The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】 作:M崎
今回、大迷走してしまいました。
…最後のほう、多分意味不明だと思いますが、どうぞ。
22話もすぐに投稿します。
8月3日。今の時刻は22時57分。
俺は
…出来る限り急がなきゃならないと思ってる俺がいたのが理由かな…?
―――その中央、一瞬で戻った先にいたのは、港湾棲姫と、その従者たち。
「…カ、カミシロ、ケイゴ…?」
「―――ウ、ウソダ…」
「「―――ヒャアァァァァァァァッッ!!………コ、コッチヲミルナ……ッ!!」」
…何故か半分、衣装が脱げかかった状態で。
従者たちも同じように、衣装が破れて、あられもないことになっていた。
しかし、俺とて男だ。
視界にその姿が入ってしまったのは仕方ないだろう…うん。
深海棲艦はもちろん女性体なので、戦闘服の時には見せなかったえもいわれぬ
―――これは大変よろしくない。
よろしくない状況だ。
たわわなふくらみやくびれた腰などから目を全力で逸らしながら、俺は考える。
(…いったい何があったらこうなるんだ?)
思い当たるフシは、少なくとも俺の中にはまったくない。
しかし―――港湾棲姫さんたちが、自発的にこんなことをするとは思えない。
じゃぁ何なんだ…?
俺がもんもんと考えていると、その答えは被害者側から出てきた。
「ドコカラカ、オンソクヲコエルレベルノカゼガフイテキタンダ!!」
「あー…」
十中八九俺のせいやな。さっき、
おい俺。正義感丸出しでやってきたというのに、逆に救う側が救助者を攻撃してどうする。
―――しかも、ソニックブームって…。
とりあえず、俺が悪いので土下座しておく。
「すまん、それ多分俺のせいだわ」
誠心誠意、謝罪をする。
―――さっき散々美少女に生きる道を説いていた俺はドコヘヤラ。
多重人格ってこんな感じかな、はは。
あーあ、俺ここで死ぬかも。親父、ごめん。今まで本当にごめん。
最悪死をも覚悟していた俺(の土下座の前)に降りかかってきたのは、
「―――ナンダ…オマエノセイダッタノカ…」
「…え?許してくれはりますのや?」
予想以上に優しいお言葉だった。え…?
…というか俺、何処の言葉喋ってるんだろう…。関西と京都が混じったかな?
―――俺には土地勘がないらしい…。しくしく。
俺が何故か泣き出したので、港湾棲姫さんがおろおろし始める。
「ド、ドウシタンダ!?ワタシガ、マタ、ナニカシタノカ?」
「いいや、大丈夫だ。ちょっと俺が不甲斐無かっただけだから…ひぐっ」
美少女の前で泣いてしまう俺…情けないなぁ…。理由が理由だし…。
あ、いかん。もうちょい言葉を続けるとまた泣いてしまう。
それは駄目だろう。さっき散々回想したことを、こんなに早く破るわけにはいかないだろう…。
俺としては、これ以上醜態をさらすわけには行かなかったので、話を切り替えるように、許してくれた理由を問う。
「…でも、何で許してくれるんだ?」
「―――ソレハ…イマノハ、フカコウリョク、ナンダロ?」
港湾棲姫さんは、落ち着きなくその真っ白な髪を触りながら、恥ずかしそうに告げる。
そのあまりのいじらしさに、俺は思わず思考が停止してしまう。
…俺の反応、間違ってないよな?間違ってないですよね?
そんな俺に気づいたのか気づかなかったのか、港湾棲姫さんはソレニ、と付け加えて、
「マァ…オマエニハ、イロイロトワルイコト、シテシマッタシ…」
「―――色々悪いことしちゃったのは、むしろ俺の方なんだけどな」
「ウウン、ワルイコトヲシテシマッタノハ、ワタシノミスダ。…ゴメンナサイ、ケイゴ」
本当に申し訳なさそうに俺に向かって謝ってきた。
頭を、しっかりと下げて。75度のお辞儀と共に。
…なんか逆に、俺の方が悪い奴に見えてきたな…。
美少女に先に謝らせてどうすんだよ、俺。
「―――いいや、こっちこそ、ごめん。俺も、もうちょい早く気づいてりゃ、助けられたんだけど、それが出来なかった。だから、本当に、すまん」
俺も、港湾棲姫さんには悪いことをしてしまったと思っているので、しっかり頭を下げて謝る。
…さっきの土下座よりも、こっちのほうが誠心誠意って感じだな、はは。
そんな、互いに頭を下げあった状態が、20秒ほど続く。
俺は先に頭を上げ、港湾棲姫さんのほうに歩み寄ると、手を出した。
「―――………?ナンダ、コノテハ」
それを不思議そうに見つめてくる、港湾棲姫さん。
くりくりした赤い目が、可愛くその手を観察している。
俺は、その視線に多少の羞恥心を覚えながらも、勇気をだして話しかける。
俺が、さっき説いたポリシーを、実践するために。
「―――ほれ、仲直りの握手。…仲たがいなんて別にしてねぇけど、ほら、友達として、っていう意味も込めて、な?」
ちょっと詰まっちゃった。イイハナシダナー…。
はは、ミスミス。俺のポリシーを実践するための必要経費だろ。
―――まぁ、実際超恥ずかしかったんだけどな。
港湾棲姫さんは、俺の言ったことに対して、暫し驚いたような顔をしていたが、すぐにその顔を笑顔に変え、俺の差し出した右手を取った。
「―――ウム、ヨロシクナ、ケイゴ」
「…ああ、よろしく」
深海棲艦と、人間が、お互いを尊重し、認め合う。
そんな、普通ならありえないことが、今この場で、起こっていた。
周りにいた従者たちが、途端わあっと盛り上がる。
テンションのボルテージをMAXにして、喜び踊る。
…でも、俺はまだ、喜べなかった。
まだ、あとひとつ、足らないものが、ある。
あの子抜きで、喜んでいる場合ではない。
俺は、夜の海の一方を、鋭く睨みつける。
港湾棲姫さんが、俺の行動を見て、不思議そうに首を傾げる。
そろそろ、配達されるはずなんだが…。
遅いな…。
俺がいまだに海を睨んでいるのを見て、港湾棲姫さんは焦ったように質問をしてくる。
「…ド、ドウシタノダ?ケイゴ…」
「―――お、来た」
港湾棲姫さんの質問に答える前に、俺は目的の物を発見。
そこに向かって大きく手を振った。
すると向こうも、小さいながら手を振り返す。
お、やっぱり見間違いじゃなかった。
俺は
そこにいたのは、
「―――ケイゴ!」
「おー、来たかほっぽちゃん」
「お待たせしました、渓吾さん」
榛名にしっかりと抱かれた、
やっと来れたことがよほど嬉しいらしく、ほっぽちゃんは俺に向かって精一杯腕を伸ばす。
そして彼女は、榛名の腕をするりと抜けると、俺に抱きついてきた。
「―――ケイゴ、ヒサシブリダ!」
「おう、別に久しぶりって訳でもないけどな」
俺は笑って、その白い髪をなでてやる。
気持ちよさそうに目を細めるほっぽちゃんを見て、猫みたいだな…と思いつつニコニコしていると、
「―――ホ、ホッポ、ナノカ…?」
俺の後をついてきた港湾棲姫さんが、まるで闇に光が差したかのような顔をして、ほっぽちゃんを見ていた。
お、気づいたか…。
俺になでられるがままだったほっぽちゃんも、その視線に気づいて目を丸くする。
…やっぱり、このパーティーには、感動の再会がなきゃな。
面白くねぇ。
「コ、コウワンネーチャン…?」
「ホッポ…」
互いの名前を呼び合い、そこに相手がいることを再確認する。
次の瞬間。
「ホ、ホッポ!アア、ヨカッタ、ヨカッタ…ッ!!」
「ネ、ネーチャン!―――ク、クルシイ…オ、オッパイガジャマ…!」
港湾棲姫さんの方がほっぽちゃんに飛び掛り、ほっぽちゃんをはしっと抱きしめた。
…もっとも、ほっぽちゃんの方は港湾棲姫さんの豊かな胸に挟み込まれて苦しそうだけど。泣く暇もないってか。
―――なんとなく、直視できない。
俺はあらぬ方向を向いて、
しかし、俺が視線を向けた先にいたのは、
「――――渓吾さんって、深海棲艦に弱いですよね…」
絶対零度の目線をたたえた榛名だった。
え、と…俺、なんかしたのか?深海棲艦ばかりに構っちゃったのが悪いのか…?
とりあえず、よく分からない誤解をかけられたことだけはわかったので、俺はそれをとこうと果敢に攻める。
「待て、そいつは誤解だ。俺は、ただ港湾棲姫さんにサプライズを演出しようとしただけであって、別に、深海棲艦だけに構っているわけではないんだ」
「―――知りませんっ」
ぷいっとそっぽを向かれた。全く、取り付く島もない。
…あ、頬膨らませてる。ちょっと可愛い。
「榛名、頼む、話を聞いてくれ」
「知らないったら知りません!…渓吾さんは榛名に対して冷たいです…」
頼みも聞いてくれそうにない。
綺麗な髪で、俺から顔を隠すように、顔を背ける。
やれやれ、どうしたもんかね。…冷たい、か…。
何を言ってやれば、彼女は機嫌を直してくれるんだろう…。
しばらく榛名を観察していると、榛名は欠伸をするように、くあっという声を漏らした。
俺はこれで、何を言って欲しかったのか、察する。
(あ、そういうことか…)
俺はゆっくりと榛名の方に近づくと、その灰色の髪に手をのせ、
「―――ふえ?」
「…すまんな、眠い中、こんなとこまで来てもらって。本当に、ごめんな」
そして、榛名にだけ聞こえるように、小さな声で、耳元で、囁く。
「―――榛名、ありがとう」
「っ!!…榛名は、大丈夫、です…」
榛名は大丈夫と口では言っているが、その声は今にも眠りそうだ。
風邪でもひいたのか、顔が真っ赤だし。海風を浴びすぎたか。夏の海の夜風は予想以上に冷たいし。
これは、俺が運んでやらねばなるまい…。
俺は覚悟を決めると、かろうじて立っている榛名を、ひょいと抱き上げた。
世に言う、『お姫様だっこ』である。
―――こらそこ。うらやましいとかいうな。これは当然の措置だ。必須手順だ。
まぁ、お姫様だっこ自体は前にも山城にしたことあるし、大丈夫だろう。
当然、榛名は驚いたようにこちらを見てくる。
「―――け、渓吾、さん…?」
「悪い、今のお前があまりにも眠そうだったから、つい、な」
俺の理由を聞いて、榛名は気づかれたという風に、恥ずかしそうに顔を隠す。
…じれったくて可愛い…。ああもう、俺は美少女に弱すぎだろう!!
「だからスマン、俺の責任だから、部屋までは責任を持って送り届けるよ」
「………はい…」
俺、考えたら、どこのナンパ男だ…?湘南?
しかし榛名は、こんな俺の無茶振りにも了承してくれたらしく、こくんと頷く。
そして、俺の首に腕を絡めると、俺に身をゆだねてきた。
…これは、俺、しっかり信頼されてるんだな。
俺は、思わず頬を緩める。
―――榛名の信頼勝ち取ったんだから、俺はそれに報いなきゃ。
深海棲艦に別れを告げると、俺は榛名を抱えたまま、
―――腕の中の榛名は、いつの間にか、気持ちよさげに眠りについていた。
★
その後の俺をすこし。
8話と同じリストアップ形式で振り返っていこう。
71.23時07分、神城渓吾、鎮守府に帰還。榛名を抱いた状態だったので、司令官に散々冷やかされる。
↓
72.23時12分、榛名を215号室に送り届ける。姉2人と妹に冷やかされた。俺のせいじゃないし。
↓
73.23時18分、
↓
74.23時25分、いろいろ考えてる途中に就寝。…まぁ、要は寝ちゃっただけ。
↓
75.23時57分、突如たたき起こされ、海の上で拘束される。犯人⇒
↑今ココ…。
俺は、今、人生最大のピンチに立たされている。
祗園に突如拘束されて、能力を使えないようにされた挙句、爆弾を目の前に置かれたのだ。
―――なんか4行でピーンチ。
滋賀…間違えた、死が目の前に迫ってきている。
…あはは、なんか意味不明だ。
もうどうあっても意味不明だ。
―――…仕掛けてた罠を逆に使われてしまったらしい。
まさか、恨みがこれほど強いとは思ってなかったぜ…。はは。
笑えて来るぜ。俺の不甲斐無さに。
―――そろそろ、お別れの時間だ。
じゃーな、俺、ココで死ぬらしい。
皆、13話で打ち切りになっちゃって、ごめんな?
さらばっ!
―――――――――。
爆発した後、破片や血は、ひとつ残らず、海に溶け消えた。
骨のひとかけらも遺さずに。
―――
76.23時59分、爆発四散。俺氏―――死亡。
―――
渓吾「うおおおおおおいっ!!状況があまり説明されないまま俺死んだし!」
作者「20、21話は意味不明な話になるって言ったでしょうが。その事柄が、神城渓吾の死亡だったっていうだけだ」
渓吾「でも、もうちょっと説明してくれたっていいだろ!―――このままじゃ死ねないよ俺!」
作者「私の文章力に問題があるね…すいませんでした、読者の皆様」
渓吾「まずは俺に謝れっての!」
作者「――――(無視)。さーて、次回予告でもしますか」
渓吾「うぉい、無視んな」
作者「22話は単なるプロローグです。8月4日編のスタートですっ!」
渓吾「俺に基本的に優しくないよな、この物語」
作者「23話を鋭意執筆中なので、こうご期待下さい!」
渓吾「とりあえず、俺、なんで死んだの?」
作者「23話あたりで説明するはずだよー」
作者「それではまた、次の話で」