仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜   作:Purazuma

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ついにあのライダーが登場…………


打 つ 手 は あ る の か

 

 

ベルトさんは奪われた。

 

 

 

新しいベルトを作るにも…………父さんがいなければ話にならない。

 

 

俺達は、ショックが癒えることなく数週間を過ごしていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

もしかしたら………ひょっこりベルトさんが出てくるかもしれない。

 

そう思ってドライブピットを訪れた。

 

しかし、俺の期待は簡単に裏切られる。当然だ。

 

そこにいたのは一人の少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじいちゃんが…………死んだ…………?」

 

「……………ごめんショコラ…………俺は父さんを…………!」

 

 

守れなかった。

 

何が………''良いことを沢山成し遂げられる子''だよ…………!!

 

良いことなんて………俺は……………

 

 

 

「お父さんのせいじゃないよ。」

 

情けなく崩れ落ちる俺にショコラは優しく手を置いた。

 

 

「まだ私達は負けてないよ。未来はまだ、決まったわけじゃない。」

 

「でも………俺はもう変身できない。戦えないんだ。」

 

 

俺は………ベルトさんがいなきゃ何もできない、ただの貧弱な奴でしかない。

 

 

「それにショコラ………父さんが死んだって事は…………俺達の頼みの綱はもう…………」

 

「あ……………」

 

 

ショコラも気づいたみたいだ。

 

 

そうだ、父さんが死んだという事は、未来の父さんは存在しない事になる。つまり……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オーバーシステムは…………作られなかった事になる……………」

 

 

恐らくシフトトライドロンの中に搭載したオーバーシステムは既に消滅しているだろう。

 

唯一蛮野を倒せるかもしれなかったシステムが…………

 

ショコラで言う歴史、俺たちにとっての未来が変わった。

 

いや………最初からこうなる事は決まっていたのかもな…………

 

 

「俺達は蛮野には勝てない……………」

 

「だ、大丈夫だよ!みんなで力を合わせればきっと………!!」

 

「でもお前は未来を知っているんだろ?………だったら、ベルトさんを奪われた先に、どんな結末が待っているか知っているはずだ。」

 

「それは………!」

 

「…………もういい、少し一人にさせてくれ。」

 

「………………」

 

俺はショコラを突き放すと、出口へと早足で進んだ。

 

 

 

 

ごめんショコラ。

 

でも今は………………わがままを許してくれ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「あっリョウタ君…………」

 

「すまん、少しバイトを外れる。」

 

「あ…………」

 

 

私の言葉を無視してリョウタ君は店の外に出て行ってしまった。

 

 

「しばらく一人にさせてやろう。………さすがに………今回ばかりはリョウタにはきつかっただろうし。」

 

「リゼちゃん………」

 

そんな…………私、また何もできないのかな…………

 

 

「どうしようチノちゃん………」

 

「はい………私も心配です。まさかエイタおじさんがあんな事になるなんて………父もかなりショックを受けていて……」

 

 

リョウタ君達仮面ライダーとロイミュードの戦い…………私はせいぜい見守ることしかできなかった………

 

でもそんなのはもう嫌なの。

 

私、リョウタ君に守られてばかりで、他には何も…………

 

 

 

「あいつが立ち直るのを待つしかないだろう。」

 

「…………だな。」

 

カウンターで食器を洗っているチェイス君とコーヒーを飲んでる流星君が手を動かしながら言う。

 

 

「そんな……二人まで!」

 

「大丈夫ですココアさん。リョウタさんは必ず立ち直って見せます!」

 

いつの間にか涙を流していた私にチノちゃんが優しく語りかけてくれた。

 

「そうだよココア。どんなに辛い事があっても、あいつはいつだって立ち直って笑ってみせたじゃないか。」

 

「リゼちゃん………」

 

 

信じていいのかな…………

 

でも、そうするしかない。

 

リョウタ君が立ち直って、その時私も笑って迎えてあげる。

 

それが今の私にできる………精一杯の…………

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

''これにはドライブの戦闘データが入っているんだ。''

 

前に父さんが言っていた言葉を思い出す。

 

 

俺は黒い鍵のような物………''トライドロンキー''を握りしめてフラフラと歩いていた。

 

 

「残ってたのはトライドロンと…………これだけか。」

 

 

データだけじゃあ戦えない。そもそもドライバーがないんだから。

 

 

「母さん………''俺にしかできないこと''は………''俺にもできないこと''だったよ。」

 

 

そんな事を呟いていると、俺はある事に気がついた。

 

 

周りを見渡す。

 

 

「ここ…………俺が初めてドライブになった場所…………」

 

 

そう、あの時ベルトさんと共に下級ロイミュード達と戦った場所だった。

 

「いつの間に…………」

 

 

あの時は俺も戦い方がよくわかんなくて………ベルトさんのガイドがなきゃ戦えてなかったなぁ…………

 

「はは………懐かしいや。」

 

「思い出に浸っているところ悪いが、質問だ。」

 

 

声が聞こえた方へ構える。

 

 

…………奴だ。

 

 

「何の用だ004………俺はもう戦えない、殺しても意味ないと思うが?」

 

004……ドライブロイミュードは静かに笑った。

 

 

「それは私達が判断する。…………殺す前に一つ聞きたいことがあってだな………」

 

ふざけやがって。

 

…………いいぜ。どうせ俺は生きていても仕方がない………………なんでも答えて…………

 

 

「お前、蛮野様に仕える気はあるか?あの方はお前の力に興味があるようだ。」

 

 

…………やっぱりそうきたか。

 

 

答えは決まっている。

 

 

「……………地獄に落ちろ。」

 

「そうか、ならば死ね。」

 

 

奴は空間に裂け目を作り、そこから何かを取り出した。

 

 

「それは…………!!まさか………!!」

 

「そうだ。貴様が最も苦しむ殺し方を考えてな…………こうする事にした。」

 

 

奴は持っているものを腰に巻きつけ、その''キーを回した''。

 

ベルトだ。

 

もちろんただのベルトじゃない。俺のよく知っている、共に戦った仲間……………

 

 

「ベルトさん…………!!」

 

呼びかけるが返事が無い。

 

どうやらあの後ずっと意識を眠らされているようだ。

 

 

 

 

 

「変身…………!!」

 

 

奴は腕にシフトブレスを出現させ、そこに黒いシフトカーを装填した。

 

 

『ドライブ!!!タイプ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ネクスト!!!!』

 

水色の雷撃と共に黒い装甲が現れ、004はそれを身に纏った。

 

手にはブレイクガンナーに似た、拳銃と剣が一つになった様な武器を持っている。

 

 

 

「これが仮面ライダー………ダークドライブだ。」

 

「てめえ…………!!」

 

 

ベルトさんを利用して………変身しやがった…………!!!

 

 

「さあ始めようか………我々のミッションを!!!」

 

「くっ…………!?」

 

 

奴は拳銃から光弾を発射する。

 

それを左に転がり、回避するがすぐに奴は追い打ちをかけてくる。

 

建物の陰に隠れて、逃げる隙をうかがう。

 

 

「くそっ…………戦うことすら…………!!」

 

 

携帯で流星とチェイスを呼ぶか…………?ダメだ、時間がかかる。

 

じゃあ隙を見て逃げるか………?リスクは大きいがそれしか方法は…………!!!

 

 

 

『ネクスト!!!!』

 

音声と共に俺の隠れていた場所を切り裂かれる。

 

俺は風圧で紙のようにあっさりと吹き飛ばされた。

 

 

「がっ……………!?」

 

 

なんとか立ち上がり、逃げようとするも、すぐに追いつかれる。

 

 

「さらばだ泊リョウタ。人間にも、ロイミュードにもなれなかった哀れな男よ。」

 

 

奴の剣が俺に振りかざされる。

 

 

 

 

………………最後に……………見たかったな……………あいつの顔………………

 

 

 

 

 

こ………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにっ!?」

 

「え!?」

 

 

ダークドライブの攻撃は走ってきた何かによって阻まれた。

 

 

「みんな………!!」

 

シフトカー達だった。

 

 

ロードウィンターとスピンミキサーが奴の足を固め、動きを封じ、マックスフレア、ミッドナイトシャドー、ファンキースパイクの三台が攻撃を仕掛けた。

 

 

「小賢しい!!!」

 

『ネクスト!!!』

 

 

しかしそれはダークドライブの必殺技によって防がれ、逆に吹き飛ばされてしまった。

 

その時の衝撃で俺も同じ方向に飛ばされる。

 

「ぐっ……!!」

 

 

 

《ヒッサツ!!!フルスロットル!!!マッハ!!!》

 

 

「はあああああっ!!!」

 

 

「流星…………!?」

 

「ちっ………!」

 

不意をつかれたダークドライブは一瞬体制を崩した。

 

「うおお!?」

 

俺は誰かに巨大な建物の破片の方へ引っ張られた。

 

 

「ち、チェイス!!」

 

「シフトカー達とお前を探していた………間に合ったようだな。」

 

《オツカーレ!》

 

「え?」

 

チェイスは突然自分のマッハドライバーに手を伸ばし、変身を解いた。

 

そして腰から取り外し、俺に差し出す。

 

「使え。」

 

「なっ………!?使えって、お前はどうするんだよ?」

 

「俺にはこれがある。」

 

チェイスはブレイクガンナーを取り出すと、俺の目に近づけた。

 

 

「お前はまだ戦える、やるべき事をするんだ。リョウタ!!!」

 

 

「やるべき事……………」

 

《ブレイク………!!!アップ………!!!》

 

「お、おい待てよ!!!」

 

チェイスは魔進チェイサーへ変身すると、流星と共にダークドライブとの戦闘へと入って行った。

 

 

「どうすんだよこれ………シグナルチェイサーはチェイスじゃないと使えないし…………」

 

 

待てよ……………

 

 

 

もしかして…………

 

 

咄嗟にポケットを探り、ある物を取り出す。

 

トライドロンキーだ。

 

「一か八か…………!!」

 

 

やってやる!!!

 

俺は無我夢中でマッハドライバーを腰に巻きつけ、レバー上げてトライドロンキーを装填した。

 

《シグナルバイクシフトカー!!!》

 

 

いくぞ…………!

 

 

「変身!!!」

 

《ライダー!!!》

 

 

 

 

俺はまだ…………戦える!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《超!!!デッドヒート!!!!》

 

 

赤い装甲に包まれた姿はいつものドライブとは異なっていた。

 

まるでジャンクパーツをかき集めたような………魔進チェイサーのような装甲をしていて、爪はとがっている。

 

 

「仮面ライダー超デッドヒートドライブ…………」

 

急場しのぎだけど…………戦えるならなんでもいい!!!

 

 

「うおおおおおおおおおお!!!」

 

 

《バースト!!!キュウニ!!!超!!!デッドヒート!!!》

 

二人の間に入り、ダークドライブに殴りかかる。

 

 

「ふん………そんな装備、ダークドライブには及ばない。」

 

俺の拳を受け止めると、剣を振りかぶり俺の胸部を切り裂いた。

 

 

「っ!!」

 

これで終わってたまるか。

 

俺は奴の腕を掴み、力を込める。

 

《バースト!!!キュウニ!!!超!!!デッドヒート!!!!》

 

「うおおおおおお……………!!!」

 

「何を…………!?」

 

「チェイス!流星!」

 

 

このまま抑え込む……………!!!

 

 

《ヒッサツ!!!フルスロットル!!!マッハ!!!》

 

「ぐおおおおおっ…………!?!?」

 

まずは流星の飛び蹴りが炸裂する。

 

 

そして………

 

「トリプルチューン。」

 

ブレイクガンナーから強大なエネルギーの塊が放たれ、ダークドライブに直撃する。

 

 

「仕上げだ!!」

 

 

《ヒッサツ!!!バースト!!!フルスロットル!!!超!!!デッドヒート!!!》

 

 

「うおりゃああああああ!!!」

 

掴んでいた腕を離し、赤い雷撃を纏った拳をダークドライブの顔面に叩き込んだ。

 

 

 

「ぐああああああああ!!!!」

 

断末魔と共にダークドライブが吹き飛ぶ。

 

 

 

「今だ!逃げるぞ!!」

 

流星はそう言うと俺達の手を引っ張り、連れて行こうとする。

 

「待ってくれ!ベルトさんを………!」

 

「馬鹿!まだ奴は生きている!今のは運が良かっただけだ!!今の俺たちじゃ敵わない!」

 

「っ………!!」

 

 

待っててくれ…………ベルトさん…………

 

 

 

 

俺達はその場から逃げるように退散した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「ふう…………!!」

 

 

瓦礫の中から立ち上がったダークドライブは、変身を解き、ドライブロイミュードの姿へと戻った。

 

 

「無傷、か。さすがはダークドライブだ。」

 

「蛮野様…………」

 

 

004が蛮野、と呼んだロイミュード…………それは以前のような下級ロイミュードの姿ではなかった。

 

 

 

''黄金のドライブ''………

 

 

「私も早く……この力を試したくてうずうずしているのだが………さて。」

 

 

 

「その前に、006と008には邪魔な不良品をスクラップにしてもらおうか………」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「戦えるじゃないか、お前。」

 

ラビットハウスに戻る途中、流星から不意にそう言われた。

 

 

「………………ああ。」

 

「ははっ!やっぱリョウタはこうでなくっちゃな!」

 

「こうって……どうだよ?」

 

そうだ、気づいたら俺は自然と変身して………戦っていた。

 

 

もう蛮野達には勝てないと確信していたのに…………いや。

 

そうじゃないのかもな。

 

 

 

 

 

 

「ココア達にも………あんな態度とっちゃって………悪い事したな……」

 

俺がそう言うとチェイスが予想外の事を口にした。

 

 

「謝ったほうがいいな。''愛する人''との関係は崩したくないのだろう?」

 

「は?」

 

「………?違うのか?」

 

「すまんもう一回言って?」

 

「愛する人……「だーーーーーーーーーー!!!」」

 

 

何を言ってんだこの人は!!!

 

「誰が愛する人だ!!!」

 

「お前はココアを愛しているのだろう?」

 

「ちがっ………くもないけど違う!!!」

 

「意味がわからない。」

 

 

流星は俺とチェイスのやり取りに肩をすくめる。

 

 

「そう言うお前はどうなんだ!好きな人いんのか!?」

 

「いや俺は…………俺は…………」

 

お?

 

まさかいる感じなのか?

 

 

「その前に確認したいことがある。誰かを愛するという気持ちは………どういうものなんだ?」

 

「え?うーん…………えっと………どう思う流星?」

 

「ええ!?ここで俺に振るの!?」

 

 

そう言いながらも流星はブツブツと言いながらも何か考えてるみたいだ。

 

「うーん……その人の事を考えると、胸がこう……キュンッ!って締め付けられるような感じ?」

 

どう?みたいな顔でこっちを見てくる。

 

「うーん………大体そんな感じ?」

 

「胸が………キュン………」

 

するとチェイスは、何か納得するような表情をし、頷いた。

 

「そうか…………今わかった…………それならば一人、心当たりがいる。」

 

「「ええ!?!?」」

 

俺と流星の声が被る。

 

 

いや、まさか本当にいるなんて思わなかったしさ…………

 

ちょっと待って、心の準備が……って!なんで俺が緊張してんだよ!!!

 

 

 

「俺は……………」

 

あ、言っちゃうの!?

 

 

 

 

 

俺と流星はまた同時に息を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リゼを愛しているようだ。」

 

 

 

 

「「え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''え''!?!?!?!?」」

 

 

 

 

 

人生で一番叫んだ瞬間だった。

 

 

 

 

 





次回は……………チェイスがリゼをデートに誘う!?!?

リョウタ「仕方ない………チェイスのために一肌脱ぐか!」

流星「これって………俺も手伝わなきゃダメなの?」

ココア「そう言うことならお姉ちゃんに任せなさい!!!」

一体どうなってしまうのか!?
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