仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜   作:Purazuma

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ついに蛮野との決着…………!!


最終三部作三:愛しい人よ、君は生きて帰ってくれるか【挿絵】

 

「はあ………!はあ………!着いた………!!」

 

木組みの街に。

 

急いで走ってきたからなのか、足が小刻みに震えている。

 

私は周囲を見渡して息を飲んだ。

 

「ひどい…………」

 

以前まで見慣れていた景色はそこには無かった。

 

ほとんどの建物が破壊され、ただの大きな木の板と化している。地面にも大きなクレーターがいくつかある。

 

そして前に視線を向けると、爆発でもあったかのように地面や周囲の木の瓦礫が黒く焼け焦げている。

 

その側に、見覚えのある人物が横たわっていた。

 

「り、流星君!!!」

 

咄嗟に駆け寄り仰向けにさせ、体を強く揺すった。

 

「まさか………そんな………」

 

急に怖くなって、体の震えが一層強くなる。

 

「流星君!起きてよ!ねえってば!!」

 

さっきよりも強く体を揺する。

 

 

死んじゃやだ………死んじゃやだよ………!!!

 

 

 

「ちょ………痛い痛い痛い!!!」

 

「え……!?」

 

流星君が目を覚まして、ゆっくりと顔を私に向けた。

 

 

「あの………逆に死んじゃうからさ…………寝かしといて……」

 

 

「……!よかったーーー!!!」

 

嬉しすぎてさらに体を揺すってしまった。

 

流星君が声にならない叫びを上げる。

 

 

 

「そうだ……!チェイス君とリョウタ君は!?」

 

私がそう聞くと、流星君はなぜか顔を背けた。

 

 

…………もしかして………………

 

 

「リョウタは無事だ………多分、生きてる。でもチェイスは………………」

 

「え……………………?」

 

 

流星君は視線を焼け焦げている瓦礫に向ける。

 

その側にはバラバラになった機械の破片が散らばっていた。

 

 

「気づいていたはずなんだ…………なのに…………言ってやれなかった…………!!」

 

「俺のダチだって…………!!!」

 

 

私は機械の破片を見た瞬間、何かを感じるよりもさきに、涙が溢れた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ショコラ、隠れてろ。」

 

「うん…………気をつけてね。」

 

ショコラは後ろに向かって走り出し、建物の陰に隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

「蛮野…………お前は一体何を…………!!!」

 

 

目の前にいる黄金のドライブの隣には黒と水色のマシン、ネクストライドロン。

 

 

「そうだな………君達には最後に教えてあげようか……………」

 

蛮野はネクストライドロンを撫でると、体を俺の方へ向け、語り出した。

 

 

「人類のデータ化だ。」

 

 

『なんだと………!?』

 

ベルトさんが怒りの表情を浮かべる。

 

人類のデータ化……………!?

 

つまり……………まさか、そういうことか!?

 

 

 

「人類全てをロイミュードのようにナンバー化する事で、支配下に置くってことか………!!!」

 

『ああ………誰も自由に肉体を持てない世界になる!』

 

なんて恐ろしいことを考えて…………!

 

 

 

「さあどうする?お前達は私を止めに来たのだろう?」

 

 

俺はハンドル剣とドア銃を握りしめ、蛮野に向かって構えた。

 

倒す…………こいつは絶対に………!!!

 

 

「行くぜベルトさん!」

 

『ああ!!』

 

 

蛮野に向かって走り出す。

 

蛮野は立ち止まったまま、黒いドライブドライバーのキーに手を伸ばし、回した。

 

 

「なんだ………!?」

 

奴の胸にあるメカメカしいアーマーから金色の光が放射され、それが俺を包んだ瞬間。

 

「ぐわっ…………!?」

 

タイプトライドロンの装甲が粒子化し、タイプスピードへと変わる。

 

そしてその粒子は奴の手に集まり、シフトトライドロンへと変わった。

 

 

「奪い取られた………!?」

 

『なんという力だ!』

 

 

蛮野はシフトトライドロンを投げ捨てると、片手を上げてエネルギーを集めた。

 

 

 

「はっ!」

 

蛮野は黄金の槍を作り、俺に放った。

 

「ぐああああっ!!」

 

大きな爆発と共に俺の体が吹き飛ぶ。

 

 

さすがに…………奴らのボスってだけあるな……………!!!

 

 

『リョウタ、ここはトライドロンを使おう!』

 

「ああわかった!」

 

立ち上がり、急いでトライドロンに乗り込む。

 

 

「おもしろい…………ならこちらも…………」

 

「っ!あいつ…………!!!」

 

蛮野は横のネクストライドロンに乗り込んだ。

 

 

 

 

『気をつけろリョウタ………あちらの方がトライドロンよりも性能が遥かに上だ!』

 

「なんとなくはわかってたけど…………ね!!」

 

 

トライドロンの砲台をネクストライドロンに向け、発射する。

 

すると蛮野も同時に砲台を出現させ、俺の発射した光弾を全て相殺した。

 

 

ほぼ同時にアクセルを踏む。

 

 

 

「らあっ!!」

 

トライドロンとネクストライドロンは横に並びながら木組みの街を駆け、車体をぶつかり合わせた。

 

 

「思ったより…………きっついな!!」

 

『タイヤフエールで対抗する!!』

 

 

ベルトさんの指示でシフトカー達がトライドロンへと突っ込んでくる。

 

 

『タイヤフエール!!』

 

マックスフレア、ミッドナイトシャドー、ファンキースパイク、ジャスティスハンター、マッシブモンスターなど、攻撃用タイヤは全てネクストライドロンに向かって勢いよく射出された。

 

 

「…………脆弱だな。」

 

ネクストライドロンはそれを軽々と避け、トライドロンにレーザーを放つ。

 

 

「うわあっ!?」

 

直撃。

 

 

このまま続けたらヤバイかもな…………

 

街中を駆けながら、二台の車はぶつかり合い、潰し合った。

 

いや、少しずつトライドロンが押されていた。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ……!!やばい後ろにつかれた!!!」

 

トライドロンの後ろからネクストライドロンの砲撃が襲う。

 

発射されるレーザーをベルトさんがなんとかタイヤで防御しながら逃げる。

 

………が、それも長くは保たなかった。

 

 

 

「ぐっ!?」

 

後ろのタイヤ部分にレーザーが当たり、バランスを崩したトライドロンに放り投げ出される形で外に飛び出た。

 

ほぼ同時に蛮野もネクストライドロンから飛び出し、俺に襲いかかってくる。

 

 

「くそ!!」

 

飛んできたハンドル剣を受け取り、蛮野に斬りかかるが、奴はそれを弾き拳を放ってきた。

 

それを躱し、再びハンドル剣を振りかぶると、蛮野はまたベルトのキーを回し、黄金の粒子を発生させた。

 

 

「またかよ!!」

 

『このままでは………!!』

 

 

蛮野は俺から奪い取ったハンドル剣で切り掛かってきた。

 

「ぐおおおおっ!!!」

 

両手を構えて、なんとか振り下ろされた刀身を受け止める。

 

 

「ぐああっ…………!!」

 

蛮野は腕に力を込めてきて、俺はそれに耐えきれずに膝を地面に付けてしまう。

 

「弱いな。」

 

「んだと………!?」

 

 

蛮野は俺の腕を振り払い、蹴りで吹き飛ばした。

 

ハンドル剣を投げ捨て、ゆっくりと近づいてくる。

 

 

「お前は無力な兎だ。一人では何も成すことはできない。」

 

「一人……?お前、ちゃんと目ある?視力大丈夫?」

 

俺にはベルトさんが付いている、流星がいる、チェイスがいる、ショコラや、ココア、みんなが俺に、俺達に、力をくれた。

 

俺達は支え合ってここまで来たんだ………!

 

 

 

「俺達はこれ以上無いっていうくらい………最っっっ高の仲間だ。無力なんかじゃ、決して無い。」

 

「そうか、だがクズがいくら集まったところで所詮はーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふんっっっ!!!!」

 

 

蛮野は水切りのように何度か地面にぶつかりながら横に数メートル先まで吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………おせえよ。」

 

「そう言うな、さすがにあの数を片付けるのは短時間とはいかない。」

 

「流星とチェイスは?」

 

「………………それは後にしよう、今はこの無粋な輩を…………」

 

「ああ」

 

「「倒す。」」

 

 

 

 

俺は立ち上がり、男の隣に並ぶ。

 

シフトカー達が運んできてくれたシフトトライドロンを受け取り、ベルトさんのキーを回した。

 

 

 

「いくぞ………………ハート!!!」

 

「ああ…………今度こそ最後にしよう、これで。」

 

 

シフトトライドロンのボタンを押し、シフトブレスに装填する。

 

『ファイヤー!!オールエンジン!!!』

 

 

『「変身!!」』

 

『ドライブ!!!タイプトライドロン!!!』

 

 

タイプスピードの装甲の上から分解したトライドロンが重なる。

 

その横には黄金の光を放ちながらハートがロイミュードの姿へと変身する。

 

 

 

 

「愚かな………………」

 

蛮野は立ち上がり、俺達に接近してくる。

 

「いくぞベルトさん!ハート!!」

 

『「ああ!!!」』

 

 

 

ハートは正面から、俺は接近してきた蛮野に回り込むようにして移動する。

 

 

『カモン!!!ダンプミキサーグラビティ!!!タイヤ!!カキマゼール!!!コウジゲンバー!!!』

 

「喰らえ!!」

 

後ろから10tオモーリを投げつけるが、蛮野はそれを回し蹴りで砕いた。

 

 

「げ!?」

 

「動きを止めるな泊リョウタ!!」

 

 

蛮野はハートの攻撃でさえ簡単にいなし、カウンターまで打ち込んでいる。

 

 

まずは動きを止めるか………!!!

 

『コウジゲンバー!!!』

 

「はあっ!!」

 

 

コンクリートを発射し、蛮野の足を固める。

 

 

「なに…………!?」

 

 

『カモン!!!ハンタードクターブレイバー!!!タイヤ!!カキマゼール!!!ピーポーセーバー!!!』

 

『ピーポーセーバー!!!』

 

 

ハンターの力で蛮野を檻で囲む。

 

 

「今だ!!」

 

『ヒッサーツ!!!フルスロットル!!!ピーポーセーバー!!!』

 

 

ハートと俺は挟むようにして蛮野に攻撃を加えようと接近する。

 

 

 

 

「なめ…………るな!!!!」

 

蛮野がキーを回すと、黄金のオーラが発生し、コンクリートと檻を俺たちごと吹き飛ばした。

 

 

 

「ぐあああっ!!」

 

『リョウタ!!!』

 

 

 

くそ……………こいつ、当然だけど………人間じゃねえ…………!!

 

 

 

爆煙に紛れ、ハートを連れて建物の陰に隠れる。

 

 

 

「どうすんだよあれ……………!!!」

 

「蛮野………やはり、手強いな…………!!」

 

ハートも息を切らしている。

 

そろそろ決着をつけたほうがいいかもしれない…………嫌な予感がする。

 

 

 

 

『私に考えがある。』

 

…………お?

 

「な、なんだそれ!?」

 

『なに………簡単なことだよ、君たち得意の''ごり押し''というやつだよ。』

 

「はあ?どうかしたのかベルトさん?故障するならこの戦いが終わった後にしてくれ!!」

 

『冗談ではない、今の蛮野に小細工は通用しない。正面から奴よりも強力な力をぶつけるしかない!』

 

 

なんだそれ……………

 

確かにそういうのは嫌いじゃないけど………それで勝てるとはとても………

 

 

 

「よし、それでいこう。」

 

「ってハート!?」

 

「今更だ。お前だっていつも、俺と戦う時は何も考えずに突っ込んできただろう?」

 

 

いや…………そうでもな…………そうかな?

 

少なくとも最初に戦った時は逃げるために少し工夫はしたんだが……………

 

 

「ああもう!!わかった!!それでいこう!!!」

 

『最初からそう言いたまえ。』

 

 

 

やってやる…………そして蛮野を…………倒す!!!

 

 

 

 

「どうにかして奴に接近する!!!いくぞハート!!!」

 

「わかった!!!」

 

 

 

「……………ふん。」

 

 

蛮野は複数の黄金の槍、そしてエネルギー弾を生成させると、それを一斉に接近してくる俺達に放った。

 

 

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

『カモン!!!カモン!!!カモン!!!カモン!!!カモン!!!カモン!!!カモン!!!』

 

『タイヤ!!!カキマ!!!カキマ!!!カキマゼール!!!』

 

『ファイヤー!!!オールエンジン!!!』

 

 

シフトトライドロンのボタンを連打し、全てのシフトカー達のタイヤを実体化させる。

 

それを飛んでくる黄金の槍とエネルギー弾にぶつけ、防御しながら走り抜ける。

 

 

 

 

 

「タイミングは任せるぞ!泊リョウタ!!」

 

「ああ!!!」

 

 

蛮野の側まで接近すると、俺達は同時に飛び上がった。

 

 

 

 

『ヒッサーツ!!!フルスロットル!!!トライドロン!!!』

 

全てのタイヤを融合させ、タイヤは純白に輝いた。

 

 

 

『「「はあああああああああああっ!!!」」』

 

ハートと俺は空中で蹴りの体勢になり、そのまま蛮野へ渾身のキックを放った。

 

 

 

「無駄だ!!!」

 

蛮野はベルトのキーを回し、黄金のオーラを発生させて蹴りを防御する。

 

 

 

『「「とどけぇぇぇぇええええええええええ!!!!!」」』

 

しだいに音を立てて、黄金のオーラが欠けてくる。

 

 

「馬鹿な……………!?!?」

 

 

「これで……………終わりだ……………!!!」

 

 

「「『蛮野天十郎!!!』」」

 

 

 

 

黄金の壁を貫き、蹴りは蛮野に直撃した。

 

数メートル先に吹き飛んだ蛮野は、大きな音を立てて爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで……………終わったのか……………?」

 

『……………そのようだね。』

 

 

 

安心して力が抜ける。

 

終わったのか…………やっと………………

 

 

 

 

「よし!じゃあ早速帰ってーーーーー」

 

次の瞬間。

 

 

前方から寒気がするほどの猛スピードで飛ぶ何かが俺とハートの横を通り過ぎ、蛮野が爆発した所に飛び込んだ。

 

 

 

 

『今のは………………シフトカーか…………!?』

 

「なんだって…………!?」

 

「どうやらまだ終わりじゃなさそうだ。気をつけろ!!!」

 

 

くそっ!!蛮野の奴…………しつこ…………

 

 

 

「い。」

 

 

衝撃で吹き飛ぶ。

 

変身が解け、ベルトさんが近くに落ちてきた。

 

 

今のはなんだ…………?爆発…………?ちがう。

 

今のは………衝撃波か?

 

なにが起きたのか整理しようとするも、全身に痛みが走り上手く頭が回らない。

 

 

 

《ド………!!!ライ………!!ブ……!!!タイプ………!!!ネクスト……!!!ライドロン!!!》

 

 

不気味な電子音声と共に、''それ''は姿を現した。

 

「ふ………ふ…………ふふふふははははははははは!!!!!」

 

 

煙が晴れてきて、奴の全身が視界に入る。

 

ダークドライブによく似た装甲だが、所々に金色のラインが走り、目はつり上がっている。

 

腕には004が使用していた黒いシフトカーの反面である黄色のシフトカーが装填されていた。

 

 

『まさか…………ネクストライドロンと強制的に融合を…………!?』

 

 

まさかこいつ…………俺達のタイプトライドロンみたいに、マシンと融合したってのか!?

 

 

すなわち、仮面ライダーゴルドドライブタイプネクストライドロン。

 

 

 

「今の私に敵はいない!!さあ泊リョウタ!クリム!ハート!私にひれ伏せ!!!」

 

 

蛮野がベルトのキーを回すと、先程とは比べものにならないオーラが発生し、俺達は成す術もなく吹き飛ばされた。

 

 

「ぐああああっ!!」

 

「がはっ………!!」

 

『ぐわああっ!!!』

 

 

 

蛮野は間髪入れずに黄金の槍を作り、俺に向かってそれを放った。

 

 

「あ…………………」

 

 

『リョウターーーーーーーーーーーッ!!!』

 

 

 

 

 

 

ここまで来たのに……………結局俺は………………!!

 

 

ごめんみんな……………!!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

避難所。

 

 

「おい!どうすんだよ!」「仮面ライダーって…………おい…………!」「まだ子供じゃないか!!」「かわいそうに………」「このままじゃ負けちまうぞ!!」

 

 

避難所にいる人々はそれぞれの携帯の画面を見て、驚愕の声を上げた。

 

 

そして、この少女達も。

 

 

 

 

 

 

「え…………?リョウタ……………?」

 

マヤとメグは画面を見て固まった。

 

 

「リョウタ君が………仮面ライダー…………」

 

モカもその事実に驚愕し、絶句する。

 

 

 

 

 

「リョウタさん…………!!!」

 

チノは手を合わせて、リョウタの無事を祈った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

痛みがこない。

 

一体何が……………?

 

 

左半分がぼやけた視界に写っていたものは………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、ハー………ト。」

 

ハートロイミュードが黄金の槍に貫かれていた。

 

 

俺を……………庇ったのか………………!?

 

 

倒れこんでくるハートを受け止める。

 

 

「お前…………!!」

 

「はは……………少し、デカイのを喰らってしまったな…………ごふっ!」

 

「なんで俺を…………!!」

 

「なんでって………お前、言ってただろ………''友達を守るのは当然''って………あの時のお前と、同じことをしただけだ。」

 

 

っ……………!!!

 

 

「おい、死ぬな、死ぬなよ!!!俺と決着つけるんだろ!?いいか死ぬな!俺一人でも蛮野を………!!」

 

「決着……………か。この戦い、''俺達''の負けさ。」

 

「何を言って…………!!!」

 

 

負けなもんか。

 

お前達ロイミュードは………人間を利用して進化し…………新たな生物になろうとした………!!

 

 

 

人間なんか…………とっくに超えて………………!!

 

 

 

「最後に友達が増えて良かった……………最後に一つだけ、頼みがある。」

 

 

「え…………?」

 

 

 

「蛮野を、倒してくれ……………''リョウタ''…………!!!」

 

 

ハートの体は金色に輝き、ボロボロと崩れていった。

 

むき出しになったコアも、砂のように風に流れて消えた。

 

最後の願いを残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「もう…………お父さん…………どこにいったの!?」

 

トライドロンとネクストライドロンの戦闘に置いてかれて、私は一人街の中を走っていた。

 

 

 

 

 

ドオオォォォォオオオオン……………!!!

 

 

 

今の音は………………!?

 

音の聞こえた方に方向を変え、走り出す。

 

 

「待ってて…………お父さん…………!!!」

 

 

とにかく全力疾走。

 

普段なら街の中を走るなんて他の人の迷惑になるからいけない事だけど、今はそんな事を言ってる場合じゃない。

 

 

 

「きゃっ!?」

 

「いたっ!?」

 

 

誰かにぶつかった……………!?なんで……住民は全員避難したはずじゃ…………

 

あ……………

 

 

「お………ココアさん!」

 

「ショコラちゃん!?どうしてここに!?」

 

「ココアさんこそどうして…………!?」

 

「リョウタ君を探しに来たの!」

 

 

あー…………この人ならやりかねないと思ったけど……………まさか予想が的中するとは。

 

 

でもお父さんを探してるなら…………

 

 

「私もです!一緒に行きましょう!!」

 

「うん!」

 

 

ココアさんの手を取り、一緒にお父さんの所へ向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

今わかった。

 

 

 

俺の、力の正体。

 

 

 

 

父さんが生み出した、泊リョウタという名のシステムを………………

 

 

 

 

 

「ハート……………………見ててくれよ………………………」

 

 

 

 

 

感情の昂りによって発動する無限の力…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死ねえ!!!」

 

蛮野は巨大な光弾を複数生成し、同時に放ってきた。

 

 

 

 

 

 

「…………………………起動。」

 

 

「っ!?なんだ!?」

 

『リョウタ………………!?』

 

 

俺のその言葉に反応するように、トライドロンが俺の前に猛スピードで移動し、光弾を防いでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

「''オーバーシステムはこの時代にある''…………か………………なるほど………これは気づかないや……………」

 

灯台下暗しってやつだ…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の中にある、ロイミュードとしての力、父さんが作った''自律成長型ロイミュード''のシステム……………

 

 

関係ないと思ってた…………けど…………それは違う。

 

 

 

 

 

 

「俺が…………俺自身が!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバーシステムだったんだ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「これで本当に最後だ……………………''みんな''、ひとっ走り付き合えよ!!!」

 

 

ベルトさんを腰に巻きつけ、キーを回す。

 

 

 

『なんだ………!?この力は………!?』

 

 

「大丈夫。」

 

 

 

 

 

夢の中での俺………005が見せた未来の可能性の中での俺は、急場凌ぎの超デッドヒートドライブでオーバーシステムを発動させようとしていた……

 

 

 

それじゃあダメなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなの……………全てのコアドライビアが一つになれば……………!!!」

 

きっと…………必ずオーバーシステムを使いこなせる!!!

 

 

 

シフトトライドロンを取り出す。

 

 

 

 

 

 

 

「今だけだ…………今だけ俺は………………人間である事を、否定する!!!!」

 

 

『オーバー!!!オールエンジン!!!』

 

 

シフトブレスに装填し、腕を大きく回す。

 

 

 

 

 

 

「なに……………!?」

 

蛮野は俺の隣に視線を向け、絶句する。

 

 

 

 

 

 

その場にいた者、避難所での中継を見ていた者……………全員にはっきりと見えた。

 

 

 

 

 

''泊リョウタ''と同じ動きをする…………………ハートの姿が。

 

 

 

 

 

 

 

 

『「変身!!!」』

 

シフトトライドロンを倒す。

 

 

 

 

 

『ドライブ!!!タイプ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オーバー!!!ラビット!!!!』

 

 

シフトトライドロンに全てのシフトカー、シグナルバイク、バイラルコアが取り込まれていく。

 

そして遠くからはライドマッハー、ライドチェイサーが走ってきた。

 

 

 

トライドロンが分解され、全身に身に纏う。

 

ライドマッハーとライドチェイサーも分解され、両腕に装着される。

 

頭部にはうさぎの耳のような角が二本。

 

 

背中に大きなタイヤが装備されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仮面ライダー…………ドライブ!!!」

 

 

『このドライブは一体…………!?』

 

「馬鹿な………!?こんな形状のドライブ………ありえない!!!」

 

 

こいつはドライブであってドライブじゃない。

 

 

全てのコアドライビアが集結した………タイプトライドロンを遥かに凌駕する最後のドライブ。

 

 

仮面ライダードライブタイプオーバーラビット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面をひと蹴りする。

 

 

 

 

 

「……………!?」

 

「はあっ!!!」

 

 

蛮野に接近するのに秒もかからない。

 

腰を低くし、奴の腹部に強烈な拳を叩き込んだ。

 

 

 

「がっ………………!!」

 

蛮野はよろめき、すぐに体制を立て直した後、反撃してくる。

 

 

それが放たれる数秒前に蛮野の後ろに回り込み、連続で蹴りを入れる。

 

 

 

 

「くそっ………!!おのれ…………!!!!」

 

 

蛮野はベルトのキーを回し、さっきよりも強力なオーラを発生させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなもの……………効くかよ!!!」

 

シフトトライドロンのボタンを押す。

 

 

 

『カモン!!!ドクターブレンメディック!!!』

 

『タイヤ!!!カキマゼール!!!マッド・サイエンス!!!!』

 

 

 

背中のタイヤが白と緑と赤に染まる。

 

 

ベルトさんのキーを回し、シフトトライドロンを倒す。

 

 

『マッド・サイエンス!!!』

 

 

 

 

背中から緑と白と赤が混ざった衝撃波を発動し、蛮野の黄金のオーラを打ち消した。

 

 

 

 

 

「なん……………だと!?」

 

 

 

今の所は…………蛮野と大差ない………けど!!!

 

まだまだこんなもんじゃないはずだ!!!!

 

 

 

 

 

「もっとだ!!!オーバーシステム!!!」

 

『リョウタ………!?これ以上はよせ!!体が保たないぞ!!』

 

 

 

大丈夫…………今の俺なら死ぬことは……………多分、ない。

 

 

それに…………もし死んだとしても……………

 

 

 

 

 

 

「俺は…………この命に代えても………やり遂げると誓ったんだ!!!」

 

 

『オーバー!!!ラビット!!!』

 

 

シフトアップをし、蛮野を囲むように高速移動する。

 

そのまま蛮野に連続で飛び蹴りを放った。

 

 

「ぐっ………!!この…………ガキが!!!」

 

 

蛮野はベルトのキーを回したあと、シフトブレスのボタンを押し、必殺技を発動させた。

 

 

「うっ…………!?」

 

 

黄金のオーラに吹き飛ばされ、地面にゴロゴロと転がる。

 

 

 

 

 

「今の…………ちょっとやばいかも。」

 

 

早々に決着をつけないと。

 

 

 

 

『カモン!!!フリーズハートブレン!!!』

 

『タイヤ!!!カキマゼール!!!ロイミュード1・2・3!!!』

 

 

背中のタイヤが赤、青、緑に染まる。

 

 

右腕に力を集中させて、蛮野に向かって巨大なレーザーを放った。

 

 

 

 

「ぐあああああっ!!!」

 

 

 

 

「もう…………全部、終わりにしよう………!!!」

 

 

 

『ヒッサーツ!!!フルスロットル!!!オーバー!!!ラビット!!!』

 

背中のタイヤが高速回転し、力を蓄える。

 

 

 

 

「許さん………!!許さんぞ…………!!!」

 

蛮野も腰のベルトのキーを回し、片足に力を溜めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「うおおおおおおおおおお!!!」』

 

 

「はあああああああああ!!!!」

 

 

蛮野と俺は同時に飛び上がり、同時に飛び蹴りを放った。

 

 

 

 

 

それぞれの最強がぶつかり合い、周りの建物は衝撃で壊れ始めた。

 

 

 

 

「ぐっ……………!ああああああああああああ!!!!!」

 

 

「馬鹿な…………!?!?」

 

 

 

足から全身にかけて痛みが走る。

 

 

 

 

 

「つっ…………!?」

 

 

俺と蛮野はそれぞれの後方に吹き飛んだ。

 

 

 

 

「ぐっ……………!」

 

「ぐああっ………!!」

 

 

 

まだあいつは生きてる…………とどめを………!!!

 

 

 

右足はもう機能していない。

 

引きずりながら蛮野の方へ歩いていく。

 

 

 

蛮野もよろよろと立ち上がり、俺に接近してきた。

 

 

 

 

 

『リョウタ………!無茶はしないでくれ…………!!』

 

 

「今更何言ってるんだ。」

 

 

004に負わされた傷が痛む。

 

顔の左半分に血が流れて気持ち悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛮野と俺との距離は2mほど。

 

 

俺達は同時に最後の力を振り絞り、拳を繰り出した。

 

 

 

 

「「あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''あ''!!!!!!」」

 

 

蛮野の拳が俺の右頬に直撃する。

 

 

 

「くっ…………お………………!!!」

 

 

体を捻らせて衝撃を逃し、なんとかして吹き飛ばないように踏ん張る。

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

 

 

無我夢中で俺が繰り出した拳は、蛮野の胸部に当たった。

 

 

「うぐっ!?」

 

 

そのまま腕を前に突き出し、奴の体の中に突っ込む。

 

 

 

「お前………!!!私のコアを………………!?」

 

 

「ああ…………」

 

このまま破壊する…………!!!

 

 

 

 

核らしき部分を掴み、手に力を込める。

 

 

 

 

 

「ぐっあああああああああああああああ!!!!」

 

 

パキン、という音とともに、109………蛮野のコアが消滅した。

 

 

 

 

 

「やった………!?」

 

これで蛮野を倒し………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「道連れだ……………!!!」

 

 

「え…………!?」

 

 

蛮野は俺の腕を掴み、離そうとしない。

 

 

『リョウタ!蛮野を突き飛ばせ!リョウタ!!』

 

「はっはは…………ごめん、もう力でないや。」

 

 

 

 

 

『リョ………………!?』

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ドオオォォォォオオオオン……………!!!

 

 

 

「「!?」」

 

 

「ショコラちゃん今の音!!」

 

「はい!行ってみましょう!!」

 

 

私達は大きな爆発音がした方へ走った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

蛮野は消滅した。

 

 

これで、全てのロイミュードは撲滅されたはずだ。

 

 

 

戦いは……………終わったんだ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分…………たくさんのものを失ったな……………」

 

 

『そんな事を言っている場合か!!リョウタ!大丈夫なのか!?』

 

 

変身は解け、ベルトさんは少し遠くの方に飛ばされているから、声だけ聞こえる。

 

 

 

「ああ疲れた……………ごめんベルトさん、ちょっと眠るわ。」

 

 

左目は潰れているので、右目だけを閉じた。

 

 

『おい!リョウタ!リョ…………!』

 

 

暗闇の中でベルトさんの声が響いてくる。

 

 

 

 

体は下半身が感覚がない。力を入れることすらできないので、実質全身が動かない。

 

 

眠気に身を任せて、意識が遠のく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心残りがあるとすれば……………最後に………………会いたかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コ…………………

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




次回、エピローグ。






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