命蓮寺・給仕場にて
「♫~ ここをこうして…… あれ? 分量が分かりませんね」
彼女は聖白蓮、絶賛格闘中(料理と)の乙女。
「あれ? 全然溶けませんね、どうしましょう」
「おや、聖ではありませんか! 何をしているのです?」
給仕場の入り口から星が顔を出している。
「星ではありませんか、丁度よかったです。このチョコが中々溶けないのですよ」
「そういう時は温めながら溶かすのですよ」
「そう言う事なら私のぬくもりで……」
「半分あってて半分違うぞ聖、ご主人……」
聖が実行する前にひょっこりと現れたナズーリン。
「正確にはお湯で温めて溶かすんだ」
「でもお湯に入れたら薄まっちゃいますよ?」
「……そこまでとはな聖、ご主人、わざとだろう?」
「?」
ナズーリンにはボケてるようにも見えるが天然である。
「ボウルにチョコレートを入れてそのボウルをお湯で温めながら混ぜるんだ」
「なるほどさすがナズーリンですね!」
「なるほど…… 勉強になります」
「……」
さすがの智将も頭を抱える。
~かれこれ何十分~
「ようやく溶けましたね」
「この後どうするんですか? ナズーリン」
「ちょっと待てご主人、まさか何を作るかも決まってないのか?」
聖は首を傾げる。
「何ってチョコレートですよ?」
「待て待てチョコレートと言っても色々あるだろう? ブラウニーとか生チョコとか」
聖達はさらに首を傾げる。
「……分かったハートのチョコにしよう、それなら簡単だろう」
「ハートの?」
「ハートの型に流して固めるという初歩的な作りやすく心のこもるものだ」
「さすがですねナズーリン」
「聖もご主人もここまでとはな……」
「?」
「いや、何でもない」
頭痛がしてきた智将。
「さあ、溶けたチョコを型に流し込んで聖」
「はい、こうですね?」
「うん、良い出来だ」
ナズーリンの頷きに聖も応える。
「しかしナズーリンも手馴れてますね、まさか作った事があるんじゃないですか?」
「……ちょっと勉強しただけだ、ご主人」
「え~? 本当は違うんでしょ?」
「余計な詮索をしないでくれご主人、もう見つけてはやらないぞ?」
「すいませんでした」
~かれこれ一時間~
「固まりましたね」
「ではこのチョコペンというものでメッセージを書いてくれ」
「はい!」
◆
「完成したな、やはり渡しに行くのか?」
「……はい」
「頑張ってください聖!」
ナズーリンと星は手を振り見送る。
妙蓮寺・〇〇の自室にて、
「〇〇さん、これをどうぞ」
「ん? そうか、もうバレンタインか」
「はい、開けてみてください」
〇〇は言われるがままに開ける。
「ハートのチョコか、しかもご丁寧に告白のメッセージ付きか」
「恥ずかしいんですからあまり大声で言わないでください」
そう言いつつ聖はハートのチョコを取り破片を作る。
「?」
「初めはコレで食べてください……」
そう言うと聖は自分の唇に挟み〇〇の顔に近づける。
「んっ……」
「それじゃあ、頂くよ聖」
……チュッ
キスの音は一瞬、けれどもその味とこの時間は一生ものだった……。
おまけ
「ナズーリン、星、この前はありがとな」
「〇〇殿、これは?」
「聖を手伝ってくれたお礼だ」
「……」
「聖はこんなに綺麗にできないはずだからな」
「……〇〇殿らしいな」
「?」
「独り言だ」
……END
バレンタインですね、皆さんもこれを見て乗り切りましょう!
個人的には神綺からもらいたい作者です。
皆は誰に貰いたいですか?