浮遊城でも俺の青春ラブコメはまちがっている。   作:空奏葉
<< 前の話 次の話 >>

42 / 43
久しぶり過ぎて自らの作品を忘れていた空奏葉です。

今回はあのアカリ溺愛で定評のあるケイト視点のお話です。

これはケイトがまだ、あのギルドを作る前の話、ケイトがゲームクリアに向けて切磋琢磨していた時の話です。

というわけで過去編です。


番外編 〜ケイトとアカリの物語〜

42層 〜紅輝の洞窟〜

 

side ケイト

 

攻略組が45層の攻略に勤しんでる頃、俺とアカリを含むギルド6人で42層の最深部に向かっていた。

メンバーは俺、アカリ、メイト、カナ、ナイク、ドン

 

「もうそろそろ、最深部に着くよな?」

 

不安そうに尋ねてくる大剣担いだ男ドンに対して、そうだな と返す。

 

何故最深部に向かっているのかといえば、レベリングとか色々あるが大きな理由としては宝箱を探していた。

 

メイトが高値で買ってきた宝の地図に書いてあったのだが、どうやらこの洞窟の最深部には、ハイレベルのアイテムが詰まった宝箱が眠っているらしいのだ。

 

ちなみにメイトは好奇心旺盛な16才ぐらいの青年

 

「うーむ、広い、広いわ。見つけられる気がしない。」

 

「おいケイト、弱音吐くなよ、お前が宝の地図見たときに、おぉそれ最高だな行こうか、って言ったんだろ?」

 

メイトはそう俺に言うが勿論反論させて貰う。

 

「あの時はな、夢があって良さそうって思ったんですよ。....まあ、今はもう帰りたいが。」

 

俺の態度にカナはつっかかってくるが疲れている俺を気遣ってかアカリがまあまあとなだめる。

 

「最深部に来てるだろうし、もう着くさ。カナもあんまりかっかするなって。な?」

 

ナイクもアカリに続いてなだめてくれているようだ。

 

「はいはい分かりました。はぁぁなんでケイトがリーダーなんですかね。」

 

「いやいや、俺がリーダーになったのお前らが押し付けてきたからだから、なに俺が自分からなったみたいな感じにしてるの!」

 

俺はカナを睨みつけるがプイっと躱される、、、

 

「おいカナ、こっち向いてなんか言えよカナ、カナ、カナ、おいカナこっち向けよカナ。」

 

「カナカナうるさい!もう分かったからはいはい私たちがケイトをリーダーにしましたね。」

 

「分かればいいんだよ。」

 

「うぜぇ.....」

 

そうこう話ながら進んでる内に小さな抜け穴のような道があるのを確認した。先は真っ暗で見えず行き止まりか先が続いているのかも分からない。

 

「ふむ、俺とナイクで先あるか見てくるからお前らは待ってて。先があったら大声で呼ぶからそっから来て。」

 

「うい。」「りょうかいー。」

 

代表してアカリたメイトが返事する。

 

俺の言葉への反応が薄すぎるこのギルドおかしくない?

 

「ケイト行くぞ。」

 

ナイクに襟を捕まえ連れて行かれる。

俺はナイクに

「皆んなさ、俺についてどう思ってんのかな。やっぱリーダーに相応しくないような奴に指揮されるのはムカつくって思ってんのかな?」

 

そう尋ねた、ナイクは俺とアカリが3層で出会った最初の仲間で付き合いもアカリの次に長い。クールな感じの態度をとるが俺やアカリ、ギルドの皆を大切にしてくれているのがよく分かる。

 

「ケイトとさ、俺は長い付き合いだし親友って思ってるから他のやつとは考えが違うかもしれないけどさ、少なくとも俺はお前がリーダーで良かったって思ってるよ。」

 

「お、おう、さんきゅー」

 

狭い抜け穴に体を斜めにしながら歩き続け、ついに出口に到達する。

 

「んじゃ、他の連中呼ぶか。」

 

俺はさっきの抜け穴に向かっておーいと叫んだ。あっちからアカリの了解という返事が聞こえる。

 

「あ、ナイクさっきの話はアカリにも内緒だぞ。」

 

「はいはい。」

 

しばらく待っていると他のメンバーが抜け穴からそろそろとこっちにやって来る。ドンは体が高いせいで少し困っていたようだ。

 

ちなみにこのギルドを作ったのは30層でだった。俺とアカリとナイクのパーティーに色々な事があってカナ、メイト、ドンの順番にパーティに加入していって30層でギルドを作るという話になったのだ。

 

 

「んで、ケイトなんかあったのか?」

 

「いや、まだ、大広間みたいなだが、特にまだなにも見つけていない。」

 

「んー、しかし特になにもない大広間という訳でななさそうな雰囲気だな。」

 

確かにメイトの言う通りだ、現実世界の洞窟じゃないんだ、何か意図があってこのスペースが作られたに違いない。

 

俺らが大広間の中心まで着いたところでグラッと大きな地震が起きる。

 

アカリとカナとメイトは体勢を崩して倒れてしまった。

俺は剣を地面に刺したなんとか立っていたが、突如、索敵スキルのセンサーに反応を見せる。

ガラガラと地面にヒビが入ったと思ったら大きなサソリが姿を現した。色は黒と赤で大きな尻尾とハサミを持ってこちらを威嚇している

 

「エリアボスだ!!皆んな構えろ!」

 

俺の合図で全員が武器を各自構える。

 

大きなハサミで殴りかかってくる、俺は盾で弾き続けるが長くは持たないだろう。

 

敵が俺に注意を向けているうちにサイドからナイクとドンで斬りかかる。

 

メイトは罠スキルを得意としており罠の設置をしている。カナはアカリをかばう感じの立ち回りしながらたまに敵に斬りかかる。

 

この戦法はいつもの俺たちのギルドの攻め方だ、少し戦闘向きではないアカリは基本怪我したプレイヤーをすぐに回復できるようにポーションを準備させている。

 

「スイッチ!!」

 

俺は片手剣スキルで2つのハサミを斬り上げ敵の隙を作る。すかさずナイクとドンは敵の顔面に上位スキルをぶつけ最大リターンを与える。

 

 

敵のHPが半分に差し掛かったところで敵の姿は大きく変わる。

 

脱皮をしたかのようなエフェクトをしたら全体的にサイズが大きくなった。ハサミはより大きくなっている。

 

「気をつけろ皆んな、特にハサミはやばいぞ。」

 

しかし、強くなったのハサミだけではなかった。太くなった足の影響で素早さは格段に上昇し間合いをすぐに詰めてくる。

 

そして。

 

「ぐぅあ!!」

 

俺はハサミによる横殴りを直に食らってしまい大きく飛ばされ岩に激突する。HPは一気に半分削られたのをみて怖気がする。

 

 

エリアボスってこんなに強いのかよ。

 

 

俺が離れたことによりターゲットがドンに代わる、ドンは両手剣で防ぎきることができずにアッパーをくらい上に高くあがる。背後に回ったナイクはソードスキルをぶつけるが敵は怯むことなく尻尾でナイクを突き飛ばす。

 

 

グサッという音がする。

 

「こっち来いよ!!」

 

どうやら罠を仕掛け終わったメイトが投擲スキルで敵に注意を向けさせたのだ。

 

「グルルアァァ!!」

 

雄叫びを上げながらメイトの方に向かう。

 

 

敵のサソリは罠の上にきたところで異変を感じる。

 

メイトが仕掛けた罠は粘着性抜群の足止めトラップ。

 

複数の脚を持つサソリにはその糸が複雑に絡まりしばらく身動きが取れそうにない。

 

「全員で斬りかかれ!!敵のハサミと尻尾には気をつけろよ!!」

 

 

各々が敵の攻撃が当たりにくいところからスキルを連発する。俺はかなりのリスクながら敵のハサミをかわしながら顔面に狙い続ける。

 

 

敵のHPは赤ゾーンに入る。

よしもう少しだ。

 

しかしあと少しのところで糸がちぎれてしまいサソリは俺たちから離れる。

 

「くそ!逃がすかよ!!」

 

ドンは諦めずに敵に向かって走る。

 

「おい、深く追うな!」

 

俺の注意を無視し両手剣を振り回しながら近づいていくが....

 

サソリは待っていたぞと言わんばかりに逆に近づきそのまま轢いていく。

 

突然の反撃に怯んだドンはそのまま踏まれさらには尻尾で体を締め付けられる。

 

「んんん!!HPがやばい、助けてくれ!」

 

このままでは死んでしまう。俺はさっきドンに注意したばかりだが、気にするかと敵に急接近する。

 

サソリはハサミを上げグルアァ!!と威嚇するが俺は怯まない。

 

体術スキル 飛脚で一気に間合いを詰め....

 

 

ヴォーパルストライク!!

 

 

渾身の突き技はサソリの目を捉える。

 

サソリは青白く輝きそのまま光の粒子となり拡散する。捕まっていたドンをそのまま地面に落下する。

 

「た、助かった。」

 

20歳を超えた大男は弱気になりながらありがとうと感謝の言葉を述べていた。

 

「よしゃ!!アカリやったぞ、どうだ俺!」

 

さりげなくアカリにアピールをした

 

「凄いよケイト、本当にカッコよかったよ!」

 

「そうか!かっこよかったか、ふふふ、ふはは」

 

「ケイト、確かに良かったが、その辺にしとけ。」

 

お、おう.....。

 

敵がいなくなり皆んなホッとしたのか笑顔が戻る。俺もアカリもナイクもカナもメイトもドンも自然と近づきあって笑みを浮かべていた。

 

 

あぁ、これが、ギルド。これが、仲間という奴か。

 

俺は今までで1番こいつらと絆を深めたと感じた。

 

 

「あれ!!」

 

エリアボスが死んだことで今までなかった大きな宝箱が出現する。

箱の色は黒だった、正直驚いた。黒色の宝箱なんて60層を超えないと出ないと思っていたほどにレアだからだ。

 

 

「なあなあ、早く開けようぜ。」

 

メイトが急かすように促す。

 

「おう、なんか緊張するなぁ、よし、開けるぞ!」

 

 

箱の中身は・・・・

 

 

 

そこには、防具や武器、装飾品などのアイテムが詰まっていた、どれもレア度が高そうな逸品だ。

 

 

「おおぉぉぉ!いいね、俺はこの盾貰うわ。」

 

「俺はこの短剣。」

 

「私はこのブレスレットがいい!」

 

各々が欲しいものを取っていく。1人一個取ったところで1つだけアイテムが余る。

 

「おぉ、これもすげーな付けると攻撃と防御、素早さと最大HPが8%上がるぞ!!」

 

「はぁ!?それほんとうに?それは凄すぎるよ。」

 

問題はこれを誰のにするかだ。

 

「今回のメインアタッカーだった俺こそがそれに相応しいだろうが!」

 

「いや、今回は確実にケイトがMVPだ。皆んなもそう思うだろ?ドンだってケイトが助けなかったら死んでいたかもしれないんだぞ?」

 

「そうだよね!これはケイトのだね。」

 

「あー分かったよ。ケイトには今回助けて貰ったしな。」

 

「まじで!よっしゃ!」

 

すげー嬉しい、これで俺はまた強くなれる。

 

「これで俺たち攻略組に近づいたんじゃないか?特にケイトなんかレベル的にも絶対攻略組に行けるよ!」

 

 

メイトに褒められ俺は少々照れ臭くなる。俺はあまり浮かれてないと言うためにこう告げる。

 

「俺たち全員ギルドで攻略組に参戦するんだ、俺だけじゃない。皆んなでだ。」

 

ナイクは笑いながらカッコイイねぇと茶化す。

 

「じゃあ、そろそろこんな薄暗いとこから出ますか。」

 

おう、と皆んなの返事を聞き俺は自惚れながらしっかりとリーダーしているんだなと自覚した。

 

 

 

今日のことはきっと皆んな忘れない。ギルドがいつもよりもギルドしているって何か変な言い方だがそう感じた。

 

 

 

 

俺なら皆んなを守れる。

 

そしてこのゲームを終わらせるだ!

 

アカリをあの家には戻したくない、でもクリアしなくてはいけない。

 

現実に帰ったら俺がアカリを守るんだ。

 

そう誓い俺は洞窟を後にした。

 

 




どうでしたでしょうか?
ケイト視点という新しい感じ?はここからあのケイトになったにはもちろんとある出来事があったわけで、そこらへんをこれから3〜4話ぐらいでしていこうかなと思います。

まあゆっくり亀投稿ですがよろしくお願いします。

感想待ってます。







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。