東方書館・うつり猫   作:黒岑竜一

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ハロウィンだ!!
さとりんだ!!
ということで是非見てください!
いつもより若干長いです。


さとりっくorとりーと

人間の里 夕刻

 

「ふう、お疲れ様です」

「おうよ! 嫁さん大事にしろよ!」

「まだそこまでいってませんよ……」

 

そんな受け答えで終わるのが○○の仕事。

 

「ふう、間に合うかな?」

「○○さ~ん!!」

 

一息つくと同時に夕刻の空に自分の名を呼ぶ声が響いた。

 

「ん、文さん」

「お久しぶりですねー、○○さん」

 

彼女の名は射命丸文さんだ、彼女とは密着取材で知り合った仲だ。

 

「あの時の記事は評判良かったですよ~」

「ああ、そりゃどうも」

 

俺は空を見ながら簡単に答える。

 

「おや、お急ぎでしたか?」

「あー、そんなところかな」

「……さとりさんですね?」

 

的を射るような眼差しで動揺を誘ってくる射命丸。

 

「……ナンのことだか」

「図星ですね」

「……」

 

ポーカーフェイスは得意な部類に入るんだけどなぁ。

 

「まあ今回はあまり邪魔はしませんよ」(ニヤニヤ)

「……恩に着ります」

 

完全にしてやられたと思う○○であった。

 

「あと、○○さんにお話が……」

「ん?」

 

 

 

地霊殿にて……

 

「ただいま」

「おかえりなさい○○さん」

 

地霊殿の主、古明地さとりが可愛く迎えてくれた。

 

「トリックオアトリートです」

「?」

 

さとりの面妖な一言に目を丸くする。

 

「トリックオアトリートですよ、○○さん」

「……そのとりっくおあとりーとは何だ?」

 

俺の一言にさとりはきょとんとしていた。

 

「○○さんは知らないのですか?」

「何がだ?」

 

俺たちは互いに首をかしげる。

 

「今日はハロウィンですよ」

「ハロウィン?」

 

聞いたことあるな、確か外界の言葉だったような……

 

「そして、トリックオアトリートとはお菓子が貰えなければイタズラしても大丈夫なんですよ!」

「そうなのか?」

「そうなのです!」

 

やたらキラキラしながら説明してくれるさとり。

 

「というわけで! トリックオアトリート!」

 

さとりは何故か獲物を狩るような手つきをしていた。

 

「じゃあ、これでいいか?」

「へ?」

 

俺はぼーぜんとしているさとりに赤いリボンで彩ってある金平糖の入った袋を渡す。

 

「ん、何だ? 違うのか?」

「ち、違くは無いですけれど!」

 

さとりは慌てふためいた感じで続ける。

 

「な、何でお菓子を待っているんですか!?」

「いや、たまたまお菓子を貰ってな」

 

今回の仕事で甘味処の依頼があり、その時に貰ったお菓子だ。

 

「? それともイタズラの方が良かったのか」

「ふえっ!? い、いやそういうわけでは決してありませんよ~」

 

さとりは顔を赤くしつつ目を横にそらしながら答える。

 

「そうか、良かった」

「……せっかく教えてもらったのに」

 

俺は自室に戻る前に落ち込んでいるさとりを見る。

 

「……」

「……」

 

さとりは俯きながらも震えていた。

 

「……さとり」

「グスッ…… はい?」

 

俺は落ち込んでいるさとりの頭をそっと手前に寄せる。

 

「トリックオアトリート」

 

そっと頬に口づけする。

 

「……はにゃ!?」

「さとりは見た感じお菓子を持っていなさそうだからな」

 

さとりの顔がみるみる赤くなっていく。

 

「ハロウィンに乗っ取ればイタズラしても良いというわけで…… どうしたさとり、顔が赤いぞ?」

「う…… う……」

「う?」

「うにゃあああああああああ!!」

 

さとりの叫び声はお空顔負けの声量だった。

 

「○○さんのばかぁあああ!!」

「……」

 

結構傷つく。

 

「私だって! ○○さんにイタズラしたかったのよ!」

「落ち着いてくれ」

「これが落ち着いていられますか!」

 

俺は『何という理不尽』という言葉を胸にしまいさとりを慰める。

 

「むぅ~!!」

「まあ、何というか…… その……」

「トリックオアトリート……」

「ん?」

 

さとりが小さく言った言葉に耳を傾ける。

 

「トリックオアトリート!」

 

さとりは俺にいきなり唇を突き出してきた。

 

「おっと」

「!?」

 

俺は仕事で培った反射神経フルで活用し自分用にとっておいた金平糖を一粒さとりの口に入れる。

 

「お菓子はまだあるぞ」

「~~~っ!!」

 

さとりの顔は本気の泣き顔だった。

 

「もう、キライです!!」

 

さとりは頬赤くして自室に戻っていった。

 

 

説得するのにさほど時間は掛からなかったそうな(お燐談)

 

 

……END、皆さんよいハロウィンを……

 

 

 

おまけ(さとりと会うまでの文との話)

 

「○○さん、ここにお菓子があります」

 

「ふむ」

 

「ハロウィンの説明もしました」

 

「説明はしたな」

 

「では『さとりさん逆ドッキリ作戦』開始です! おー!」

 

「おー?」

 

 

 

 

おまけその2(その後)

 

コンコン

 

「さとり、機嫌を直してくれないか?」

 

「嫌です!」

 

「どうしてもか?」

 

「どうしてもです!」

 

「そうか……」

 

「あ、○○!」

 

「ああ、こいしちゃん」

 

「その手に乗ってるのはなあに?」

 

「これはぱんぷきんけーきだな」

 

ピクッ!

 

「ぱんぷきん?」

 

「かぼちゃのことだ美味しいぞ」

 

「じゃあみんなで食べよう!」

 

「……さとりが出てこなくてな」

 

「じゃあお姉ちゃん抜きで食べようよ!」

 

「……そうだな」

 

ガチャ……

 

「ちょっと……」

 

「む! さとりどうした?」

 

「私も食べる!!」

 

「ね? 言ったでしょ」

 

「ああ、『押してダメなら引いてみろ』は良いものだな」

 

「……(ずるい人……)」

 

「行こう、さとり」

 

「……トリックオアトリート」

 

チュッ・・・

 

「フフ、スッキリしたわ♪」

 

「やはり敵わないか……」

 

Satrick or Treat・・・ (お菓子かさとりのいたずらか)、貴方ならどっち?




トリックオアトリート!
作者の黒岑です、今回は割と語呂が良かったのでさとりさんにしました。
主人公は少しお固いイメージで書きました。
次回はクリスマスかなぁ…… まだわかりませんけどね。
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