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あの後司令官と榛名さんが話し合い、ケッコンカッコカリに向けて行動することが決まりました。
まず始めに大本営に練度が99に達成した艦娘がいることを通達するとケッコンカッコカリ専用の任務が伝わってきました。しばらくはそれに従い、任務を進めていくことになりそうです。
最初の任務は『装備を2個廃棄せよ』という内容です。装備を廃棄することでケッコン式用の設備に必要な資材を用意するらしいです。絶対的に足りないはずなのですが、本当に2個だけでいいのでしょうか?
なお、任務なので当然報酬が大本営から送られてきたのですが、燃料と弾薬それぞれ88なのも意図的なのでしょうか?
次の任務は『演習で2回勝利せよ』です。
残念ながら今日はすでに10回演習を終わらせているのでこれは明日になりました。それを知った榛名さんが泣いてしまったのですが金剛さんがなんとかあやしてくれたみたいです。
……「これで私のカブも上がりマース」とおっしゃっていたのは聞こえなかったフリをしておきましょう。
そして翌日、いつものようにデイリーの演習クエストと一緒に例のクエストを遂行中にしてから演習に向かう艦隊を見送ります。
「みなさーん! 絶対に勝ってきてくださいねー!」
「榛名さん、なんか金剛さんみたい、ぽい」
「はう!?」
その際夕立さんにこんなことを言われるくらい必死な榛名さんを見てみんな笑ってました。
……一部そんな榛名さんを羨ましそうに見つめていましたが。一応【内紛?注意リスト】を脳内で作っておきます。当然トップは金剛さんです。
無事に2回勝利を飾った艦隊が次の演習を行っている頃、司令官と榛名さん、本日の秘書艦である由良さん、そして私が次のケッコンカッコカリ専用任務を確認します。そこには『練度90以上の艦娘を旗艦とし、オリョール海で勝利Sを達成せよ』と書かれていました。
「普段なら、潜水艦の皆さんにお願いしている海域ですね」
「さっき出撃したばかりだから今は休憩中ですね」
オリョール海は資源が豊富なので潜水艦の皆さんにお願いして何度も出撃してもらっています。ついでにクエストも達成できるので、達成したらご褒美として間宮さんのお菓子を振舞っています。
しかしその場で食べず、いつも司令室、もしくは私の部屋に来てお茶をお願いされます。
みなさん曰く「これこそ至福の時です(なの)(でち)」とのことです。
「そもそも、潜水艦娘のみなさんで練度90の方はいませんからどのみち無理ですよ」
私の指摘に「わかってるよ」と司令官が応え、戦艦である榛名さんでもボスに到達するための編成を探すために戸棚に向かいます。司令官はこれまでの出撃記録を全て保管しており、そのファイルの中から『東部オリョール海』と書かれたものを取り出します。
「どうやら水上機母艦がいるとボスへたどり着く可能性が一番高いみたいだな」
「今遠征に出ていないのは……千歳さんですね」
司令官の言葉に由良さんが本日の編成表を見ながら答えます。
「よし、大淀。すまないが千歳を司令室に呼んでもらえるか?」
「かしこまりました」
通信機の前で作業をしていた大淀さんが一旦手を止め館内放送を使います。その間は私が作業を手伝っています。もしかしたらこういうことをしているから私も秘書艦娘として数えられているのかもしれませんね。だって駆逐艦の秘書艦娘は……
「失礼? 入ってもいいかしら?」
「は~い。どうぞ」
ちょうど入ってきたのは駆逐艦の秘書艦娘である叢雲さん。最初から司令官を支え続けている艦娘でもあり、司令官を除けばこの鎮守府所属の艦娘の総司令艦でもあります。
最も、支える側に回ったせいで練度は71です。
「先週から配属された秋月の本日の訓練結果よ」
「いつもすまないね」
「後輩駆逐艦の育成は私の仕事よ? 謝られる理由がないわ」
そう言うと書類を由良さんに渡し、扉へと向かいます。
「お茶はいいですか?」
「秋月以外はまだ終わってないのよ」
「そうですか」
「悪いわね」
「いえいえ」
普通の会話に聞こえますが目線で「疲れてませんか?」「平気よ」と別の会話をしています。これができるのは付き合いの長い叢雲さんぐらいですけどね。
叢雲さんが去ってしばらくして千歳さんが司令室にいらっしゃいました。
「すまないね、休日なのに」
「いえ。どのようなご用件でしょうか?」
千歳さんは司令官から作戦概要を聞き、了承してくれました。
「さて、そうなると榛名が旗艦で随伴に千歳は確定。他はどうするか」
「その海域はそこまで強い深海棲艦はいませんでしたよね」
「由良、すまないがそこのファイルを取ってくれ」
由良さんは秘書艦娘専用の机から立ち上がり、戸棚からファイルを探してくれています。
「こちらの【南西諸島海域情報】でよろしいですか?」
「ああ。それでいいよ」
由良さんが持ってきてくれたファイルを開き、東部オリョール海の敵情報を確認します。その間、私は給湯室に行きお茶の準備をします。そろそろみなさんのどが渇くころですしね。
「……という感じでどうだろうか」
私がお茶を持ってくるとどうやら編成が決まったようで司令官が榛名さんと由良さんに問いかけています。由良さんにも話しているということは由良さん、もしくは長良型のだれかが参加するようですね。
「失礼します。お茶をお持ちしました」
「いつもありがとう」
「さすが綾波さんです」
「いただきますね」
私が机に置く前にお盆から湯呑が三つ消えます。そして机に置かれたそれぞれにお茶を注いでいきます。
「それで、どういう編成になったのですか?」
いつからか置かれるようになった私専用の机にお茶を置き、振り向くと司令官がそばに置いたボードを指します。そこには『榛名・古鷹・綾波・千歳・赤城・加賀』と書かれて……
「へ? 私もですか?」
「ああ。できるなら一度の出撃で成功させたい。だからこそ、君の力を借りたい」
一度の出撃で成功させたいのはわかりますが、それなら私より強い夕立さんのほうが適任のはずです。そんな私の疑問を解決してくれたのは由良さんでした。
「綾波さんには夜戦に突入した時用に照明弾を装備してほしいのです」
そういえば夕立さんは照明弾苦手でしたね。夜戦となればかつての戦いを思い出すのかいつも以上に戦闘狂、失礼活発になりますから昼以上に主砲を撃っています。
そのせいでいつも12.7cmB型二つと33号電探装備です。でもそれに慣れたのかこの間「砲撃戦で中破した戦艦タ級沈めたわ~」って言っていました。正直味方ながら「駆逐艦ってなんだっけ?」と思いました。
「わかりました。では工廠で装備の点検をしてきますね」
「よろしく頼む。大淀、他の艦娘を呼んでくれるか?」
「すでに呼んでおきましたよ」
大淀さんも叢雲さん同様、司令官とともに鎮守府に着任されただけあって二人の阿吽の呼吸は見事としか言いようがありません。
「それでは、お先に失礼します」
私は空になった皆さんの湯呑を回収し、洗ってから工廠へ向かいました。
久しぶりの出撃です。司令官と榛名さんのためにも、がんばりましょう!
さすがに次回は来週になります。いざ、抜錨!