そして江風改二通知。大潮実装されたばかりなのでイベント終わった後だと思っていた私、見事に撃沈。急いでレベリング中です。
……建造落ちしてくれるのでしょうか?
私たちが自分たちの鎮守府、第1929鎮守府に帰ってきたころにはすでに日が沈んで深夜とも言える時間帯だったため、出迎えてくれたのは作業していた明石さんだけでした。
「お帰りなさい!」
「「「ただいま戻りました!」」」
「「そして、よろしくお願いします」」
「はい、聞いていますよ。綾波さんと由良さんですね」
二人から確認のため所属する鎮守府を記したタグを見せてもらって確認する明石さん。その確認が済むとこちらに向きなおります。
「では、司令からの伝達です。『第1937鎮守府所属の綾波さんと由良さんはそれぞれ五月雨さんと熊野さんが艦娘寮にまでご案内。来客用の部屋をすでに準備済み。綾波さんは情報を持って司令室へ』以上です」
「由良さんは軽巡用の寮ですわよね?」
「はい。よろしくお願いします」
「では、私はこれで」
皆さんと別れ司令室へと向かいます。この時間だと秘書艦の方ももう寝ているかもしれませんね。
その想像通り、司令室には司令官しかいませんでした。
「すまないね」
「それより、もう眠られたほうがよろしいのでは?」
時計を見るとすでに0:25。総員起こしが5:00なので睡眠時間を考えるともう寝たほうがいいはずです。
「確かにそうなのだが、明日は休みにしているからね」
「休み、ですか?」
司令官は毎日何かしらの業務を行っているはずです。それゆえに休みという言葉を使われるのは珍しいことです。
「明日は1937鎮守府から来た由良さんからの教育に一日時間を与える予定だ」
「一日中ですか?」
「そうだ。いくつかの編成に分けて順番に行ってもらう。そして気づいていると思うが、その中に君は入っていない」
「中部海域攻略作戦ですね?」
「ああ。実際にその耳で聞いた君の意見が聞きたい」
「わかりました。私への指導は皆さんが終わってからですか?」
「いや時雨や夕立、それと神通と阿武隈で編成を組んでもらう」
うわぁ、熟練選抜だけの編成ですか。これは大変そうです。
「それと、普段教官を担当してもらっている龍田・香取・叢雲・鹿島・川内の五人も指導は受けない。彼女たちは由良さんが指導をする姿を見て今後の指導に役立ててもらう」
「実際に指導を受けたほうがわかりやすいのでは?」
「指導を見ることによって得られるものもあるのさ」
しっくりきませんが、司令官を決めたのならそれに従うのが私たちです。
「さて、今日は資料の整理だけしておこうか」
「かしこまりました」
翌朝、司令室に向かうと空の朝食を持つ秘書艦の翔鶴さんとすれ違いました。
「おはようございます」
「おはようございます。司令官の様子はどうですか?」
「とくに変わりなかったけど、どうして?」
「昨夜は遅くまで起きていらしていたので」
「ああ、それで少し眠そうだったのね」
やはり睡眠時間が足りなかったようですね。待っていてくれたのはうれしいですが、もう少しお体を大事にしてほしいですね。
「ああ、忘れてた。今日は秘書艦お願いね」
「え?」
「提督から綾波さんに秘書艦を交代することを告げてほしいと頼まれたの。今日は急いで片付ける任務が無いみたいだから」
翔鶴さんは一礼するとそのまま食堂のほうへと歩いていきます。秘書艦の方すら必要ないとなると、今日は一日中部海域攻略に費やすみたいですね。
「失礼します」
「入ってくれ」
司令室の扉をノックし、中に入るとホワイトボードが3つあります。それぞれ左上に海域名が書かれています。
「おはようございます」
「おはよう。早速だが始めようか」
「はい」
時間は有限です。私はいつもの机に座り、司令官がボードの前に立ちます。普段なら司令官が業務を行うため、ボードに記すのは秘書艦の方なのでなんだか新鮮です。
「まずは中部海域哨戒線だな」
「はい。ここは文字通り深海棲艦の哨戒練度が高いことから潜水艦のみなさんのお力を借りることになります」
「ふむ。二人くらい編成に組んだほうがいいかな?」
「いえ、三人は必要です。どうやら四人も水上移動できる艦娘がいると姫級の警戒網に感知されるようです。また深海からの攻撃も激しく、より潜水艦のみなさんの練度が必要となります」
「となれば、耐久が高い伊401、そして運の値が高い伊58と回避に優れているU-511の三人が適任か。異論あるかな?」
「いえ、異論ありません。提案としては甲標的を撃てる雷巡の方と敵艦隊の偵察機対策として空母の投入を意見します」
「なるほど。となると木曾と瑞鶴にお願いするとしよう」
司令官がボードに編成を書いていきます。今の編成では潜水艦三隻に雷巡一隻、そして空母一隻です。この編成なら後必要なのは火力担当ですね。
そういえば瑞鶴さんと言えば先ほどすれ違った翔鶴さんが見たことない飛行甲板を付けていましたね。
「司令官、翔鶴さんがいつもと違う飛行甲板を付けていましたが、瑞鶴さんもですか?」
「ん? そういえば綾波は知らなかったか。翔鶴型の二人には新たな改装設計図が届いてね。それによって二人とも装甲空母になったよ」
装甲空母と言えば大鳳さんの艦種ですね。大鳳さんは翔鶴型を基本として設計された艦ですから、その前身である翔鶴型のお二人も装甲空母になれたということですか。
「あと一隻は……やはり神通になるか」
「そうですね。神通さんなら相手を逃しても夜戦で敵旗艦を落とせますから」
この海域の旗艦はヲ級フラグシップ。夜戦なら私でも落とせますが、砲雷撃戦のことも考えるとやはり神通さんにお願いするべきです。
「では、中部海域哨戒線の編成は旗艦伊401。続いて伊58とU-511。木曾に潜水艦隊と同時に甲標的を発射してもらい、神通が砲雷撃戦で残りを沈める。そして敵艦載機対策として瑞鶴。以上かな?」
「……はい、問題ないと思います」
「残る問題は、資源と高速修復剤の量だな」
「ですね」
私と司令官はお互い司令室のある方向に目を向けます。そこには毎日更新される資材量を記した板が吊るされています。そこに記された資材量を見る限り、鋼材は全く問題ありません。ボーキサイトも瑞鶴さんだけですのでこれも大丈夫です。
「燃料と弾薬か」
「それ以上に高速修復剤です。潜水艦の皆さんは耐久値が低いですから」
それに加えてこの海域の敵艦隊は対潜能力が高い軽巡フラグシップもいますから油断できないです。
「仕方ない。睦月を招集してくれ」
「かしこまりました」
普段大淀さんが使っている通信台で睦月さんを呼びます。大淀さんも今日は由良さんの指導を受ける予定なので私が全て行わなければなりません。
「睦月、来たよー!」
「すまないな」
「いいよ。それで、どこに遠征に行けばいいの?」
「修復剤を集めたいから長距離練習航海の往復をお願いしたい」
「了解にゃ。みんなにもお願いしてくるねー」
「ああ、わかってる想うが明日からだからな」
「うん!」
……睦月さんって本当に猫っぽいですね。私も黒豹なんて呼ばれてますから猫みたいな声のほうがいいのでしょうか。
「ごきげんよにゃしー……止めましょう」
「どうかしたか?」
「い、いえいえ! 何でもないですよ!?」
「そ、そうか?」
お、落ち着いて私!
一旦お茶でも淹れてきましょう。そうしましょう!
翌日、編成した皆さんが中部海域に出撃。30回以上もの戦闘を繰り返し、ようやく敵旗艦を落とすことに成功したと通信が入ってきました。
初めからこの難易度って、大規模作戦と変わらないですよね。この先大丈夫でしょうか?
先に謝罪を。綾波が出撃しないので戦闘シーンはカットしました。一応、綾波視点の作品なのでお許しを。
なお、編成は実際自分が6-1攻略に使用した艦隊です。ガチで攻略するのに30回以上かかりました。軽巡フラグシップ滅ぶべし!
では、また来週です。