東方書館・うつり猫   作:黒岑竜一

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11月最初の投稿が間に合いました。

注意
・夫婦設定
・作者
・超が付くほどの不定期更新

以上の事が嫌いな方は出来る限り見て貰いたいけど、見ないことを推奨します。


幽かで確かな夫婦(幻想既婚シリーズ1)

白玉楼 客間にて……

 

「ねぇ○○?」

『?』

 

○○はこちらを見て軽く首を傾げる。

 

「いいお茶とお茶請けがあるのだけど、一緒にどう?」

『こんな俺でよければ』

 

○○は笑顔で頷く。

 

「そう♪ じゃあ持ってくるわね」

『ああ』

 

私は客間から出ていきお茶とお茶請けを持ってくる。

 

「どうぞ召し上がれ」

『……もみじ饅頭と玉露か』

 

私は○○のそばにもみじ饅頭と玉露の入った湯呑を渡す。

 

「嫌いだった?」

『そんなことない、ちょっと珍しい組み合わせだと思ったからな』

「ウフフ……」

 

私は揶揄う様に○○に笑顔を見せる。

 

『何かおかしいとこがあったか?』

「あなたは覚えてないのかしら?」

『?』

 

○○は首を深く首を傾げる。

 

「今日は2年目になる結婚記念日なのよ」

『ああ! 思い出した思い出した!』

「……」

『すまなっかたからその蝶は仕舞ってくれ!』

「素直でよろしい」

 

私は上にあげた人差し指を軽く払う。

 

「ではいただきましょうか、あなた?」

『とても言いにくいんだが…… この後仕事が入っていてだなぁ』

 

○○は申し訳ないように話を続ける。

 

「どういう事?」

 

私は攻撃色の目で○○を睨む。

 

『本当にすまない、このところ仕事が立て続けに来ていて……』

「馬鹿!」

『!?』

 

私は○○を怒鳴りつける。

 

「いつもそう! ずっとそう! どうしてあなたは仕事をとるの?」

『……』

「私は○○と一緒に入れる時間が欲しかった! その為に紫にも手伝ってもらった!」

 

私の心は怒りと孤独の寂しさに高ぶりを隠せなかった。

 

『特異種族の壁を取り払ってくれた話か……』

 

紫に頼んで私たちが一緒に暮らせるようにした話である。

 

『確かに君と共に居たかったから紫さんにやってもらったさ……』

「でもあなたは1年半も私を一人にした!」

『幽々子!』

「何よ!」

 

私は泣きながら○○の方を見る。

 

 

……チュッ

 

「ッ!?」

『話を聞いてくれ、俺は君と安心して暮らせるように働いていたんだ』

「嘘よ!」

『嘘じゃない、この指輪に誓って俺は君を幸せにすると言ったろ?』

 

○○は私の手に付いている結婚指輪を見せる。

 

『君のそばに一生居る、たとえ離れていても結んだ愛は変わらなく切れることもない』

「……あなた、ありがとう……」

 

私は泣きながら○○の方を見つめる。

 

「幽々子様?」

「あら、グスッ…… 妖夢どうしたの?」

 

私は涙を拭い妖夢の方を見る。

 

「いえ…… お一人で何をなさっているのかと」

「あら、一人じゃないわよ?」

 

私は○○のいる方向を手で示す。

 

「……明日は早いのでもう寝てくださいね?」

「わかったわ……」

 

妖夢はお辞儀をして自室に戻っていった。

 

「……○○、私もあなたも一人じゃない……」

 

私は○○の湯呑を手に取って飲む。

 

「幽かに見えるのよ……」

 

最愛の夫の姿が、

 

「断ち切られても一緒だよ……」

 

それでも確かなものがある……

 

「貴方……」

 

理不尽な別れ、私はもう体験した後……。




どーも黒峯竜一です。
今回は「幻想既婚シリーズ」を2~4話ほど出していきます(多分)
毎回どーもシリアスになってしまうんですよね……

これからも末永く応援よろしくお願いします!
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