・ちょっとユニークでシリアス?
・作者
・超超不定期更新
以上が苦手な人はバック推奨!
今から何度目の春を迎えるのだろう、人としての感覚などとうに忘れてしまった。
「○○さん、お茶が入りましたよ」
「ありがとう妖夢」
前まで人間だった俺から見れば随分の月日が経つだろう、妖夢と一緒に暮らしている今の俺から見ればひと月がまるで湯飲みに入ったお茶を飲むように短く感じてしまう。
「○○さん、どうしたんですか?」
「……何度目の春かなって思っただけさ」
「そうですか……」
妖夢と俺は一緒に住み始めてもう五年も経っている、だけどキス以上のことは妖夢の希望もあってしてはいない。
「今日の修行はお休みですね」
「何でだい?」
「今日は○○さんと ……ゆっくりしたいんです」
「?」
妖夢は顔を俯かせている。
「妖夢が良いならいいけど……」
「ありがとうございます……」
~~~~
妖夢の自室にて……
「お茶でも飲むかい?」
「あ、私が用意しますよ」
「いやいや、ここは俺がやらねばならないと思うのだが……」
「そんなことありませんよ! ここは私の部屋なんですから私が……」
「……」
「……」
互いの顔を見つめながらの攻撃戦が始まる。
「……わかった降参する」
「では、座っていてください」
~◆~
「お茶が入りましたよ」
「お、ありがとう」
妖夢は自分の所にお茶を置く。
「妖夢、なぜそこに置くんだ?」
「……ちょっと後ろ失礼します」
「よ、妖夢!?」
妖夢はいきなり○○の背中に抱き付いてくる。
「……私は、いや○○さんはどうなんですか?」
「?」
「私のことですよ、私はいつも○○のことを親友として見ていました」
妖夢はいまだ抱きついたまま……
「でもだんだん心の奥から弱火で煮詰められていくように火照ってきたんです……」
「妖夢……」
「いつしかその火照りは体にも出てきて……」
抱きしめられる力が強くなっている。
「……」
「○○さん、私はどうすればいいですか?」
「?」
「どうすれば落ち着けるんですか? このままではすべてが疎かになってしまいそうで……」
幽かに妖夢の声が震えているのがわかる。
「……妖夢らしくないな」
「え?」
「昔の君はこんなに戸惑ってなかった、もっと素直で無邪気だった……」
「ど、どういう事ですか?」
妖夢はしっかりと抱きつきながらも戸惑い始める。
「俺は妖夢が好きだ」
「ふぇっ!? い、いきなりなんですか!?」
「君は素直という言葉を忘れている、君には素直になって欲しいんだ」
「……」
「黙ってちゃわからないだろ?」
「……ずるいです」
妖夢は○○をいきなり横に引き倒す。
「ずるいです、○○さん! わ、私だって……」
「妖夢、言わなくてもいい、これが君の答えだよね?」
「本当にずるい…… 初めからこうすれば良かったんですね……」
「……」
「○○さんの背中、大きくて暖かい……」
背中越しに妖夢が顔を埋める感触が走る。
「よ、妖夢!」
「はい、何でしょう?」
「まだ日も出てる続きは夜にしよう、今日は春祭りだろ? そろそろ準備しないか?」
「……はい」
妖夢の声、柔らかく元気な声だった。
~◆~
「うまく逃げたわね○○ちゃん」
「幽々子様、何時から?」
「妖夢が貴方に抱きつく時ね」
「割と最初の方ですね……」
○○は頭を痛そうに抱える。
「でも、もう逃げられないわね」
「……はい」
「あと半年位かかると思っていたけど、割と早かったわね」
「互いの意見を尊重したかったもので」
「色男ねぇ、若いって良いもんだわ」
幽々子様は懐かしいように笑う。
「幽々子様も居たんですよね?」
「まだ死期には早いわよ」
「……! 失礼しました」
「冗談よぉ」
その目は言葉とは真逆の色をしていた。
「ところで浴衣には着替えないの?」
「そう言えば……」
「楽しんでらっしゃい」
「言われなくても」
○○はその場から去る。
「……久しぶりに会ってみようかなぁ♪」
……End
ちょいおまけ
「お疲れ様、○○ちゃん、妖夢」
「?」
「幽々子様見てましたね?」
「あら~? ウフフフ♪」
どうも黒岑です。
今回は妖夢編です、中々更新ペースが遅くなってきました。
50話ぐらいまでは続けたいですね。
次回はゆゆ様です(多分)。