The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】   作:M崎

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 2話が意味不明な感じで終わってしまいました…。

 自分の文章力のなさを嘆きますよほんと。

 あ、My主人公、神城渓吾(かみしろけいご)は強いです。

 使ってる能力、世界(エレメント)って結構チート気味です。
 
 ただ、手に入れた経緯は転生じゃないので、神様転生のタグは付けなかったのですが…。

 …とにかく、第3話をどうぞ。
 
 今回は3人称に挑戦してみます。…割とすぐに1人称に戻りますが。

 今回は長めでいけたらいいなぁ。


第3話 8月3日の動転中

 

 西暦2014年8月3日(日)。

 

 

 神城渓吾(かみしろけいご)は固まっていた。

 状況が頭脳の処理能力を超えていた。

 冗談でも比喩でもなんでもなく、1歩たりとも動けなくなっていた。

 

 何一言として、言葉を喋れなかった。

 

 まぁ―――、

 

 (おいおいおいおいおいおいおいっ!!)

 

 頭の中はパンクしかかってて、大音量で喚き散らしていたが。

 

 でも、彼の行動は間違いではない。

 なぜなら彼は、今日この日、(ジジイの口車に乗せられて(ゴリ押しで))2週間の「鎮守府合宿」なるものに参加し、

 

 捕獲されて失神しかかったため、ドアを破壊して出てきたのである。

 

 ―――うん、ちょっと意味が分からないと思うが、それはひとつ前の話を見れば分かる。1話、2話も話を理解したいのならしっかり見てください。

 

 ともかく、自分は合宿をしに来たのに、これは客に対する仕打ちか?そいつはおかしいだろジジイ、という意味合いを込めて、彼は閉じ込められていた部屋のドアを、能力(レイン・ランス)を使って全力で破壊したのである。

 

 するとどうだ、彼の周りには、

 

 

 

 世に言う美少女と呼ばれる人々が、150人ほど集結しているではないか。

 

 

 

 話が突拍子過ぎるのだ。

 だいぶ異常(イレギュラー)な状況である。

 

 こんな意味不明な状況の中で、

 (やったぜ俺は理想郷(ユートピア)の中にもぐりこんだぜヒャッハー俺マジで死ねるわもうここで死んでいい?) 

 と考える本能に忠実な神城渓吾がもちろん存在するわけもなく、ヘタレで女子に弱くて、さらに現在思考がオーバーヒートしている神城渓吾は、

 

 (どどどどどどどどどどどうすんだよこの状況ぅ!!視線が怖えぇぇぇぇぇ!!)

 

 未知の世界に突如放り込まれてそんなことしか考えていなかった。

 ―――ここまでは当然の反応だろう。誰だってこんな特異な中に飛び込まされたらこんな感じの反応をとるはずだ。

 

 だが、残念なことに、彼は「冷静」ではなかった。半周どころか1周まわって緊張の嵐の中にいたのだ。

 

 故に彼は、この状況を打破する方法を考え付くことはなかった。

 見事なまでに残念な、彼の頭であった。

 

 しかし彼は気づかない。

 

 目の前の美少女たちの目線は、怪訝な目線から好奇、期待の目線(まなざし)に変わってきている事を。

 彼のことを、興味津々な視線で、見つめていることを。

 

 彼は気づかない。

 

 今、この場にいる美少女らは、彼がドアを壊して出てきたことに対して驚いているわけではないことを。

 彼が、()()()()()()()()()()()に驚いている、ということに。

 

 しかし、彼は全く気づかない。

 

 この状況が、彼に更なる火種を呼ぶことになるのだが、今は知る由もなかった。

 

 

 

                         ★

 

 

 

 (渓吾視点)

 

 

 (どどどどどどどどどどどうすんだよこの状況ぅ!!視線が怖えぇぇぇぇぇ!!)

 

 俺はかつてないほどの崖っぷちに立たされていた。

 どうしよう、マジでどうしよう!!ああもう何故こうなった!?

 

 今の俺には、世界最大の疑問が、束になってかかってきている。

 この、意味不明な状況で、俺の頭に浮かんだ疑問。

 

 それは、『初対面の美少女に嫌われないためにはどうすればよいのか』というもの!

 

 今まで16年生きてきて、こんなわけ分からん状況に立ち会ったことがないから対処法が分からん!!

 あああああー…どうすりゃいいんだよーっ!!!俺はここで、何をしたらいいんだー!?

 

 俺は()()で身悶える。

 …ポーカーフェイスが保てるわけもなく、ばたばたと歩き回る。

 

 とりあえず、今は何をしてるんだ!?セレモニーかなんかか!?

 でも、周りには何もかかれてない!本当にこれは何なんだよ!!?

 

 駄目だ、頭が今の状況についていけん!頭からシュウシュウ音が出てるよ!!

 誰か助けて!どうかお助けを!(Please, help me!)

 

 俺は助けを求めて右を見ると、司会役だろうか、自分と同じ高さにいる女子と目が合った。

 ロングヘアーで眼鏡をかけていて、正直言って可愛い。十二分に美少女と呼べる女子だ。

 というか、これが艦娘か。こんな可愛い子ばっかりなのか、艦娘って。提督業に驀進(ばくしん)する奴の気持ちがちょっとは分かるなぁ。

 

 ただ彼女は、俺の劇的な登場に対して、思考停止しているらしい。

 持っていたらしいマイクも放り出して、文字通り放心状態。

 口をぱくぱくとさせながら、身動きが全く取れていない。

 

 そんな彼女を見た瞬間である。

 

 (―――マジか…俺は………)

 

 俺の脳は、強制的に覚醒してしまった。

 俺が、この子を困らせてしまったと、本能的に感じてしまった。

 

 ―――俺は、()()、人を困らせてしまった。

 また、放心状態にさせてしまった。

 ならば、

 

 (俺が助けるしかあるまい?)

 

 そう、俺が助ける。

 当事者が助けるのは当然のことよ。真面目に考えて、常識をわきまえない奴など、片腹痛し!

 

 そう結論付けると、俺は彼女の方に、ゆっくりと歩み寄り始めた。

 1歩ずつゆっくりと、しかしはっきりと。

 

 そのときの俺の中は、『助けなければ』という漠然とした正義感のみが、たゆたっていた。

 ―――なんて言えば聞こえはいいんだが、実際はただ単にほっとけなくて動いただけだ。

 俗に言う「おせっかい」と呼ばれるもの。

 

 多分迷惑だと思う。

 

 彼女が俺を肯定的に捉えるか、それとも否定的に捉えるか、今の状況から見れば、確率は2分の1。百分率だと50%だ。

 酷ければ評価が最悪にまで堕ちてしまうかもしれない。

 けれども、百万が一、評価が最高ランクにまで上がるかもしれない。

 ああー、確率高いけど相当な賭けだな…。

 

 どうか許してくれよシニョリーナ、と切に願いながら、俺は彼女の落としたマイクを拾った。

 ―――うん、当然の如く無反応。酷い。俺泣いちゃうよ?

 いや、突然俺がこっちに向かってきて、驚いているだけか。

 …安心させなきゃな。俺、そんな笑顔は得意じゃないんだけど…。

 

 まぁ、しないことには話は動かないので、俺は精一杯安心させるために笑顔を作り、一言告げた。

 出来る限りの、優しげな声で。

 

 「すまん、ちょっと借りるぞ」

 

 これでようやく彼女も心を取り戻したらしい。

 

 「………っ!………い、いえ。大丈夫です。ご心配をおかけしてすいません」

 

 見た目の理知的なイメージ通り、取り乱したことをきっちりと謝ってきた。

 よし、良かった良かった。

 

 「それならいいや。んじゃ、遠慮なく使わせて貰うぜ」

 

 了承も頂けたので、ありがたく使わせていただくことにしよう。

 俺はマイクを持ち、正面、たくさん人がいる方角を向く。

 

 うおー…観衆多いなー…。全員美少女だから、プレッシャーも凄いわ。

 

 でも、不思議と、緊張はしない。

 今なら何でも出来る、そんな感じがする。

 さぁて、場は整った。

 

 あとは、俺がこの場で何を言うか、今ここで考えるだけだ。

 当然、今まで奇想天外な事態が起こりまくってたので、考えている余裕は今までの俺にはない。

 つまり、今の俺だけで考えるしかないのだ。

 

 うーん、まず、一言目に何を喋ろうか。

 

 無難に名前でも言うか?

 でもそれじゃ面白くない。

 なんでこんなところで普通に喋らなきゃならんのじゃ。そんなんおかしいだろうが。

 

 じゃぁ、いきなり「愛してるぜお前らーっ!!!!」って叫ぶか?

 

 それだとドン引きされて、ここからの2週間を、俺は肩身の狭い思いで過ごす羽目になる。

 それはすげぇイヤだし、ジジイの言ってた「異性に慣れる」という目的が達成されない。

 

 つまりどっちも駄目、ダブル駄目。

 

 ならばどうするか。

 …そろそろ考えてる時間がなくなってきたけど…。

 本当にどうしようか。

 

 極限の中、俺は1つ、打破する方法に、思い当たる言葉があった。

 そういえば、俺の親友が言っていたな。

 

 『Impactって、女子と仲良くなるためには割りと重要な条件なんだぜ、覚えとけよ、親友♪』

 

 …思い出しただけなのに、ちと腹立ってきたな。合宿の後であいつ1回殴っとこう。

 

 まあでも、今は助かったぜ親友。

 この状況を打破するためには、コレが一番だ。

 

 言うべきことを見つけた俺は、周りにある空気を肺に吸い込めるだけ吸い込む。

 そしてマイクに向かって、ありったけの声で叫んだ。

 

 「俺は、ここに強制的に来ることになった、哀れな人間だ!!!!!」

 

 キイィィィィィィィィィィィィィン…―――――

 

 …おもいっきりハウリングかましてしまった。耳が死んじまうよ。

 マジすんませんでした。

 

 俺は耳を押さえながら謝る。

 

 「…今のはすまない。全面的に俺の責任、文句は後でいくらでも聞かせていただきます」

 

 そして土下座。ローマ字にすると、DO☆GE☆ZA。…全然かっこよくないな。

 

 すると、全員で耳を押さえていたらしい正面側から、ざわざわという声が聞こえてきた。

 それは肯定とも、否定ともとれて。

 土下座にインパクトを感じたのか、はたまた俺に失望したからなのか。

 

 不安は尽きない。

 

 が、もう構うもんか。ここまで来たら後には退けねぇ。

 覚悟を決めた俺は、もう一度すっくと立ち上がる。

 ……一瞬ビビりかけたが、俺は意を決して、もう一度マイクに向かって叫ぶ。

 もちろん、声のボリュームは調整致しましたわよ?

 

 「改めて自己紹介させてもらう、俺の名は神城渓吾!高校2年生、年は16!」

 

 俺の捨て身の自己紹介に、ざわざわが徐々にフェードアウトしていく。

 まだまだ弱いが、確かに、俺の話を聞こうという態度が見られる。

 よし、これでいい。畳み掛けるぞ…!

 

 俺は少し声のボリュームを上げて、最後の一言を、叫ぶ。

 

 「誕生日は8月11日、この合宿中で迎えることになる!今日から2週間、よろしく頼む!!」

 

 そして、頭を思いっきり下げた。

 すがすがしいまでの90度の礼。

 合宿に参加します、という意味を込めた、言葉と礼。

 

 これで、俺はもう合宿参加決定だ。

 後戻りはもう効かない。ドタキャンは許されない。

 

 でも、俺はむしろ清々していた。

 これでいいんだと、俺の心が告げていた。

 だから、今はもうこれでいい。

 

 あとは、

 

 (っしゃぁ!!やってやろうじゃないか、日本海軍!!…かかって、来いや!!!)

 

 与えられた貴重な貴重な2週間を、全力で楽しみきるだけだ!!

 みんな、今日から2週間、よろしくぅ!!

 

 

 

                        ★

 

 

 

 『誕生日は8月11日、この合宿中で迎えることになる!今日から2週間、よろしく頼む!!』

 

 神城渓吾(かみしろけいご)とやらの声が、静寂が支配する講堂に響き渡る。

 

 何故だろう。

 私は、なぜ、神城渓吾(この男)に、ここまで興味を示しているのだろう。

 何故―――。

 

 

 思えば私のこのところの日常は、退屈の2文字に過ぎた。

 

 資材を調達して、遠征に行って、訓練を受けて、入渠して。

 単調な日々が続いていた。

 変わり映えのない、面白みのない日常が、過ぎていた。

 

 ―――いつしか私は、そんな日々に、嫌気が差していたのかもしれない。

 

 だから今日、8月3日、全艦娘に集合がかけられたとき、私は少し…わくわくしていた。

 何か、珍しいことがあるのだろうかと、久しぶりに気分があがっていた。

 講堂に整列したときも、心の(たかぶ)りは止まらなかった。

 

 しかし、期待に反して、始まったのは大元帥の退屈なスピーチ。

 

 私は落胆した。

 本気で帰ろうかと思った。

 

 もう聞き飽きた綺麗事の羅列。 

 裏が見え隠れする大元帥の笑顔。

 

 前の会合と、何一つ変わりはない。

 私は少し怒り、そして徐々に諦観を滲ませていた。

 

 私の淡い期待は何時だって報われない。

 私は、いつも、損ばかり。

 

 世界は、こんなにも綺麗なのに。

 

 思わず、涙が零れそうになったそのとき、

 

 

 

 ドゴオォォォォォォォォォォオォォン!!!

 

 

 

 突如、ステージ裏の壁が、音を立てて崩れた。

 ―――時が、止まる。

 私の頭は、突拍子のない事態についていけず、ただ右往左往するばかり。

 

 いったい何が起こったんだろう。

 何が、見えるのだろう。

 

 そう思ってふと前を見ると、そこには、

 

 

 「………………は?」

 

 

 この上なく間抜けな顔をした1人の少年が、土煙と()をもって立っていた。

 

 …そうは言うが、多分私たちも彼と同じ顔をしていたはずだ。彼を悪くは言えない。

 

 その少年は、暫し呆然としていた。状況に全くついていけていないのは彼も同じらしい。

 少しすると、彼はおもむろに、左手の槍をゆっくりと動かし、

 

 

 そしてあろうことか、私たちの目の前で、あの蒼い槍を、消した。

 

 

 跡形もなく、忽然と、綺麗さっぱり。

 まるで、最初から、そんな槍などなかったかのように。

 

 私はそれを見て、すぐに確信した。

 

 ああ、あの人なら、私の退屈な日常を壊してくれる。

 あの人なら、私の知らない世界を見せてくれる。

 あの人なら、きっと…。

 

 

 

                   ★

 

 

 同時刻、鎮守府前。

 

 

 「01から07へ。ターゲットは姿を現したか」

 

 『07から01へ。未だ、姿は確認できません』

 

 「01から07へ。了解、引き続き調査を続行」

 

 『07から01へ。了解』

 

 通信が切れる。

 

 01、と呼ばれた人物は、鎮守府の前方700メートルから、来るときが来るのを待っていた。

 

 彼が依頼主(クライアント)から託された依頼はただ1つ。

 

 

 神城渓吾の抹殺。

 

 

 その依頼を遂行して、大金を得るためだけにここに存在している。

 そのために、ここで待っている。

 

 その目的のために、予め内部にはスパイとして07を入れている。

 さらに、この付近を少し造り変えておいたのも、計算のうち。

 目的を達するためなら、どんな手段も()()も厭わない。

 

 すべては今日、8月3日のためだけに。

 

 静かに目を閉じる。

 それから3分後、彼の元に合図がやってきた。

 

 『07から01へ。ターゲットが姿を現しました』

 

 「01から07へ。了解、これより作戦を開始する」

 

 『07から01へ。了解』

 

 一度通信を切る。

 

 そして01は、別の場所に通信をつないだ。

 

 「01から02へ。もしもし、聞こえますか」

 

 『02から01へ。感度良好、異常なし』

 

 「01から02へ。これより作戦を開始する。事前に決めたルートどおりに05と06を誘導し、ターゲットをすばやく抹殺、そして撤収を」

 

 『02から01へ。了解、これより作戦を開始する』

 

 「01から02へ。了解、ご武運を」

 

 通信が切れる。

 

 静かになったこの場所で、01は静かにほくそえむ。

 

 

 

 「―――さあ、宴の始まりだ。覚悟しろ、神城渓吾」

 

 

 

 ―――神城渓吾(イレギュラー)に、やたらと面倒な試練が、早速降りかかる―――。

 

 

 

 

 

 




 渓吾「早速安直なフラグ立てやがったなテメェ。俺の面倒ごとを増やす気か?」
 作者「それでこそ主人公でしょうに。何事にもイヴェントはつきものなんだよ」
 渓吾「―――俺は、面倒ごとは嫌いなんだけどなぁ」
 作者「そうは言われてもねぇ」
 渓吾「………うん、もういいや。諦めた」
 作者「よーし、じゃぁ早速4話を面倒な方向に修正して…!」
 渓吾「おい待てコラ」

 作者「さて、次回予告でも」
 渓吾「次は、どうなるんだっけか」
 作者「確か、襲撃―――」
 渓吾「おい、そんなことするんならバックレるぞ俺」
 作者「―――の前の、会話だったかな、うん」
 渓吾「おお、そうか。じゃーいいや。良かったぜ」
 作者「………(最初手錠つきで登場するんだけどな…)」

 作者「…そっ、それでは、また4話で」
 渓吾「感想もよろしくな」
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