ただ、なんでドロップなの? B型牧場やりにくいよー!!
そして春雨通常解禁まだかな~?
なんとか最初の海域を突破できましたが、状況的にまだ練度が不足していると痛感しました。そこで次の海域出撃予定の艦娘に対して全体的な底上げをすることになりました。
「ということで皆さんには〝遠慮″無しで指導させていただきます」
そうおっしゃるのは目の前の由良さん。第1937鎮守府からいらした特別指導艦娘さんです。
「あの~、さきほどの遠慮というお言葉は?」
「そのままの意味ですよ榛名さん。さすがに他の鎮守府の艦娘さん相手に全力は出せませんから」
ニッコリ微笑む由良さん。一方その言葉に榛名さんを始め集まった筑摩さん、利根さん、秋月さん、そして瑞鶴さんまでもが顔を真っ青にします。
「由良さん。私は由良さんの指導を受けるのは初めてですが、今まで手加減されていたのですか?」
私は少しばかり怒気を込めます。
由良さんには私たちの鎮守府にはない戦法を教えていただくために鎮守府にまで同行していただきました。それなのに手加減なんて……という気持ちがあったからです。
「いえ、彼女たちの実力に合わせて指導はしていました。今回はこちらの司令官に事前に確認して、遠慮なく、全力で指導することにいたしました」
「つまり、由良さんから見れば私たちはまだまだ未熟者であると?」
「当然です。実際、最初の海域でそれは実証されているでしょう?」
確かにそれは事実ですが、だからと言って私たちを下に見過ぎです。それが伝わったのか、由良さんは主砲に弾を装填させました。
「一度納得してみますか?」
「……いいでしょう」
私も弾を装填します。どんどん険悪になる私たちの雰囲気に他の皆さんはおろおろして何も言えません。私が普段とは違って好戦的なのも原因かもしれませんね。
まあ、それが狙いなんですけどね。
「では、10分後で?」
「かまいません」
私たちは逆方向に歩きだし、海洋へと進んでいきます。
≪すみません、このようなことに巻き込んでしまって≫
≪構わないですよ。報告だけは受けてますから≫
専用の周波数に合わせて二人だけのやりとりをします。相手は由良さんです。
≪あの程度の訓練でヘトヘトになるようでは先には進めない、これは事実です≫
≪直接話を伺ってますから、いかに大変なのかは知っていましたが、それほどですか≫
≪はい。私たちの鎮守府でもかなり苦労しました≫
第1937鎮守府と私たちの鎮守府ではかなりの差があります。
そこそこの練度はある私たちの鎮守府ですが、司令官がのんびりとしている方のせいもあって、比較的緩やかな雰囲気です。
それに比べると、春雨さんがたくさんいることさえ除けば、かなり訓練的です。戦艦・正規空母のみなさんは全員ケッコン練度を超え、全ての艦種に最低でも5人はケッコン艦娘がいると聞きました。中でも駆逐艦は10人を超えており、練度70より下は誰もいないと聞いた時は耳を疑いました。あ、この中に春雨さんは含まれないそうです。
≪しかし、だからと言って私と決闘みたいな形での模擬戦。大丈夫なの?≫
無線からも伝わってくる心配性。やはり鎮守府は違っても由良さんなのですね。
≪はい。こちらも遠慮しませんから≫
だからと言って手加減なんて許しません。これはみんなにやる気を出してもらうためにも必要なことなのです。
由良さんの指導を受けて「私たちで突破できるのか?」と不安になっている皆さんのために、私は勝たなくてはならないのです!
お互いが位置に着きます。私は両手に持つB型に模擬弾が装填されていることを確認し、腰の五連装酸素魚雷も入念に確認します。
すると由良さんが一発模擬弾を上空に撃ちます。準備ができた合図です。位置に着いたのはほぼ同時なのに先に準備を済ませていることに少し驚きましたが、慌てず確認を続けます。
確認が終わったところで私も一発撃ちます。お互いの模擬弾が海面に落ちたら演習の開始、これは普段行っている演習と同じです。由良さんの模擬弾はすでに落ちているので、私の模擬弾が落ちたら開始となります。
「「!」」
海面から音が聞こえてくると同時に駆ける私たち。最大船速は私のほうが早いですが、射程は向こうのほうが長いので急いで接近するとただの的です。
今回の由良さんは本気だと言っていましたから、装備は向こうからこちらに来るときに装備していた15.2㎝連装砲、しかもあれは改良型でした。となればかなり命中しやすいはずです。そして五連装酸素魚雷。武器は同じでも向こうは改修済みの高品質。その補正も油断できません。
ですがそれいじょうにやっかいなのが……
「さあ、由良のいいところ、見せちゃおうかな?」
その言葉共に放たれるのは零式水上観測機。かつては大和型にのみ配備されていた水上機で、今では工廠で開発できるようになった偵察機の上位機。指導していた時には使っていませんでしたが、本当に本気のようです。
本来なら撃ち落としたほうがいいのでしょうが、由良さんが飛ばせるのは一機のみ。となると余計に砲弾を当てにくい。ならば、無視します!
「機関最大!」
一気に最高速度に到達し、由良さんに向けて前進します。それを見て由良さんはとても驚き、榛名さんたち見ている艦娘さんたちも驚きの声を上げます。
先ほど自分で考えておきながらこれは無謀です。ですが、だからこそ相手の裏をかくことも可能です。『無謀か無茶か。どちらも同じような状況だが、勇気を持てるかでその呼び名を変える』司令官から教わったことの一つです。
由良さんはすぐに表情を戻すと観測機からの情報を頼りにこちらに照準を合わせます。
そして発砲。その弾丸は真っ直ぐ私に向かってきます。
いい腕ですが、そんな攻撃は通用しません。わずかに体をずらし、砲弾を回避します。その様子は観測機から伝えられ、すぐに次発が飛んできます。それも三発。その軌道は先ほど私が回避した軌道を左右どちらに対処できるようになっています。
私はまたしても体をずらし、正面に飛来する砲弾めがけてB型を発砲。空中でぶつかった砲弾同士が爆発音と煙を広げます。
その煙を突き破るように進めば、もう少しで射程圏内です。
≪……いったいどこでそのような訓練を?≫
≪訓練というより、ただのお遊びですよ≫
由良さんは迫りくる砲弾を砲弾で撃ち落としたことに驚いているようですが、じつはコレ、司令官が購入してくださったテレビに映っていたアニメという物を見て知ったことです。
そのアニメでは拳銃で相手の銃弾を弾くことで軌道をずらし、犯人二人を同時に無力化していました。それを見て、この技術は私たちでも通用すると思い、密かに練習していたのです。
≪やはりあなたには指導が必要ない、というより考え方が違うから指導しても意味がないのかも≫
苦笑する由良さんでしたが、表情を戻すと15.2㎝連装砲改から次々と砲弾を放ちます。それらを回避し、時には撃ち落として近づき、そしてようやく射程圏内……
「!?」
それに気づいた私は慌てて進路変更を取りますが、間に合わない!
急いで魚雷を発射し、いつの間にか迫っていた由良さんの魚雷と衝突させます。しかし距離が近かったためすべてを相殺できず、その衝撃で僅かばかりですが被害を受けてしまいます。
「あらら、それも当たらないの? 初見だとだいたいこれで終わるのだけど」
そう言い放つ由良さんの言葉に悲鳴が上がります。ああ、餌食になった人がいるのですか。そちらを見れば榛名さんが頭を抱えてうずくまっています。ええー。よりによってあなたですか。
私が魚雷の対応をしている間に由良さんは移動していたのでまたしても射程圏外です。
さて、どうやって接近しましょうか。
来週は模擬戦後半戦です。近場のSEGAに艦娘アーケードが実装されるのでそっちも楽しみです。テストプレイはできなかったので始めからですけどね。
せっかくなら今度は叢雲をずっと起用していきたいです。
では、また。