・ちび
・作者
・大晦日
・不定期更新
以上の事が嫌いな方は煩悩を消しましょう。
ごーんと鈍く美しい音色が響き渡る慧音宅にて。
「かねー!」
「まだ早くないか?」
ちびけーね(以下ちび)は目をきらきらと輝かせていた。
幻想郷の時刻は午後の8時、やはり結界の欠損による影響なのかもしれない。
「除夜の鐘だぞちび」
「じょやー?」
「そういえばちびとの大晦日は初めてだったか? ○○」
割烹着姿慧音がさわやかに問いかける。
「そういえばそうだったな、あと手伝うよ」
「心配するな、ちびと遊んでおいてくれ」
慧音は笑顔であしらってくるがここは譲れない。
「いやしかしだな慧音が台所に立っていると何だか申し訳ない気分でだな……」
「だなー」
「ん~……」
慧音は深く考えていた。
「……仕方ない、ちびも手伝ってくれるか?」
「まかせろ! どろぶねにのったつもりでなー」
「泥船じゃあ沈むぞ」
俺は胸を張るちびに優しく返す。
「じゃあ○○は魚を捌いてくれ」
そう言うと慧音は桶からはみ出ているマグロを指した。
「……慧音、これは?」
「ああ、これはマグロと言ってだな……」
「いや、それは知っているのだが」
唖然としている俺に対し慧音はさらっと答える。
「八雲の賢者に分けてもらってな、いやー絵では見たことあるが実物は大きいな!」
「でけー」
俺は紫さんへのお礼とどう捌くかを考えることになった。
ー◆ー
「ちびは野菜を洗ってくれるか?」
「う!」
ちびは言われた通りに野菜を洗う。
「つめー!」
「頑張れちび、温かいお風呂が待ってるぞ」
「ゆ!? がんばるー!」
それを聞いたちびの動きが素早くなる、お風呂好きだからなぁ…… 本当に慧音に似ている。
「○○、そっちはどうだ?」
「ああ、まさかここに来てマグロを解体することになるとは思わなかったからな、もう少し時間がかかりそうだ」
「そうか、こっちも下ごしらえが済んだらちびとお風呂に入ってくるぞ」
「ああそれくらいには俺もカタが付くだろう」
俺はそう応えつつマグロのかぶとを切る、一人じゃ相当しんどいぞコレ。
「さあ、ちびお風呂入るぞー」
「ぽかになってくる~♪」
ー◆ー
「さて…… えーっと、五枚おろしにして……」
俺はとりあえず自分の部屋にあった日本刀を持ってくる。
「……まさか初めてがこういう形になるとはなぁ……」
割と有名な鍛冶職人に作ってもらったので濡れ模様はいつ見ても惚れ惚れしてしまう。
「よっと、おぉ…… いい切れ味だ」
マグロは抵抗無く五枚に卸されていく。
「ふむ、無銘ではもったいない逸品だな……」
こうして慧音とちびが風呂から出てくるまでうっとりしながら捌く○○であった。
ー◆ー
「ちび、湯加減はどうだ?」
「ん、くるしゅうない!」
「どっから覚えてくるんだその言葉……」
ちびはいい感じに目を細めている。
「ままはぱぱのことがすきなんだろ?」
「な!? ま、まあ好きといえば好きだな」
ちびは最近侮れない子に育っていた。
「ぎゅ!」
「な、何をするんだちび!?」
ため息をついているすきにいきなりしがみついてくる。
「だってあったかいんだもの~」
「……仕方ないな、少しだけだぞ?」
この後ちびが寝てしまい慧音ともどものぼせてしまう事はまだ知らない
ー◆ー
「○○ぅ~」
「おお、丁度よかったこちらも終わったところだよ」
「おさしみ!」
言うまでもないがちびと慧音の顔は赤かった。
「先に座って食べていてくれ、鍋はやっておくよ」
「すまない、私が不甲斐ないばっかりに……」
慧音は少ししょんぼりしていた。
「ん!」
そんな所に現れたのはちびだった。
「くれるのか?」
「ん、あーん」
「あ、あーん」
ちびは口を開けている慧音にマグロの刺身を入れる。
「んっ…… 美味いな」
「ぱぱ! あーん」
「お! 俺もか」
俺はかがんでちびに食べさせてもらう。
「ん~、いい味だな」
「ほらちびも食べなさい」
慧音もちびに食べさせる」
「うま!」
「それは良かったな、紫さんに感謝だな」
「かんしゃー!」
ちびはその場でお辞儀をする。
「あれ? ここにあった大トロが……」
「きっと八雲家だろうな」
「あ~、なぜか納得」
こんな会話も今年は最後か……
「ほれ、鍋も出来たぞ!」
「なべ~!」
「こら、はしゃぐな!」
今年最後ってのは…… 最高の思い出って奴なんだなぁ、と思う○○であった。
幻想郷の鐘も後3つ……
END そしてSTARTへ→
大晦日ですね、みにけーねシリーズのお話がベースです、わからない方は見てみてください。
さてあと一日で元旦ですか……
皆さん評価をください、これが私のお年玉になります。
あとお気に入りの方も見て行ってください。
それでは良い大晦日を!