The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】   作:M崎

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 今回、文字稼ぎではありませんが完全にリストアップしました。

 すいません…。読み飛ばしていただいてもどうぞ構いませんので。

 それでは、読んでみたいという読者の皆様だけ、どうぞ。



第13話 8月3日の長ーいリストアップ

 

 

 8月3日。…時間は言いたくない…。

 

 

 「つ、疲れた…」

 

 俺はいま、216号室の前に立っている。

 ただそれだけなのに、俺の今の顔は、到達者のような精悍な顔立ちをしているであろう。

 

 何故か。ここに来るまでが異様に辛かったからである。

 

 青葉が出してきた1278個の質問にもビビッたけどなぁ。

 その後も、自分の部屋(216号室)にたどり着くまでに、いろいろと障害があり、俺は完璧に参っていた。

 

 ええと、またも4話と同じように今までの行動を振り返ってみようか。

 リストアップは超大事だぜ。青葉ほどじゃないけどな。

 そんじゃ行ってみますか、と。

 

 今度は16からか。

 

 

 16.10時34分、鎮守府前に到着。過去を懐古し、いざ1歩踏み出し―――たところでまさかの捕縛。倉庫に放り込まれる。

                    ↓

 17.10時37分、水流の礫(レイン・ランス)を使って破壊者に成り上がる。そしたら会合の真っ最中。キョドるしかない。

                    ↓

 18.10時38分、大スピーチ大会。親友に騙されてインパクト重視の大爆弾を投下。ハウリング超ウゼェ。

                    ↓

 19.10時40分、スピーチが終わって颯爽と降りているところに、『逮捕』の一言かかって再び捕縛。レッツゴートゥー説教ー!

                    ↓

 20.10時43分、説教食らわずにおじさんと2人、和気藹々と談笑。思えば一番平和な時間だった…。

                    ↓

 21.10時46分、敵が挟み撃ちというシンプル戦法を敢行。俺は天使の靴(エアリエル)21.3倍でDASH。

                    ↓

 22.10時48分、まさかの兄貴との邂逅。「あっち行けしっしっ」と意味深に用無し宣言。覚えておけ兄貴よ。

                    ↓

                 23以下省略

                    ↓

 32.11時13分、鎮守府第3棟にようやく潜入。ただし、この上ない殺気のサービス付。

                    ↓

 33.11時16分、107号室の艦娘たちに突如部屋に引きずり込まれる。そこでも何故か顔が真っ赤の艦娘が4人。もち第7戦隊(最上型重巡洋艦4姉妹)

                    ↓

 34.11時27分、ようやく開放された。どんよりしながら歩いてたら、間宮さんという美女と出会う。俺には救いの女神が!俺は帰ったら教会行きだぜ!

                    ↓

 35.11時29分、さりげなくお約束。(ここでもジゴロっぷりを遺憾なく発揮する神城渓吾もうすぐ17歳。)そして別れる。予想外にあっけない結末、でも俺は満足。

                    ↓

 36.11時33分、殺気が膨れ上がり、襲撃。正体はとある正規空母。名前覚えたはずなのに…。「私の艦載機で倒れてなさい」

                    ↓

 37.11時39分、ヒイヒイ、モウ無理ダヨ。ナントカ2階ニ到着。階段上ルノニカカッタ時間、実ニ26分。歩イタラ5分モカカラナイノニ…。

                    ↓

 38.11時42分、216号室手前の218号室に突入。これはただの間違い、気にしないで欲しかった。

 

 

 …ここまでで随分悲惨な結末なのに、まだ続きがあるんだぜ…。

 だって今の時間、13時30分を回ろうとしているもん…。

 あはは…。

 

 ―――そんじゃ続きを。

 

 

                    ↓

 39.【警告】本日11時47分ごろ、神城渓吾に着替えを見られた第5戦隊(妙高型重巡洋艦)の方々が、説教を執り行うとの情報が入ってきた。場所は鎮守府第3棟、218号室。繰り返す、本日11時47―――プツッ。

                    ↓

 40.

   ・8月3日、午前11時52分。

・ 俺氏、2階216号室にいるはずなのに、何故か今いるのは3階319号室。

・ お出迎えは第4戦隊(=高雄型重巡洋艦)。重巡率高い。重巡のパイプ強い。

                    ↓

 41.正午も回った12時10分、瀕死の体たらくで自分の部屋をノック。しかし俺よ。ここは2階ではなく、3階だ。ノックしたのは316号室。駆逐艦の雪崩に遭遇。

                    ↓

 42.12時18分、俺は第16駆逐艦隊の4人とおままごとで遊んでいる。名は初風、雪風、天津風、時津風とな。…こうなった経緯はただ1つ、俺のミス。

                    ↓

 43.8月3日、1251、俺氏、死せり。会話についていけず。なんか言ってたら天津風に放り出される。俺氏、瀕死なり。されど、誰も助けず。

                    ↓

 44.12時59分、何とか216号室の前に到着。ここでまたも殺気による襲撃が。瀕死の俺は抵抗も出来ずに305号室に誘拐される…。

                    ↓

 45.13時06分、大魔神赤城様によるお説教が滾々と流れる。さながら俺の水流の礫(レイン・ランス)を造るときみたい。っていったら加賀さんに叩かれた。マジごめん。

                    ↓

 46.13時23分、赤城さんのお許しをもらい解放される。そして今、ようやく216号室へと…!

                   ↑今ここ

 

 

 …なぁ、運命の神様よ。

 同情が欲しいとは言わないけどさ。

 

 

 せめて、ほんの少しの慈悲をくれないかな。

 

 

 いくらなんでも、この仕打ちは酷いと思うんだ。

 ラッキースケベとか言う前に、俺は39あたりで死に掛けてるんだ。

 

 おかしいでしょうに。神様よ。

 

 幾多の困難を乗り越えねば、俺は安眠を取ることも出来ないのでしょうか。

 俺は一大事を終えた後でも、休息を行うことは許されないのでしょうか。

 

 いーやそんなことはないはずだ。人は誰もが平等、俺だけ軽薄な扱いということはない。

 ―――もしあったら、俺はこの雷の剣(ヴァナルガンド)神殺し(ゴッド・リーパー)を躊躇せずに行いますよ?…たとえ死んだとしても。

 

 休息はそれほどまでに大事。俺にとって欠かせないもの。

 それを取れる場所が、この216号室。なのに、神の悪戯が邪魔をする。

 超ピンポイントで。

 

 ―――あれ?俺の世界(エレメント)に、神の悪戯(ジャック・ボックス)ってのがあった気がすんだけど…もう、いいや。そんなことはどうでも。

 

 ようやく、俺の部屋に着いたぜ。

 長かった…本当に、長かった。

 

 俺は今、幸福を噛み締めて。

 ここまで来れたことに感謝して。

 1歩を踏み出そうとしていた。アームストロング船長のつもりで!

 

 さぁ、いざ往かん、頂上(216号室)へ!

 

 今度は部屋を間違えることも、殺意の塊に襲われることもなく、すんなりと中に入れた。

 その中はというと。

 

 

 

 「ほー…―――案外、いいもんだね」

 

 

 

 美しい大海原が展望できる、光を取り入れてやまない窓に。

 視界の左側にでんと(そび)える2段ベッドに。

 並みのホテルが見たら裸足で逃げ出すような水周り設備に。

 落ち着いた茶や黒の調度品と、それと対比するように主張する絨毯の燃える様な(あか)と。

 

 俺にとって、全く申し分ないものが揃っていた。

 

 

 「ここで14日間か~…悪くない」

 

 

 俺は新しいおもちゃを見つけた子供のように笑う。

 

 だって、ホテルの部屋って、初めて入ったときって、テンションあがらん?

 豪華な部屋や、景色の最高な部屋ならなおのこと。

 分かるよなぁ?この、わくわくする気持ち!

 

 俺は部屋の予想外の豪華さにうずうずしながら、予め搬入されていた荷物からタオルを抜き取り、

 

 「―――そうと決まればベッドにダイブだぜ!!」

 

 元気な人そのもので、ぴょーんと飛び込んだ。

 

 これが(テュルフィング)を泰然と構え、雷の(はや)さで敵の砲弾を切り刻んでいた男で、

 さっきまで2時間、散々神の悪戯(ジャック・ボックス)に振り回されていた(精神的に(メンタル的に))瀕死の男と同一人物とは到底思えないだろう。

 

 ただし、事実である。

 どれも俺、神城渓吾だ。

 俺は俺だ。たとえどれだけ印象が違おうが、キャラが大きくブレようが、俺は俺。

 

 神城渓吾、1997年8月11日生まれのしし座A型性別男。

 …なんで俺は、自己証明してるんだ…?

 

 

 でもそんなこと、今は心底どうでもいい。

 まずはベッドで、心置きなく惰眠を(むさぼ)るんじゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁ!!!

 

 ぴょーんがばびゅーんとなって飛び出した俺は、ふかふかの布団と枕に勢いを()がれる。

 

 その布団と枕が、至高の一言に尽きた。一瞬でも艦娘がうらやましいと思った。

 

 包み込むような幸福が体を駆け抜けるも完全に体が沈む訳ではなく、むしろ弱くではあるが少し自己主張をとばかりに押し返してくる。

 その弾力が、なんともたまらない。

 

 き、気持ちいいっ!!

 これは最高だ!

 

 ここで寝れるなら…俺、は…、きっ………と…。

 

 あー…だめ、だ…。眠くて、何も、……考え…られ………ん………。

 

 俺は心地のよい重みにすべてを預けながら、眠りの渦の中に落ちていった。

 

 あ、カギ…閉めて、な……。

 

 ………………。

 

 

 沈黙。

 

 

 

                   ★

 

 

 

 同時刻、鎮守府から4km離れた某所にて。

 

 

 「ありがとう神城渓吾…。我々に準備期間を与えてくれた忌々しき異常(イレギュラー)…」

 

 (親玉)は、部下にいくつか指示をだして、ソファーで寛いでいた。

 

 ところどころに、己の敵(神城渓吾)への屈折した感謝と隠し切れない憎悪が見え隠れしている。

 

 「我々はお前に感謝はするが、許しはしない」

 「貴様を殺すことは、依頼主(クライアント)の意向でもあるし、私の意向でもある」

 

 そして見えない敵へ言い放つ。

 

 「―――覚悟しておけ、神城渓吾。貴様の命日が、今日の午後10時だ」

 

 ―――神城渓吾(イレギュラー)は、油断ならない休息を、天より賜る―――。

 

 

 

 

 

 





 渓吾「読者にケンカを売ることだけはやめろって言っただろ!?
 作者「ギャアァァァゴメンナサイィィィィィィ………―――(ドゴ、ズバシュ、メキ!!)」
 渓吾「コイツでラストだ、鋭利な滝(スコール・ワルツ)!!(ドガァァァァァン!!!)…ふう、悪は滅びた」

 渓吾「それでは次回予告です。…ようやく、俺は次も休めるそうです。やったね!」
 渓吾「それでは、また14話で!!」

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