東方書館・うつり猫   作:黒岑竜一

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注意

・藍さんが!
・作者
・時空をまたぐほどの不定期更新

以上の事が苦手な方は逃げるが勝ちです。


東方書館・良
春旅ぬくぬくお稲荷さんへ


とある外界の赤い巨塔が目立つ町の借家にて……

 

「ん……さむ……(ぶるぶる)」

 

○○は春先の寒さに堪えていた。

 

「もう春なのにこの寒さは異常だろちょっとは働け地球温暖化……」

 

いまだにオフトゥンの中で愚痴る。

 

「くぅううう…… さむっ、もう少しだけ寝るか……」

 

○○は今一度、寒空の春に目をつむる。

 

 

~◆~◆~◆~

 

 

「ん、昼過ぎか? 中々心地のいい気温になったな……」

 

ぽかぽかとした温もりにシルクのような肌触り、それでいて意思を持っているかのような包容力、そして独特な獣の香り……

 

「……え?」

 

獣って言ったのか? 獣?

 

「お、ようやく起きたか」

 

「ら、藍さん!?」

 

目の前には見覚えのある背中、触れているのは見覚えのある九つの尻尾。

 

「ん、そういえば『春眠暁を覚えず』という言葉があったな…… 今の○○にうってつけの言葉だな」

 

このこだわりの強い学術的なしゃべり方は紛れもなく八雲藍さんだ。

 

「藍さんどうやって俺の部屋に……」

 

「簡単さ、こう見えても立派な妖怪だぞ」

 

どう見ようと妖怪以外には見えない、九尾だし……

まあ、何かすんげぇぱぅわぁ★で開けたんだろうなぁ……

 

「解錠の術と言うのがあってだな髪留めを使えばできるんだぞ」

 

「それはいわゆるピッキングってヤツで犯罪ですよ!?」

 

「ふむ、同意の上であろう?」

 

「同意もしてませんよ!」

 

 

~◆~◆~◆~

 

 

「まさか昨日も夜遅くまで『ばいと』と言うものをやっていたのか?」

 

藍さんは喋りながら器用に料理をこなす。

 

「いや、否定は出来ないけど……」

 

「まだ、少年なのだから体調管理をしなければ駄目だぞ」

 

「……」

 

「『ばいと』をするなとは言わないがさすがに体に鞭を打つことは止めてもらわなければいかない」

 

藍さん……

 

「橙も心配しているからな」

 

……そっちか。

 

「それに、君に助けてもらった恩義をどう返すというのだ?」

 

「……」

 

 

~~~

 

『だ、大丈夫ですか?』

 

『ぬ…… 人間か、問題は無いこの場から立ち去れ』

 

『それは出来ないっすよ、怪我を負ってる女性を無視できませんよ!』

 

『お、おい! 血で汚れるぞ……』

 

『関係ないですよ、とにかく医者に行かないと』

 

『……人間も案外優しい奴もいるようだな』

 

~~~

 

 

「……まだ、覚えてたんですね」

 

「当然だ、忘れることは無い」

 

なんだか無性に照れくさくなっちまうな……

 

「……橙ちゃんは元気ですか?」

 

「ああ元気だぞ、しかし何故それを聞く?」

 

「……実は文書でみた『新しき世界』ってとこに行ってみたいんですよ」

 

「……」

 

「お金も貯まったし、これから旅に出たいんです」

 

「唐突に聞くが君は私の事が好きか?」

 

藍さんが頬を赤らめ話す。

 

「何をいきなり……」

 

「私たちの世界で暮らさないか?」

 

「!?」

 

「『幻想郷』という場所は知っているか?」

 

「いえ……」

 

「恐らく君の言っている『新しき世界』だろうと思うのだが」

 

「……遠慮しておきます」

 

「何故だ! そこが答えなのかもしれないのだぞ!?」

 

「お誘いは嬉しいです、でも答えは自分で探したいんです……」

 

藍さんの顔が悲しく変わるのがわかる、でも決意は変わらない。

 

「止めることは無い、君の選択だ、ありがとう……」

 

「……すみません」

 

 

~◆~◆~◆~

 

 

 

八雲家にて(場所未詳)

 

 

「藍、どうしたの? 目から水が流れてるようだけど?」

 

「え? そ、そうですか? 嫌ですねこの季節は花粉が多くて……」

 

「……(そういえばもうあの日か)」

 

「藍、洗濯物を干しなさい、料理はやっておくから」

 

「い、いやでも紫様の手を煩わせるわけには……」

 

「いーからいきなさい!」

 

「は、はい!」

 

藍はどたどたと縁側へ走っていく。

 

「……偶には給料を送っておきましょう♪」

 

紫は指で空に弧を描く。

 

~◆~

 

「しかし、どういう風の吹き回しなのだろうか?}

 

ガサッ!

 

「何奴!」

 

「だーっ! 撃たないでください!」

 

「きさm…… 〇〇?」

 

「ら、藍さん?」

 

「ま、待て!? 何故〇〇が?」

 

「い、いや…… 何かここに迷い込んじゃって……」

 

「……遅かったじゃないか〇〇、何か言う事があるだろう?」

 

藍さんの頬から水が流れている。

 

「遅れました……」

 

「違うそうじゃない」

 

「え!?」

 

「何かあるだろう? ここはどこだ? 私たちはどんな関係だった?」

 

「え!? あー……何だろうかな。ただいま?」

 

「うむ! おかえり、〇〇いや…… お前さん」

 

生涯一の笑顔で返してくれる。

 

「ところで遅刻した時間分、今夜は付き合ってもらうぞ」

 

「……何時間でしたっけ?」

 

「馬鹿者、3年と数十余時間だ」

 

「随分大ざっぱですね!?」 




お久しぶりです、黒岑です。
今回は東方書館シリーズ新章の藍様です、藍様の尻尾で寝てみたいものですね。
久しぶりなもので勢いがつかめないですね。
次回は未定です。
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