私のほうはあとがきで。
「みなさん、準備はいいですか?」
振り返った私にみなさんが揃って返事をしてくれます。準備良し、意気込み良し、ついでに状態も良しですね。みなさんの艤装がキラキラ輝いているので少し眩しいですが。
「作戦を確認します。本日向かう海域は中部海域の二つ目、MS諸島沖です」
司令官からいただいた指令書を読み上げます。みなさん真剣な眼差しでこちらを見つめています。
「第1937鎮守府からの情報によりますと、戦艦一隻、空母一隻、そして駆逐艦二隻の編成の編成で行くと最も最短の距離でこの海域を統括している深海棲艦隊に到着することができます。そのため、編成は旗艦私こと綾波。続いて秋月さん、榛名さん、筑摩さん、利根さん、そして瑞鶴さんの編成です」
一度皆さんに視線を合わせます。問題ないようですね。
「最奥の深海棲艦隊の旗艦は輸送ワ級ですが、フラグシップです。耐久値が高いので昼戦では榛名さんが頼りです」
「はい! 榛名は大丈夫です!」
「えっと、そこまで気負わなくても夜戦になれば私でも落とせるので」
手を上げてまで決意を示してくれた榛名さんですが、私の言葉で恥ずかしくなったのかうつむいてしまいました。気のせいか電探まで垂れているように見えます。
「続けますね。それ以上に厄介なのが道中および最奥艦隊に現れる改フラグシップと呼ばれている青白い炎の瞳を持つ艦です」
改フラグシップ。全身に金色を纏った艦よりもさらに上位の艦。その存在が一隻いるだけで海域の突破が数倍難しくなると言われている姫級や鬼級を除けば最も強い存在です。
「こちらの対処は榛名さん、お願いしますね」
「は、はい! 今度こそお任せください!」
それほど強い艦を、しかも昼戦で相手にできるのはやはり戦艦だけです。実をいうと大和さんか武蔵さんにも出撃予定があったのですが、一度榛名さんで出撃し、その結果で編入するか決めると司令官はおっしゃっていました。
できれば榛名さんで対処したいです。さすがに大和型お二人で対処しなけばならないような相手と連戦したくはないですから。
「制空に関しては、瑞鶴さん。そして利根さんと筑摩さん、お願いしますね」
「ええ!」「うむ!」「はい」
瑞鶴さんは元より、今回利根型のお二人には扶桑型のお二人からお借りした瑞雲12型を搭載してもらっています。その力でなんとか空を優位に立てないと向こうからの連撃が飛んできますから、こちらもかなり重要です。
「秋月さん、対空支援お願いしますね」
「は、はい!!」
緊張しているようで少し不安ですが、こちらが不利でも状況を覆せるのが秋月さんの対空砲撃です。私は対空に自信がないですから、頼ることしかできません。
その分、私は一隻でも多く敵艦隊を落とすことを考えましょう。
「最終確認です。装備と状態に異常はありませんね?」
全員が頷いたのを見て私は皆さんに背を向け歩き出します。その後を皆さんも続きます。
「では。抜錨! 出撃です!」
順調に海を進み、いよいよ中部海域に到着します。しかし、いきなり突撃するわけではなく、その入り口に設けられた大本営管轄の孤島に向かい、ここまでに消費した燃料を補給します。
「こんばんは。どちらからですか?」
「第1929鎮守府からです」
私は大本営直属の証である軍服をした五月雨さんに伝え、補給資材を受け取ります。それを皆さんに配りながら改めて海図を確認します。
(最初の戦闘からル級フラグシップ。その後も厳しい編成が続き、最奥艦隊には必ずル級改フラグシップ。しかもヲ級フラグシップが共に現れることもある。やはり一筋縄ではいかないようですね)
それでもあの由良さんに鍛えていただいた皆さん、そして私です。きっと。
全員の補給が完了し、中部海域に侵入します。深海棲艦には海域ごとに所属があるらしく、自らがいる海域に侵入した場合は問答無用で攻撃してきますが、所属しない海域に向かっていることがわかると道中遭遇しても逃げていきます。
おかげで哨戒線を越えても深海棲艦が攻撃してくる気配はありませんでした。
それも、ここまでです。
「綾波さん! 先行している瑞雲12型から報告! 敵艦隊を発見しました!」
「筑摩さん、編成はわかりますか!?」
「少しお待ちください……戦艦ル級フラグシップが一隻。随伴艦は重巡リ級エリートが二隻、軽母ヌ級エリートが一隻、駆逐イ級後期型が二隻です!」
「先制します! 瑞鶴さん!」
「了解! 艦種風上、攻撃隊、発艦始め!」
次々と飛び立っていく瑞鶴さんの艦載機。同時に利根さんと筑摩さんも瑞雲12型をカタパルトから発艦させます。空母一隻ならこちらが制空権を取れるはずです。
「報告! 制空確保! ついでに駆逐艦も一隻沈めたわ!」
「了解しました! 皆さん、砲撃準備!」
視界に映る水柱。距離はまだありますが、戦艦の主砲なら間もなく射程範囲内です。
「主砲! 砲撃開始!」
敵の戦艦よりも先に榛名さんの主砲が砲撃を開始します。今回榛名さんにはダズル砲だけでなくイタリア戦艦の主砲を搭載してもらっているので射程が伸びていますので、向こうよりも早く攻撃することが可能です。
その分命中率が下がるのですが、ダズル砲には命中させるのが上手な妖精さんがいるのでその方に補ってもらっています。
「敵重巡洋艦に直撃。でも中破です」
さすがは現状最奥海域とされている中部海域。随伴艦もかなり強いです。
お返しとばかりに飛来する砲弾を回避し、利根さんや筑摩さんも砲撃を開始。瑞鶴さんは艦載機を再度艦載機を発艦させるも向こうからも艦載機が飛んできます。それを秋月さんが賢明に撃ち落としています。
「さて、行きましょうか」
そんな中、私は速力を上げ敵艦隊に突撃。駆逐艦の主砲は射程が短いのもありますが、私の役割は敵艦隊からの攻撃を集中させることでもあります。
近くなれば被弾する可能性も高くなりますが、練度の高さは戦場に出た経験の高さです。そうやすやすと被弾などいたしません。
敵重巡洋艦と駆逐艦の砲撃が私に向けられますが、すべて回避し、B型で応戦します。
激しい砲撃船を繰り返し、こちらの艦隊は榛名さんと利根さんが被弾しましたが小破すら無く、一方で敵艦隊は中破して艦載機を発艦できないヲ級と私の雷撃で大破させた重巡洋艦の二隻のみなのでここは先へと進みます。向こうも不利と悟ったのか追撃はありませんでした。
「初戦から大変ですね」
「うぅ~、筑摩~」
「はいはい」
追撃が無くなったことで一度状態を確認。被弾したお二人とも見た感じ損傷はないので問題ないですが、まだ戦闘は続きますので油断できません。
「っと、この辺でしたか」
少し先の海を見れば海流が変化しているのが見えます。普段は羅針盤妖精さんの導きで進路を決めていますが、それは海流が安定しているときに可能らしく、あの先のように海流が変化している場合は羅針盤の回転が止まらないようです。
私はスカートのポケットから海図を取り出し、海路を確認します。
「ここから東に進みます。編成によっては改フラグシップがいる可能性もありますので、気をつけてください」
「綾波さん。そういうことを言うと本当になりそうですよ?」
確かにそうかもしれませんが、秋月さん。どちらかというとその言葉のほうが危ないような気もしますよ。
そして嫌な予感ほど的中するのですよね。
次回はいよいよ登場、ル級改フラグシップ。ぶっちゃけデザインとしてはかなり好きです。いざ道中敵艦隊でその存在を見ると「出てくんな―!」と叫んでしまいますがw
春イベントは無事走破しました。まあ、E-7だけは丙ですけどwww
しかし、E-6甲と比べて難易度を丙に落とすだけでこんなに差が出るものなのですね。一度基地航空だけで中枢棲姫―壊を撃沈させたときは呆然とその後の戦闘を見てました……
流星(無印)って強かったんですね~。
今は大鯨ついでに親潮掘りしてます。毎度おなじみクラゲ、じゃない水母棲姫をボコボコしてます。地味に駆逐水鬼がウザい。
では、また来週です。