綾波のんびりお茶日和   作:神楽美凪

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とうとう発表されましたね春イベ。ゴールデンウイーク明けでしょうか?

先週エイプリルフールと笑っていましたアップデートはなかなかいい感じでした。運営さんごめんさない。
そして大潮改二おめでとうございます! 綾波と夜戦火力が同じと聞いて思わず動揺しましたw それでも私は綾波と共に戦います!





さて、大潮を改二にしたら速吸鍛えないと……


第十二話:第1937鎮守府

司令官から指令を受け数日後、すべての輸送物資の準備が終わったので私と五月雨さん、そして熊野さんの三人は鎮守府につながる海洋に立っています。

 

「さて、お二人とも。準備はよろしいですか?」

 

声をかける私の右手にはB型改二、左手には秋月さんからお借りした高射装置内蔵式の10㎝高射砲、そして33号水上電探を装備しています。

 

「はい! いつでも大丈夫です!」

 

返事をくれた五月雨さんはそれぞれ燃料とボーキサイトが入ったドラム缶を背負っています。また、輸送が目的なので物資を守ることに重点を置き、強化型本缶を装備しています。

 

「こちらもすでに準備はできておりますわ」

 

その言葉通りすでに抜錨している熊野さんも五月雨さんと同じようにドラム缶を背負っています。その中身は弾薬と鋼材です。しかし装備しているのは主砲である20.3㎝2号と扶桑さんからお借りした瑞雲12型です。

五月雨さんは駆逐艦なので回避性能を上げることにしましたが、航空巡洋艦である熊野さんならある低での戦闘を行うことは可能です。そして瑞雲で上空から警戒してもらうことでより安全を確保する目的での装備です。

 

「かしこまりました」<こちら綾波。これより指令を実行します>

<こちら大淀。指令受諾了解しました。お気をつけてください>

 

無線で大淀さんに確認を取り、私たちは中部海域の情報を求め第1937鎮守府に向けて走り出しました。

 

 

 

 

 

 

 

「やはり航空戦力があるといいですね~」

 

道中、距離にして半分を過ぎたあたりに見つけた孤島で休憩していると五月雨さんがつぶやきます。

 

「そうですね。敵の動きがわかるのは本当に助かります」

 

そのつぶやきに私も言葉を合わせ瑞雲12型を調整中の熊野さんにお互い視線を向けます。

 

「いえいえ、どちらかというと扶桑さんのおかげですわ」

「扶桑さんが?」

「そうです。扶桑さんは改二になった途端搭載機の数増えましたので、そうとう真剣に訓練してました。その瑞雲12型だからこそ、あれほど的確に敵の動きを教えてくれますのよ。悔しいですが、私が普段運用している瑞雲とは比べ物になりませんわ」

 

熊野さんの発言に瑞雲12型を操舵する妖精さんたちが恥ずかしそうに、それでも誇らしそうに胸を張ります。私は艦載機を搭載することができませんが、私も訓練を重ねて砲雷撃戦が得意になりましたから、なんとなく理解できます。

 

「さて、それではまいりましょうか?」

「はい!」

「よろしくてよ」

 

 

 

 

 

 

その後も瑞雲12型からの連絡を受けなるべく深海棲艦と合わず、事前に調べておいた海流が穏やかな航路を選び、夕日が沈んでしばらくしてようやく鎮守府の灯台の光が見えてきました。

 

「あれがそうなのですか?」

「はい。場所的に間違っていないはずです」

 

私はこちらの艦隊が第1929鎮守府から来たことを告げるために照明弾を放ちます。これは普段私も使っている敵艦隊を照らすための物ではなく、特定の色付けされた光の玉を上空に打ち上げるだけの物です。発光信号の代わりですね。

 

すると向こうの鎮守府からも同じ色の照明弾が上がりました。これで確認は取れました。

 

「目標の鎮守府ですね。少し待っててください。向こうの司令官と連絡を取ります」

「わかりました。では電探を預かります」

 

私は五月雨さんと装備を交換します。これだけ鎮守府に近ければ深海棲艦も近づいてこないと思いますが今は夜中。夜戦となればさすがに油断はできません。

 

<こちら第1929鎮守府所属の綾波です。僚艦は五月雨と熊野です>

<こちら第1937鎮守府秘書艦春雨イドです。遠路はるばるお疲れ様です>

 

あれ? なにか変な言葉があったような気がします。とはいえ今は作戦実行中です。

 

<物資は損傷無し。これより接舷します>

<わかりました。大型探照灯でドックまでの道を照らします>

 

向こうが言い終わるや否やすぐに探照灯による光の道ができました。この距離まで届く探照灯もあるのですね。

 

<探照灯の光を確認しました。それに従いドックへ入港します>

<よろしくお願いします>

 

私は五月雨さんと熊野さんと共に第1937鎮守府に入港しました。

 

 

 

 

「「「「いらっしゃい。お疲れ様でした」」」」

「「……」」

 

事前に司令官から聞いていたのは私だけだったので五月雨さんと熊野さんはドックの光景に驚き言葉が出ません。

かくいう私もまさか四人もの春雨さんに出迎えられるとは思わなかったので少しの間だけ動きが止まってました。

 

「えっと、お二人とも。輸送した物資を下してください」

「「あ、はい!」」

 

二人がドラム缶を下すと妖精さんたちが中身を確認し、それぞれの保管場所へと移動させます。この後はこちらの鎮守府で一泊して情報を持ち帰ることになっています。

 

「五月雨さんと熊野さんはさきにお休みになってください。私はココの司令官と話してきます」

「よろしいのですか?」

「ええ。話を聞くだけですから一人でも問題ありません」

 

私の提案に二人とも納得してくれました。そして私は春雨さんに連れられ司令室へ。お二人は客室がある特別寮へと同じく二人の春雨さんに先導されていきました。こうも春雨さんばかりだとどういえばいいのかわからなくなりますね。

 

ちなみに出迎えてくれた最後の春雨さんは工廠に残っています。今建造中の艦娘さんを待っているようです。

 

「どうかしましたか?」

「いえ。春雨さんばかりなのでどう呼んだらいいのかと」

 

向こうも「ああ、なるほど」という表情を見せます。その春雨さんの話だと、彼女たちは耳にイヤリングを付けており、その番号でだれなのか判断しているようです。そのため個人ごとにあだ名のようなものはなく、みなさん「春雨」なのだそうです。

よく見れば私を先導してくれる春雨さんの耳には「12」がついたイヤリングがあります。

 

「こちらが司令室になります」

「ありがとうございます」

 

私を先導してくれた春雨さんはこの鎮守府を出るまで私の世話を任されているようなので共に司令室に入ります。

 

「失礼します。第1929鎮守府所属の綾波と申します」

「はい、どうぞ」

 

中からも聞こえてきた春雨さんの声に不思議な感じを味わいながら司令室の扉を開けます。

 

司令室は司令官の好みで自由に模様替えできるようですが、家具の数は限られているのでそこまで種類が多いわけではないそうです。しかし、この司令室は私たちの司令官の司令室と真逆と言える状況でした。

 

(壁と床がピンク一色。そしてなんでキッチン? しかもあれチョコレートケーキと紅茶ですか?)

 

なんというか、すでに終わったはずのバレンタインが永続しているような司令室です。一体どうなっているのでしょうか?

 

「すみません、散らかっていて」

 

声をかけられたので視線を向けるとそこには当然春雨さん。しかしその服装は私が知る春雨さんではありませんでした。

 

「メイド服?」

「はい。筆頭秘書艦ですから」

 

ええと、秘書艦だからメイド服? もうわけが分かりません。

 

「まあ、言ってしまえば私の趣味だよ」

 

別の声が聞こえてきたので奥のほうを見れば司令官が赴任してきて間もないころに使っていた見覚えのある机に座る人物。あの方がここの司令官なのでしょう。

 

近づいて敬礼します。

 

「初めまして。第1929鎮守府の……」

「いや、さきほどの連絡は私も聞いていたから紹介はいいよ。遠路はるばる輸送任務ごくろうさまだったね」

「いえ、この鎮守府が苦労して集めた海域の情報を教えていただけるのでしたらこのくらいの苦労は当然ですから」

「ははは。さすがアイツのところの艦娘さんだ。性格までそっくりだ」

「司令官をご存じなのですか?」

「聞いていなかったのか? アイツは私の後輩なのだよ」

 

それは聞いてませんでした。せっかくなので昔の司令官の話も聞いてみましょう。




先週中部海域の話になると書いておきながらもうしばらく導入が続いてしまいます。楽しみにされていた方がいれば申し訳ありません。

次回は司令官の過去、訓練校時代の話になります。
……どうやって綾波を登場させよう?
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