仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜 作:Purazuma
エピローグを合わせれば残り4話………物語は最終局面へ!
シグマサーキュラーの設定は大分いじってます。
この男はもう隠れる必要など無かった。
必要な物は全て揃えたのだ…………そう、たった今。
「シグマサーキュラーのネクストトライドロンへの搭載…………成功だ。」
誰に言うわけでもなく蛮野は呟いた。
その言葉に反応したのは一人、004だけだ。
「シグマサーキュラー………全人類をデータ化させるための装置……それをなぜネクストトライドロンに?」
「決まっている。こいつ単体ではただの鉄屑にすぎないからだ。ネクストトライドロンと私をシンクロさせる事によって初めて効果を発揮する……おや、忘れていた。」
蛮野はわざとらしく、大袈裟に腕を広げて006に視線を向けた。
「そういえばあと一人、シグマを起動させるために必要な人材がいたようだが………まだ無理みたいだな。」
「チッ………」
006は苛立ちを隠せずに、いや隠す気もなく大きな音を立てて立ち上がった。
「わかってる…………俺の超進化は、すぐそこだ。」
「仕掛ける前に下ごしらえは済ませておくぞ、急げ。」
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「ぐっ………!うわあああああっ!!!!があああああああ!!!」
くそ………!今の俺じゃ…………使いこなせないってのか!?
言うことを聞け………!感情…………!感情…………!
「やはり今の君がその力を使うには…………コアドライビアが足りなすぎるようだね………」
わかってる。
そんなことは百も承知だ、くそったれ。
超デッドヒートドライブでこのシステムが使いこなせるわけがない。
でもやるしかない。
「終わりだな。」
まだだ…………!
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ!!!!!!!
ま……………………………だ……………………………
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「はっ……………!ってまた夢かよ……………」
最近朝は最悪の気分になる。
その原因はこの夢だ。そうに違いない。
なぜかわからんが突然苦しくなって……………んで……………金の槍に貫かれる。
「学校、行きたくねえな…………」
今日は何もいい事がなさそうだ。むしろ嫌な事ばかりが起きそうな……………そんな予感がする。虫の知らせというやつか………いや、ちょっと違うか?
それにしても最近は自分で起きる事が出来るようになった。もうチェイスにブレイクガンナーを突きつけられる日々は終わったと言っていい。
なんで急に自分で起きられるようになったのか…………それは多分、ベルトさんがいなくなったからだ。
前まではベルトさんが世話を焼いてくれたけど……いなくなって、自然に体が時間になると起きるようになってしまったのか。自分でもよくわからん。
着替えを済ませて一階へ行こうとすると何やら騒がしい音が、足音か?
俺がドアを開けるのとほぼ同時に、一階から階段を登ってきたチノに会った。
………………やけに慌ててるな。廊下を走るのは良くないぞっと。
「あっ!リョ、リョウタさん…………!大変です………!」
息切れしたチノが俺を見るなりよろよろと近づいてきた。
なんだなんだ?
「どうかしたのかチノ?随分急いでるな。」
「とにかく下に!テレビを見てください!!」
チノに手を引っ張られて無理やり連行される。
…………まいった。俺は悪い予感は結構当たるんだよな。これは何かあるかも……………
テレビの前にはチェイス、タカヒロさん、そしてなんと珍しい早起きしたのかココアもいたのだ。
全員の視線がテレビに釘付けになっている。
「リョウタ君、来たか。」
「タカヒロさん、一体何があっ……………た………………なんだよこれ。」
信じられない光景。
こんなのは昔見た映画でしか見た事がない。
「なんっで……………こいつがテレビに……………!?」
蛮野…………天十郎……………!!!
テレビにはゴルドドライブ………蛮野の姿がアップで映し出されていた。
『やあ………見ているかい?仮面ライダーの諸君。今日は他の人間達にも聞いてもらいたくてね…………全世界に生放送中さ。』
なんだって………!?
そんな馬鹿な!ジャックしたってのか!?!?
「こいつ何を企んで…………」
その疑問はすぐに解かれた。
『まずは自己紹介から………私はロイミュードを統べる王、蛮野天十郎。またの名をゴルドドライブと言う。』
んなこた知ってんだよボケ!!!!
『さて、まず用件だが…………私は世界に宣戦布告する。』
「「「「「!!!!!!」」」」」
『全人類を支配するために…………まずは拠点を決めようと思う。…………今私がいるこの木組みの街を拠点にしようと思っていてね。』
「なっ……………!?」
ふざけるな、誰がそんな事………!!
…………いや、ちょっと待て………もう既にこの街にいる?
それに、ショコラが言っていた話とは少し違う。ショコラは暫くはこの街は平和、と言っていたはずだ。
まさか……………歴史が変わった?良くも悪くもそれは間違いない。
『そうだな…………一日だけ猶予を与えよう。その間にこの街の住民は立ち去ってもらおうか。………ただし。』
『仮面ライダー…………君達はここに残りたまえ、そして無残に散るのだ。』
やっぱりそうきたか。
『なに、恐れる必要は無い。これでも私は世界の支配者として、奴隷の扱いは心得ているつもりだ、大人しく従えば危害は加えんよ…………もっとも、それは仮面ライダー以外の人間、の話だが…………くくくっ!』
『それでは諸君!……………良く考えるといい…………はははははははははははははは!!!!!』
不気味な笑い声と共に、テレビの中の蛮野はプツリ、と消えた。
「……………これは……………」
「まずいことになった……………」
タカヒロさんは頭を抱え、ココアは呆然と前を見つめている。チノは下を向いていて表情が読み取れない。
チェイスは……………俺の顔を見ると、頷いた。
「チェイス、準備しとくか。」
「そうだな。」
チェイスはともかく、なぜか俺の頭は冷え切っていた。
恐怖心からなのか。…………自分でもわからない。
俺達はココア達に背を向け、ドライブピットで''準備''をしようと歩き始めた。
「ち、ちょっと待ってよ!二人ともどこに行くの!?」
ココアは俺達の肩に手をかけ、女の子の非力な力で必死に引き止めようとしている。
「何って………今の放送見てただろ?…………戦いの準備だよ。」
「そんな………!だって!こんなの…………ひどすぎるよ……………」
「ココアさん…………」
チノはココアの隣まで行き、両手で優しくココアの手を握った。
「うっ……!ひっく………!」
「リョウタさん…………チェイスさん…………私も……………今回ばかりは…………戦うことはやめてほしいです。」
タカヒロさんも俺達に申し訳なさそうな表情で言う。
「二人とも…………」
「でも俺達がやらないといけないんだ。………流星だってきっとこうしてるはずだ。」
俺とチェイスは止めてくれた三人から目を背け、ドライブピットへと向かった。
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すぐにこの街に避難勧告が出された。
この街の外に避難所があるらしい。
最初は軍隊を出動させるか…………という話もあったようだが、重加速を持つロイミュードに普通の軍隊が敵うわけがない。この話は無しになったようだ。
俺とチェイスは流星とドライブピットで合流し、今後の事について話した。
「なあ…………敵の数って確か………」
最初に口を開いたのは流星だった。
「1500…………だっけ?」
「それは前の話だろ?…………今はどうなんだろうな。」
これじゃあ話し合いにならない。
どうしたものか…………と悩んでいると、トライドロンの発車口が開き、頼もしい奴らが入ってきた。
「ハートとブレンにメディック………ショコラまで。」
対蛮野部隊全員集結って感じかな?
まずは気になっていたことをショコラに聞いた。
「そうだショコラ…………蛮野が言ってた、この街を拠点にするって…………」
「うん、放送見たよ…………………歴史、変わっちゃったね。」
やっぱり………………か。
俺達がここで死ねば…………もうそこで世界は蛮野に支配される。
「俺達はいつでも準備はできているぞ、泊リョウタ。」
ハートは胸を叩き、自信を見せてくれた。
「俺達もOKだ。……………でも。」
……………戦いの前に別れくらいは……………
ドオオォォォォオオオオン!!!!!
「ぐああああっ!!!」
ドライブピットが爆発で包まれた。
誰かが………………侵入してきた!?!?
全員が四方にバラバラに吹き飛び、周りは爆煙でよく見えない。
なんとかトライドロンの発車口を見つけると、そこには人影が一つ。
その影が腕を振ると、瞬く間に煙が晴れ、ドライブピットは明るさを取り戻した。
「006…………!!」
ハートがロイミュードの姿に変身する。
超進化態になったハートはこれまでとは色が違う。全体的に金をベースにしているカラーだ。
そしてもちろん……………実力も。
ハートに続いてブレンとメディックもロイミュードの姿になる。
「俺達も!!」
「「ああ!!!」」
チェイスはブレイクガンナーを、俺と流星はマッハドライバーを取り出して腰に装着する。
「LET's」
「「「変身!!!」」」
《シグナルバイクシフトカー!!!ライダー!!!デッドヒート!!!/超!!!デッドヒート!!!!》
《ブレイク………!!!アップ………!!!》
仮面ライダーデッドヒートマッハ、超デッドヒートドライブ、魔進チェイサーが並ぶ。
「ショコラは隠れていろ!!!」
俺がそう叫ぶと、どこにいるかわからないが「わかった!」とショコラが声を張り上げる。
「お前達は邪魔だ。」
006は俺達に指を向けると、複数の下級ロイミュードが俺達に襲いかかってきた。
このくらい楽勝……………!!!
と、襲いかかってきた下級ロイミュードを殴り、地面に叩きつける。
こいつら、数は多いが一体一体ではそこまで強くない。…………蛮野は質より数派なのか?
006はハート達と交戦している。
戦況はどうやらハートが超進化したのもあってか、006が押されていた。
「今までの俺とは格が違うぞ………006!!!」
「いいねえ…………このくらいじゃないと……………食いがいがねえってもんだ!!!」
ハートの拳のラッシュを回避しながらなんとか攻撃を当てている006。
しかしハートにはほとんどダメージが通っていない様子。
それに加えてハートにはブレンとメディックの援護がある。
これは勝負あったな。
《ヒッサツ!!!バースト!!!フルスロットル!!!デッドヒート!!!》
《フルブレイク………!!!》
「「はあああああああああっ!!!」」
流星高熱を帯びた跳び蹴りを、チェイスはブレイクガンナーから巨大なエネルギー弾を発射し、下級ロイミュードの3分の2を減らした。
「俺だって!!!」
《ヒッサツ!!!バースト!!!フルスロットル!!!超!!!デッドヒート!!!》
負けてはいられない。
残りの下級ロイミュード達に向かって渾身のパンチを繰り出す。
下級ロイミュードは全て爆発し、コアも破壊された。
あとは006だけ…………!!!
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超進化態の俺ならいける…………!!006に…………
「勝てるっ!!」
「ぐっ……………!!」
006に拳を当て、ピット内の端へと吹き飛ばした。
「へっ………………」
「まだまだぁ!!!」
お前は俺達を裏切った。
ロイミュード達の怒りを………………
「思い知れ!!!」
006にとびかかった俺は、とどめを刺そうと拳を振りかざす。
「…………………この時を………………」
「待っていた。」
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「なに…………?っ!!!」
倒れている006はマントを広げた。
そこには何も存在していないかのような、漆黒の空間が広がっていた。
その世界にハートが吸い込まれていく。
「ぐっ!!!おおおおおおおおお!!!!」
「ハート!!!」
どうにかして耐えようとしているハート。
まずい!!奴の狙いはハートか……………!!!あの野郎!!最初からハートを油断させて吸収する気だったんだな!!!
「来るな!!!お前らまで巻き添えになる!!!」
近づこうとする俺達にハートは振り返らずに叫ぶ。
「こ…………の……………くらいいいいいいいい!!!!」
「甘いぜハートォ!!!」
吸い込む力がさらに強く……………!!!
これは…………まずい!!!
「ふっ…………!!!泊リョウタ!!!ブレンとメディックを……………!!!頼んだぞ!!!」
「ハー…………………!!!」
俺がハートの名前を叫んだ時、''それ''は既に起こってしまった。
その瞬間、思わず俺は目をつぶってしまった……………
「ぐああっ!!」
何かが俺にぶつかってきた。飛んできた、というのが正解か。
恐る恐る目を開けると、ぶつかってきたのはハートだったのだ。
「お前………!ハート!!無事か!?」
安心したのもつかの間。
別の残酷な状況を見せつけられることになった。
「ブレン………!!メディック…………!!!」
そこには、006の吸引に耐えるブレンとメディックがいたのだ。
「まさか………!!ハートを庇ったのか!?!?」
「馬鹿な真似はよせ!!!」
今度はハートが二人の所まで近づこうとした。
「来ないでください!!!」
ブレンは必死の表情でハートに叫んだ。
「ハート様さえ生きていれば………私達は!!!」
「気に入りませんが…………私達はどうやら同意見のようです!!!」
もう半分以上が006の体へと取り込まれている。
「だからハート…………!!!必ず…………!!!」
「「蛮野を倒してください!!!!!」」
その言葉を最後に、ブレンとメディックは006に吸収された。
「そんな…………!!嘘だろ…………!!!ブレンーーーーーーーーーっ!!!!メディックーーーーーーーーっ!!!!」
ハートの声は通じない。
当然だ。もうここにはいないのだから。
「006…………!!!」
許せない。
こいつは…………必ず……………!!!
「ふふふふふふふ………………………はははははははははははははは!!!!!」
悲しむハートとは反対に、006は不気味なほど笑っている。
そして……………006の体が、黄金へと輝いた。
「ブレンと………メディック!!二人の幹部ロイミュードを吸収した…………これで俺の………!!''独占欲''が極まった!!!」
奴の体を覆っていたマントは逆立ち、翼のような形になっている。
そして、現れた素顔は「黄金の骸骨」とも言える不気味な物だった。
「006も………超進化態に…………!!」
チェイスがぽつりと呟く。
「じゃあなクズども!!!せいぜい残りの寿命を楽しみな!!!」
006はトライドロンの発車口を猛スピードで駆け抜け、すぐに去って行った。
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「ほれ千夜、支度ができたんなら避難所に行くよ。」
「う、うん………………」
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シャロさんへ。
私にはやらなくちゃならないことがあります。
こんな別れ方でごめんなさい。
短い間だったけど楽しかったです。
ショコラ。
「どういうことなの………これ………ショコラ………!!」
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「「「お嬢様/お嬢!支度はできましたか/かい!?」」」
「ああ………………」
「すまないリゼ……………私としては加勢をしてやりたいが…………」
「親父のせいじゃないよ。…………………………」
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「チノ…………」
「チノちゃん……………」
「メグさん…………マヤさん……………」
「大丈夫だよ!きっと仮面ライダー達が悪い科学者を倒してくれるって!!!」
「そう………………ですね…………………」
「じゃあ………行こっか、避難所。」
「そうですね………………ココアさん……………」
「先に行ってて…………………」
「…………絶対に来てくださいよ?」
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「ごめんチノちゃん、やっぱり私………………リョウタ君達を置いてなんて…………できない……………!!!」
【次回予告】
ココアは一人街に残る決断を……………!?
そしてリョウタ、チェイス、流星は最後の戦いを前にそれぞれでやり残したことがあり……………?
次回、仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜
最終三部作:一