

 

「お前は…………まだ死んじゃだめなんだよ、ハート。」

 

この傷じゃ俺と戦ったところで………コアの限界が訪れて自滅するだけだ。

 

 

 

治療が終わり、マッドドクターが俺の手元に戻ってくる。

 

 

「少しだけ…………あなたの事、わかったよ。」

 

ショコラは悲しげな表情を浮かべた。

 

「俺は、ロイミュードなんだ………!」

 

 

ハートはそう言い、シャロの家を出て行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は公園のベンチに座り、頭を抱えていた。

 

 

 

「…………くそっ!」

 

 

泊リョウタに言われた言葉を思い出す。

 

 

 

 

 

 

お前はまだ死んじゃだめなんだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事…………わかっている!!!」

 

 

蛮野を倒さなくちゃいけないんだ。

 

 

それを成し遂げるには超進化態の力が必要だ。

 

 

004を倒し、蛮野を殺す。

 

 

…………いや、俺一人が超進化しても………あの軍勢に勝てるかどうか………

 

 

005は泊リョウタ達に倒されたが………奴の所には004の他に006までもがいる。

 

 

あいつの能力は危険だ、それに奴は超進化しかかっている、俺一人じゃ敵わない。

 

 

「どうすればいいんだ…………」

 

 

気がつくと、俺の隣に一匹のうさぎが座っていた。

 

俺の目をじっと見つめている。

 

 

「ふっ…………お前達が羨ましい。」

 

 

うさぎを抱きかかえ、顔を寄せる。

 

 

ブレンとメディックはどうしているだろうか。

 

 

無事に蛮野から逃げ切れただろうか。

 

 

 

「いっそ………うさぎにでもなれたら楽なんだが…………」

 

 

「う、うさぎが好きなの?」

 

 

声が聞こえた方を振り返ると、さっきの金髪の少女が立っていた。

 

 

何かに怯えているようだが。

 

まあ…………ロイミュードを怖がるのは当然か。

 

 

「リョウタ達から聞いたわ、……………あなた、悪い人には見えない。」

 

 

「元より悪人のつもりはないからな。」

 

 

「だったら!リョウタ達に協力してあげてよ!今は争ってる場合じゃないんでしょう!?」

 

「………………」

 

 

わからない。

 

わからないんだ。

 

 

俺はロイミュードとして、人間を超える、そう決めた。

 

そんな俺が人間達と手を組み、共に戦う……………許されるのだろうか。

 

 

 

 

 

ああ…………あの時、チェイスは……こんな気持ちだったのだろうか。

 

 

 

 

ドドドドドドド!!!!!

 

 

 

「!?」

 

 

 

突然俺に向かって光弾が発射された。

 

抱えていたうさぎが驚いて俺の手から離れる。

 

 

 

 

 

「……………!お前か………………」

 

 

 

「まだ生きていたとはね、ハート。」

 

 

004……ドライブロイミュードだ。

 

 

しつこい奴だ……………

 

 

腕を前でクロスさせ、ロイミュードの姿へと変身する。

 

「下がっていろ!!」

 

「う、うん!」

 

金髪の少女が木の陰に隠れた。

 

 

 

 

 

「…………ふん。」

 

 

数体の下級ロイミュードが俺に突っ込んでいく。

 

 

「こいつらも蛮野が…………っ!!」

 

 

下級ロイミュード達の胸元を見ると、金色のバイラルコアが取り付けられていた。

 

「ふんっ!!!」

 

向かってきたロイミュード達を一気に薙ぎはらう。

 

 

 

今はメディックがいない………コアを破壊するのは無理か…………!

 

 

「くそおおっ!!!」

 

 

どうにかして004に近付こうとするが、下級ロイミュード達に止められてしまう。

 

 

「ぐっ………!?」

 

 

「消えろ。」

 

 

004は右腕を前に突き出し、エネルギーを溜める。

 

 

 

ここまでか……………!

 

 

 

 

しかし奴は腕を横に持って行き、俺ではなく別の方向にエネルギー弾を発射した。

 

 

『スピ!!!スピ!!!スピード!!!』

 

 

「うおおおおっ!!」

 

 

 

 

「泊…………リョウタ…………!?!?」

 

 

ドライブは放たれたエネルギー弾を回避し、004に接近した。

 

 

「ふっ!」

 

 

ドライブが蹴りを放つが、004はそれを回避し、ドライブを殴り飛ばした。

 

吹き飛ばされたドライブが俺の側に転がってくる。

 

 

 

「ぐああっ!?」

 

 

「お前…………なぜ…………」

 

 

「話は後!あいつをぶっ飛ばすぞハート!!」

 

 

『ドライブ!!!タイプ!!!フォーミュラ!!!』

 

 

「はああああっ!!」

 

そう言って奴は004に向かって高速移動し、攻撃を始める。

 

 

 

《%☆イブ!!!タ○▽!!!◆ォーミ&@!!!》

 

 

004は青い姿へと変わり、それを迎え撃つ。

 

 

 

俺には速すぎて何をやっているかわからないが……………

 

 

 

 

 

 

 

「ぐああああっ!!」

 

 

しばらくするとドライブが吹き飛ばされ、地面に倒れた。

 

 

 

004が近づいてくる。

 

 

 

「流星!チェイス!」

 

 

ドライブがそう叫ぶと、俺の頭上を飛び越え、二人の仮面ライダーが飛び出した。

 

 

《ヒッサツ!!!フルスロットル!!!マッハ!!!》

 

 

《ヒッサツ!!!マッテローヨ!!!》

 

 

マッハが004に飛び蹴りを放つ。

 

それを受け止めきれなかったか、004は少し後ろによろめいた。

 

マッハが距離をとると、今度はチェイサーが飛び出し、持っている巨大な斧を振りかぶった。

 

 

《イッテイーヨ!!!フルスロットル!!!》

 

 

「はああああっ!!」

 

 

「なに!?」

 

 

紫色のオーラを纏った斬撃が004を切り裂く。

 

 

「…………っ!今だ………!!」

 

 

俺は004に突っ込み、右手に全パワーを集めて渾身のパンチを放った。

 

 

「があああああっ!!」

 

 

004が吹き飛ぶ。

 

 

 

「くっ……………そ…………!!」

 

 

004はその場をよろよろと、逃げるように去っていった。

 

 

強い。

 

 

こいつらなら…………蛮野を倒せるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハート、改めてお願いする。俺達に協力してくれ。」

 

 

「俺からも頼む、ハート。」

 

 

泊リョウタとチェイスが横に並び、そう言う。

 

 

 

 

「はあ…………もう好きにしてくれ、俺が止めても無駄みたいだし。」

 

 

詩島流星はそう言うと白いバイクに跨り、どこかに走り去っていった。

 

 

 

 

蛮野を倒すには…………こいつらの力が必要だ。

 

 

しかし俺は…………!!

 

 

 

「いいじゃないですかハート。」

 

 

声が聞こえた方を振り向くと、そこには友達の顔があった。

 

 

 

 

 

「ブレン………!?メディック………!?無事だったか!!」

 

 

安心して力が抜ける。

 

 

本当によかった。

 

 

 

 

「超進化するには人間を学び、さらなる高みへと登らなければなりません、ハート様、私達は人間を''利用''するのです。それでもいいのでは?」

 

 

「メディック…………」

 

 

利用、か。

 

 

手を借りるのではなく、利用……………ふっ……………!

 

 

 

 

「はは…………存分に利用しろ。もし蛮野を倒したら…………その時こそハート、お前と全力で勝負をしてやるよ!!!」

 

 

 

泊リョウタは拳を前に突き出し、大声で俺に言う。

 

 

「………………ははっ………………ははははははははは!!!!」

 

 

「は、ハート!?」

 

 

 

つい大声を出して笑ってしまう。

 

 

こんなに気分がいいのは初めてだ。

 

 

 

 

 

「当たり前だ。」

 

 

気付いたら俺はそう口にしていた。

 

 

 

「決まりですね。」

 

ブレンとメディックも微笑み、俺の肩に手を置く。

 

 

 

 

 

 

「よっっしゃーーーー!!!見てろよ蛮野!!!」

 

 

 

………………泊リョウタ。不思議なやつだ、本当に。

 

 

 

 

「こういうのも、いいかもな。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「申し訳ありません、蛮野様……………」

 

 

004は腕を抑え、ふらついている。

 

 

 

「大したことないなぁ…………」

 

 

「黙れ006……………貴様こそ以前チェイスを仕留め損なったはずだ。」

 

 

「あれは蛮野が急に基地を爆発させるから悪いんだよ、ねえ?………………………008。」

 

 

 

006が顔を向けたところには白いタキシードスーツに身を包み、金色のメリケンサックのような武器を持った男が腕を組み、佇んでいた。

 

 

 

「全くだ。おかげで奴を始末できなかった。」

 

 

「まあそう言うな…………私が世界の王となったその時は…………好きなように行動すればいいさ。」

 

 

蛮野………ロイミュード109は004にバイラルコアを投げ入れ、傷を修復した。

 

 

 

「ところで004…………今現在完成しているロイミュード達は何体だ?」

 

 

「はっ…………およそ……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1500体です。」

 

 

 

 

 




着々と計画を進めていく蛮野…………
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