仮面ライダードライブ〜サプライズ・ラビット〜 作:Purazuma
サプライズラビット完結…………!
目がさめると、私は森の中で一人丸くなっていた。
どうして私はこんな所にいるんだろう。確か自分の部屋でちゃんとベッドに入って…………
「夢かな?」
そう思う事にした。
あれ?でも夢ってわかってるけどどうして起きないんだろう?
「まあいっか!現実の私が目をさますまでこの森を冒険しよう!」
私は辺りの草を掻き分けて森の中を進んで行った。
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「って……………あれれ?」
いつの間にか街に出ちゃってた。
でも、この街…………木組みじゃないよね?すごいなあ………あんなに高いビルがたくさん…………
「やっぱり私の街じゃない!」
…………うさぎもいないし…………私は一体どこに来てしまったのーーーーー!?
「そうだ!携帯でみんなに連絡を……!」
携帯を取り出して履歴を開く。
プルルルルルルルルルルルル
「………………」
ガチャ
「あ!チノちゃ《おかけになった電話番号は、現在使われておりません》…………」
えええーーーーーーーーー!?
ど、どういうこと!?ここどこなのぉ!?
「な、なんか……………怖くなってきた………………」
わ、私、このまま帰れないんじゃ……………
ううん!これは夢!そう夢!
「現実の私!早く目をさましてーー!」
………………あれ?
また周りの景色が変わっちゃった。
「な、なに………?ここ……………」
明らかに現実の世界じゃないよね………?
周りの建物は無くなっていて、道も、空気までもがさっきの場所と一転していた。
周りは暗闇と、道のように続くろうそくに照らされた道だけ。
「と、とりあえず、進んでみよ…………」
ろうそくの明かりを頼りに、恐る恐る足を前に出した。
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「扉……………?」
しばらく進んで行くと、一つの扉に突き当たった。
その扉の上には……………読めない。何かの文字が書かれている。
「なにこの………ぐにゃぐにゃの文字……………」
私は扉に手を伸ばした……………
「そっちに行っちゃダメだ。」
後ろから声が。
咄嗟に振り返ると、そこには……………
「ひゃああ!?おばけーーーーー!?」
「お、落ち着いて…………」
な、なんか!なんか顔がオレンジでおっきい黒い目の仮面をしたおばけが!!なにその角ーーー!?
腰になんかベルトまで着けてるし…………ベルト……………?
「……………落ち着いた?」
は!深呼吸…………深呼吸……………
「ご、ごめんね。取り乱しちゃって………」
「いやいいんだ。それよりこっちは危ない、すぐに戻った方がいいよ。早くしないと魔女が生まれちゃうからさ。」
ま、魔女………?
「あの、あなたは…………?」
「ん?俺?」
その人は私の方に向き直り、印を結んでからこう言った。
「俺は仮面ライダーゴースト。運が良ければまた会えるかもね………………じゃあまた!」
ゴーストと名乗った男の子(?)は片手で目を描いた後、それを私に飛ばしてきた。
「か、仮面ライダーって……………ええええ!?」
視界が急に真っ白になった。
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「…………ん!…………さん!ココアさん!起きてください!」
「んーー……………………」
やっぱり夢かあ……………………
ベッドから上半身だけ起き上がらせる。
「チノちゃんおはよ〜………………」
「おはようございます。もう、日曜日だからって寝坊はダメですよ。」
「えへへ〜…………………zzzzzzz」
「こ、ココアさん!」
私達の日常も、以前と変わらないものになっていた。
この街に来た時の、あの日常に。
あの、仮面ライダーとロイミュード………蛮野博士との戦いからもうすぐ一ヶ月が経つ。
街は未だに工事の音が聞こえてるけど……………平和に戻ったのは確か。
「さて!今日も頑張るよー!」
「張り切ってるなー」
リゼちゃんは戦いが終わったあの日から、常に黒と紫の、シグナルバイク(だよね?)を肌身離さず持ち歩いている。
流星君から渡された…………チェイス君の想い………………
そして流星君は………チェイス君が持っていたレザーウォレットを…………
カランカラン
「あ!千夜ちゃんとシャロちゃん!流星君も!いらっしゃい!」
「時間が空いたから来ちゃったの。」
「私もバイト終わって……」
「俺は元々予定無かったし。」
三人は同じテーブルの席に腰掛けた。
「流星君はいつまで日本にいられるの?」
「うーん…………多分今年中は大丈夫だと思う。」
流星君は両親がいるアメリカに帰る事になった。
向こうでカメラマンになるために本格的な活動をするらしい。
「それにしても……………色々、あったわよね。」
「まだ一ヶ月程度なのに…………懐かしく感じるよ。」
チノちゃんが作ったコーヒーをテーブルに置いて、私とリゼちゃんとチノちゃんも近くの席に座った。
………他にお客さんいないし、いいよね?
「結局最後は、あいつが蛮野を倒しちまったな……………」
「あの人は昔から無茶ばかりするんです!」
「私も小さい頃に事故に遭いそうになったのを助けてもらったんだよー!」
「こ、ココア、それ洒落にならない…………………」
ふと時計を見ると、午後の一時を過ぎたところだ。
「あれ?そういえば、あいつはどこにいったの?」
「ん?さっき用事があるって言って出かけていったぞ?なんか………''見送り''がどうとか。」
「見送り?」
なんだろうそれ……………
「すぐ戻るって言ってたし、そろそろ帰ってくるんじゃないか?」
とリゼちゃんが言った時、お店の玄関が開けられた。
「お、噂をすれば。」
「ただいまー」
「おかえり、リョウタ君!」
とまあ、こんな感じで、私達の日常はそんなに変わっていません。
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ラビットハウスに戻ると、なぜか全員集結。
今日って何かあったっけ?…………無かったはずだ。
「あれ?なんでみんな集まってるの?」
「俺達はお客だぞー店員さん!」
流星が席を立つと俺の背中をバシバシ叩く。
「いっっってえええええ!!!やめろおい!!まだ完全に治ってねえんだよ!!!!」
俺はあの戦いが終わった後、瀕死の重傷を負っていた。ここまで回復できたのは奇跡だ。もちろん自然と治ったわけじゃない。
俺の残っていたコアドライビアの力を………………全て体の治癒にまわしたんだ。
おかげでもう俺の中にはオーバーシステムは無い。
つまり………………正真正銘、ただの人間になったのだ。
「リョウタ君はどこに行ってたの?」
ココアがズイッと顔を近づけてくる。………………近いっつーの。
「リゼとチノに言わなかったっけ?見送りだよ。」
「………??誰の?」
「内緒。」
「えー!?なにそれー!?」
はっはっは…………………言えるわけないじゃんかよ!!!!!
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数分前。
目の前には渦のような大きな水色の穴。
「これが、最後のタイムロードになるね。」
「じゃあ………これをくぐればお前は…………」
「うん。もう決して、この時代に戻って来ることは出来ない。」
ショコラは元々この時代の人間じゃない。ずっとこの時代にいるわけにはいかなかった。
蛮野は倒した。これで、このタイムロードの先には平和な未来が待ってるはずだ。
「……………私ね、この時代に来てよかったよ。最初はハラハラしたけど!……………できれば、任務なんか関係無しで、遊びに来たかったな。」
「そういうわけにもいかないだろ。心配するな!俺達はまた会えるだろ?………………未来でな!」
ショコラは薄く笑うと、踵を返して水色の大きな穴の前に立った。
「それじゃあ最後にとっておきのアドバイスをしてあげる!!」
…………ん?
「アドバイスって…………なんの!?」
「ふっふっふ………お父さんは不器用でセンスないから、ちゃんと結婚して私が生まれるか心配になっちゃったの!」
「失礼な!それはお前が一番よく知ってるだろ!?俺は結婚できますーーー!!!」
「未来の可能性は無限大だよ!」
ショコラはにぱっと笑って、後ろに向かってわざと倒れた。
「じゃあとっておきを教えるよ!お父さんの奥さんになる人はーーーーーーーーー」
「……………なるほど。確かに、そっくりだよ、お前。」
「じゃね!!」
ショコラは大きな声で一人の女の子の名前を叫んだ後、タイムロードに吸い込まれるように消えていった。
「ふう…………泊リョウタの人生はもう一波乱あるらしいな…………」
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「じゃあなリョウタ。」
「また明日学校でね。」
「じゃあねー」
流星とシャロと千夜が同時に店を出て行った。
「んっーーーーーーーーぶはあ!」
体を大きく伸ばす。
…………眠いなー…………………
「今日はもう上がっていいですよ。」
「ああわかった。ココア、先に更衣室行ってるぞー」
「はーい。」
バイトの時間も終わり、それぞれが着替えるために二階へ上がっていった。
俺はその中で一人、制服のまま自分の部屋へ向かった。
そして、床の隠し扉を開け、地下に入る。
「ベルトさんは…………………今頃この下で眠ってるのかな?」
俺はかつてのドライブピットの地面を眺めた。
あの戦いの後、ベルトさんは自分を含めた全てのコアドライビアをこのドライブピットの地下に凍結した。
…………もし俺のオーバーシステムが消えなかったら俺もその中に加わってたであろう、少し怖くなって体が震えた。
「あんたは、最後に言ったよな………………」
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「本当にやるのか?」
『ああ…………私も辛いが、仕方ない。』
「多分こうなるだろうって決心はしといたからさ……………………俺は悲しまないぜ、ベルトさん。笑顔で見送るよ!」
『ありがとうリョウタ……………君のおかげで私もここまで来れた。』
ドライブピットの床が開き、その中にトライドロン、ライドマッハー、ライドチェイサー、シフトカー達…………全てのコアドライビアが暗闇の中に溶け込んだ。
『さらばだ友よ…………いつの日か、君達人類が私の研究を正しい事に使えるようになる、その日まで!』
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「正しい事って……………………なんなんだろうか?俺にはわからない……………」
俺は人間を守るために…………ロイミュードという命を奪った。それは正しいことか?
……………ああ、やめよう、考えるな。
「リョウタ君、ここにいたんだ。」
ドライブピットのドアが開けられ、聞き慣れた声が聞こえてくる。
ココアは俺の隣に立ち、俺と同じように地面を見つめた。
先に口を開いたのは俺だった。
「ココア。」
「ん?なーに?」
「………………その…………………………寒いから上に戻ろう。」
何を言っているんだ俺は!!!!!!!そうじゃないだろう!!!!
「うん、行こっか。」
「ああココア違うんだ!!!」
「ん?」
うっ…………!!!
「いやだから……………その…………な………………」
くっそ…………何にも言葉が浮かんでこない…………!!!!
''お父さんは不器用でセンスないから''
ち、ちくしょおおおおおおおおおお…………………!!!ショコラの奴……………!!!
「行こ!」
ココアが俺の右手を掴み、優しく引っ張った。
「ああ………………そうだな、行こう!」
今は無理でも…………………いつかは……………………
その時までに覚悟は決めておくか。
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もう少しでタイムロードを抜ける。歴史は変わっているはずだから、平和な世界が待っているはずだ。
死んでしまったお父さんも……………きっと…………………
「うっわああああああああ!?!?」
タイムロードから飛び出て、地面に尻餅をついた後、ゴロゴロと転がる。
いったたたたた……………なんかデジャヴが………………
「あ………!!」
周囲を見渡す。
そこには石畳と木組みの建物が並ぶ街だった。
過去に行く前のあのロイミュードに支配された街じゃない。平和な街。
「成功……………したんだ。」
私は一歩一歩を確かめるようにゆっくりと進み、自分の家へ向かった。
「た、ただいま〜………………」
一つの家の前で止まり、玄関を開ける。
家の中には人の気配が確かにあった。
私が玄関を閉じると、リビングの方からドタドタとこちらに向かってくる音がした。
「ショコラお姉ちゃん!!おかえりなさーーい!!!」
「うおあ!?」
5歳ほどの女の子が私の胸に飛び込んでくる。
「チョコ……………いい子にしてた?」
「うん!」
軽く頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を細めた。
そうだ……………これが日常だったんだ。
私は妹のチョコの手を引いてリビングに向かった。
「あ!おかえりなさいショコラ。今日は遅かったね、どこに遊びに行ってたの?」
「あ………………………」
お母さん。
気付いたら私は、妹の手を離し、お母さんの胸に幼児のように飛び込んでいた。
「ええ!?どうしたの!?いつもはモフモフしようとしたら逃げるのに!今日は自分からおねだり!?」
「ううぅ………お母さん……………お母さん…………!!!会いた………!!会いたかったよ…………!!」
「お母さんも会いたかったー♡」
涙を流す私を優しく抱きしめてくれた。
「ずるいよお姉ちゃん!チョコも!チョコもモフモフされたいー!」
「よしよし、お母さんが二人ともモフモフしてあげるからねーー!!!」
私達がそう騒いでいると、後ろから男の人の声が聞こえた。
「おかえり、ショコラ。」
私はその人の顔を見て、''さっき''みたいに思いっきり笑って言ってやった。
「意外、お父さん、ちゃんと言えたんだね。」
「未来の可能性は無限大なんだろ?」
「?二人ともなんの話してるの?」
「お母さんは知らなくていいのーーー!」
「そうそう。」
「ええーーー!?教えてよーー!」
「リョウタ君!」
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この街に来てから今日まで、戦いの日々だったけど…………………
これからは明るい未来が待っている。
少なくとも俺はそう思っている。
カランカラン
「あ、いらっしゃいませー!」
えーと四人…………か。
「お好きな席にどうぞー。」
さて、今日一番の客は………俺達と同じ高校生かな?金髪の縦ロールの綺麗な女の子と、桃色の髪を二つに束ねた女の子。それと青いショートカットの髪の女の子に………………男が一人。リア充か、爆発してもええんやで。
「ご注文は?」
「あの………あの娘の頭に乗ってるうさぎって触ってもいいでしょうか!?」
男子の方がいきなりそう聞いてきた。
「チノーーーー!ティッピーお願いーー!!」
「非売品です!…………けど、コーヒー一杯で一回、モフモフできます。」
「懐かしいやりとりだね〜…………」
なんかココアがしみじみと天井を見上げている。
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未来の可能性は無限大。裏を返せば、今の自分の行いでいくらでも未来は変わる。
なら、やってやる。
俺が未来を作ってやる。
完結です!短い間でしたが書いてて楽しかった!
最初と最後に出てきたのは、今度書くクロスオーバーの前置きみたいなものです。
さあ!サプライズラビットは完結しましたが、ここではリョウタ達の物語はまだ終わりません!僕が連載しているもう一つの小説、仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜のほうでサプライズラビットとクロス作品を書く予定です!
では!ゴーストでお会いしましょう!
リョウタ「じゃあな!」
幽斗「後は任せろ!」