The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】   作:M崎

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 …更新遅れてすみません。リアルが普通に忙しかったもので…。

 今回、安直なフラグとよく分からない方向に話が進みました。

 戦闘2話目だけど、終わらなかったし…。

 それでは、どうぞ。


第17話 8月3日の果敢なビット

 

 西暦2014年8月3日(日)。

 

 ディジタル時計が指し示す時刻は22時39分。

 

 

 さて、普段どおりに文言を書いたところで、ひとつ質問。

 

 普通の高校2年生なら、今日この時間、何をしているだろうか?

 

 L●NEやSk●peで友達と楽しくトーキングタイム?

 

 外で不良のように遊び呆けている?

 

 宿題と大格闘(プロレス)を繰り広げる?

 

 夏の季節だから、打ち上げ花火を楽しむ?

 

 恋人とかけがえのない時間を過ごす?

 

 ネット小説を読み漁って廃人状態に陥る?

 

 エアコンの前に陣取って動かなくなる?

 

 親と大喧嘩中?

 

 はたまた、さっさと寝てしまう?

 

 きっと、たくさんの選択肢があるだろう。

 

 俺も、思えば昨日までは普通の高校2年生だった。

 

 友達やクラスメイトとバカ騒ぎをしていた。

 

 夜まで長電話をしてギャーギャー笑っていた。

 

 テレビを見て大笑いしていた。

 

 学校の宿題のあまりの量の多さに、思わす笑いが出た。―――笑ってばっかしだな俺の夏休み。

 

 それでも、俺は楽しかった。

 

 今日も、最高の夏休み、8月3日の夜を、普通に満喫できると思っていた。

 

 

 さて、ここまで書いたところで一旦現実に戻ってこよう。

 

 普通の高校生なら、この日に、自分にとって大きなトラブルはあるにしろ、そこまで大きな問題は起こらないはずだ。

 

 今日も、多少差はあれど、平穏な日常の、青春のほろ苦いひとコマとして記録されたであろう。

 

 そんな夏休み中盤、華の高校2年生である俺、神城渓吾(かみしろけいご)はというと、

 

 

 

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

 

 「―――1回の銃弾の量が多すぎんだろあの野郎!!!」

 

 

 

 ――――――命がけで船の銃弾の間をかいくぐっていた。

 

 ―――冗談抜きで。

 

 …えーとですね、今の状況はといいますと、

 

 重機関銃(M2)から繰り出される12.7ミリ弾が、俺に容赦なく降り注がれ。

 

 それらすべてを(あか)(あお)の剣で弾き飛ばしながら、少しずつ前進する。

 

 ―――これが普通の高校2年生にあり得る話だと思いますか?

 

 親の小言じゃなくて、12.7ミリ弾(当たったら死んじゃう弾)に追われるんだぜ?

 

 俺が普遍的なわけあるか。

 

 …ああ、俺も普通の高校2年生でいたかったなチクショウッ!

 

 軽く涙目になりながらも、きっちり仕事をこなすあたり、俺は真面目な人間なのかもしれない。

 

 俺は半ばやけくそになりながら、2本の剣を振るい、こちらにものすごい量で飛来してくる12.7ミリ弾を叩き落していた。

 

 「―――多いっつってんだろアホンダラ(祗園白幽)!」

 

 口では罵詈雑言(シュプレヒコール)を奏でながらも、銃弾を斬ることで(ワルツ)を奏でるのも忘れない。

 

 そういうことが出来る俺は、案外器用なヤツなんじゃないかと最近思うようになってきた。

 

 俺氏よくわからないし。

 

 まぁいいや、とりあえず今の状況を打開することが先だ。

 

 銃弾をぶっ放してくる船は、ここから目視4メートル弱の位置からゆっくりと近づいてきている。

 

 祗園が言うことが本当なら、タイムリミットはあと5分もない。

 

 それまでにすべての銃器を壊さなければ、船は止まらず、大爆発が起こってしまうのだが…。

 

 

 「―――1個も壊せるわけがないだろこんなの!!」

 

 

 そう、全く、1つたりとて、壊せていないのである。

 

 考えても見て欲しい。

 

 祗園白幽(ぎおんはくゆう)というバカ野郎に、「お前なら何でも守って見せるよな?」とポリシーを悪い意味で触発された俺。

 

 当然、祗園の目論見をひっくり返そうと、言葉を遵守しようとする。

 

 だが、9ヤード(8メートル)も先から、絶え間なく銃弾が降り注ぐのだ。

 

 当然、1発でももらせば後ろで固まっている深海棲艦に直撃してしまう。

 

 だが、そうなると近づけない。

 

 

 結果、俺は動けなくなっている深海棲艦(かわいそうな人たち)を守るだけで精一杯になると思わん?

 

 守れている時点でまずすげぇんだけど。

 

 理不尽で不条理にまみれてるよねぇ、この世界。

 

 怖い怖い…。

 

 とにかく、なんとかしなきゃならんのよ俺としては。

 

 

 「―――くっそ、弾の量が多すぎて近寄れない…!」

 

 俺は今、『不殺(ころさず)』と『雷刃(らいじん)』を使って銃弾を叩いている。

 だが、それもそろそろ限界に近づいてきた。両腕がすごく痛いのである。この調子だったら俺は剣を持てなくなってしまう。

 

 そうなると最悪だ。

 

 では、後5分以内にカタをつけるにはどうしたらいいのか。

 

 今の時点で、『雷刃(らいじん)』を使ってでも無理があるのだ。

 …どうしよう。

 

 最近悩む量が多すぎる…。

 

 だって非日常の成分が過多なんだよ!特に今日!

 

 ああもうイライラするなぁ…!

 

 「―――カミシロケイゴ、イマ、ナニガオコッテイルノダ…?」

 

 およ、港湾棲姫さんが話しかけてきた。

 

 俺はイライラを消して返答する。

 

 「お前を操ってたヤツに騙されたんだ。―――俺だけじゃちょっと無理かなぁ…」

 

 カツカツの俺のストレスが伝わってしまったのか、港湾棲姫さんもあたふたしてきた。

 

 「…ソ、ソウナノカ…?ワ、ワタシニナニカデキルコトハナイノカ…?」

 

 すごく困ったような声で俺に尋ねてくる。

 

 美女を困らせる趣味は俺にはないんだが…。

 ま、困ってるやつをほっとけない性格なんで、真面目に答えようか。

 

 ―――深海棲艦に出来ること、ね…。

 アレが出来ると早いんだが………やってみてもらうか。

 

 「―――狙撃って出来るか?」

 

 「…ソゲキ?」

 

 「そう、あの銃器、狙い撃ちしてもらえる?」

 

 ―――これが出来ると本当に早い。何せ銃器を遠くから壊せるんだから。

 …というか、最初からやっときゃ良かった。俺はなんてバカなんだろうか。

 

 「…デキル、カモ。タダ、ヤッテミナイトワカラナイ」

 

 得られたのは言葉を濁したような返答。

 

 「ま、そりゃそうだろうな」

 

 それをしかたがないと割り切り、目の前の爆発4分前の船に目を向ける。

 

 もう双方の距離は4メートルをきっている。このまま行けば、4分後の22時45分に大爆発を起こすだろう。

 

 そうなれば、俺もろとも120艦前後の深海棲艦が犠牲になってしまう。

 

 打開策は、もうほとんどない。

 

 ―――どうする?一か八かの賭けだが、やってみるか?

 

 俺は自分自身に問い、そして答える。

 

 

 ―――あぁ、やってやろうじゃねぇか。失敗したら、そのときはそのときだ。

 

 

 俺の中で肯定の意見が大部分を、というかほぼすべてを占めたらしい。

 

 俺は自分の歴史の中で2番目に、危ない賭けに乗り出すことにした。

 

 

 ―――まず俺がすべきは、深海棲艦の安全確保。

 

 しかし俺は、()()()()()()

 

 …もちろん、深海棲艦に死ねといっているわけではない。

 

 単純な理由。

 

 

 ―――攻めるとき、道中ですべて叩き斬れば問題ないのだ。

 

 

 そうすればいいのだ。まぁ、俺の負担は倍増するんだけど、何とかなるだろ。

 

 こちらから攻めに行くしか、この状況を打開する方法がないんだから、この程度、まだ必要経費だ。

 

 そんで次に俺が優先しなければならないもの。

 

 

 …時間。

 

 

 現在、時刻は22時41分から22時42分にシフトしようとしている。

 

 あと3分弱だ。それまでに場を整える。

 

 そして3つ目に俺が気を配るべきもの。

 

 銃器の破壊だ。

 

 最悪、破壊さえ出来れば俺たちは助かるのだ。

 

 ならば、手段を厭う必要性はどこにある?

 

 そして最後に、

 

 

 ―――俺の、俺自身の安全。

 

 

 優先度は一応十分の中では一番下だが、俺がいなくなると家族が悲しむものでね。

 ちゃんと守っておかねば。俺だって神様じゃないんだから、わが身は可愛い。

 

 よし、それじゃぁ、かかるか。

 

 この、賭けに!

 

 時刻は22時42分、3分間のリミットを使って、駆け抜ける!

 

 

 

 

 





 作者「この話は元11話を2つに分割した話です」
 渓吾「だから、基本的な話は18話のほうがメインなので、そちらをよろしくお願いします」

 作者「それでは、また!!」
 渓吾「感想、アドバイスなど、よろしく頼むぞ?」
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