The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】 作:M崎
駄文率が過去最高。
3徹目で目が死に掛かってる。
というわけで、どうも、M崎です。
読みにくいでしょうが、どうぞ…。
中盤、予定外の方角へ話がずれていきましたが…。
※あと、そろそろ更新が出来なくなってきそうです。
次の次の25話を更新するのが、下手したら最後になるかもしれません。
その後の話は不定期連載となる可能性が高いので、そのところはよろしくお願いします。
―――西暦2014年、8月4日(月)。
時刻はまだ朝も早いうちの、午前6時32分。
場所は、鎮守府…第3棟。
その2階の廊下を、1人の少女が歩いていた。
―――否、スキップしていた、といったほうが、正しい表現になる。
よほど嬉しいのだろうか、顔は満面の笑み。
さながら、それは絵画のよう。
朝日を、金髪が反射して、きらりと光る。
―――だが、本人にしては珍しく、顔が上気していたため、そこはかとない色香を放っていたのも事実だが。
(…ま、本人の前でこんなこと言ったら、多分
そんな、町に出たら一躍有名人になりそうな美貌を持つこの
名を、最上型重巡洋艦4番艦、熊野という。
(――――~♪)
彼女は今、すごくご機嫌だった。
気分が高揚していた。
上機嫌の中、謳うように、心で、告げる。
(ああ、神城さん。貴方は
今彼女は、
理由は彼と一緒にいたいという、ただひとつの想いで。
とても不純な理由だが、とても純粋な理由。
つまり、彼女が彼を誘う目的は、1文字、―――恋。2文字だと、恋慕。
そう、彼女
きっかけは知っての通り、
そこで彼女は、典型的な一目惚れをしてしまった。
身を挺して、圧倒的な力で、
彼女は昨日から、
あの凛々しい姿を思い出すだけで、気分がハイになる。
―――もう完全に、恋
その症状に悩まされたまま、彼女は歩く。
実は昨日も、彼をディナーを食べに行かないか誘おうとしたが、彼は既に
ならば
今、彼女は行動力抜群の、可愛い少女であった。
―――さて、ここまで読んでみて、まずは想像してみて欲しい。
ここまで彼女にとって(
あなたが、初めて好きな人とデートをする前、頭の中では何を考えているだろうか?
まさか無心なはずがあるまい。
―――そう、当然、色々考えてしまうのは仕方のないことで。
(――神城さんのお部屋って、どんな感じなんでしょう…きっと素敵な趣味を持っていらっしゃるんでしょうね。
―――とまあこのように、彼女もピンク色妄想炸裂ガールとなっていた。
彼女も年頃の乙女なので、仕方ないといえば仕方ないのだが。
ただ、傍から見れば、かの上品な熊野が、らしくもなく頬を紅潮させて、上機嫌に歩くという、激レアな構図が見られたであろう。
本当に、青葉がいないことが、残念である。
いい感じに妄想を膨らませていたら、
彼女は、ようやく気づいたかのように、思考を一旦停止させる。
(―――とうとう着いてしまいましたわね…。ここは、冷静にいったほうが宜しいのでは…?)
その思考を別の方角にまわしつつ、彼女はどうすれば嫌われずに済むかを徹底して考える。
彼女史上初めてとも言える速さで、頭をめまぐるしく回転させる。
(―――やはり、無難が一番ですわね)
その疑問に3秒でケリをつけると、彼女は深呼吸をする。
すぅー、はぁーと息を2回出し入れすると、意を決したように、彼女は呼び鈴を鳴らした。
パンポン、という間抜けな音が、216号室に鳴り響く。
それと同時に、彼女は身構える。
彼が、ドアから登場するのを、今か今かと待ちわびる。
―――出てこない。
呼び鈴をもう1度鳴らす。パンポン。
―――出てこない。
呼び鈴をもう1度、ゆっくりと鳴らす。パン、ポン。
―――出てこない。
呼び鈴を連打する。パポパポパポパポパポパポパポパポパポパポ―――。
―――だが、30秒待っても、2分待っても、彼は一向に姿を現さない。
それに、彼女は違和感を覚える。
ぐっすり眠っているのかどうかは知らないが、呼び鈴を連打しても出てこないのは妙だ。
彼女も前に1度、鈴谷にされたことがあるからこそ言えることだが、実は寝起きに呼び鈴の連打は、どんな目覚ましよりも堪える。寝覚めは最悪だわ、美容には良くないわ、鈴谷に殺意は湧くわで、その日は散々だった記憶が、まだ彼女の中にはしっかりと残っていた。
だからこそ、異変に気づいたのだ。
「おかしい」と感じた彼女は、まずカギがかかっているかどうかを確かめるために、ドアノブをひねる。
―――回った。やはり、カギはかかっていない。
(―――これは、事件の匂いが致しますわ!)
彼女は、
神戸生まれなのだが、今の彼女はどう見ても
そのまま彼女はドアノブをまわし、するりと部屋の中に潜入する。
そしてぱたん、とドアを閉めて、216号室の捜索に当たった。
…今の彼女の行動は、見ただけなら単なる不法侵入。
血液型
まさか、事件なんて、と笑い飛ばすことも出来ただろう。
―――だが、今回の彼女の予想は、思いもよらぬ不吉な形で的中することになる。
だが少なくとも、今の彼女にはそれを知る由もなかった。
★
西暦2014年、8月4日(月)
時間は熊野の少し後、午前6時36分。…いや、午前6時37分。
場所は鎮守府第3棟、東階段。
ここにも、
深い紅の瞳に、髪飾りのついた真っ直ぐな紺色の髪。
どことなく巫女服を
それはさながら大和撫子のようで、動作の1つとっても洗練されている。
優美な美しさを身に纏い、
名を、扶桑型戦艦1番艦、扶桑といった。
その彼女は、流れるように優美な仕草で肩にかかった髪を払うと、
(―――はぁ…)
いつも以上に蠱惑的で妖艶な、甘味をたたえたため息を、人知れずに吐き出した。
彼女も、ここに来た理由は熊野と同じ、神城渓吾を朝食に誘うため。
彼に対して、一目惚れをしてしまったのも同じ。
大きく違ったのは、
(―――本当に、これでいけるのかしら…)
ピンク妄想ではなく、グレーな心配ごとが頭を占めていたことだろう。
自分がこの格好で行って、嫌われないだろうかという心配ごとが。
(…神城さん、この格好、綺麗といっていただけるかしら?―――ちょっと…自信が、なくなってきましたね…)
元来疑り深い性格なのだろうか、自分の格好や髪型をしきりに確認している。
だが、どれだけやってもどれもしっくり来ない。
私には似合わないのかと、もう1度軽く、ため息をつく。
………まぁ、扶桑レベルの美少女がため息なぞつくと、憂いを帯びた感じで、美少女レベルが2段階ほどアップするのだが。
(はぁ…神城さん、迷惑じゃないのかしら…?)
ため息をつきながら進んでいると、
ついてしまったのだ。
ここまで来ると、彼女も覚悟を決めて、頭から心配事を追い払う。
(―――よし、ここまで来てしまったのだから、もう仕方がありません。…私よりも神城さんのことが大好きな山城には悪いですが、今日こそは私も…!)
ぐっと拳を握って、想い人の部屋の前に立つ姿は、なんとも可愛らしい。
彼女も表面上はお
本当に、愛らしい限りである。
そんな愛らしい彼女は、心臓がバクバク言うのを抑えながら、
そして深呼吸の最後の1回、長く息を吐き終えると、右手の人差し指をゆっくりと呼び鈴に近づけて、それを押す―――
―――ことが出来ずに、部屋の前にへたり込んでしまった。
(ああもうっ!なんでこんなときにへたり込んじゃうのよ私!…ああ、本当に不幸だわ…)
妹の口癖を呟きながら、216号室前の床をダンダンと叩く。
―――日頃淑やかで礼儀正しい彼女を見ている者なら、この光景は確実にレアだ。
いつもは見せないような殺人的な可愛さも、恋する乙女の前には無力なのである。
長い紺色の髪で、顔を隠して恥らったりして、自分の不甲斐無さを悔いる時間が過ぎる。
15秒も経っただろうか。彼女は髪を払い、もう一度立ち上がって、前を見据えた。
(―――ううん、山城のためよ、もう1回行かなきゃ!)
そして首を振って雑念を追い出し、半ば自棄になった感じで呼び鈴を押した。
熊野と同じように、落ち着いたパンポンという音が鳴る。
(…とうとう、鳴らしてしまいました…!大丈夫でしょうか、大丈夫でしょうか…)
心の中は、全く落ち着いていなかったが。
しかし、
『―――――――――っ!!』
鳴らした瞬間聞こえてきたのは、彼女の大好きな
普通なら聞こえるはずのない声。
それを聴いて、まず怪訝になるよりも先に落胆が出てきてしまう。
(…?誰でしょうか、先客でしょうか…)
自分では彼につりあわない、自分では彼と一緒にいることは許されない…と、このタイミングで妹もびっくりの沈み方である。心なし、彼女の周りだけ空気が淀んだようにも見える。
本日2度目の座り込みをした彼女の落胆は、徐々にエスカレートしていく。
ついには、
(―――もう、このまま、私は終わるのかしら…さようなら、神城さん。今まで、楽しかったです…)
この状態まで落ち込んでしまった。今から自殺するのではないか、と錯覚するほどである。
これぞ不幸戦艦、といった感じだ。その名に恥じぬ落ち込みっぷり、まさにその通りである。
そしてそのままのテンションで、彼女は立ち上がり、この場を去ろうとした。
しかし天は、彼女を見捨てなかったようだ。
…彼女が落ち込んだ状態で、部屋から離れるため、立ち上がるときに支えにしたのが、他ならぬ216号室のドアノブだったのである。
これが幸運の始まり。
それを彼女は、偶然ひねってしまい、部屋のドアが開いたのだ。
(―――――…あら?何故、この部屋のドアが開くのでしょうか。彼ならば、絶対そんなことはしないはずなのに…)
当然、疑問に思う。
彼女の知っている
几帳面な性格で、こういったことも真面目にする人だと、彼女は推測していた。
(実際は、9話でドアのカギ閉め忘れて大変なことになったけどね、あいつ。 By 作者)
ただ、何故かカギが開いている。
しかも、驚いたような女の声まで、彼女には聞こえたのだ。
―――これは何か、裏があるに違いない。
彼女は、らしくもなくテンションの高い頭でそう判断する。
まぁ、そう判断した理由には、
そして彼女は、そのドアの向こうの闇に、1歩足を踏み出した。
216号室に入り込んだ彼女は、周囲を最大限確認しながら、壁に沿ってゆっくりと進む。
(――――――静か、ですね…)
電気は当然ついておらず、カーテンでも閉まっているのか、朝日はほとんど入ってこない。そして全くの無音状態で、少しでも音を立てるとすぐに向こうまで響く。
その不気味さが、自分の「冷静」という感情を徐々に奪っていく。
初めての潜入ミッションを、暗い中恐る恐る進める彼女は、内心心臓が弾けそうなくらいにドキドキしていた。
―――そのドキドキのうち6割は、216号室潜入がうまくいくかどうか、つまり緊張のドキドキ。
そして残りの4割は、
こんなところでも乙女モード全開な
―――しょうがないことだとは思うが…。
まあ、朝の潜入ミッションをする上では、その感情は邪魔だ。
彼女は心頭滅却して、邪念を頭から追い出す。
そして預言者モードになった彼女は、気を引き締めて、ゆっくりと、一歩ずつ、奥に向かって進んでゆく。
ジリジリ、ジリジリと。
焦燥感と張り裂けるような緊張に、身を焦がされながら。
それでも、彼を救いたいという、一心で。
念入りに、一心不乱に、歩き続ける。
彼女は極限の集中状態に入ってしまった。
その状態のまま、しばらく奥へと進む。
―――その約20秒後、彼女がたどり着いたのは、曲がり角。
まず部屋の奥へたどり着く上での、第2の関門である(ちなみに第1の関門は玄関)。
そして難しいことに、その曲がり角はT字路ではないため、隠れる場所が反対側にないのである。
彼女が身を隠すためには、通路の途中にある部屋に隠れてやり過ごさないといけない。
が、そのためには、一度完全に姿を晒す必要があるのだ。
―――やるかやらないかの2択。いちかばちか。ある種究極の選択肢。
たが彼女は、全く迷わずに「やる」ほうを選び取った。
やはり、彼女は
そのためには、このくらいの危険(…?)はあって当然だとまで思っていたのだ。
―――本当はすごく緊張しているが、やらなければ彼は救えない。
やるしか、ない。
彼女は悲壮な決意を固めると、そろりと外に姿を現し、足音を立てないように通路を歩く。
この間心臓バクバク言いっぱなしだが、今はそっちに構っている余裕はない。
そして音を立てずに手近な部屋のドアを開けると、そこに飛び込んだ。
―――静かにドアを閉める。
ドアが完全に閉まった後、彼女はふうっとため息をつく。
だが、彼女が次に抱いたのは、危機感でも虫の知らせでも安堵感でもなく、なんとなく出てきた違和感だった。
潜入してからここまで、数々の障害があったが、その間彼女に危害を加えようとした者や、彼女に気づいた者が、誰もいない。
―――そう、何故か、
気味が悪いほど、静寂に包まれているのである。
これをおかしいと思わずして何をおかしいと言うのか。
もし、それに気づかなかったのなら、彼女はここまで来れたことを純粋に喜べていたのかもしれない。
(やはり、私の聞き間違いだったのでしょうか…?)
しかし、ここまで順調に行き過ぎていることに、彼女は逆に疑問を覚える。
自分は、誰かに騙されたのではないかと。
(―――いや、まだ分かりません。慎重に、慎重に…)
だが、それも自分の目で確かめて見なければ分からない。
彼女はそう自分を奮い起こし、前方の確認をするためにドアを細く開けた。
そしてその隙間から
見えた情報を、冷静になった脳の中で、整理する。
(―――見た限りでは誰もいない、ベッドに誰かいる気配もなし…。神城さん、何処に行ったんでしょう)
彼女が確認する情報の中に、人間の気配は
そう、
さらにおかしい。何か、
彼女は、警戒心はそのままに、頭に策をめぐらせる。
そう、彼女が酷い猜疑心の渦に、巻き込まれそうになったそのときである。
―――ウゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥ―――。
サイレンが、
(―――これは、深海棲艦が現れたときのサイレン…!今このタイミングで、出没するのですか…)
彼女はそのあまりのタイミングの悪さに、思わず唇をかみ締める。
もう少しで、彼がいない原因が分かるはずだったのだ。今のサイレンのせいで、思考のすべてが
しかし、このサイレンが鳴った以上、艦娘は全員待機だ。
下手したら、出撃要請があるかもしれないのだ。
ましてや、彼女は戦艦だ。いざとなったら、いつでも出撃できるように用意しておかねばならない。
(―――ああもう、こうしちゃいられない!)
彼女は玉砕覚悟で外に飛び出すと、玄関まで走って戻った。
その途中、後ろを振り向いて寝室の中を見たが、そこには誰もいなかった。
(やっぱり、いませんね)
少しの落胆はやはりあったが、今はサイレンの方が先だ。
先を急ぐ。
途中彼女は、玄関で、見覚えのない金色が輝いているのも発見したが、今この時点ではそんな些細な事に構っている余裕はなく。
彼女はそのまま、
作者「これはこれで、迷走したねー」
渓吾「何を他人事のように。お前の話だろうが、7000文字」
作者「キミの抉り方は一々ピンポイントだね…」
渓吾「知らんわ。お前が駄文作者なのが全面的に悪い」
作者「すいません、読者の皆様…」
作者「次の24話は、結構話を進めてみたいと思います」
渓吾「マジでか」
作者「いやお前死んでるから。別に意味無いから」
渓吾「そうだった…俺は死んでたんだった…」
作者「干渉は出来ないよ、というかさせないよ?」
渓吾「はいはいそーだなそーだな」
作者「それではまた、24話で!!」
渓吾「感想よろしくー」