東方書館・うつり猫   作:黒岑竜一

21 / 42
注意

・紫がわけぇ
・作者
・不定期更新

以上の事が苦手な方は無理しないでください。


幽玄なる神事(幻想既婚シリーズ2)

夕刻、マヨヒガの個室にて

 

「ねぇアナタ?」

「どうした?」

 

紫はそっと○○の太ももに手を当てる。

 

「夕日の元に雄と姫がおりまして……」

 

紫は扇子で口を隠し続けた。

 

「雄は恋に憧れ、姫は恋に飽いた……」

「違恋文か……」

「正解♪」

 

紫は優しく笑う。

 

「何が目的だい?」

「私はねぇ、昔から可愛かったのよ?」

「いや、知ってるけど」

「あらあら♪」

 

紫は手を○○の胸に当てる。

 

「でもね、みんな怖がって近寄ってこなかったの」

「……」

 

さらにその手を頬によせる。

 

「でもアナタは怖がらなかった……」

 

 

『君は誰?』

『……私は妖怪よ、怖いでしょ?』

『ううん、怖くないよ!」』

『あらどうして?』

『だって優しくて暖かいんだもん!』

『暖かい?』

『うん! 僕と同じ子供なのに何だかお母さんみたいで……』

 

 

「あの時は私も驚いたわ……」

「?」

 

紫の顔はどこか懐かしいような笑みに見えた。

 

「……雄なる者は愛に怯え、恋に憧れを抱いた」

 

 

『紫さんは好きな人とかいるのか?』

『いえ、でも恋ならたくさんしたわ』

 

 

「姫はありきたりの恋に飽きていた、だろ?」

「あら、そこまで知っているのね」

 

紫は意外そうな顔をして扇子を閉じる。

 

「その手の恋文詩は読んだことがある、意味はあまり知らないがな」

 

紫は笑顔を保ちつつ次を語る。

 

「育ちし雄なる者は愛を克服し恋を求め背を向けた」

 

 

『紫さん、俺は旅に出たいんです……』

『なぜ?』

『探し物があるんです……』

 

 

「確か…… 永く飽きし姫は新しき恋に不を感じた、だったかな?」

 

 

『いつか帰ってくるの○○?』

 

 

「雄は永きに歩み、姫は永きに不を唱えた」

 

 

『……所詮は人間と妖怪、釣り合うことも生き合うことも出来ない、あの人もそうだったのね……』

 

 

「やがて雄と姫は三度に会い意を固める」

「……姫は愛を信じ」

 

 

『じ、実はね? ○○に伝えたいことがあるの///』

 

 

「雄は勇と成り恋を伝えた」

 

 

『実は俺も紫さんに伝えたいことがあって……』

『え? じ、じゃあお先にどうぞ?』

『実は……』

 

 

「勇は姫に忠を成した」

 

 

『俺は不死になりました』

『……何でなの?』

『貴方とそばにずっと居たいからです』

 

 

「姫は変わった愛の心に涙をこぼした」

 

 

『わ、私のためにそこまでするなんて……』

『貴方を幸せにします、どうか答えを!』

『嬉しい……』

 

 

「あー…… この後は何だっけなぁ……」

「フフ……」

 

紫は自分の顔を○○に近づける。

 

 

……チュッ

 

 

「何を!?」

「フフフ♪ 姫は勇の忠を信じ永劫の誓いを重ねた」

 

紫は満足そうにその場から離れる。

 

「寝るときが楽しみね、アナタ♪」

「……もっと勉強してくるよ、紫さん」

 

完全に手の内にされてしまった、と思う○○だった。

 

 

「愛に余り立つ勇と孤独に空いた姫の心、永久に繋ぎて勇を注ぎ愛の宝を愛でましょう……」

 

紫の目は深く煌めき今を楽しんでいた。

 

 

END?




今回は紫との既婚ですね。
やはり既婚モノは難しいものですね。
11月に入ってから季節の変わり目という事で風邪を引いてしまいました。
それでも更新は止めません!(不定期ですけどね)
次で既婚シリーズは一旦最後にします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。