文才は無いので、読みづらいかもしれませんが、ごゆっくり。短いですけど。
第01話
まだ雪もちらつく寒い夜。夜空に闇が生まれる。
闇から降りてきた少年は黒い短髪を右手で掻き、ややつりあがった黒目で周りを見渡す。
―さて、ここはどこだろう―
誰かいれば、聞けるだろう。山に囲まれているようだから、人を探すのは大変そうだと他人事のように考えていた少年だったが、その考えは杞憂だった。少年にまとわり付く、ピリピリとした殺気がそれを証明する。
だが、少年はうれしそうに笑みを浮かべていた。
「ここがどこか分かっているのか?少年」
声をかけてきた男に、友好の意思は見られない。
「…少年って、確かにあなたから見ればガキかもしれないけど…って、あれ?」
少年は話し始めてから愕然としていた。自らの手足を見て、手で顔を撫で回す。
「ねねっ!誰か鏡持っていない?」
少年が見渡すと、肩を一回すくめたダークスーツの女性がコンパクトを少年に手渡す。
少年は奪うように受け取り、自分を鏡に映し出した。ワナワナと震えだし、天を仰ぐ。
「なんじゃ、こりゃー!!」
-○●○-
「そう。あなたは別の世界の人間で、次元の狭間を通り抜けた影響で身体が縮んでしまったのね」
「そうなんだよ。分かってくれた?」
女性はジト目で少年を見つめる。
「そう思う?」
「ですよねー」
がっくり肩を落とした少年。近くの家に案内され、当主といわれている女性の前で尋問を受けていた。少年は正直に経緯を話していたが、とても信じられる内容ではなかった。
「まったく。我が家の結界をすり抜けて進入したのが、どこの手の者か期待したのに。まさか妄想癖のイタイ少年一人って」
「だーかーらー、妄想じゃないって言っているだろ、お姉さん。いきなりは難しいかも知れないけど、信じてくれよ」
少年は両の掌を合わせて拝む格好となるが、返事が返ってこない。そっと女性を見ると、女性はうれしそうに悶えていた。
「…あ、あのう、もしもし?」
「…はっ!?かわいい顔をして、天然のジゴロねあなた。恐ろしい子!」
「勘弁してくれ~…」
話がまったく進まない。ここはドデカイ家ってことまでは少年は理解しているが、それにしても警備が尋常じゃなかった。女性の傍らに立つ初老の紳士は、にこやかな笑みを浮かべたまま何も語らない。
「そういえば、まだ名前を聞いていなかったわね。ボウヤお名前は?」
もう子供扱いはなれた少年は、あきらめた口調で言った。
「俺は
「そう。私は
ザンは、女性の名前を、そして四葉の意味をまだ知らなかった。
指摘点(句点)修正